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公開番号
2025075330
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-15
出願番号
2023186407
出願日
2023-10-31
発明の名称
石積護岸工補修工法及び注入ノズル
出願人
九州防災メンテナンス株式会社
代理人
個人
主分類
E02B
3/04 20060101AFI20250508BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約
【課題】前面に洞孔状に開口した石積護岸工において、安全に補修作業を行うことのできる補修工法の提供。
【解決手段】メッシュ素材の袋嚢袋口から、注入ホースの先端を袋内に挿入し、注入ホースが差し込まれた袋口を弾性紐により絞窄し、補修すべき石積護岸工の積石欠損箇所の洞孔口に袋嚢を置いた状態で、注入ホースを介し、セメントを含むグラウトを袋内へ注入し、充填後に注入ホースを引き抜きグラウト充填袋嚢を形成し、グラウト充填袋嚢を洞孔口に設置することを繰り返すことで、洞孔口にグラウト充填袋嚢を積み上げて洞孔口を閉塞する第一工程と、閉塞された積石欠損箇所の上部隙間から、グラウト注入管を洞孔内に挿入設置する第二工程と、グラウト注入管からグラウトを注入し、積石欠損箇所の洞孔内を充填する第三工程を備えた。
【選択図】図9
特許請求の範囲
【請求項1】
水岸に於ける護岸として構築された石積護岸工において、積石の欠損により破損した箇所を補修する石積護岸工補修工法であって、
(1)メッシュ素材で構成された袋嚢の袋口から、セメント注入用の注入ホースの先端を袋内に挿入するとともに、前記注入ホースの先端が差し込まれた袋口を弾性紐により絞窄した状態とし、
補修すべき石積護岸工の積石欠損箇所の洞孔口に前記袋嚢を置いた状態で、前記注入ホースを介して、セメントを含むグラウトを袋内へ注入し、袋内にグラウトを充填した後に前記注入ホースを袋嚢の袋口から引き抜きグラウトを充填した前記袋嚢(以下「グラウト充填袋嚢」という。)を形成し、該グラウト充填袋嚢を洞孔口に設置することを繰り返すことで、洞孔口に一乃至複数の該グラウト充填袋嚢を積み上げて洞孔口を閉塞する第一工程と、
(2)前記グラウト充填袋嚢により閉塞された前記積石欠損箇所の洞孔口の上部の隙間から、グラウト注入用の可撓性の注入管(以下「グラウト注入管」という。)を洞孔内に挿入して設置する第二工程と、
(3)前記グラウト注入管からセメントを含むグラウトを注入し、前記積石欠損箇所の洞孔内を充填する第三工程と、
を備えたことを特徴とする石積護岸工補修工法。
続きを表示(約 850 文字)
【請求項2】
前記グラウトは、水中不分離性セメントを含むものであることを特徴とする請求項1記載の石積護岸工補修工法。
【請求項3】
セメント注入用の前記注入ホースの先端には、注入ノズルが取り付けられており、前記注入ノズルは、管状の吐出管と、前記吐出管の外周壁に凸環状に設けられたストッパ部とを備えており、
前記第一工程において袋嚢の袋内にグラウトを充填する際に、注入ノズルの先端からストッパ部までを、袋口の弾性紐により絞窄された部位よりも袋内側に差し込んだ状態でグラウトの注入を行うことを特徴とする、請求項1又は2記載の石積護岸工補修工法。
【請求項4】
前記注入ホースの中間部位の複数箇所に浮子を設けたことを特徴とする、請求項1又は2記載の石積護岸工補修工法。
【請求項5】
セメント注入用の前記注入ホースの先端には、注入ノズルが取り付けられており、
前記注入ノズルは、
管状の吐出管と、
前記吐出管に設けられ、水よりも比重の小さい素材により構成された吐出管浮揚材と
を備えていることを特徴とする、請求項1又は2記載の石積護岸工補修工法。
【請求項6】
前記注入ホースを介して前記袋嚢へ注入する前記グラウトは、
海水を混合して調整したモルタル又はセメントペーストであること
を特徴とする、請求項1又は2記載の石積護岸工補修工法。
【請求項7】
海岸,河岸,湖沼岸等の水辺の護岸として構築された石積護岸工において、積石の欠損により破損した箇所を補修する際に使用される注入ノズルであって、
管状の吐出管と、前記吐出管に設けられ、水よりも比重の小さい素材により構成された吐出管浮揚材とを備えていることを特徴とする、注入ノズル。
【請求項8】
前記吐出管の外周壁に凸環状に設けられたストッパ部とを備えたことを特徴とする、請求項7記載の注入ノズル。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
海岸,河川,湖岸等の水岸に於ける護岸工として構築された石積護岸工の補修技術に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
水岸に於ける「護岸工」は、水流や波浪による浸食破壊を防ぐために、水岸付近の地盤の表面や擁壁の法面(のりめん)を覆って保護する構造物である。尚、本明細書において「水岸」とは、陸地が水と接する所をいい、海岸,河岸,湖沼岸,池岸等はもとより、堤防,堰堤に於ける水際周辺部分も含むものとする。
【0003】
護岸工は、コンクリート擁壁で形成されたものが多いが、古くからある護岸や景観,環境を重視した護岸では、石又はコンクリートブロックを積み上げた石積擁壁により形成された護岸工である「石積護岸工」も多く見られる。尚、全国防災境界編「災害復旧工事の設計要領」(非特許文献2)によれば、勾配が1割未満の急なものを「石積み(いしづみ)」、勾配が1割以上の緩やかなものを「石張り(いしばり)」と呼んで区別しているが、本明細書では両者をまとめて「石積(いしづみ)」と呼ぶ。
【0004】
石積護岸工は、波浪や水流等による裏込め材の流出、高潮・増水等の水位上昇時の護岸背後の地下水面上昇、護岸背後利用条件の変化に伴う当所設計を上回る上載荷重の載荷、地震,大雨,台風等の一時的外力の載荷、塩分作用による腐蝕・劣化などの変状要因によって、石積部の変状(当初の状態から変化した状態。欠陥,劣化,損傷を含む。)が発生する。具体的には、石積工の目地の開き,ゆるみ,裏込材の吸出し,石材の脱落・移動・欠損,罅割れ,護岸のはらみ出し,背後地盤の空洞化,背後陷沒上部工開き,石積工の崩壊などである(非特許文献1参照)。そのため、斯かる石積工の変状が発生した場合には石積護岸工の補修(メンテナンス)が必要となる。
【0005】
石積護岸工の補修技術に関する公知技術としては、特許文献1,2に記載のものが挙げられる。
【0006】
特許文献1記載の石積護岸工の補修技術は、河川に設けられた堰堤などの表面石張構造物の漏水を補修する補修工法に関するものである。この補修工法では、河川に設置された堰堤(10)が、経年劣化等により内部空隙(クラックや張石背面の隙間)(17)が出来て、そこを通り道として漏水を起こしているような変状ケースを想定している(仝文献明細書〔0013〕-〔0031〕,図1,図4参照)。この補修工法は次の通りである。
【0007】
(工程1) まず、堰堤(10)を抜水した状態とし、張石(13)と張石(13)の間の目地を埋める目地モルタルを除去する。
(工程2) 次に、堰堤(10)の張石(13)間に存在する隙間孔(自然孔)(14)に、軟質又は可撓性を有する材料からなる注入管(30)を挿入する。
(工程3) 次に、挿入した注入管(30)を通じて水硬性の充填材(セメントスラリー)Sを堰堤(10)の内部空隙へ注入し充填する。
(工程4) 最後に、張石間の隙間孔(14)に挿入した各注入管(30)を引き抜いて撤去するし、注入管(30)の引き抜き作業が完了すると、そこに、目地モルタルを充填して目地埋めする。
【0008】
特許文献2記載の石積護岸工の補修技術は、河岸敷き詰められた栗石と河岸表面との間の隙間がコンクリートにより隙間固定がなされた河川の護岸に於いて、水漏れ防止構造を補修する補修工法に関するものである。この補修工法では、劣化又は振動、流圧により隙間固定として設けられたコンクリート(9)が破損(仝文献の記述から、間詰めコンクリートの罅割れ若しくは空洞が生じていると推定される。)し、水の逃漏が発生しているような変状ケースを想定している(仝文献明細書〔0005〕-〔0009〕,図1,図2参照)。この補修工法は次の通りである(仝文献図2参照)。
【0009】
(工程1) まず、破損個所(H)の間詰めコンクリート(9)を取り除く。
(工程2) 次に、ワイヤブラシで栗石(8)の破損個所の汚れを取り除く。
(工程3) 次に、該破損個所(H)に水中接着テープ(4)を詰め込む。
(工程4) 最後に、隙間に変性シリコン接着剤(2)を押出し注入する。
【0010】
また、石積護岸工ではないが、地上に設置された石積擁壁工の補強・補修技術としては、特許文献3~6に記載のものが公知である。
(【0011】以降は省略されています)
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