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公開番号2025076904
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-16
出願番号2023188856
出願日2023-11-02
発明の名称NV検知で濾液量を変化させる電着塗料回収システム
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C25D 13/00 20060101AFI20250509BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】電着塗装後の回収系の水洗工程において水洗槽のNV値を一定の値に制御する。
【解決手段】本開示に係る電着塗料回収システム1は、被塗装物に電着塗装を行う電着槽10と、電着塗装後の被塗装物を水洗し、被塗装物に余分に付着した電着塗料を回収する複数の水洗槽21~23と、電着槽10内の電着塗料を濾過し、複数の水洗槽21~23の最終段の水洗槽23に濾液を供給する膜濾過装置40と、膜濾過装置40から最終段の水洗槽23に供給される濾液の流量を制御する流量制御装置50と、複数の水洗槽21~23のうちのいずれかの水洗槽に設置され、当該水洗槽内の水洗水の密度を検出する密度センサ70とを備える。流量制御装置50は、水洗水の密度の値に基づいて密度センサ70が設置されている水洗槽内の水洗水のNV値を推定し、推定したNV値に基づいて濾液の流量を制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被塗装物に電着塗装を行う電着槽と、
電着塗装後の前記被塗装物を水洗し、前記被塗装物に余分に付着した電着塗料を回収する複数の水洗槽と、
前記電着槽内の電着塗料を濾過し、前記複数の水洗槽の最終段の水洗槽に濾液を供給する膜濾過装置と、
前記膜濾過装置から前記最終段の水洗槽に供給される前記濾液の流量を制御する流量制御装置と、
前記複数の水洗槽のうちのいずれかの水洗槽に設置され、当該水洗槽内の水洗水の密度を検出する密度センサと
を備え、
前記流量制御装置は、前記水洗水の密度の値に基づいて前記密度センサが設置されている前記水洗槽内の水洗水のNV値を推定し、推定した前記NV値に基づいて前記濾液の流量を制御する、電着塗料回収システム。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
請求項1に記載の電着塗料回収システムにおいて、
前記流量制御装置は、前記NV値が設定のNV値に近づくように前記濾液の流量を制御する、電着塗料回収システム。
【請求項3】
請求項2に記載の電着塗料回収システムにおいて、
前記流量制御装置は、前記NV値と前記設定のNV値との差分が前記設定のNV値に対して所定の割合以上ずれると、前記濾液の流量をPID制御によってフィードバック制御して増減させる、電着塗料回収システム。
【請求項4】
請求項1に記載の電着塗料回収システムにおいて、
前記流量制御装置は、
予め測定された測定データに基づいて作成された前記水洗水の密度と前記NV値との関係を表す関数を格納しており、
前記関数を参照して、前記水洗水の密度の値に基づいて前記NV値を推定する、電着塗料回収システム。
【請求項5】
請求項4に記載の電着塗料回収システムにおいて、
前記関数は1次関数である、電着塗料回収システム。
【請求項6】
請求項1に記載の電着塗料回収システムにおいて、
前記密度センサは、前記最終段の水洗槽に設置されている、電着塗料回収システム。
【請求項7】
請求項1に記載の電着塗料回収システムにおいて、
前記複数の水洗槽が、少なくとも1つのディップ槽を含む場合、
前記密度センサは、前記少なくとも1つのディップ槽のうちの最終段のディップ槽に設置されている、電着塗料回収システム。
【請求項8】
請求項1に記載の電着塗料回収システムにおいて、
前記膜濾過装置は、限外濾過膜又は精密濾過膜を備える、電着塗料回収システム。
【請求項9】
請求項1に記載の電着塗料回収システムにおいて、
前記膜濾過装置は、限外濾過膜を備える、電着塗料回収システム。
【請求項10】
請求項1に記載の電着塗料回収システムにおいて、
前記密度センサは、振動式の密度センサである、電着塗料回収システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、NV検知で濾液量を変化させる電着塗料回収システムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、自動車ボディなどのような被塗装物を塗装する技術として、電着塗装が広く用いられている。
【0003】
通常、電着槽の後段に水洗槽が設置され、水洗槽において被塗装物から余分な電着塗料を洗い落とす水洗工程が行われる。水洗工程は、電着塗料を回収する回収系の水洗工程と、電着塗料を回収しない非回収系の水洗工程とを順に行う場合が多い。例えば特許文献1は、回収系の水洗工程を行う第1の水洗系と、非回収系の水洗工程を行う第2の水洗系とを有する電着塗装装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2002-235195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
回収系の水洗工程においては、水洗槽のNV値を一定の値に制御することが望ましい。ここで、NV値とは、対象液を加熱して揮発成分を蒸発させたときの残分を質量百分率で表したものであり、下記の式で定義される値である。NV値は、「加熱残分」とも称される。
NV=(対象物の加熱後の残分質量)/(対象液の加熱前の質量)×100
【0006】
回収系の水洗工程において、変動する水洗槽のNV値を一定の低い値に制御できると、電着塗料の回収率を向上させることができる。また、水洗槽のNV値を一定の値に制御できると、電着塗料の二次ダレを低減し塗装品質を向上させることができる。
【0007】
しかしながら、水洗槽のNV値の測定には通常長い時間がかかる。例えば、水洗槽の水洗水をサンプリングしてNV値を測定すると、1~3時間程度の時間がかかる。そのため、水洗槽のNV値を測定し、測定した水洗槽のNV値に基づいて、リアルタイムで濾液量を変動させて水洗槽のNV値を一定の値に制御することは困難である。
【0008】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、電着塗装後の回収系の水洗工程において水洗槽のNV値を一定の値に制御することを可能とする電着塗料回収システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
被塗装物に電着塗装を行う電着槽と、
電着塗装後の前記被塗装物を水洗し、前記被塗装物に余分に付着した電着塗料を回収する複数の水洗槽と、
前記電着槽内の電着塗料を濾過し、前記複数の水洗槽の最終段の水洗槽に濾液を供給する膜濾過装置と、
前記膜濾過装置から前記最終段の水洗槽に供給される前記濾液の流量を制御する流量制御装置と、
前記複数の水洗槽のうちのいずれかの水洗槽に設置され、当該水洗槽内の水洗水の密度を検出する密度センサと
を備え、
前記流量制御装置は、前記水洗水の密度の値に基づいて前記密度センサが設置されている前記水洗槽内の水洗水のNV値を推定し、推定した前記NV値に基づいて前記濾液の流量を制御する、電着塗料回収システム。
[2]
[1]に記載の電着塗料回収システムにおいて、
前記流量制御装置は、前記NV値が設定のNV値に近づくように前記濾液の流量を制御する、電着塗料回収システム。
[3]
[1]又は[2]に記載の電着塗料回収システムにおいて、
前記流量制御装置は、前記NV値と前記設定のNV値との差分が前記設定のNV値に対して所定の割合以上ずれると、前記濾液の流量をPID制御によってフィードバック制御して増減させる、電着塗料回収システム。
[4]
[1]から[3]のいずれかに記載の電着塗料回収システムにおいて、
前記流量制御装置は、
予め測定された測定データに基づいて作成された前記水洗水の密度と前記NV値との関係を表す関数を格納しており、
前記関数を参照して、前記水洗水の密度の値に基づいて前記NV値を推定する、電着塗料回収システム。
[5]
[1]から[4]のいずれかに記載の電着塗料回収システムにおいて、
前記関数は1次関数である、電着塗料回収システム。
[6]
[1]から[5]のいずれかに記載の電着塗料回収システムにおいて、
前記密度センサは、前記最終段の水洗槽に設置されている、電着塗料回収システム。
[7]
[1]から[6]のいずれかに記載の電着塗料回収システムにおいて、
前記複数の水洗槽が、少なくとも1つのディップ槽を含む場合、
前記密度センサは、前記少なくとも1つのディップ槽のうちの最終段のディップ槽に設置されている、電着塗料回収システム。
[8]
[1]から[7]のいずれかに記載の電着塗料回収システムにおいて、
前記膜濾過装置は、限外濾過膜又は精密濾過膜を備える、電着塗料回収システム。
[9]
[1]から[8]のいずれかに記載の電着塗料回収システムにおいて、
前記膜濾過装置は、限外濾過膜を備える、電着塗料回収システム。
[10]
[1]から[9]のいずれかに記載の電着塗料回収システムにおいて、
前記密度センサは、振動式の密度センサである、電着塗料回収システム。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る電着塗料回収システムによれば、電着塗装後の回収系の水洗工程において水洗槽のNV値を一定の値に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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