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公開番号2025078528
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-20
出願番号2023191157
出願日2023-11-08
発明の名称光学ガラス
出願人株式会社オハラ
代理人個人,個人,個人
主分類C03C 3/068 20060101AFI20250513BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】光学ガラスとして求められる可視域の光線透過率を有し、かつ、放射線の照射を受けた場合でも、可視域の光線透過率の低下が少ない光学ガラスを得ること。
【解決手段】酸化物基準の質量%で、SiO2成分を0~35%、GeO2成分を0~15%、B2O3成分を0~12%、P2O5成分を0~35%、Nb2O5成分を5~60%、TiO2成分を0~35%、Ta2O5成分を0~10%、WO3成分を0~8%、Bi2O3成分を0~5%、ZrO2成分を0~10%、La2O3+Y2O3+Gd2O3成分を0~45%、Sb2O3成分を0~1%、Rn2O成分を0~25%(但し、RnはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上)含有し、吸収線量が100kradとなるようにコバルト60ガンマ線の照射を受けたとき、その照射前後の、450nm、550nmでの透過率低下が30%以下である光学ガラス。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
酸化物基準の質量%で、
SiO

成分を0~35%、
GeO

成分を0~15%、




成分を0~12%、




成分を0~35%、
Nb



成分を5~60%、
TiO

成分を0~35%、
Ta



成分を0~10%、
WO

成分を0~8%、
Bi



成分を0~5%、
ZrO

成分を0~10%、
La



+Y



+Gd



成分を0~45%、
Sb



成分を0~1%、
Rn

O成分を0~25%(但し、RnはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上。)、RO成分を0~30%(但し、Rは、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれる1種以上。)、および上記各金属元素の1種または2種以上の酸化物の一部または全部と置換したフッ化物のフッ素(F)としての合計0~8%含有し、CeO

成分及びPbO成分を実質的に含有せず、吸収線量が100kradとなるようにコバルト60ガンマ線の照射を受けたとき、その照射前後の、450nm、550nmでの透過率低下が30%以下である光学ガラス。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
酸化物基準の質量%で、
SiO

成分を0~5%、




成分を0~5%、




成分を20~35%、
Nb



成分を35~60%、
TiO

成分を0~20%、
WO

成分を0~8%、
Bi



成分を0~5%、
Sb



成分を0~0.5%、
Rn

O成分を3~25%(但し、RnはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上。)
RO成分を0~20%(但し、Rは、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれる1種以上。)
および上記各金属元素の1種または2種以上の酸化物の一部または全部と置換したフッ化物のフッ素(F)としての合計0~8%含有する請求項1に記載の光学ガラス。
【請求項3】
酸化物基準の質量%で、
SiO

成分を1~35%、
GeO

成分を0~15%、




成分を0~12%、
La



成分を0~45%
Nb



成分を5~50%、
TiO

成分を0~35%、
Ta



成分を0~10%、
WO

成分を0~5%、
ZrO

成分を0~10%、
Sb



成分を0~1%
Rn

O成分を0~20%(但し、RnはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上。)
RO成分を0~30%(但し、Rは、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる1種以上。)
および上記各金属元素の1種または2種以上の酸化物の一部または全部と置換したフッ化物のフッ素(F)としての合計0~8%含有する請求項1に記載の光学ガラス。
【請求項4】
吸収線量が100kradとなるようにコバルト60ガンマ線の照射を受けたとき、その照射前後の、厚さ10mmの試料の光線透過率が70%となる波長[λ
70
]の差が200nm以下である請求項1から3のいずれかに記載の光学ガラス。
【請求項5】
屈折率[n

]が1.75000以上、2.05000以下であり、アッベ数[ν

]が15.00以上、35.00以下である、請求項1から3のいずれかに記載の光学ガラス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ガラスに関するものである。特に本発明は、γ線、X線などの放射線の照射にさらされた場合でも、可視域の光線透過率の低下が少ない、耐放射線性を有する光学ガラスに関するものであり、従来耐放射ガラスに使用されているCeO

を含有しない光学ガラスに関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、宇宙空間などの放射線環境下におけるカメラ、センサーなどの使用の要求が高まっている。これらのカメラやセンサーには、光学ガラスが使用される。しかし、従来の光学ガラスは、放射線の照射に曝されると、可視域の光線透過率が低下し、着色してしまう。そのため、耐放射線性を光学ガラスへ付与するために酸化セリウム等を含有したガラスが放射線環境下では使用されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許文献1には、宇宙での使用のための鉛含有ガラスで、n

=1.52乃至1.65の屈折率を有する耐放射線光学ガラスが開示されているが、様々な光学定数が要求される光学用途としては屈折率が低く、また宇宙での使用を考えた場合、打ち上げに掛かる負担の低減の点で、比重の大きい鉛含有ガラスは好ましくない。
特開2018-20959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、光学ガラスとして求められる可視域の光線透過率を有し、かつ、放射線の照射を受けた場合でも、可視域の光線透過率の低下が少ない光学ガラスを得ることであり、また、使用される光学系をコンパクトとする事が出来る、高い屈折率を有するガラスを提供する事である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、鋭意試験研究を重ねた結果、特定の組成を有し、特定の物性を指標とすることで、上記課題を解決するガラスが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。特にNb



の効果により、従来発生する放射線照射による着色中心が抑制される。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
【0006】
(構成1)
酸化物基準の質量%で、
SiO

成分を0~35%、
GeO

成分を0~15%、




成分を0~12%、




成分を0~35%、
Nb



成分を5~60%
TiO

成分を0~35%、
Ta



成分を0~10%、
WO

成分を0~8%、
Bi



成分を0~5%、
ZrO

成分を0~10%、
La



+Y



+Gd



成分を0~45%、
Sb



成分を0~1%、
Rn

O成分を0~25%(但し、RnはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上。)、RO成分を0~30%(但し、Rは、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれる1種以上。)、および上記各金属元素の1種または2種以上の酸化物の一部または全部と置換したフッ化物のフッ素(F)としての合計0~8%含有し、CeO

成分及びPbO成分を実質的に含有せず、吸収線量が100kradとなるようにコバルト60ガンマ線の照射を受けたとき、その照射前後の、450nm、550nmでの透過率低下が30%以下である光学ガラス。
(構成2)
酸化物基準の質量%で、
SiO

成分を0~5%、




成分を0~5%、




成分を20~35%、
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、光学ガラスとして求められる可視域の光線透過率を有し、かつ、放射線の照射を受けた場合でも、放射線の照射に曝される前と比較して、可視域の光線透過率の低下が少ない光学ガラスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
コバルト60ガンマ線の照射前後の実施例1-3に係る光学ガラスの分光透過率曲線である。サンプルの厚さは10mmである。実線が照射前の分光透過率を示し、破線が照射後の分光透過率を示している。
コバルト60ガンマ線の照射前後の実施例1-7に係る光学ガラスの分光透過率曲線である。サンプルの厚さは10mmである。実線が照射前の分光透過率を示し、破線が照射後の分光透過率を示している。
コバルト60ガンマ線の照射前後の実施例2-1に係る光学ガラスの分光透過率曲線である。サンプルの厚さは10mmである。実線が照射前の分光透過率を示し、破線が照射後の分光透過率を示している。
コバルト60ガンマ線の照射前後の実施例2-5に係る光学ガラスの分光透過率曲線である。サンプルの厚さは10mmである。実線が照射前の分光透過率を示し、破線が照射後の分光透過率を示している。
コバルト60ガンマ線の照射前後の比較例1に係る光学ガラスの分光透過率曲線である。サンプルの厚さは10mmである。実線が照射前の分光透過率を示し、破線が照射後の分光透過率を示している。
コバルト60ガンマ線の照射前後の比較例2に係る光学ガラスの分光透過率曲線である。サンプルの厚さは10mmである。実線が照射前の分光透過率を示し、破線が照射後の分光透過率を示している。
コバルト60ガンマ線の照射前後の比較例3に係る光学ガラスの分光透過率曲線である。サンプルの厚さは10mmである。実線が照射前の分光透過率を示し、破線が照射後の分光透過率を示している。
コバルト60ガンマ線の照射前後の比較例4に係る光学ガラスの分光透過率曲線である。サンプルの厚さは10mmである。実線が照射前の分光透過率を示し、破線が照射後の分光透過率を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の光学ガラスについて詳細に説明する。なお、本明細書において、各成分の含有量は、酸化物基準の質量%で表記する。これは、本発明の光学ガラスの原料である酸化物、硝酸塩等が溶融時にすべて分解され、酸化物へ変化すると仮定して、光学ガラス中に含有される各成分の組成を表記する方法である。この方法では、変化して生成すると仮定した光学ガラス中の酸化物の質量の総和を100質量%として、光学ガラス中に含有される各成分の量を表記する。
【0010】
本発明の光学ガラスは、酸化物基準の質量%でSiO

成分を0~35%、GeO

成分を0~15%、B



成分を0~12%、P



成分を0~35%、Nb



成分を5~60%、TiO

成分を0~35%、Ta



成分を0~10%、WO

成分を0~8%、Bi



成分を0~5%、ZrO

成分を0~10%、La



+Y



+Gd



成分を0~45%、Sb



成分を0~1%、Rn

O成分を0~25%(但し、RnはLi、NaおよびKから選ばれる1種以上。)、RO成分を0~30%(但し、Rは、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれる1種以上。)、および上記各金属元素の1種または2種以上の酸化物の一部または全部と置換したフッ化物のフッ素(F)としての合計0~8%含有し、CeO

成分及びPbO成分を実質的に含有せず、吸収線量が100kradとなるようにコバルト60ガンマ線の照射を受けたとき、その照射前後の、450nm、550nmでの透過率低下が30%以下である。上記組成と光学的指標を充足することにより、光学ガラスとして求められる可視域の光線透過率を有し、かつ、放射線の照射を受けた場合でも、放射線の照射に曝される前と比較して、可視域の光線透過率の低下が少ない光学ガラスを得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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