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公開番号
2025107088
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-17
出願番号
2024000855
出願日
2024-01-05
発明の名称
光ファイバ母材の製造方法
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
個人
主分類
C03B
37/014 20060101AFI20250710BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約
【課題】スート体の脱水処理及び透明ガラス化処理に要する時間の短縮を可能とする光ファイバ母材の製造方法を提供する。
【解決手段】SiO
2
を主成分とするガラスターゲットを準備する準備工程、ガラスターゲットにガラス微粒子を堆積しスート体を製造する堆積工程、ヘリウム、アルゴン、窒素の群から選ばれるあるいはそのコンビネーションである不活性ガスと塩素、四塩化ケイ素の群から選ばれる脱水ガスの混合ガス雰囲気中で前記スート体を脱水および透明ガラス化し光ファイバ母材を製造する焼結工程からなる光ファイバ母材製造方法であって、前記焼結工程が、スート体をガラス化するメインヒーターの上部に設けられた予熱炉で、スート体の一部または全体を800℃以上1200℃以下に予熱する予熱工程を更に有することを特徴としている。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
SiO
2
を主成分とするガラスターゲットを準備する準備工程、ガラスターゲットにガラス微粒子を堆積しスート体を製造する堆積工程、ヘリウム、アルゴン、窒素の群から選ばれるあるいはそのコンビネーションである不活性ガスと塩素、四塩化ケイ素の群から選ばれる脱水ガスの混合ガス雰囲気中で前記スート体を脱水および透明ガラス化し光ファイバ母材を製造する焼結工程からなる光ファイバ母材製造方法であって、前記焼結工程が、スート体をガラス化するメインヒーターの上部に設けられた予熱炉で、スート体の一部または全体を800℃以上1200℃以下に予熱する予熱工程を更に有することを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。
続きを表示(約 390 文字)
【請求項2】
前記混合ガス雰囲気中の脱水ガス濃度が、24[Vol%]以上28[Vol%]以下である請求項1に記載の光ファイバ母材の製造方法。
【請求項3】
前記予熱炉は、スート体を送り出し、該予熱炉内にスート体が存在しない状態となった後、加熱を停止する請求項1又は2に記載の光ファイバ母材の製造方法。
【請求項4】
前記ガラスターゲットに相当する部分の直径の、脱水および透明ガラス化して得られた光ファイバ母材の直径に対する比CR値が、0.25以上0.32以下である請求項1に記載の光ファイバ母材の製造方法。
【請求項5】
前記脱水および透明ガラス化して得られた光ファイバ母材を紡糸して得られる光ファイバの波長1383nmにおける伝送損失が、0.31 [dB/km]以下である請求項1に記載の光ファイバ母材の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質光ファイバ母材の脱水処理及びガラス化処理に要する時間を短縮する光ファイバ母材の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
光ファイバ用ガラス母材を製造するには、先ず、気相軸付け法(VAD)、外付け法(OVD)を含む種々の方法によって多孔質ガラス母材(以下、スート体と称する)が作製される。これらの方法で作製されたスート体は、ガラス微粒子のみの集合体、若しくは透明ガラスロッドの外周にガラス微粒子が堆積されたもので形成されている。その後、スート体は、塩素ガス雰囲気中で1000~1200℃で加熱して脱水処理する工程を経たのち、さらにヘリウムガス雰囲気中で1400~1600℃で加熱され透明ガラス化する工程を経て光ファイバ用ガラス母材とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特に、ガラスターゲットの周囲にスートを堆積してスート体とし、これを焼結して光ファイバ用母材とする光ファイバ用母材の製造において、紡糸して得られる光ファイバの諸特性を損なうことなく、スート体の脱水処理及び透明ガラス化処理に要する時間の短縮が望まれている。
そこで、本発明の課題は、ガラスターゲットの周囲にスートを堆積してなるスート体の脱水処理及び透明ガラス化処理に要する時間の短縮を可能とする光ファイバ母材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の光ファイバ母材の製造方法は、SiO
2
を主成分とするガラスターゲットを準備する準備工程、ガラスターゲットにガラス微粒子を堆積しスート体を製造する堆積工程、ヘリウム、アルゴン、窒素の群から選ばれるあるいはそのコンビネーションである不活性ガスと塩素、四塩化ケイ素の群から選ばれる脱水ガスの混合ガス雰囲気中で前記スート体を脱水および透明ガラス化し光ファイバ母材を製造する焼結工程からなる光ファイバ母材製造方法であって、前記焼結工程が、スート体をガラス化するメインヒーターの上部に設けられた予熱炉で、スート体の一部または全体を800℃以上1200℃以下に予熱する予熱工程を更に有することを特徴としている。
【0005】
前記混合ガス雰囲気中の脱水ガス濃度が、24[Vol%]以上28[Vol%]以下であり、前記予熱炉は、スート体を焼結炉に送り出し、該予熱炉内にスート体が存在しない状態となった後、加熱を停止するのが好ましい。
前記ガラスターゲットに相当する部分の直径の、脱水および透明ガラス化して得られた光ファイバ母材の直径に対する比CR値が、0.25以上0.32以下とされる。
前記脱水および透明ガラス化して得られた光ファイバ母材を紡糸して得られる光ファイバの波長1383nmにおける伝送損失が、0.31 [dB/km]以下とされる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の光ファイバ母材の製造方法によれば、スート体の脱水とガラス化を行うメインヒーターの上部に予熱炉を設け、脱水および焼結ガラス化処理を行う前に、予熱炉でスート体を予備加熱することで、焼結炉のメインヒーターによる脱水処理を促進することができ、脱水と焼結ガラス化処理を同時に行うことにより、光ファイバ母材の高速処理が可能となる。加えて、スート体を800℃以上1200℃以下で予熱することで、脱水・ガラス化炉でのOH基の除去が十分に行われ、低伝送損失を有する光ファイバを製造できる、等の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の焼結炉の概略図である。
光ファイバ母材製造工程を示したフローチャート図である。
従来のスート体の引き下げ距離と引き下げ速度との関係を示す図である。
予熱炉温度とクラッド層屈折率差との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の焼結炉の概略を示す図であり、脱水・ガラス化炉2の上部に予熱炉3を備え、焼結炉1は、脱水・ガラス化炉2及び予熱炉3の中心を炉心管4が貫通し、一体的に形成されている。脱水・ガラス化炉2および予熱炉3は、不図示の熱電対と演算装置によって温度監視を行い、所定の温度になるように電力を制御する機構を備えている。炉心管4内は、脱水・ガラス化を行うためにヘリウムと塩素を流量制御ができる不図示のマスフローコントローラーより炉心管4内に供給する機構を備えている。このような構成からなる本発明の焼結炉は、脱水と焼結ガラス化処理を同時に行うことができる。
【0009】
図2は、本発明の実施形態に係る光ファイバ母材の製造工程を示したフローチャートである。フローチャート11は準備工程20、堆積工程21、焼結工程22、測定工程23からなる製造工程を示している。
焼結工程22は、堆積工程21で製造したスート体を焼結炉へ吊下げる吊下げ工程22-1、ヘリウムと塩素の混合ガスで工程中、雰囲気を置換しスート体を加熱する予熱工程22-2、スート体を脱水・ガラス化する脱水・ガラス化工程22-3、光ファイバ母材を焼結炉1から取り出す取り出し工程22-4からなっている。
【0010】
焼結工程22では、先ず、吊下げ工程22-1にて堆積工程21で製造したスート体を焼結炉1へ吊下げセットする。次に、予熱工程22-2では、炉心管4内を脱水ガス雰囲気へ置換しスート体を予熱する、例えば、混合ガスとしてヘリウム5.4 L/min、塩素1.9 L/minのキャリアガスと脱水ガスを供給しながら、スート体を予熱するために予熱炉3を800℃、脱水・ガラス化炉2は1175℃へ加熱し、1時間スート体を予熱炉3内に保持する。
なお、脱水ガス濃度は、24[Vol%]以上28[Vol%]以下とするのが好ましく、24[Vol%]未満では十分な脱水効果が得られないためである。
また、ガラスターゲットに相当する部分の直径の、脱水および透明ガラス化して得られた光ファイバ母材の直径に対する比を示すCR値は、0.25以上0.32以下とするのが好ましく、0.25以上とすることでガラスターゲットに堆積する多孔質スート層の厚みが相対的に薄くなり、処理時間を効果的に短縮することが出来るが、0.32を超えると太径のガラスターゲットを準備することになるので準備工程の生産性が低下するためである。
(【0011】以降は省略されています)
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