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公開番号2025079440
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-22
出願番号2023192100
出願日2023-11-10
発明の名称熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法、ならびに成形体、車両用ウェザーストリップ
出願人東海興業株式会社
代理人個人,個人
主分類C08J 3/24 20060101AFI20250515BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】成形性と耐摩耗性に優れた熱可塑性エラストマー組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明により、熱可塑性エラストマーに、シリコーンオイルを1~10質量部添加して熱可塑性エラストマー組成物を得る添加工程を含む熱可塑性エラストマー組成物の製造方法が提供される。添加工程では、シリコーンオイルとして、動粘度100~500mm2/sの第1のシリコーンオイルと、動粘度500~5,000mm2/sの第2のシリコーンオイルと、動粘度5,000~10,000mm2/sの第3のシリコーンオイルとを用い、第2のシリコーンオイルの質量に対する第1のシリコーンオイルの質量の比を、0.1~5とし、第2のシリコーンオイルの質量に対する第3のシリコーンオイルの質量の比を、0.1以上5以下とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
熱可塑性樹脂とゴムと鉱物油と架橋剤とを含む原料組成物を溶融混練させながら、前記ゴムを架橋させ、熱可塑性エラストマーを得る架橋工程と、
前記熱可塑性エラストマーにシリコーンオイルを添加して熱可塑性エラストマー組成物を得る添加工程と、
を含み、
前記添加工程において、前記熱可塑性エラストマー100質量部に対する前記シリコーンオイルの配合割合を、1質量部以上10質量部以下とし、
前記シリコーンオイルとして、25℃において、
動粘度が100mm

/s以上500mm

/s以下である第1のシリコーンオイルと、
動粘度が500mm

/sを超えて5,000mm

/s以下である第2のシリコーンオイルと、
動粘度が5,000mm

/sを超えて10,000mm

/s以下である第3のシリコーンオイルと、
を用い、
前記第2のシリコーンオイルの質量M2に対する前記第1のシリコーンオイルの質量M1の比(M1/M2)を、0.1以上5以下とし、
前記第2のシリコーンオイルの質量M2に対する前記第3のシリコーンオイルの質量M3の比(M3/M2)を、0.1以上5以下とする、
熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記添加工程において、前記熱可塑性エラストマー100質量部に対する前記シリコーンオイルの配合割合を、1質量部以上6質量部以下とする、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記第2のシリコーンオイルの質量M2に対する前記第1のシリコーンオイルの質量M1の比(M1/M2)を、1以上3以下とし、
前記第2のシリコーンオイルの質量M2に対する前記第3のシリコーンオイルの質量M3の比(M3/M2)を、1以上4以下とする、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記第2のシリコーンオイルの質量M2に対する前記第3のシリコーンオイルの質量M3の比(M3/M2)を、1以上3以下とする、
請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記第1のシリコーンオイルと、前記第2のシリコーンオイルと、前記第3のシリコーンオイルとが、同種の化合物である、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の製造方法で得られる熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項7】
請求項6に記載の熱可塑性エラストマー組成物を成形して得られる成形体。
【請求項8】
請求項7に記載の成形体を含む、車両用ウェザーストリップ。
【請求項9】
熱可塑性樹脂とゴムと鉱物油と架橋剤とが配合されてなる熱可塑性エラストマー、および、シリコーンオイル、を含み、前記熱可塑性エラストマー100質量部に対する前記シリコーンオイルの配合割合が1質量部以上10質量部以下である、熱可塑性エラストマー組成物であって、
前記シリコーンオイルは、
分子量が6,610以上19,080以下である第1のシリコーンオイルと、
分子量が19,080を超えて48,150以下である第2のシリコーンオイルと、
分子量が48,150を超えて59,490以下である第3のシリコーンオイルと、
を含み、
前記第2のシリコーンオイルの質量M2に対する前記第1のシリコーンオイルの質量M1の比(M1/M2)が、0.1以上5以下であり、
前記第2のシリコーンオイルの質量M2に対する前記第3のシリコーンオイルの質量M3の比(M3/M2)が、0.1以上5以下である、
熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項10】
前記第2のシリコーンオイルの質量M2に対する前記第1のシリコーンオイルの質量M1の比(M1/M2)が、1以上3以下であり、
前記第2のシリコーンオイルの質量M2に対する前記第3のシリコーンオイルの質量M3の比(M3/M2)が、1以上4以下である、
請求項9に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法、ならびに熱可塑性エラストマー組成物を成形して得られる成形体、車両用ウェザーストリップに関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
熱可塑性エラストマー組成物を成形して得られる成形体は、例えば車両用ウェザーストリップや、工業機械部品、建築材料等として広く用いられている。これに関連する従来技術文献として、特許文献1、2が挙げられる。例えば特許文献1には、高密度ポリエチレンを架橋させてなる熱可塑性エラストマーとシリコーン化合物とを含む熱可塑性エラストマー組成物が開示されている。特許文献1には、熱可塑性エラストマーにシリコーン化合物を添加することで車両用ウェザーストリップの摺動性を高めうる旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-130788号公報
特開2019-001888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば車両用ウェザーストリップの一種であるドアシールは、車両のドアに装着され、車両本体の開口部の周縁とドアとの間に密封状態を形成する。ドアは可動部材であるため頻繁に開け閉めされる。このため、ドアシールは、殊に長期的な摩耗性(耐摩耗性)に優れていることが求められる。本発明者の知見によれば、例えばシリコーンガムのような粘度が高いシリコーン化合物を熱可塑性エラストマーに添加することで、ドアシールの耐摩耗性は高まりうる。しかし一方で、粘度が高いシリコーン化合物を多く用いると、組成物の混練性が低下して、例えば押出機や混練機の種類等によっては混ざりにくく、また成形時に流動性が低下して、成形しにくいことがあった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、成形性と耐摩耗性とに優れた熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法、ならびに成形体、車両用ウェザーストリップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の〔1〕~〔13〕を含む。
〔1〕:熱可塑性樹脂とゴムと鉱物油と架橋剤とを含む原料組成物を溶融混練させながら、前記ゴムを架橋させ、熱可塑性エラストマーを得る架橋工程と、前記熱可塑性エラストマーにシリコーンオイルを添加して熱可塑性エラストマー組成物を得る添加工程と、を含み、前記添加工程において、前記熱可塑性エラストマー100質量部に対する前記シリコーンオイルの配合割合を、1質量部以上10質量部以下とし、前記シリコーンオイルとして、25℃において、動粘度が100mm

/s以上500mm

/s以下である第1のシリコーンオイルと、動粘度が500mm

/sを超えて5,000mm

/s以下である第2のシリコーンオイルと、動粘度が5,000mm

/sを超えて10,000mm

/s以下である第3のシリコーンオイルと、を用い、前記第2のシリコーンオイルの質量M2に対する前記第1のシリコーンオイルの質量M1の比(M1/M2)を、0.1以上5以下とし、前記第2のシリコーンオイルの質量M2に対する前記第3のシリコーンオイルの質量M3の比(M3/M2)を、0.1以上5以下とする、熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
〔2〕:前記添加工程において、前記熱可塑性エラストマー100質量部に対する前記シリコーンオイルの配合割合を、1質量部以上6質量部以下とする、〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕:前記第2のシリコーンオイルの質量M2に対する前記第1のシリコーンオイルの質量M1の比(M1/M2)を、1以上3以下とし、前記第2のシリコーンオイルの質量M2に対する前記第3のシリコーンオイルの質量M3の比(M3/M2)を、1以上4以下とする、〔1〕に記載の製造方法。
〔4〕:前記第2のシリコーンオイルの質量M2に対する前記第3のシリコーンオイルの質量M3の比(M3/M2)を、1以上3以下とする、〔3〕に記載の製造方法。
〔5〕:前記第1のシリコーンオイルと、前記第2のシリコーンオイルと、前記第3のシリコーンオイルとが、同種の化合物である、〔1〕に記載の製造方法。
〔6〕:〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の製造方法で得られる熱可塑性エラストマー組成物。
〔7〕:〔6〕に記載の熱可塑性エラストマー組成物を成形して得られる成形体。
〔8〕:〔7〕に記載の成形体を含む、車両用ウェザーストリップ。
〔9〕:熱可塑性樹脂とゴムと鉱物油と架橋剤とが動的架橋されてなる熱可塑性エラストマー、および、シリコーンオイル、を含み、前記熱可塑性エラストマー100質量部に対する前記シリコーンオイルの配合割合が1質量部以上10質量部以下である、熱可塑性エラストマー組成物であって、前記シリコーンオイルは、分子量が6,610以上19,080以下である第1のシリコーンオイルと、分子量が19,080を超えて48,150以下である第2のシリコーンオイルと、分子量が48,150を超えて59,490以下である第3のシリコーンオイルと、を含み、前記第2のシリコーンオイルの質量M2に対する前記第1のシリコーンオイルの質量M1の比(M1/M2)が、0.1以上5以下であり、前記第2のシリコーンオイルの質量M2に対する前記第3のシリコーンオイルの質量M3の比(M3/M2)が、0.1以上5以下である、熱可塑性エラストマー組成物。
〔10〕:前記第2のシリコーンオイルの質量M2に対する前記第1のシリコーンオイルの質量M1の比(M1/M2)が、1以上3以下であり、
前記第2のシリコーンオイルの質量M2に対する前記第3のシリコーンオイルの質量M3の比(M3/M2)が、1以上4以下である、〔9〕に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
〔11〕:前記第1のシリコーンオイルと、前記第2のシリコーンオイルと、前記第3のシリコーンオイルとが、いずれもジメチルシリコーンオイルである、〔9〕または〔10〕に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
〔12〕:〔9〕または〔10〕に記載の熱可塑性エラストマー組成物を成形して得られる成形体。
〔13〕:〔12〕に記載の成形体を含む、車両用ウェザーストリップ。
【0007】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、動粘度(ないし分子量)が相互に異なる第1~第3のシリコーンオイルを所定の混合比率で配合することにより、上記課題を解決できることを見出した。そして、更なる検討を重ね、本発明を完成させた。ここに開示される熱可塑性エラストマー組成物では、溶融流動性が適切に確保され、優れた成形性が実現できる。また、長期に亘って使用しても磨り減りにくく耐摩耗性に優れた成形体および車両用ウェザーストリップを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、一実施形態に係る製造方法のフローチャートである。
図2は、ドアシールを備えた車両の斜視図である。
図3は、図2のドアシールの正面図である。
図4は、耐摩耗性評価を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化することがある。また、本明細書において範囲を示す「X~Y」(X,Yは任意の数値)の表記は、X以上Y以下の意と共に、「Xより大きい」および「Yより小さい」の意を包含する。
【0010】
<熱可塑性エラストマー組成物の製造方法>
図1は、一実施形態に係る熱可塑性エラストマー組成物の製造方法のフローチャートである。図1に示すように、本実施形態の製造方法は、架橋工程S10と、添加工程S20と、を含んでいる。また、本実施形態の製造方法は、必要に応じてその他の工程を含んでもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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