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公開番号2025083804
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-02
出願番号2023197398
出願日2023-11-21
発明の名称車両の熱管理装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類B60H 1/22 20060101AFI20250526BHJP(車両一般)
要約【課題】膨張弁の応答遅れが生じた場合であっても、冷媒回路のコンプレッサへ流入する冷媒が、液相あるいは気液混相状態になることを抑制する。
【解決手段】空調装置の暖房要求があり、かつ、バッテリ200の冷房要求がある第1モード(回路A)から、空調装置の暖房要求があり、かつ、バッテリ200の冷房要求がない第2モード(回路B)へ切り換える際、所定期間の間、冷媒回路150の電気式膨張弁155の開度を小さくする。そして、所定期間の経過後、第1モード(回路A)から第2モード(回路B)に切り換える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
チラーから流出した冷媒を圧縮して吐出するコンプレッサと、前記コンプレッサから吐出された前記冷媒の熱を放熱するコンデンサと、前記コンデンサから流出した前記冷媒を減圧する膨張弁とを有し、前記チラーは、前記膨張弁で減圧された前記冷媒と低温側熱媒体とを熱交換する、冷媒回路と、
前記低温側熱媒体に、電池の熱、車両駆動装置の熱、および、外気の熱を吸熱させる熱交換機器を有する低温側回路と、
前記コンデンサの放熱を利用して暖房を行う空調装置と、
制御装置と、を備えた車両の熱管理装置であって、
前記制御装置は、
暖房要求があり、かつ、前記電池の冷却要求がある第1状態のとき、前記膨張弁の開度を所定開度に制御して、前記冷媒が、前記チラーにおいて、前記電池の熱を吸熱した前記低温側熱媒体と熱交換を行うことにより、前記電池の冷却と前記暖房を実行し、
前記第1状態から、前記暖房要求があり、かつ、前記冷却要求がない第2状態に切り換える際、所定期間の間、前記膨張弁の開度を前記所定開度より小さくしたあと、前記第1状態から前記第2状態へ切り換えるよう構成され、
前記第2状態では、前記電池の前記熱交換器に前記低温側熱媒体が流れない、車両の熱管理装置。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記第2状態では、前記冷媒が、前記チラーにおいて、前記車両用駆動装置および前記外気の少なくとも一方の熱を吸熱した前記低温側熱媒体と熱交換を行うことにより、前記暖房を実行する、請求項1に記載の車両の熱管理装置。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記第1状態から前記第2状態に切り換える際、前記チラーに流入する前記低温側熱媒体の温度が、所定温度以上低下すると予測したとき、
前記所定期間の間、前記膨張弁の開度を前記所定開度より小さくする、請求項2に記載の車両の熱管理装置。
【請求項4】
前記制御装置は、
前記チラーから流出する前記冷媒の過熱度が目標値になるよう前記膨張弁の開度を制御し、
前記所定期間の間、前記目標値を増大補正することにより、前記膨張弁の開度を前記所定開度より小さくする、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両の熱管理装置。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記所定期間の間、前記コンプレッサの回転速度を増加するよう構成されている、請求項4に記載の車両の熱管理装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の熱管理装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
特開2020-165604号公報(特許文献1)には、電気自動車の空調装置に適用された冷媒回路装置が開示されている。この冷媒回路装置では、冷媒回路(ヒートポンプサイクル)に配置されたチラーによって吸熱した、電池(バッテリ)や外気の熱を、車室内の暖房に利用している。電池や外気の熱は、低温側熱媒体回路によって、チラーにおいて吸熱される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-165604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の冷媒回路装置は、暖房モードと冷却暖房モードを備える。暖房モードは、バッテリの冷却を行うことなく、車室内の暖房を行う。冷却暖房モードでは、電池の冷却に際して吸熱した熱を、車室内に暖房に用いている。このため、冷却暖房モードから暖房モードに切り換えた際、電池からの吸熱がなくなるので、チラーに流入する低温側熱媒体の温度が低下し、冷媒回路のコンプレッサに流入する冷媒が、液相あるいは気液混相状態となり、コンプレッサに不具合が発生する。特許文献1では、低温側熱媒体回路(低温側回路)による電池の冷却を停止したとき、コンプレッサの回転速度を低下する、あるいは、チラーに流入する冷媒を減圧する膨張弁の開度を減少することにより、チラーに流入する冷媒の流量を減少させて、コンプレッサへ液相冷媒が流入する液バックの発生を抑制している。
【0005】
膨張弁の開度を減少する際、応答遅れが生じる場合がある。この場合、チラーに流入する冷媒の流量が一時的に過大となり、コンプレッサへ液相冷媒が流入する液バックの発生を抑制できない懸念がある。
【0006】
本開示の目的は、膨張弁の応答遅れが生じた場合であっても、冷媒回路のコンプレッサへ流入する冷媒が、液相あるいは気液混相状態になることを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る車両の熱管理装置は、チラーから流出した冷媒を圧縮して吐出するコンプレッサと、コンプレッサから吐出された冷媒の熱を放熱するコンデンサと、コンデンサから流出した冷媒を減圧する膨張弁とを有し、チラーは、膨張弁で減圧された冷媒と低温側熱媒体とを熱交換する冷媒回路と、低温側熱媒体に、電池の熱、車両駆動装置の熱、および、外気の熱を吸熱させる熱交換機器を有する低温側回路と、コンデンサの放熱を利用して暖房を行う空調装置と、制御装置と、を備えた車両の熱管理装置である。制御装置は、暖房要求があり、かつ、電池の冷却要求がある第1状態のとき、膨張弁の開度を所定開度に制御して、冷媒が、チラーにおいて、電池の熱を吸熱した低温側熱媒体と熱交換を行うことにより電池の冷却と暖房を実行し、第1状態から、暖房要求があり、かつ、冷却要求がない第2状態に切り換える際、所定期間の間、膨張弁の開度を所定開度より小さくしたあと、第1状態から第2状態へ切り換えるよう構成され、第2状態では、電池の熱交換器に低温側熱媒体が流れない。
【0008】
この構成によれば、冷媒回路の冷媒は、チラーにおいて、電池の熱、車両駆動装置の熱、および、外気の熱を吸熱した低温側熱媒体から吸熱し、コンデンサにおいて放熱し、暖房に利用する。これにより、電池の熱、車両駆動装置の熱、および、外気の熱は、暖房に利用される。
【0009】
制御装置は、暖房要求があり、かつ、電池の冷却要求がある第1状態のとき、膨張弁の開度を所定開度に制御して、冷媒が、チラーにおいて、電池の熱を吸熱した低温側熱媒体と熱交換を行うことにより電池の冷却と空調装置の暖房を実行する。暖房要求があり、かつ、冷却要求がない第2状態では、電池の熱交換器に低温側熱媒体が流れないので、電池の熱は暖房に利用されない。制御装置は、第1状態から第2状態に切り換える際、所定期間の間、膨張弁の開度を所定開度より小さくしたあと、第1状態から第2状態へ切り換える。
【0010】
第1状態では、電池が冷却されるので、電池の熱が低温側熱媒体に吸熱されるが、第2の状態では、電池は冷却されないので、電池の熱が低温側熱媒体に吸熱されない。このため、第1状態から第2状態に切り換えると、チラーに流入する低温側熱媒体の温度が低下する。この際、膨張弁の開度を減少させて、チラーに流入する冷媒の流量を減少しても、膨張弁の開度変化の応答遅れにより、冷媒の流量が一時的に過大になり、コンプレッサへ液相冷媒が流入する液バックが発生する懸念がある。
(【0011】以降は省略されています)

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