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公開番号2025085771
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-05
出願番号2025045811,2024558047
出願日2025-03-19,2024-05-28
発明の名称セルロース系繊維製品の染色法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類D06P 3/66 20060101AFI20250529BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】染色時間を短縮化することによりCO2排出量を削減しつつ、染色操作を簡素化した、染色堅牢度の高い色ムラがない均一な染色物を得ることができるセルロース系繊維生地の染色方法の提供。
【解決手段】セルロース系繊維の又はセルロース系繊維を含む繊維製品の染色方法であって、染色浴に5℃以上30℃未満の第一温度領域又は30℃以上40℃未満の第二温度領域の水を給水するとともにセルロース系繊維の又はセルロース系繊維を含む繊維製品を投入する工程;第一温度領域から30℃以上40℃未満の第二温度領域まで、第二温度領域から40℃以上70℃以下の第三温度領域まで昇温する昇温工程;第三温度領域内で所定期間温度を保持する工程;第一温度領域以上の温度で反応染料を投入する工程;並びに第二温度領域以上の温度で反応染料を投入する工程とは別に無機塩類とアルカリ剤の混合物を3回以上に分けて分割投入する工程;を含む染色方法。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
セルロース系繊維の又はセルロース系繊維を含む繊維製品の染色方法であって、以下の行程:
染色浴に、5℃以上30℃未満の第一温度領域、又は、30℃以上40℃未満の第二温度領域の水を給水するとともに、セルロース系繊維の又はセルロース系繊維を含む繊維製品を投入する工程、但し、該給水と該投入の前後は問わない;
該第一温度領域から30℃以上40℃未満の第二温度領域まで、及び該第二温度領域から40℃以上70℃以下の第三温度領域まで昇温する、あるいは、該第二温度領域から40℃以上70℃以下の第三温度領域まで昇温する昇温工程;
該第三温度領域内で所定期間、第三温度を保持する工程;
該第一温度領域以上の温度で、反応染料を投入する工程;並びに
該第二温度領域以上の温度で、該反応染料を投入する工程とは別に、無機塩類とアルカリ剤の混合物を、3回以上に分けて分割投入する工程;
を含む、染色方法。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
以下の行程:
前記第二温度領域内で所定期間、温度を保持する工程;
をさらに含む、請求項1に記載の染色方法。
【請求項3】
前記第三温度領域内で、前記無機塩類とアルカリ剤の混合物の全ての分割投入を行う、請求項1に記載の染色方法。
【請求項4】
前記第二温度領域内で、前記無機塩類とアルカリ剤の混合物の全ての分割投入を行う、請求項1に記載の染色方法。
【請求項5】
前記分割投入を、3回以上5回以下で行い、無機塩類とアルカリ剤の混合物の全量をT(g)、1段階目の投入量をA(g)、2段階目の投入量をB(g)とするとき、以下の式(1)~(3):
1/20×T≦A≦5/20×T …式(1)
1/20×T≦B≦7/20×T …式(2)
A≦B …式(3)
を満たす、請求項1又は2に記載の染色方法。
【請求項6】
前記給水から前記第三温度保持工程の終了までの総時間期間が100分以下である、請求項1又は2に記載の染色方法。
【請求項7】
前記総時間期間が80分以下である、請求項6に記載の染色方法。
【請求項8】
前記分割投入の最終段階目の投入から前記第三温度保持工程の終了までの染色反応時間期間が20分以上50分以下である、請求項1又は2に記載の染色方法。
【請求項9】
前記染色反応時間期間が40分以上である、請求項8に記載の染色方法。
【請求項10】
前記第三温度を60℃以下に維持する、請求項1又は2に記載の染色方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、反応性染料を使用した、セルロース系繊維の又はセルロース系繊維を含有する繊維製品の染色方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
工業的な吸尽染色において、反応性染料を使用する場合、染色浴内に反応性染料とともに無機塩類とアルカリ剤を投入し、反応性染料の吸尽染色を実施する。無機塩類の存在は、セルロース繊維の内部への染料の吸収を促進するために必要であり、他方、アルカリ剤はセルロース繊維に反応染料を固定化させるために必要である。無機塩類とアルカリ剤の染色浴への投入は、均一な染色物を得るために重要な要素であることが一般に知られている。従来の染色プロセスにおいては、水と生地と染料が均一に分散した染色浴内に、無機塩類は適宜分割投入され、無機塩類の投入が完了した後に、アルカリ剤も適宜分割投入されている。
【0003】
しかしながら、従来知られている公知の技術では、染色堅牢度の高い色ムラがない均一な染色物を得る為には長時間を要するため、染色機を動かすための電力や温度を保持する蒸気が多く消費されるため、CO

の排出量が多くなるという問題がある。
【0004】
以下の特許文献1には、染色時間の短縮化を図る吸尽染色法として、特定の分子構造を持つ反応性染料を使用し、これと無機塩類とアルカリ剤を一括投入する方法が提案されている。
しかしながら、無機塩類とアルカリ剤を一括して投入する方法においては、無機塩類が溶解しにくい特性を有するため、無機塩類の溶解に時間が必要となり、作業性が複雑化するという問題が生じる。更に、無機塩類を一度に投入することで、染料が瞬時にセルロース繊維に吸尽される現象が発生し、均一な染色物を得るという観点からは、十分な染色結果が得られていない。
【0005】
また、以下の特許文献2には、無機塩類とアルカリ剤を分割して投入する方法として、無機塩類とアルカリ剤を、直線的関数にあるいは正もしくは負の指数、対数又は累乗関数に従って、単位時間当たりに少量ずつ最適に投入する方法が提案されている。
しかしながら、特許文献2の技術においては、特殊な専用設備を用いて無機塩類とアルカリ剤を無限段階で最適に投入しているものの、無機塩類とアルカリ剤の最適な投入速度を決定するためには、事前に一連の吸尽染色テストを実施し、コンピュータプログラムを用いる等温吸尽曲線の添加関数から計算する必要があり、さらに、無機塩類とアルカリ剤の同時添加速度が非線形な添加関数に従って変化する場合、この関数はデータ処理ユニット(例えば、パーソナルコンピュータ)を用いて決定する必要がある。つまり、添加速度を決定するまで非常に複雑で煩雑な作業が必要であり、数学的な知識も求められるという問題があった。さらに、計算によって得られた添加速度を実現するためには、手作業では不可能であるため、染色プロセス中にリアルタイムで計量を行いながら染色浴内に添加するための専用の設備が必要となり、設備投資が求められるため、簡単に実施できるものではない。これは、開発途上国においては特に当てはまる。
【0006】
また、以下の特許文献3には、無機塩類とアルカリ剤を混合した後に分割して投入する方法として、特定の3つの曲線のいずれかに示す、定量的かつ連続的に投入する方法が提案されている。
しかしながら、特許文献3の技術においては、特定の3つの曲線のいずれかに示す添加速度を実現するためには、手作業では不可能であるため、染色浴内に添加するための専用の設備が必要となり、設備投資が求められるため、簡単に実施できるものではない。これは、開発途上国においては特に当てはまる。
【0007】
このように、染色時間を短縮化することによりCO

排出量を削減しつつ、染色操作を簡素化した、染色堅牢度の高い色ムラがない均一な染色物を得ることができるセルロース系繊維生地の染色方法は、未だ提供されていないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開昭63-211379号公報
特開昭60-259687号公報
特開平01-118680号公報
【非特許文献】
【0009】
参考資料2 温室効果ガス排出量計算のための算定式及び排出係数一覧(https://www.env.go.jp/earth/ondanka/suishin_g/3rd_edition/ref2.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記した技術の現状に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、染色時間を短縮化することによりCO

排出量を削減しつつ、染色操作を簡素化した、染色堅牢度の高い色ムラがない均一な染色物を得ることができるセルロース系繊維生地の新規染色方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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