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公開番号
2025077622
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-19
出願番号
2023189955
出願日
2023-11-07
発明の名称
内装吸音材
出願人
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G10K
11/168 20060101AFI20250512BHJP(楽器;音響)
要約
【課題】車外から侵入するロードノイズの反響音や車室内での会話音の吸音特性に優れるだけでなく、視覚的に、質感にも優れた快適な車室内空間を提供できる自動車用内装材用吸音材の提供。
【解決手段】繊維層と基材層とが積層・一体化された内装吸音材であって、該繊維層は、少なくとも1種の主体繊維と樹脂バインダーから構成された繊維ウェブAを含むシート状物であり、該繊維層の目付が、200g/m
2
以上であり、該繊維層の厚みが、1.35mm以下であり、該主体繊維の平均繊維直径が、1μm以上10μm以下であり、該繊維ウェブAのX線CTによる3次元画像における空間サイズの該繊維層の厚み方向における平均値である平均空間サイズが、5μm以上35μm以下であり、該基材層は、該繊維ウェブAの該平均空間サイズの2倍以上の平均空間サイズを有し、かつ、該基材層の厚みが、2mm以上20mm以下である、ことを特徴とする、内装吸音材。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
繊維層と基材層とが積層・一体化された内装吸音材であって、
該繊維層は、少なくとも1種の主体繊維と樹脂バインダーから構成された繊維ウェブAを含むシート状物であり、
該繊維層の目付が、200g/m
2
以上400g/m
2
以下であり、
該繊維層の厚みが、0.65mm以上1.35mm以下であり、
該主体繊維の平均繊維直径が、1μm以上10μm以下であり、
該繊維ウェブAのX線CTによる3次元画像において、該繊維層を構成する繊維と該樹脂バインダーを除外した空間に入る最大の球の直径である空間サイズの該繊維層の厚み方向における平均値である平均空間サイズが、5μm以上35μm以下であり、
該基材層は、該繊維ウェブAの該平均空間サイズの2倍以上の平均空間サイズを有し、かつ、該基材層の厚みが、2mm以上20mm以下である、
ことを特徴とする、内装吸音材。
続きを表示(約 620 文字)
【請求項2】
前記主体繊維が、ポリエステル系繊維である、請求項1に記載の内装吸音材。
【請求項3】
前記繊維層が、織編物からなるスクリム層及び/又は少なくとも1種の主体繊維と樹脂バインダーから構成された繊維ウェブBをさらに含む、請求項1又は2に記載の内装吸音材。
【請求項4】
前記樹脂バインダーが、ポリウレタン樹脂又は熱融着樹脂である、請求項1又は2に記載の内装吸音材。
【請求項5】
前記熱融着樹脂が、前記主体繊維の融点よりも、20℃以上低い融点を有するポリエステル系樹脂である、請求項4に記載の内装吸音材。
【請求項6】
前記基材層が、発泡体、多孔質体、又は中空構造体である、請求項1又は2に記載の内装吸音材。
【請求項7】
前記内装吸音材の繊維層側に配した音源から周波数500~6400Hzの音を入射した際、周波数1000~2000Hzの積算吸音率が、20%以上である、請求項1又は2に記載の内装吸音材。
【請求項8】
前記繊維層における樹脂バインダーの付着率が5質量%以上25質量%以下である、請求項1又は2に記載の内装吸音材。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の内装吸音材が、前記繊維層側を居室空間内部側にして、支持材に配された内装材。
【請求項10】
自動車用である、請求項9に記載の内装材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、内装吸音材に関する。より詳しくは、本発明は、車外から侵入するロードノイズの反響音や車室内での会話音である1000~2000Hzの周波数域の吸音特性に優れ、かつ、搭乗者が触れる面の表面品質(質感)が高く、かつ、耐摩耗性も高いため、車室内での音の反響が抑えられ、会話し易くなるという静粛性だけでなく、視覚的に、また、質感にも優れた快適な車室内空間を提供できる、例えば、自動車用内装材として好適に使用しうる内装吸音材に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)
【背景技術】
【0002】
自動車が走行する際には、エンジンや駆動系からの騒音、ロードノイズ、風切音など、様々な騒音が発生している。従来からこれらの騒音を抑制し、快適な車室内空間を創り出すため、騒音排出を抑制するといった目的のもとに吸音材が使用されてきた。
近年は自動車の電動化が進み駆動系の静粛性が向上したことで、従来、騒音と認識されていなかった音が騒音として認識されるようになってきている。
騒音の周波数はそれぞれの音源に依存しており、各音源に適した吸音材が使用される。しかしながら、車載用途で汎用される多孔質系の吸音材、すなわち不織布や発泡体は、高周波数帯には優れた吸音率を示すものの、低周波数側にかけて吸音率が低下する傾向がある。これに対し、多孔質材の表面にさらなる層を設けることで、全周波数域において防音性が向上することが知られている。
【0003】
例えば、以下の特許文献1には、低周波数領域及び中周波数領域、好ましくはさらに高周波数領域において優れた吸音性を有する積層吸音材を提供すべく、少なくとも繊維層と、多孔質層である基材層とを含む積層吸音材であって、前記繊維層が、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン6,6、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、及びポリプロピレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の繊維を含み;平均繊維径が30nm~30μmである繊維からなる層であり;繊維層の目付けは、0.01~500g/m
2
であることが好ましく、0.1~200g/m
2
であればより好ましい;積層吸音材が、記載されており、基材層の厚みが3~60mmであること;前記繊維層と前記多孔質層とが、通気性を阻害しないように溶融部分接着、接着剤による部分接着、縫合、ステープラー、クリップ、外枠による固定、枠組みによる固定、エッジ部分の溶着、及びエッジ部分の両面テープによる貼り合わせからなる群から選ばれる少なくとも1種により固定されること;前記繊維層は、平均流量細孔径が1.0~60μmであること;前記繊維層が音の入射側となるように配置されること;前記多孔質層は、発泡樹脂、不織布及び織布からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる層であることも記載されている。また、その効果は、低周波数領域での高い吸音率、軽量、省スペースであるとされる。しかしながら、特許文献1には、繊維層が少なくとも1種の主体繊維と樹脂バインダーから構成されるシート状物であることは記載されておらず、また、繊維層の平均空間サイズの効果についても記載されていない。
【0004】
また、以下の特許文献2には、低周波領域の吸音性能に優れ、生産性に優れた吸音材用不織布、吸音材および吸音材用不織布の製造方法を提供すべく、不織布Aと不織布Bとの積層構造を有し;不織布Aが、単繊維直径の最頻値が0.05~0.80μmの繊維Aと、単繊維直径の最頻値が5.00~30.00μmの繊維Bとを含有し;前記不織布Bの目付が、70~200g/m
2
であり;前記繊維Aおよび前記繊維Bが、ともにポリエステル系短繊維であり;層状物の厚さが、5~50mmであり;前記層状物は、前記吸音材用不織布の一方の面に積層されておること;が記載されている。また、その効果は、吸音性能(特に、低周波領域の吸音性能)、生産性に優れることをされる。しかしながら、特許文献2には、繊維層と基材層を有する吸音材であること;繊維層が少なくとも1種の主体繊維と樹脂バインダーから構成されるシート状物であることは記載されておらず、また、繊維層の平均空間サイズの効果についても記載されていない。
【0005】
また、以下の特許文献3には、成型性がよく、形態安定性に優れながらも、薄い低目付領域でも十分な吸音付与効果が発揮できる複合吸音材の表皮材として好適な不織布及び積層不織布を提供すべく、不織布を2枚以上積層した積層不織布であり;平均繊維径0.3μm以上7μm以下の少なくとも1層の極細繊維層(M)を含む平均繊維径10μm以上30μm以下の少なくとも1層の連続長繊維層(S)とが一体化された積層構造を有すること;前記極細繊維層(M)の目付が1g/m
2
以上40g/m
2
以下であり;前記不織布の目付が20g/m
2
以上150g/
2
以下であり、かつ、厚みが2mm以下であること;成分がポリエチレンテレフタレートであること;音が表皮材側から入射すること;不織布又は積層不織布と、吸音材である連続気泡樹脂発泡体又は繊維多孔質材とが積層されている複合吸音材であること;が記載されている。その効果は、成型性が良いこと、薄く軽量なことである。しかしながら、特許文献3には、繊維層が少なくとも1種の主体繊維と樹脂バインダーから構成されるシート状物であることは記載されておらず、また、繊維層の目付や構成繊維の繊維径は本願発明のものと相違し、また、繊維層の平均空間サイズの効果についても記載されていない。
【0006】
また、以下の特許文献4には、優れた形態安定性を有し、広い周波数領域での吸音性に優れ、しかも加工性や取り扱い性にも優れた吸音材及びその製造方法を提供すべく、シート状繊維集合体の表面に不織布が貼着されてなり;樹脂バインダーを含有し;基材用繊維と極細短繊維とが相互に交絡したシート状繊維集合体からなる吸音材であり;基材用繊維の繊維径が15~50μmであり;極細短繊維の繊維径が0.2~5μmであり;かつ、極細短繊維がJIS Z8801-1に規定する公称目開き2mmのふるいを通過するものであることを特徴とする吸音材が記載され、該吸音材の見掛け密度が0.015~0.2g/cm
3
であること;シート状繊維集合体の表面に不織布が貼着されてなる吸音材であることも、記載されている。しかしながら、特許文献4には、繊維層と基材層を有する吸音材であることは記載されておらず、また、繊維層の目付や見掛け密度は本願発明のものと相違し、繊維層の平均空間サイズの効果についても記載されていない。
【0007】
また、以下の特許文献5には、発泡体又はフィルム体である非通気性の共振層の構造を有する吸音材及びその製法であって、厚さが1~50mm、密度が0.01~0.2g/cm
3
、好ましくは0.03~0.08g/cm
3
の軽量な吸音層と、該吸音層と接着層を介して接着する、目付量は200g/m
2
以下、好ましくは100g/m
2
以下の非通気性の共振層と、からなり、前記吸音層と非通気性の共振層に対する前記接着層の接着強度が剥離幅25mmで180度の剥離にて1~20N/25mm、好ましくは3~10N/25mmに設定され、前記接着層を前記吸音層と非通気性の共振層の全界面に対して、50~100%、好ましくは80%~100%の面積で接着させたものが記載されている。しかしながら、特許文献5には、繊維層と通気性の基材層を有する吸音材であることは記載されておらず、また、繊維層の目付等は本願発明のものと相違し、繊維層の平均空間サイズの効果についても記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2021-160131号公報
特開2023-27449号公報
国際公開第2020/122205号
特許第5092144号公報
特許第3498085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の技術は、多孔質材にさらなる層を設けることにより吸音性は高くなるものの、遮音性に関してはその効力をほとんど発揮できていなかった。また、エンジンの駆動音などの車の内部から外部へ漏出する騒音を対策するには、防音材の吸音性よりも遮音性を向上させることが効果的であることは知られていたが、自動車用内装材として使用するとき、車外から侵入するロードノイズの反響音や車室内での会話音である1000~2000Hzの周波数域の吸音特性に優れ、車室内での音の反響が抑えられ、会話し易くなるという静粛性を達成するための吸音材の構成については検討されていなかった。
かかる従来技術の水準に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、例えば、自動車用内装材として使用するとき、車外から侵入するロードノイズの反響音や車室内での会話音である1000~2000Hzの周波数域の吸音特性に優れ、かつ、搭乗者が触れる面の表面品質(質感)が高く、かつ、耐摩耗性も高いため、車室内での音の反響が抑えられ、会話し易くなるという静粛性だけでなく、視覚的に、また、質感にも優れた快適な車室内空間を提供できるため、例えば、自動車用内装材として好適に利用可能である内装吸音材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、内装吸音材を以下の構成とすることにより、前記課題を達成しうることを予想外に見出し、本発明を完成するに至ったものである。
(【0011】以降は省略されています)
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