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公開番号2025085528
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-05
出願番号2023199472
出願日2023-11-24
発明の名称近赤外線センサ向け樹脂窓部材
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G02B 5/00 20060101AFI20250529BHJP(光学)
要約【課題】本発明の目的は、耐傷つき性と低複屈折特性を備え、かつ、近赤外線センサに要求される厳しい耐熱特性と車内の高温高湿環境下に耐えうるであっても活用可能な樹脂窓部材を提供することにある。
【解決手段】本発明の近赤外線センサ向け樹脂窓部材は、ガラス転移温度が115~150℃の範囲にあり、光弾性係数の絶対値が10×10-12Pa-1以下であり、波長380nm以上660nm以下の平均透過率が15%以上であり、波長850nmにおける面内位相差の絶対値が平均20nm未満である領域を連続した投影面積として5cm2以上含む、射出成形で形成された熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物から構成される成形体を含む、ことを特徴としている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
ガラス転移温度が115~150℃の範囲にあり、光弾性係数の絶対値が10×10
-12
Pa
-1
以下であり、波長380nm以上660nm以下の平均透過率が15%以上であり、波長850nmにおける面内位相差の絶対値が平均20nm未満である領域を連続した投影面積として5cm

以上含む、射出成形で形成された熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物から構成される成形体を含む、
ことを特徴とする近赤外線センサ向け樹脂窓部材。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
110℃で2000時間の信頼性試験後の波長800nm~1000nmにおけるHazeが1.5%以下である、請求項1に記載の近赤外線センサ向け樹脂窓部材。
【請求項3】
Mスケールのロックウェル硬度が90以上である、請求項1又は2に記載の近赤外線センサ向け樹脂窓部材。
【請求項4】
波長850nmにおける面内位相差の絶対値が平均20nm未満である前記領域において、波長810nmにおける面内位相差の絶対値の平均値と波長850nmにおける面内位相差の絶対値の平均値との差が5nm未満である、請求項1に記載の近赤外線センサ向け樹脂窓部材。
【請求項5】
近赤外域に偏光分離能を持つ偏光素子及び近赤外線センサと組合せて使用され、被写体と前記近赤外センサとの間に設置され使用される、請求項1に記載の近赤外線センサ向け樹脂窓部材。
【請求項6】
波長800nm以上1000nmの平均透過率が50%以上であり、波長380nm以上660nm以下の平均透過率が5%以下である、請求項1に記載の近赤外線センサ向け樹脂窓部材。
【請求項7】
凸面又は凹面を有し、且つ曲率半径が5000mm以下の曲面を有する、請求項1に記載の近赤外線センサ向け樹脂窓部材。
【請求項8】
ガラス転移温度が115~150℃の範囲にあり、光弾性係数の絶対値が10×10
-12
Pa
-1
以下であり、波長380nm以上660nm以下の平均透過率が15%以上であり、波長850nmにおける面内位相差の絶対値が平均20nm未満である領域を連続した投影面積として、成形体全体の投影面積100%に対して50%以上含む、射出成形で形成された熱可塑性樹脂から構成される成形体を含む、
ことを特徴とする近赤外線センサ向け樹脂窓部材。
【請求項9】
近赤外域に偏光分離機能を持つ偏光素子が前記成形体に貼合されている、請求項1に記載の近赤外線センサ向け樹脂窓部材。
【請求項10】
前記成形体の酸成分の含有量が100ppm以下である、請求項1に記載の近赤外線センサ向け樹脂窓部材。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、近赤外線センサ向け樹脂窓部材に関する。例えば、本発明の近赤外線センサ向け樹脂窓部材は、近赤外線センサ装置に使用する偏光分離性能を持つ偏光素子を含んでいてもよい。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、空間に配置された物体の距離を、近赤外線を使用して認知することで、自動車の運転支援や、VR(バーチャルリアリティ)ヘッドセットを使用した際の空間認識向けに利用されることが増えている。また、物体にパターン模様を照射して、反射像の歪みを検知することで、物体の凹凸をとらえ、顔認証に利用される利用例も増えている(例えば、特許文献1)。
【0003】
測距センサにおいては、夜間、暗闇でも使用できるよう近赤外域のパルス化されたレーザー光を物体に照射し、反射、散乱し戻ってきた光を検知するセンサを使用して、光が出射し受光部に戻るまでの時間と、光の速さ(光速)により距離を検知する仕組みが利用される。一般的に、同リモートセンシング技術は、LiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)の内、TOF(Time of Flight)技術を利用したものである。また、顔認証では、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)タイプの小型近赤外線レーザーとDOE(Diffractive Optical Element)を組み合わせて、ドットパターンなどを顔に照射して、ドットの距離の変化やドットの歪みなどから顔の凹凸を識別し、顔認証センサとして利用されている。
【0004】
このようなセンサは、近赤外線を利用するため、人は視認することができないため、投光器からの光が、その場にいる観測者は眩しく感じない、景色を損なわないという効果も併せ持つ。
【0005】
さらに、このようなセンサが観測者から視認されることは、観測者にとって常にカメラで観察されているという不快感を与えることがあるため、該センサ装置の透過窓に、近赤外光は透過するが、可視光域の光は透過しないよう加工された可視光カットフィルタを併せて利用することで、ドライバへの不快感を軽減することもできる(構成としては図1が例示される)。
【0006】
このように可視光をカットすることは、光電センサが誤って可視光の光を検知することによる誤認識を避ける効果もある。
【0007】
一方で、鏡面反射を含む物体や、観測者が眼鏡等の鏡面反射部を装着している場合、そして水面等の鏡面反射を生むものを観測対象とする場合、投光器から発する近赤外光が、これらの被検知物で鏡面反射される。この時、光の指向性が低く、拡がりを持つ光の場合、拡がりを持った光が鏡面部で反射され、近赤外線センサの受光部に到達した時、光路が異なることから、測距精度が低くなってしまうという課題があった。
このような課題に対して、投光器の手前に直線偏光素子を設置し、受光部手前に上記直線偏光素子と透過軸が直交するように直線偏光素子を配置することで、強い正反射光を受光部手前の直線偏光素子で遮蔽することができることが知られており、これにより鏡面反射を抑え、拡散及び散乱する光による測距をすることで精度を向上させることが可能となる(特許文献2を参考)。また、同構成では太陽光等の外光によるノイズもいくぶん抑えることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
国際公開第2022/255187号公報
特許第3270800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、可視光カットの手段として、窓部材を黒色に着色する技術を利用する場合、板材の厚みによって透過率が変動する、また、着色に使用する顔料による散乱や着色剤による複屈折によって、窓部材から出射する偏光や入射する偏光の偏光状態が崩れ、ノイズ抑制機能低下や検知精度の低下をもたらす課題があった。
【0010】
さらに、近赤外域の光は、炭素と水素を構成要素として含む樹脂組成物であれば、C-Hの伸縮振動の倍音吸収により、樹脂に吸収され発熱を起こす。加えて、測距の演算処理を行う計算チップの発熱等により筐体内は熱を持つことも多く、耐熱性が低い樹脂窓では使用環境に耐えることができなかった。仮に高温環境に耐えられない場合、窓部材の変形や、熱による樹脂の劣化でHazeの上昇で撮像特性が劣化するという問題があった。
(【0011】以降は省略されています)

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