TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025091779
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-19
出願番号
2023207234
出願日
2023-12-07
発明の名称
溶鉄の吹錬方法及び溶鋼の製造方法
出願人
JFEスチール株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C21C
5/28 20060101AFI20250612BHJP(鉄冶金)
要約
【課題】多工程の精錬処理を行う転炉型精錬炉の精錬処理において、CaO使用量を低減することができる操業条件をとすることができる、溶鉄の吹錬方法及び溶鋼の製造方法を提供すること。
【解決手段】吹錬処理でのCaOの投入量を決定するCaO投入量決定工程と、転炉型精錬炉1の炉内に溶銑又は溶銑と冷鉄源とを装入し、CaOを含む精錬剤6を投入して、酸素吹錬を行うことで脱珪脱燐処理を行う第1工程と、炉内に溶銑を保持したまま、第1工程で発生したスラグ3の一部を転炉型精錬炉1から排出する第2工程と、CaOを含む精錬剤6を投入して、酸素吹錬を行うことで脱炭処理及び仕上げ脱燐処理を行い、溶鋼を得る第3工程と、を備え、CaO投入量決定工程では、第1工程後の溶銑中のP濃度である第1のP濃度と、第1工程後のスラグの塩基度とに基づいて、第1工程及び第3工程で投入するCaOの投入量を決定する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
転炉型精錬炉で吹錬処理を行い、溶鋼を製造する溶鉄の吹錬方法において、
前記吹錬処理でのCaOの投入量を決定するCaO投入量決定工程と、
前記転炉型精錬炉の炉内に溶銑又は溶銑と冷鉄源とを装入し、CaOを含む精錬剤を投入して、酸素吹錬を行うことで脱珪脱燐処理を行う第1工程と、
前記第1工程の後、前記炉内に前記溶銑を保持したまま、前記第1工程で発生したスラグの一部を前記転炉型精錬炉から排出する第2工程と、
前記第2工程の後、CaOを含む精錬剤を投入して、酸素吹錬を行うことで脱炭処理及び仕上げ脱燐処理を行い、溶鋼を得る第3工程と、
を備え、
前記CaO投入量決定工程では、前記第1工程後の溶銑中のP濃度である第1のP濃度と、前記第1工程後のスラグの塩基度とに基づいて、前記第1工程及び前記第3工程で投入する前記CaOの投入量を決定する、溶鉄の吹錬方法。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記CaO投入量決定工程では、複数の前記塩基度について、前記第1工程及び前記第3工程で投入する前記CaOの合計投入量を計算し、合計投入量が最も少ない前記塩基度を、前記第1工程後において目標とする前記スラグの塩基度とし、
前記第1工程での前記CaOの投入量は、前記スラグの塩基度と、塩基度に応じて推定される前記スラグの滓化率とに応じて算出され、
前記第3工程での前記CaOの投入量は、前記第1工程後の前記スラグの塩基度に基づいて推定される前記第1のP濃度と、前記第2工程における前記スラグの中間排滓率とに基づいて算出される、請求項1に記載の溶鉄の吹錬方法。
【請求項3】
前記滓化率は、炉内の計算スラグ量と、炉体のレンガ更新からの累積使用回数とに基づいて算出され、
前記第1のP濃度は、前記第1工程後の前記スラグの塩基度に基づいたP分配比から算出される平衡P濃度である、請求項2に記載の溶鉄の吹錬方法。
【請求項4】
前記滓化率は、過去の実績から得られる、前記炉内の計算スラグ量と、前記累積使用回数と、前記炉内に装入されたSi成分の量であるインプットSi量と、を変数とした重回帰式を用いて算出される、請求項3に記載の溶鉄の吹錬方法。
【請求項5】
前記滓化率は、(1)式から算出される、請求項4に記載の溶鉄の吹錬方法。
S=α
0
+α
1
×W
S
+α
2
×N+α
3
×I
Si
・・・(1)
ここで、
α
0
=61.46
α
1
=-0.3230
α
2
=-0.006132
α
3
=6.759
W
S
:炉内の計算スラグ量(kg/t)
N:炉回数(-)
I
Si
:インプットSi量(kg/t)
【請求項6】
前記第1工程における脱Si外酸素量は、前記平衡P濃度と、過去の実績から得られる脱P反応速度式とから算出される、請求項3に記載の溶鉄の吹錬方法。
【請求項7】
前記脱P反応速度式の一次反応容量係数は、過去の実績から得られる、前記第1工程後の前記スラグの塩基度と、前記炉内の計算スラグ量とを変数とした重回帰式を用いて算出される、請求項6に記載の溶鉄の吹錬方法。
【請求項8】
前記一次反応容量係数は、(4)式から算出される、請求項6に記載の溶鉄の吹錬方法。
TIFF
2025091779000014.tif
16
140
ここで、
k:一次反応容量係数
β
0
,β
1
,β
2
:定数
W
S
:炉内の計算スラグ量
B:スラグの塩基度
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の溶鉄の吹錬方法を用いた溶鋼製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶鉄の吹錬方法及び溶鋼の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
溶鋼の精錬工程において、多工程にわたる精錬処理を転炉型精錬炉に集約して行う方法が知られている。例えば、特許文献1には、脱珪及び脱燐処理を転炉型精錬炉で行い、発生した脱燐スラグの一部を排出し、脱炭及び仕上げ脱燐を行って溶鋼を得ることで精錬処理のトータルコストをミニマム化できる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2002-129220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、高効率な脱燐処理を実現するために、スラグ塩基度を0.8~1.8、(T・Fe)を質量パーセントで8~19%、(S)を0.1%以下として、脱燐工程における脱燐酸素効率を高位に保つ技術が開示されている。
【0005】
しかし、スラグの塩基度は脱珪脱燐処理(第1工程)の完了後、スラグ分析を行って初めて判明するものであり、処理を行う前の時点で第1工程に必要なCaO量を正確に見積もることは困難である。
【0006】
また、特許文献1では、コストミニマム化のためCaO使用量を最小限とするために、塩基度範囲0.8~1.8の中でも低塩基度側の0.8~1.3程度の領域で処理を行う必要がある。しかし、このような低塩基度領域では、スラグ塩基度と第1工程の脱P能率との間には正の相関関係があることが報告されており、実際に特許文献1の図2においても同様の関係が認められる。脱炭及び仕上げ脱燐工程(第3工程)の必要CaO量は、脱燐に必要なCaO量とスロッピングを抑止するために必要なCaO量とのうち多い方のCaO量である。この必要CaO量がスロッピング抑止で決まる場合には、第1工程の塩基度を低下させ、第1工程の必要CaO量を低位に抑えることで第1工程及び第3工程のトータルCaO使用量をミニマム化できる。一方、第3工程の必要CaO量が脱Pで決まる場合には、第1工程の塩基度を上昇して第1工程処理後Pを低減することで、第3工程の必要CaO量を低減し、トータルCaO使用量をミニマム化できる。すなわち、CaO使用量をトータルで最小化するためには第3工程の脱P負荷も考慮して第1工程の塩基度を定める必要がある。しかしながら、特許文献1では第3工程の脱Pについて全く考慮がなされておらず、CaO使用量が最小となる第1工程の操業条件が判断できないため、原単位削減が困難であった。
【0007】
そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、多工程の精錬処理を行う転炉型精錬炉の精錬処理において、CaO使用量を低減することができる操業条件とすることができる、溶鉄の吹錬方法及び溶鋼の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の一態様によれば、転炉型精錬炉で吹錬処理を行い、溶鋼を製造する溶鉄の吹錬方法において、上記吹錬処理でのCaOの投入量を決定するCaO投入量決定工程と、上記転炉型精錬炉の炉内に溶銑又は溶銑と冷鉄源とを装入し、CaOを含む精錬剤を投入して、酸素吹錬を行うことで脱珪脱燐処理を行う第1工程と、上記第1工程の後、上記炉内に上記溶銑を保持したまま、上記第1工程で発生したスラグの一部を上記転炉型精錬炉から排出する第2工程と、上記第2工程の後、CaOを含む精錬剤を投入して、酸素吹錬を行うことで脱炭処理及び仕上げ脱燐処理を行い、溶鋼を得る第3工程と、を備え、上記CaO投入量決定工程では、上記第1工程後の溶銑中のP濃度である第1のP濃度と、上記第1工程後のスラグの塩基度とに基づいて、上記第1工程及び上記第3工程で投入する上記CaOの投入量を決定する、溶鉄の吹錬方法が提供される。
【0009】
(2)上記(1)の溶鉄の吹錬方法において、上記CaO投入量決定工程では、複数の上記塩基度について、上記第1工程及び上記第3工程で投入する上記CaOの合計投入量を計算し、合計投入量が最も少ない上記塩基度を、上記第1工程後において目標とする上記スラグの塩基度とし、上記第1工程での上記CaOの投入量は、上記スラグの塩基度と、塩基度に応じて推定される上記スラグの滓化率とに応じて算出され、上記第3工程での上記CaOの投入量は、上記第1工程後の上記スラグの塩基度に基づいて推定される上記第1のP濃度と、上記第2工程における上記スラグの中間排滓率とに基づいて算出される。
【0010】
(3)上記(2)の溶鉄の吹錬方法において、上記滓化率は、炉内の計算スラグ量と、炉体のレンガ更新からの累積使用回数とに基づいて算出され、上記第1のP濃度は、上記第1工程後の上記スラグの塩基度に基づいたP分配比から算出される平衡P濃度である。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
日本製鉄株式会社
転炉精錬方法
3か月前
株式会社伊原工業
還元鉄の製造方法
3か月前
中外炉工業株式会社
連続式熱処理炉
1か月前
株式会社デンケン
高温炉
3か月前
バイオメッド バレー ディスカバリーズ,インコーポレイティド
C21H22Cl2N4O2の結晶形態
23日前
中外炉工業株式会社
前処理装置
11日前
大同特殊鋼株式会社
浸炭部材の製造方法
19日前
日本製鉄株式会社
脱りん方法
1か月前
日本製鉄株式会社
高炉の操業方法
1か月前
日本製鉄株式会社
高炉の操業方法
26日前
日本製鉄株式会社
高炉の操業方法
2か月前
日本製鉄株式会社
鋼の製造方法
2か月前
富士電子工業株式会社
クランクシャフト支持装置
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼の製造方法
11日前
日本製鉄株式会社
棒製品の製造方法
11日前
株式会社サンノハシ
金属加工品の製造方法
2か月前
トヨタ自動車株式会社
鋼板部品の製造方法及び製造装置
1か月前
日本製鉄株式会社
処理装置、処理方法、およびプログラム
2か月前
日本製鉄株式会社
鋼の製造方法
1か月前
日本製鉄株式会社
金属溶解方法
4日前
日本製鉄株式会社
金属溶解方法
1か月前
トヨタ自動車株式会社
焼き入れ時の硬さを予測する予測方法
1か月前
日本製鉄株式会社
溶銑の脱りん方法
9日前
JFEスチール株式会社
転炉排滓方法及びそれに用いる防護装置
1か月前
JFEスチール株式会社
溶銑の予備処理方法
2か月前
セージ セラピューティクス, インコーポレイテッド
19-ノルC3,3-ジ置換C21-N-ピラゾリルステロイドおよびその使用方法
2か月前
日本製鉄株式会社
溶鉄の精錬方法
1か月前
株式会社プロテリアル
中間焼鈍用保温槽及び熱間加工鋼材の中間焼鈍方法
2か月前
JFEスチール株式会社
転炉の操業方法
1か月前
日本製鉄株式会社
ガス漏洩部の補修方法
3日前
株式会社神戸製鋼所
取鍋内溶鋼へのガス吹き込み方法
2日前
JFEスチール株式会社
精錬方法および転炉
9日前
日本製鉄株式会社
転炉の吹錬終了温度設定方法
2か月前
大同特殊鋼株式会社
鋼材の製造方法及び金属トレイ
23日前
JFEスチール株式会社
研磨設備及び焼鈍鋼板の製造方法
3日前
日本製鉄株式会社
溶鋼の製造方法及びアーク炉
1か月前
続きを見る
他の特許を見る