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公開番号
2025098086
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-01
出願番号
2025042343,2021550469
出願日
2025-03-17,2020-09-02
発明の名称
血液試料を検体とするタウタンパク質検出方法
出願人
ニプロ株式会社
代理人
弁理士法人有古特許事務所
主分類
G01N
33/53 20060101AFI20250624BHJP(測定;試験)
要約
【課題】 血液試料を検体として、検出処理の煩雑化を回避または抑制して、より良好な感度でタウタンパク質またはリン酸化タウタンパク質の検出が可能な方法を提供する。
【解決手段】 神経変性疾患を識別するための方法に用いられる、タウタンパク質検出方法であって、検体が全血もしくは血漿であり、担体に固定可能な第一抗体は、タウタンパク質またはリン酸化タウタンパク質の中間領域を認識し、担体に固定されない第二抗体は、中間領域またはN末端領域を認識する。抗体を固相化しない非固相化担体(非捕捉担体)を併用せずに、いずれか一方の抗体を先に検体と反応させてから、他方の抗体を検体と光源抗体反応させる。これにより形成された、担体に固定された免疫複合体を検出することにより、検体からタウタンパク質またはリン酸化タウタンパク質を検出する。
【選択図】 図2
特許請求の範囲
【請求項1】
タウタンパク質またはリン酸化タウタンパク質に特異的に結合する2種類の抗体を用いて、抗原抗体反応により、対象から採取された検体からタウタンパク質またはリン酸化タウタンパク質を検出することにより、神経変性疾患を識別するための方法に用いられる、タウタンパク質検出方法であって、
前記検体が全血もしくは血漿であり、
2種類の前記抗体のうちの一方が、担体に固定されて用いられるか、または当該担体に結合可能な分子を標識した第一抗体であり、他方が、前記担体に固定されずに標識されている第二抗体であり、
前記タウタンパク質または前記リン酸化タウタンパク質をN末端領域、C末端領域、およびこれらの間に位置する中間領域に区分したときに、
前記第一抗体は、前記中間領域に含まれるアミノ酸配列をエピトープとして認識する抗体であるとともに、前記第二抗体は、前記中間領域に含まれるアミノ酸配列、または、前記N末端領域に含まれるアミノ酸配列をエピトープとして認識する抗体であり、
抗体を固相化しない非固相化担体(非捕捉担体)を併用せずに、2種類の前記抗体のいずれか一方を先に前記検体と抗原抗体反応させてから、他方の抗体を前記検体と抗原抗体反応させることにより形成された、前記担体に固定された免疫複合体を検出することにより、前記検体から前記タウタンパク質または前記リン酸化タウタンパク質を検出することを特徴とする、
タウタンパク質検出方法。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記タウタンパク質のアイソフォームのうちアミノ酸配列が最長の441残基を有するタウ441タンパク質を基準としたときに、
前記N末端領域は、当該タウ441タンパク質の1番目から44番目のアミノ酸配列からなる領域であり、
前記中間領域は、当該タウ441タンパク質の103番目から371番目のアミノ酸配列からなる領域であることを特徴とする、
請求項1に記載のタウタンパク質検出方法。
【請求項3】
前記抗体のエピトープとなるアミノ酸配列が前記中間領域に含まれる場合、当該エピトープは、前記中間領域のうちの149番目から244番目のアミノ酸配列からなるプロリンリッチ領域に含まれることを特徴とする、
請求項2に記載のタウタンパク質検出方法。
【請求項4】
前記抗体のエピトープとなるアミノ酸配列が前記中間領域に含まれる場合、当該エピトープは、前記中間領域のうちの188番目から244番目のアミノ酸配列からなるプロリンリッチ領域に含まれることを特徴とする、
請求項2に記載のタウタンパク質検出方法。
【請求項5】
前記タウタンパク質のアイソフォームのうちアミノ酸配列が最長の441残基を有するタウ441タンパク質を基準としたときに、
前記リン酸化タウタンパク質は、前記タウ441タンパク質の46番目、175番目、181番目、185番目、198番目、199番目、202番目、205番目、208番目、210番目、212番目、214番目、217番目、231番目、235番目、237番目、238番目、262番目、356番目のアミノ酸残基の少なくともいずれかがリン酸化されたものであることを特徴とする、
請求項1から4のいずれか1項に記載のタウタンパク質検出方法。
【請求項6】
前記第一抗体の抗原となるリン酸化タウタンパク質は、前記タウ441タンパク質の175番目、181番目、185番目、198番目、199番目、202番目、205番目、208番目、210番目、212番目、214番目、217番目、231番目、235番目、237番目または238番目のアミノ酸残基の少なくともいずれかがリン酸化されたものであることを特徴とする、
請求項5に記載のタウタンパク質検出方法。
【請求項7】
前記第一抗体が固定される担体は、磁性ビーズ、樹脂製ビーズ、ガラスビーズ、樹脂製プレート、メンブレン、または樹脂製チューブであり、
前記担体に結合可能な分子がビオチンまたはアビジンであることを特徴とする、
請求項1から6のいずれか1項に記載のタウタンパク質検出方法。
【請求項8】
前記第二抗体の標識は、酵素、蛍光色素、蛍光タンパク質、またはビオチンであることを特徴とする、
請求項1から7のいずれか1項に記載のタウタンパク質検出方法。
【請求項9】
前記検体は、神経変性疾患が疑われる対象者から取得した血液試料であることを特徴とする、
請求項1から8のいずれか1項に記載のタウタンパク質検出方法。
【請求項10】
前記神経変性疾患は、アルツハイマー病(AD)、前頭側頭型認知症(FTD)、レビー小体型認知症の少なくともいずれかであることを特徴とする、
請求項9に記載のタウタンパク質検出方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液試料を検体とするタウタンパク質検出方法に関し、特に、血液試料中のエクソソームに含まれるタウタンパク質を良好に検出することが可能なタウタンパク質検出方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
タウタンパク質は、主として神経細胞に発現するタンパク質であり、微小管の重合を促進したり微小管を安定化したりする微小管結合タンパク質(Microtubule-associated protein,MAP)として知られている。
【0003】
タウタンパク質は、アミノ酸配列中の複数のセリンまたはスレオニン等がリン酸化されるリン酸化タンパク質として知られているが、このリン酸化に異常が生じると、アルツハイマー病(AD)、前頭側頭型認知症(FTD)、レビー小体型認知症等の神経変性疾患に関与すると考えられている。そのため、従来から、神経変性疾患のバイオマーカーとしてタウタンパク質およびリン酸化タウタンパク質を利用することが検討されている。
【0004】
タウタンパク質またはリン酸化タウタンパク質を検出する具体的な方法としては、例えば、特許文献1に開示される方法が知られている。特許文献1では、バイオマーカーとしてタウタンパク質およびリン酸化タウタンパク質以外の分子が挙げられており、これらバイオマーカーを検出するための検体としては、血(全血)、血清、血漿、尿、間質液、腹水、子宮頸部スワブ、涙、唾液、頬スワブ、皮膚、脳組織、脳脊髄液等の生体試料が挙げられている。
【0005】
さらに特許文献1では、これら生体試料からエキソソーム(エクソソーム)、微粒子、微小胞、ナノソーム、細胞外小胞、エクトソーム等の小胞を単離するか生体試料中のこれら小胞を濃縮し、このような小胞から1つ以上のバイオマーカーを検出している。バイオマーカーがリン酸化タウタンパク質であれば、抗体を含む組成物を用いてリン酸化タウタンパク質を検出している。
【0006】
ところで、検体として特に利用しやすい生体試料としては、特許文献1にも記載されているが血液試料を挙げることができる。ただし、血液中のタウタンパク質の含有量は、これまで1mL当たり数~数十ピコグラム程度の微量とされていたため、従来からタウタンパク質の高感度検出系が検討されてきたが、近年になって血液中のタウタンパク質の一部がエクソソームに存在することが明らかになった。それゆえ、特許文献1のように生体試料からエクソソームを抽出して利用することで、生体試料1mL当たり数百ピコグラムレベルのタウタンパク質を検出することが可能になった。
【0007】
一方、エクソソームを抽出せずに、血液試料から直接的にタウタンパク質を検出する方法も検討されている。例えば、特許文献2には、非捕捉ビーズの存在下で、捕捉ビーズ上に、生体試料中のリン酸化タウタンパク質と、捕捉抗体と、検出抗体との免疫複合体を形成させて、免疫複合体に由来するシグナルを検出する方法が開示されている。特許文献2では、捕捉抗体のエピトープと検出抗体のエピトープとが異なっており、かつ、免疫複合体を形成しない非補捉ビーズを、捕捉ビーズ1に対して1.5以上となるように共存させている。
【0008】
特許文献2によれば、非捕捉ビーズを捕捉ビーズの1.5倍以上多くなるように共存させて免疫複合体を形成することで、アルツハイマー病(AD)患者と対象患者とを識別できる感度でリン酸化タウタンパク質を測定(検出)することができる。ただし、非捕捉ビーズの存在によりリン酸化タウタンパク質を良好に検出(測定)できる具体的な理由については特に記載がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特表2016-535283号公報
特開2019-027952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者らは、血液試料からエクソソームを抽出して破砕し、エクソソームのタンパク質の量を電気泳動により確認したところ1mL当たりナノグラムレベルの量のタウタンパク質を確認することができた。そこで、血液試料のエクソソームに含まれるタウタンパク質を反応性よく検出することができれば、タウタンパク質の検出精度をより向上することができると考えられた。しかしながら、従来の方法ではエクソソーム等の小胞を抽出する処理が必須であることでタウタンパク質検出方法が煩雑化する。
(【0011】以降は省略されています)
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