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公開番号2025099340
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2023215936
出願日2023-12-21
発明の名称車両の制動装置
出願人スズキ株式会社
代理人弁理士法人東京国際特許事務所
主分類B60T 7/12 20060101AFI20250626BHJP(車両一般)
要約【課題】傾斜路で車両に滑落が生じた場合に、車両が運転者の意思とは異なる方向へ滑り続ける事態を回避する。
【解決手段】車両が傾斜路を車輪ロック状態で移動し始めた場合に、ブレーキ液圧調整制御を実施し、車両の移動方向が操舵方向に一致しているか否かを判定する(S204)。車両の移動方向が操舵方向に一致していない場合は、ブレーキ液圧を運転者のブレーキ操作に応じた基本値よりも低下させる(S206)。車両の移動方向が操舵方向に一致している場合は、ブレーキ液圧の減圧を停止する(S205)。ブレーキ液圧調整制御は、傾斜路を移動中、車両に減速度が生じるまで継続する(S207)。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
車両が傾斜路にあることを検知する傾斜路検知手段と、
前記車両が車輪ロック状態にあることを検知する車輪ロック検知手段と、
前記傾斜路における前記車両の移動方向が操舵方向に一致しているか否かを判定する車両状態判定手段と、
運転者のブレーキ操作に応じた前記車両のブレーキ液圧を設定するブレーキ液圧設定手段と、を備え、
前記ブレーキ液圧設定手段は、前記車両が前記傾斜路を前記車輪ロック状態で移動し始めた後、前記傾斜路を移動している間、前記車両の移動方向が前記操舵方向に一致していない場合に、前記ブレーキ液圧を前記運転者のブレーキ操作に応じた基本値よりも低下させる一方、前記車両の移動方向が前記操舵方向に一致している場合に、前記ブレーキ液圧の減圧を停止するブレーキ液圧調整制御を実施する、車両の制動装置。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記車両は、前輪および後輪を備え、
前記ブレーキ液圧設定手段は、前記前輪および前記後輪のうち、少なくとも前記前輪を前記運転者の操舵に応じて転向可能な操舵輪とする場合に、前記前輪および前記後輪のうち、前記前輪に対してのみ、前記ブレーキ液圧調整制御を実施する、請求項1に記載の車両の制動装置。
【請求項3】
前記車両が減速しているか否かを判定する減速判定手段をさらに備え、
前記ブレーキ液圧設定手段は、前記ブレーキ液圧調整制御の実施後、前記減速判定手段により前記車両が減速していると判定した場合に、前記ブレーキ液圧調整制御を停止する、請求項1に記載の車両の制動装置。
【請求項4】
前記ブレーキ液圧設定手段は、前記車両が停車した状態から前記車輪ロック状態で移動し始めた場合に、前記ブレーキ液圧調整制御を実施する、請求項1に記載の車両の制動装置。
【請求項5】
前記車輪ロック検知手段は、前記車両の全輪がロック状態にある場合に、前記車両が前記車輪ロック状態にあることを検知する、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両の制動装置。
【請求項6】
車両が傾斜路にあることを検知する傾斜路検知手段と、
前記車両が車輪ロック状態にあることを検知する車輪ロック検知手段と、
前記傾斜路における前記車両の移動方向が操舵方向に一致しているか否かを判定する車両状態判定手段と、
前記車両のブレーキ液圧を設定するブレーキ液圧設定手段と、を備え、
前記ブレーキ液圧設定手段は、前記車両が前記傾斜路を前記車輪ロック状態で移動し始めた後、前記傾斜路を移動している間、前記車両の移動方向が前記操舵方向に一致していない場合に、前記車両の移動方向が前記操舵方向に一致している場合よりも低い前記ブレーキ液圧を設定する、車両の制動装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の制動装置に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
アンチロックブレーキ(ABS)装置を作動させて、四輪の全てがロック状態に陥る事態を回避する技術が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011-131618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
傾斜路では、路面の摩擦係数が低い場合に、停車している車両が車輪のスリップにより路面上を滑り落ちる状況が生じ得る。このような状況では、ABS装置のようにブレーキ液圧の増減を繰り返すことによってはスリップを止め、車両を停車させることは困難である。そして、車両が滑り落ちている状況では、車両を運転者が意図した方向(つまり、操舵方向)へ向かわせることもまた困難であり、運転者の意図とは異なる方向へ滑り続けること、具体的には、運転者がハンドルを右または左に切っているにも拘わらず、傾斜路をそのまま下方へ滑り続けることが懸念される。
【0005】
このような実状に鑑み、本発明は、車両に滑落が生じた場合に、車両が運転者の意思とは異なる方向へ滑り続ける事態を回避可能とし、安全性の更なる向上に資する車両の制動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る車両の制動装置は、車両が傾斜路にあることを検知する傾斜路検知手段と、前記車両が車輪ロック状態にあることを検知する車輪ロック検知手段と、前記傾斜路における前記車両の移動方向が操舵方向に一致しているか否かを判定する車両状態判定手段と、運転者のブレーキ操作に応じた前記車両のブレーキ液圧を設定するブレーキ液圧設定手段と、を備え、前記ブレーキ液圧設定手段は、前記車両が前記傾斜路を前記車輪ロック状態で移動し始めた後、前記傾斜路を移動している間、前記車両の移動方向が前記操舵方向に一致していない場合に、前記ブレーキ液圧を前記運転者のブレーキ操作に応じた基本値よりも低下させる一方、前記車両の移動方向が前記操舵方向に一致している場合に、前記ブレーキ液圧の減圧を停止するブレーキ液圧調整制御を実施する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一形態によれば、車輪ロック状態での移動開始後、車両の移動方向が操舵方向と一致していない場合、換言すれば、車両が傾斜路を運転者の意図とは異なる方向へ滑り落ちている場合に、ブレーキ液圧調整制御により車両のブレーキ液圧を低下させる。これにより、車輪ロック状態の解消を促し、運転者の操舵能力を回復させ、運転者が意図する方向へ車両を向かわせることが可能となる。よって、車両が傾斜路を運転者の意思とは異なる方向へ滑り続ける事態を回避可能とし、安全性の更なる向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一実施形態に係る車両の制動装置の全体的な構成を示す概略図である。
同上制動装置の制御システムの構成を示す概略図である。
同上制御システムのコントローラの内部構成を示す概略図である。
同上コントローラが実施する制御(制動制御)の流れを示すフローチャートである。
同上制御におけるブレーキ液圧調整処理の内容を示すフローチャートである。
同上制御による車両の挙動を示す説明図である。
同上制御により切り替えられる制動装置の作動状態および切り替えの条件(遷移条件)を示す状態遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
(制動装置の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る車両の制動装置(以下、単に「制動装置」という)1の構成を示す概略図である。
(【0011】以降は省略されています)

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