特許ウォッチ

公開番号2025099979
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2023217032
出願日2023-12-22
発明の名称歯ブラシ
出願人サンスター株式会社
代理人弁理士法人柳野国際特許事務所
主分類A46B 5/00 20060101AFI20250626BHJP(ブラシ製品)
要約【課題】ブラッシング中に滑らずに把持し易く、ヘッド部に力がかかっても使用者の想定通りの力でブラッシングがし易い、歯磨き操作性に優れた歯ブラシを提供する。
【解決手段】毛束が植設される略平坦な植毛面を有するヘッド部と、ヘッド部の基端側に連設されるネック部と、ネック部の基端側に連設されるハンドル部とからなり、ヘッド部の毛束突出方向に沿った前後の厚みが2～4mm、ネック部の前後の厚みが4.0～5.3mm、ヘッド部、ネック部及びハンドル部の中心軸A1、A2、A3を長手方向中心位置における前後厚み方向の中心を通り、且つ側面視で前記植毛面に平行な直線と定義したとき、中心軸A2が中心軸A1、A3の双方に対して歯ブラシ後面側にずれ、ハンドル部が先端側の指当て領域に厚み方向前後に突出した外形形状を有し指当て領域を除く位置に側面視で歯ブラシ後面側に内凸の外形形状を有する歯ブラシ。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
毛束が植設される略平坦な植毛面を有するヘッド部と、該ヘッド部の基端側に連設されるネック部と、該ネック部の基端側に連設されるハンドル部とからなる歯ブラシであって、
前記ヘッド部の毛束突出方向に沿った前後の厚みが２～４ｍｍであり、
前記ネック部の前後の厚みが、４．０～５．３ｍｍであり、
前記ヘッド部、前記ネック部及び前記ハンドル部の各中心軸を、それぞれ、各部の長手方向中心位置における前後厚み方向の中心を通り、且つ側面視で前記植毛面に平行な直線と定義したとき、
前記ネック部の中心軸が、前記ヘッド部の中心軸及び前記ハンドル部の中心軸の双方に対して歯ブラシ後面側にずれており、
前記ハンドル部が、先端側の指当て領域に、側面視で厚み方向前後に突出した外形形状を有するとともに、前記指当て領域を除く位置に、側面視で歯ブラシ後面側に内凸の外形形状を有する、
歯ブラシ。
続きを表示（約 330 文字）【請求項２】
前記ハンドル部が、先端側の指当て領域を除く位置に、側面視で歯ブラシ前面側に前記ハンドル部の中心軸に略平行な所定長さの直線状の外形形状を有する、請求項１記載の歯ブラシ。
【請求項３】
前記ヘッド部の中心軸及び前記ハンドル部の中心軸が略一致している、請求項１記載の歯ブラシ。
【請求項４】
前記ネック部が、側面視で歯ブラシ前面側に前記植毛面と重なる直線状の外形形状を有する、請求項１記載の歯ブラシ。
【請求項５】
前記ハンドル部の前記指当て領域における、側面視で前面側に突出する前側凸部の頂点が、後面側に突出する後ろ側凸部の頂点よりもヘッド部寄りに設定されている、請求項１記載の歯ブラシ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、毛束が植設されたヘッド部と、該ヘッド部に連設されたハンドル体を備えた歯ブラシに関する。
続きを表示（約 2,300 文字）【背景技術】
【０００２】
ヘッド部の厚みが２～４ｍｍと薄型になっている歯ブラシとしては、ハンドル部の軸線よりも厚み方向前後に位置するとともに、植毛面の基端よりも先端の方が前記厚み方向前後に位置するように傾くように形成され、ネック部は、厚みと横幅が前記ハンドル部よりも小さく設定され、且つ前記前端が前記軸線よりも厚み方向前後に位置するようにして湾曲した、全体形状が略Ｓ字型の歯ブラシ（以下、Ｓ字型歯ブラシ）が知られている（特許文献１）。しかしながら、Ｓ字型歯ブラシは、ヘッド部の植毛面に対して、ハンドル部の軸線が湾曲した形状になるため、口中の歯面に対して、ヘッド部の植毛面が平行にし難く、ブラッシングがし難いという課題があった。
【０００３】
そこで、薄型ヘッドの歯ブラシとして、ヘッド部の軸方向に対して、ネック部及びハンドル部の軸方向が一直線状になる歯ブラシ（以下、直線型歯ブラシ）が知られている（特許文献２）。特許文献２に記載の直線型歯ブラシは、親指が当接する指当て部５０が凸状の頂点５１と扁平形状とを有することにより、厚さ方向に過度に撓ませないように調整されて、かつネック部４から把持部５への撓み等の変形の伝播を抑止することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０２２－０００２９０号公報
特開２０２２－１００４６５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上記直線型歯ブラシは、Ｓ字型歯ブラシに比べて口内でヘッド部のブラシを歯の表面に対して略直角に当てることができるが、例えば、引用文献２に記載のような歯ブラシでブラッシング中にネック部の変形が生じると、Ｓ字型歯ブラシでは気にならなかった違和感を持ちやすいという課題があった。一方、ネック部を曲がらないようにすると、歯の表面に対して略直角に当てることが難しくなり、口内での操作性も悪くなるという課題があった。また、引用文献２に記載のようなハンドル部が直線形状になっている歯ブラシは、ブラッシング中に把持している部分が滑ったり、持ちにくくなったりするという課題もあった。
【０００６】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、ブラッシング中に滑らずに把持し易く、ヘッド部に力がかかっても、使用者の想定通りの力でブラッシングがし易い、歯磨き操作性に優れた歯ブラシを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明者らはかかる現況に鑑み、鋭意検討した結果、ネック部の変形を適度に抑えて、側面視におけるヘッド部、ネック部及びハンドル部の中心軸の位置及び指当て部の形状及びハンドル部の形状を工夫することで、ペングリップ又はパームグリップのいずれの方法でもブラッシング中に滑らずに把持し易く、使用者の想定通りの力でブラッシングし易くなり、歯磨き操作性が良好になることを見出し、本発明を完成させた。
【０００８】
すなわち本発明は、以下の発明を包含する。
（１）毛束が植設される略平坦な植毛面を有するヘッド部と、該ヘッド部の基端側に連設されるネック部と、該ネック部の基端側に連設されるハンドル部とからなる歯ブラシであって、
前記ヘッド部の毛束突出方向に沿った前後の厚みが２～４ｍｍであり、
前記ネック部の前後の厚みが、４．０～５．３ｍｍであり、
前記ヘッド部、前記ネック部及び前記ハンドル部の各中心軸を、それぞれ、各部の長手方向中心位置における前後厚み方向の中心を通り、且つ側面視で前記植毛面に平行な直線と定義したとき、
前記ネック部の中心軸が、前記ヘッド部の中心軸及び前記ハンドル部の中心軸の双方に対して歯ブラシ後面側にずれており、
前記ハンドル部が、先端側の指当て領域に、側面視で厚み方向前後に突出した外形形状を有するとともに、前記指当て領域を除く位置に、側面視で歯ブラシ後面側に内凸の外形形状を有する、
歯ブラシ。
（２）前記ハンドル部が、先端側の指当て領域を除く位置に、側面視で歯ブラシ前面側に前記ハンドル部の中心軸に略平行な所定長さの直線状の外形形状を有する、前記（１）記載の歯ブラシ。
（３）前記ヘッド部の中心軸及び前記ハンドル部の中心軸が略一致している、前記（１）又は（２）記載の歯ブラシ。
（４）前記ネック部が、側面視で歯ブラシ前面側に前記植毛面と重なる直線状の外形形状を有する、前記（１）～（３）いずれか記載の歯ブラシ。
（５）前記ハンドル部の前記指当て領域における、側面視で前面側に突出する前側凸部の頂点が、後面側に突出する後ろ側凸部の頂点よりもヘッド部寄りに設定されている、前記（１）～（４）のいずれかに記載の歯ブラシ。
【０００９】
本発明において、「前」とは、毛束の突出している方向をいい、その反対側を「後」という。
【発明の効果】
【００１０】
以上にしてなる本発明の歯ブラシによれば、ブラッシング中にペングリップ又はパームグリップのいずれの方法でも滑らずにしっかりと把持し易く、ヘッド部に力がかかっても使用者が想定通りの力でブラッシングがし易くなり、効率のよい歯磨きが可能になる。
【図面の簡単な説明】
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許