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公開番号
2025102169
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-08
出願番号
2023219456
出願日
2023-12-26
発明の名称
シール部材及びシール部材の製造方法
出願人
キヤノン株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
B32B
3/26 20060101AFI20250701BHJP(積層体)
要約
【課題】シール部材としての機械的特性に優れ、重合性モノマーが接液する配管や装置などにおいても、長期に亘ってシール部材の破損、及びシール部材の内部での重合性モノマーの重合を防止することが可能なシール部材を提供すること。
【解決手段】本開示は基材と、前記基材表面に形成された被覆層とを有するシール部材であって、基材が、多孔質構造を有するポリテトラフルオロエチレン基体の間隙部にアルミナ粒子が存在する構造を有し、被覆層が、有機ケイ素化合物の縮合物の層であることを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
基材と、該基材表面に形成された被覆層とを有するシール部材であって、
該基材が、多孔質構造を有するポリテトラフルオロエチレン基体の間隙部にアルミナ粒子が存在する構造を有し、
該被覆層が、有機ケイ素化合物の縮合物の層であることを特徴とするシール部材。
続きを表示(約 910 文字)
【請求項2】
前記被覆層の厚みが5nm以上50nm以下の範囲である、請求項1に記載のシール部材。
【請求項3】
前記シール部材中のAl元素の含有率が0.8atomic%以上4.6atomic%以下である、請求項1または2に記載のシール部材。
【請求項4】
前記有機ケイ素化合物が下記式(1)に示す化合物である、請求項1または2に記載のシール部材。
R
1
-Si-(R
2
)
3
・・・式(1)
(式(1)中、R
1
は炭素数が1以上5以下のアルキル基であり、R
2
はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、又は炭素数が1以上4以下のアルコキシ基を示す。)
【請求項5】
前記ポリテトラフルオロエチレン基体の間隙部にも、有機ケイ素化合物の縮合物が存在する、請求項1または2に記載のシール部材。
【請求項6】
前記有機ケイ素化合物由来のSi元素の含有率がシール部材全体で10atomic%以上40atomic%以下の範囲である、請求項1または2に記載のシール部材。
【請求項7】
前記シール部材が、ガスケットである、請求項1または2に記載のシール部材。
【請求項8】
請求項1または2に記載のシール部材の製造方法であって、
有機ケイ素化合物の加水分解液を基材に浸透させ、次に乾燥させることにより被覆層を形成すること特徴とするシール部材の製造方法。
【請求項9】
前記基材への前記有機ケイ素化合物の加水分解液の浸透方法が、前記基材を前記有機ケイ素化合物の加水分解液中に漬け込み、浸透させる方法である、請求項8に記載のシール部材の製造方法。
【請求項10】
前記基材への前記有機ケイ素化合物の加水分解液の浸透方法が、前記基材を前記有機ケイ素化合物の加水分解液中に減圧下で漬け込み、浸透させる方法である、請求項9に記載のシール部材の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、シール部材、特に重合性モノマーが接液する配管や装置などに使用されるシール部材、及びこのシール部材の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
配管や装置などにはシール部材が使用されている。
従来、配管用シール部材として、フッ素樹脂と炭化ケイ素粒子およびα-アルミナ粒子からなる群より選ばれた少なくとも1種の無機粒子を含有してなり、フッ素樹脂と無機粒子との体積比(フッ素樹脂/無機粒子)が40/60~55/45であるフッ素樹脂製ガスケットが提案されている(特許文献1)。このフッ素樹脂製ガスケットは、高温状態であっても変形しがたいものとされている。
ガスケットを製造するのに使用可能な複合材料として、シリカなどの粒状フィラーを含んでいてもよい延伸膨張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)材料を、シリコーンなどの液体エラストマーでコーティングして得られる複合材料も提案されている(特許文献2)。この複合材料は、優れた耐屈曲性を有するものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-196779号公報
特表2002-502735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
重合性モノマーが接液する配管や装置などに使用されるシール部材においては、重合性モノマーがシール部材の内部に染み込み、シール部材の内部で重合することによりシール部材が破損するという課題があった。さらに、配管などに使用されるシール部材においては、シール部材の内部に染み込んだ重合性モノマーを起点に重合が進行することによって重合物が生成し、この重合物により配管が閉塞されるという課題もあった。
ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという)は多くの薬品に対し高い耐性(耐溶剤性)を示すことからシール部材に適用可能である。したがって、上記課題に対する対策として、PTFEをシール部の基材として使用することが考えられる。しかしながら、PTFEを用いてシール部材を成形する際、PTFEが多くの溶媒に難溶であることから射出成型により成形することができない。そのため、原材料となるパウダー、ペレットを圧縮焼成して成形することが一般的である。圧縮焼成により目視では外観が平滑な面を有する成形体を得ることが可能である。しかしながら、走査型電子顕微鏡(SEM)などを用いて表面を観察すると、PTFE成形体表面に穴や繊維が解れたような隙間が観察される。また、シール部材の機械的特性改良のためにPTFEにフィラー等を添加し圧縮焼成した場合には、穴や繊維が解れたような隙間、繊維状のPTFEは、より高頻度で観察される。通常の流体のシール部材として使用する場合において、このような目視で確認できない微小な穴や隙間によって、問題は生じない。しかしながら、重合性モノマー用のシール部材として使用した際には、微小な穴や隙間から徐々に重合性モノマーがシール部材に含浸し、その内部で重合することで問題が生じる。
特許文献1では、フッ素樹脂として耐溶剤性の高いPTFEを選択することができる(特許文献1の段落[0010]参照)。しかしながら、基材としてPTFEを使用するシール部材であっても、長期間の使用においては重合性モノマーが内部に侵入し、シール部材が破損するという問題やシール部材の内部に染み込んだ重合性モノマーを起点に重合が進行して重合物が生成するという問題が発生する。
特許文献2に開示されているシリコーンなどの液体エラストマーによる被覆層を有し、かつシリカ粒子などの粒状フィラーを含むPTFE基体からなる基材においても特許文献1と同様に、長期間の使用においては重合性モノマーが内部に侵入し、シール部材が破損するという問題やシール部材の内部に染み込んだ重合性モノマーを起点に重合が進行して重合物が生成するという問題は発生する。
そのためシール部材として必須となる機械的特性に優れつつ、長期に亘って重合性モノマーによる破損や重合性モノマーの重合により生成する重合物による閉塞を防止可能なシール部材が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、基材と、該基材表面に形成された被覆層とを有するシール部材であって、
該基材が、多孔質構造を有するポリテトラフルオロエチレン基体の間隙部にアルミナ粒子が存在する構造を有し、
該被覆層が、有機ケイ素化合物の縮合物の層であることを特徴とするシール部材に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、シール部材としての機械的特性に優れ、重合性モノマーが接液する配管や装置などにおいても、長期に亘ってシール部材の破損や、シール部材の内部での重合性モノマーの重合を防止することが可能なシール部材を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を示して、本発明を詳細に説明する。ただし、この発明は、これらに限定されるものではない。
【0008】
本開示において、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
【0009】
〔本発明の特徴〕
本発明は、基材と、該基材表面に形成された被覆層とを有するシール部材であって、該基材が、多孔質構造を有するポリテトラフルオロエチレン基体の間隙部にアルミナ粒子が存在する構造を有し、該被覆層が、有機ケイ素化合物の縮合物の層であることを特徴とするシール部材に関する。
【0010】
〔基材〕
<ポリテトラフルオロエチレン基体>
本発明に係るポリテトラフルオロエチレン基体は、多孔質構造を有するものとしている。このようなポリテトラフルオロエチレン基体は、穴ないし細孔や繊維が解れたような隙間などの間隙部(空隙)を有している。したがって、ポリテトラフルオロエチレン基体は、その間隙部にアルミナ粒子を存在せしめることができるため、間隙部にアルミナ粒子が存在する構造を有する。多孔質構造としては、空隙(間隙部)が相互に連結した連続空隙構造や、空隙が各々独立した独立空隙構造などを挙げることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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