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公開番号2025103451
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-09
出願番号2023220854
出願日2023-12-27
発明の名称三次元除去加工システム、加工プログラムの生成装置、三次元造形物の製造方法、および、プログラム
出願人株式会社ソディック
代理人SK弁理士法人,個人,個人
主分類B23K 26/36 20140101AFI20250702BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】被加工物の大型化に伴って生じ得る加工品質の低下を回避する。
【解決手段】パルスレーザ照射を利用した三次元除去加工システムであって、レーザ走査ヘッドと、被加工物を支持するステージと、制御部とを備え、前記レーザ走査ヘッドおよび前記ステージは、互いに相対移動可能とされており、前記制御部は、加工プログラムに基づき、前記被加工物に対する前記レーザ走査ヘッドからのレーザビームの照射、および、前記レーザ走査ヘッドと前記ステージとの間の相対移動を制御し、ここで、前記加工プログラムは、それぞれが所定のサイズを有する複数照射領域に対するレーザビームの照射順序に関する指示を含んでおり、前記複数照射領域は、標的形状の三次元モデルを厚さ方向に分割することにより得られる複数レイヤーのそれぞれを、分割ラインが互いにオフセットされるようにして分割する。
【選択図】図9
特許請求の範囲【請求項1】
パルスレーザ照射を利用した三次元除去加工システムであって、
レーザ走査ヘッドと、
被加工物を支持するステージと、
制御部と
を備え、
前記レーザ走査ヘッドおよび前記ステージは、互いに相対移動可能とされており、
前記制御部は、加工プログラムに基づき、前記被加工物に対する前記レーザ走査ヘッドからのレーザビームの照射、および、前記レーザ走査ヘッドと前記ステージとの間の相対移動を制御し、ここで、前記加工プログラムは、それぞれが所定のサイズを有する複数の照射領域に対するレーザビームの照射順序に関する指示を含んでおり、前記複数の照射領域は、標的形状の三次元モデルを厚さ方向に分割することにより得られる複数のレイヤーのそれぞれを、分割ラインが互いにオフセットされるようにして分割することにより定義される領域であり、
前記レーザ走査ヘッドは、前記照射領域を単位として前記被加工物の表面をレーザビームで走査することにより前記被加工物の一部を除去する、システム。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記制御部は、前記複数のレイヤーのうち前記厚さ方向において連続する一部のレイヤーに対する除去加工において、前記レーザ走査ヘッドから前記ステージまでの距離と、前記レーザビームのビームウエストの位置とを変更しないように前記レーザ走査ヘッドおよび前記ステージを制御する、システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のシステムであって、
前記制御部は、前記ステージに対する前記レーザ走査ヘッドの相対的な移動の軌跡の距離、または、前記レーザ走査ヘッドからのレーザビームの照射によって前記被加工物から前記標的形状を得るまでの加工時間が最小となる照射順序で、前記照射領域を単位とする除去加工を前記レーザ走査ヘッドに実行させる、システム。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のシステムであって、
前記制御部は、前記複数の照射領域のうち前記標的形状を少なくとも一部に含む照射領域に対して選択的にレーザ走査を前記レーザ走査ヘッドに実行させる、システム。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載のシステムであって、
前記制御部は、前記照射領域のラベルを所定の条件に基づき並び替えることにより前記照射順序を決定し、前記照射領域を単位とする除去加工を前記照射順序で前記レーザ走査ヘッドに実行させる、システム。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載のシステムであって、
前記レーザ走査ヘッドに光学的に結合されたレーザ光源をさらに備え、
前記レーザ走査ヘッドは、スキャン光学系およびfθレンズを有する、システム。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載のシステムであって、
前記レーザ走査ヘッドは、フェムト秒レーザで前記被加工物を照射する、システム。
【請求項8】
所定サイズの照射領域を単位として被加工物の表面をレーザビームで走査することにより前記被加工物の一部を除去するレーザ走査ヘッドと、前記被加工物を保持するステージとを有し、前記レーザ走査ヘッドと前記ステージとが互いに相対移動可能とされた三次元除去加工システムに向けられた加工プログラムの生成装置であって、
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
標的形状の三次元モデルを入力として前記三次元モデルを厚さ方向に分割することにより複数のレイヤーを得て、さらに、分割ラインが互いにオフセットされるようにして各レイヤーを所定サイズに分割することにより複数の照射領域を生成する工程(a)と、
前記複数の照射領域のうち前記標的形状を少なくとも一部に含む照射領域のセットを抽出する工程(b)と、
前記セットに含まれる前記照射領域の照射順序を所定の条件に基づき並び替えて前記三次元除去加工システムに対する加工指示として出力する工程(c)と
を実行する、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の生成装置であって、
前記工程(c)は、前記ステージに対する前記レーザ走査ヘッドの相対的な移動の軌跡の距離、または、前記レーザ走査ヘッドからのレーザビームの照射によって前記被加工物から前記標的形状を得るまでの加工時間が最小となるように、前記セットに含まれる前記照射領域の照射順序を並び替える工程(d)を含む、装置。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の生成装置であって、
前記工程(c)の前に、前記複数のレイヤーを、それぞれが、前記厚さ方向においてビームウエストを中心としてビーム直径が等しい範囲である有効部に含まれる1つまたは複数のレイヤーを有するレイヤー群に区分する工程(e)をさらに実行し、
前記工程(b)では、同じレイヤー群に含まれる照射領域のセットを抽出する、装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元除去加工システム、加工プログラムの生成装置および三次元造形物の製造方法に関する。本発明は、三次元除去加工システム用加工プログラムの生成装置に向けられたプログラムにも関している。
続きを表示(約 4,700 文字)【背景技術】
【0002】
エンドミルのような機械工具の使用に代えてレーザビームの照射を適用した三次元除去加工が知られている。例えば下記の特許文献1は、レーザ光照射機構と、被加工物を保持するためのステージとを有するレーザ加工装置を開示している。特許文献1のレーザ加工装置では、被加工物の加工対象領域を複数の領域に分割し、分割された領域毎にレーザビームの走査を実行している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-016735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加工対象領域を複数の領域に分割してこれら複数の領域毎にレーザビームの走査を実行する手法では、各領域の中央付近と周縁部との間で加工品質に無視できない差を生じることがある。すなわち、走査が不連続となることに起因して、隣り合う領域の境界部において加工品質の相対的な低下が見られることがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1]パルスレーザ照射を利用した三次元除去加工システムであって、レーザ走査ヘッドと、被加工物を支持するステージと、制御部とを備え、前記レーザ走査ヘッドおよび前記ステージは、互いに相対移動可能とされており、前記制御部は、加工プログラムに基づき、前記被加工物に対する前記レーザ走査ヘッドからのレーザビームの照射、および、前記レーザ走査ヘッドと前記ステージとの間の相対移動を制御し、ここで、前記加工プログラムは、それぞれが所定のサイズを有する複数の照射領域に対するレーザビームの照射順序に関する指示を含んでおり、前記複数の照射領域は、標的形状の三次元モデルを厚さ方向に分割することにより得られる複数のレイヤーのそれぞれを、分割ラインが互いにオフセットされるようにして分割することにより定義される領域であり、前記レーザ走査ヘッドは、前記照射領域を単位として前記被加工物の表面をレーザビームで走査することにより前記被加工物の一部を除去する、システム。
[2][1]に記載のシステムであって、前記制御部は、前記複数のレイヤーのうち前記厚さ方向において連続する一部のレイヤーに対する除去加工において、前記レーザ走査ヘッドから前記ステージまでの距離と、前記レーザビームのビームウエストの位置とを変更しないように前記レーザ走査ヘッドおよび前記ステージを制御する、システム。
[3][1]または[2]に記載のシステムであって、前記制御部は、前記ステージに対する前記レーザ走査ヘッドの相対的な移動の軌跡の距離、または、前記レーザ走査ヘッドからのレーザビームの照射によって前記被加工物から前記標的形状を得るまでの加工時間が最小となる照射順序で、前記照射領域を単位とする除去加工を前記レーザ走査ヘッドに実行させる、システム。
[4][1]から[3]のいずれか1項に記載のシステムであって、前記制御部は、前記複数の照射領域のうち前記標的形状を少なくとも一部に含む照射領域に対して選択的にレーザ走査を前記レーザ走査ヘッドに実行させる、システム。
[5][1]から[4]のいずれか1項に記載のシステムであって、前記制御部は、前記照射領域のラベルを所定の条件に基づき並び替えることにより前記照射順序を決定し、前記照射領域を単位とする除去加工を前記照射順序で前記レーザ走査ヘッドに実行させる、システム。
[6][1]から[5]のいずれか1項に記載のシステムであって、前記レーザ走査ヘッドに光学的に結合されたレーザ光源をさらに備え、前記レーザ走査ヘッドは、スキャン光学系およびfθレンズを有する、システム。
[7][1]から[6]のいずれか1項に記載のシステムであって、前記レーザ走査ヘッドは、フェムト秒レーザで前記被加工物を照射する、システム。
[8]所定サイズの照射領域を単位として被加工物の表面をレーザビームで走査することにより前記被加工物の一部を除去するレーザ走査ヘッドと、前記被加工物を保持するステージとを有し、前記レーザ走査ヘッドと前記ステージとが互いに相対移動可能とされた三次元除去加工システムに向けられた加工プログラムの生成装置であって、1または複数のプロセッサを備え、前記1または複数のプロセッサは、標的形状の三次元モデルを入力として前記三次元モデルを厚さ方向に分割することにより複数のレイヤーを得て、さらに、分割ラインが互いにオフセットされるようにして各レイヤーを所定サイズに分割することにより複数の照射領域を生成する工程(a)と、前記複数の照射領域のうち前記標的形状を少なくとも一部に含む照射領域のセットを抽出する工程(b)と、前記セットに含まれる前記照射領域の照射順序を所定の条件に基づき並び替えて前記三次元除去加工システムに対する加工指示として出力する工程(c)とを実行する、装置。
[9][8]に記載の生成装置であって、前記工程(c)は、前記ステージに対する前記レーザ走査ヘッドの相対的な移動の軌跡の距離、または、前記レーザ走査ヘッドからのレーザビームの照射によって前記被加工物から前記標的形状を得るまでの加工時間が最小となるように、前記セットに含まれる前記照射領域の照射順序を並び替える工程(d)を含む、装置。
[10][8]または[9]に記載の生成装置であって、前記工程(c)の前に、前記複数のレイヤーを、それぞれが、前記厚さ方向においてビームウエストを中心としてビーム直径が等しい範囲である有効部に含まれる1つまたは複数のレイヤーを有するレイヤー群に区分する工程(e)をさらに実行し、前記工程(b)では、同じレイヤー群に含まれる照射領域のセットを抽出する、装置。
[11]三次元造形物の製造方法であって、標的形状の三次元モデルを厚さ方向に複数のレイヤーに分割し、さらに、分割ラインが互いにオフセットされるようにして各レイヤーを分割してそれぞれが所定サイズを有する複数の照射領域を設定する工程(A)と、前記複数の照射領域のうち前記標的形状を少なくとも一部に含む照射領域のセットを抽出する工程(B)と、前記セットに含まれる前記照射領域の照射順序を所定の条件に基づき並び替え、前記照射領域を単位として被加工物の表面をレーザビームで走査して前記照射順序で前記被加工物の一部を除去することにより、前記標的形状を得る工程(C)とを含む、方法。
[12][11]に記載の製造方法であって、前記工程(C)の前に、前記複数のレイヤーを、それぞれが、前記厚さ方向においてビームウエストを中心としてビーム直径が等しい範囲である有効部に含まれる1つまたは複数のレイヤーを有するレイヤー群に区分する工程(D)をさらに含み、前記工程(B)では、同じレイヤー群に含まれる照射領域のセットを抽出する、方法。
[13]所定サイズの照射領域を単位として被加工物の表面をレーザビームで走査することにより前記被加工物の一部を除去する三次元除去加工システム用加工プログラムの生成装置に向けられたプログラムであって、前記プログラムは、コンピュータに、標的形状の三次元モデルを入力として前記三次元モデルを厚さ方向に分割することにより複数のレイヤーを得て、さらに、分割ラインが互いにオフセットされるようにして各レイヤーを所定サイズに分割することにより複数の照射領域を生成する工程(a)と、前記複数の照射領域のうち前記標的形状を少なくとも一部に含む照射領域のセットを抽出する工程(b)と、前記セットに含まれる前記照射領域の照射順序を所定の条件に基づき並び替えて前記三次元除去加工システムに対する加工指示として出力する工程(c)とを実行させるためのプログラム。
[14][13]に記載のプログラムであって、前記コンピュータに、前記工程(c)の前に、前記複数のレイヤーを、それぞれが、前記厚さ方向においてビームウエストを中心としてビーム直径が等しい範囲である有効部に含まれる1つまたは複数のレイヤーを有するレイヤー群に区分する工程(d)をさらに実行させ、前記工程(b)では、同じレイヤー群に含まれる照射領域のセットを抽出させる、プログラム。
[15][13]または[14]に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体。
【発明の効果】
【0006】
本発明の少なくともいずれかの実施形態によれば、被加工物の大型化に伴って生じ得る加工品質の低下を回避し得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明のある実施形態による三次元除去加工システムの例示的な外観斜視図である。
加工ユニット10の外装が外された状態の加工システム1を模式的に示す斜視図である。
加工ユニット10の光学系の概略を説明するための模式的な図である。
スキャン光学系122の他の例を示す模式図である。
加工システム1における制御系統の一例を示す機能ブロック図である。
本発明の他のある実施形態による加工プログラム生成の例を示すフローチャートである。
標的形状の三次元モデルのある高さにおけるスライスと、レーザ走査ヘッド12が一度に走査可能な領域との関係を説明するための模式図である。
加工レイヤーの、複数の照射領域への分割の一例を示す模式図である。
第1レイヤーにおける分割を第2レイヤーにおける分割に重ねて模式的に示す図である。
照射領域のそれぞれを表現するラベルを所定の条件の下で並べ替えた後のリストの例を示す図である。
図10に示すリストに対応する数値制御プログラムの例を示す図である。
本発明のさらに他の実施形態による、三次元造形物の例示的な製造方法を説明するためのフローチャートである。
ビームウエストを中心とする所定の範囲内に複数の加工レイヤーの照射領域が位置する例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に示す実施形態中に示した各特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
【0009】
図1は、本発明のある実施形態による三次元除去加工システムの例示的な外観を示す。図1に示す加工システム1は、パルスレーザ照射を利用した三次元除去加工システムであって、概略的には、加工ユニット10と、制御ユニット20とを有する。後述するように、加工ユニット10は、レーザ走査ヘッドおよびステージを有しており、制御ユニット20は、加工プログラムに基づき、これらレーザ走査ヘッドおよびステージの動作を制御する。
【0010】
<1.加工ユニット10の構成例>
図2は、加工ユニット10の外装が外された状態の加工システム1を示す。図2中、説明の便宜のために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を示す3つの矢印が描かれている。ここでは、図中のZ軸は、鉛直方向に平行である。図2に続く他の図面中にも、これらX軸、Y軸およびZ軸を示す矢印を図示することがある。
(【0011】以降は省略されています)

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