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公開番号
2025103552
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-09
出願番号
2023221008
出願日
2023-12-27
発明の名称
消臭方法
出願人
花王株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
A61L
9/01 20060101AFI20250702BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】消臭剤組成物中ではアルデヒド系香料に対する影響が少なく、アルデヒド類に由来する臭いに対する消臭性能に優れた消臭方法を提供する。
【解決手段】(a)1級アミン化合物〔以下、(a)成分という〕、(b)炭素数2以上10以下の有機カルボン酸化合物〔以下、(b)成分という〕、及び(c)香料組成物〔以下、(c)成分という〕を含有し、(c)成分は、アルデヒド系香料を含み、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量のモル比(a)/(b)が0.05以上1.6未満であり、(a)成分と(b)成分の合計含有量が0.01質量%以上3.0質量%以下である消臭剤組成物を消臭対象に接触させ、乾燥させる、消臭方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(a)1級アミン化合物〔以下、(a)成分という〕、(b)炭素数2以上10以下の有機カルボン酸化合物〔以下、(b)成分という〕、及び(c)香料組成物〔以下、(c)成分という〕を含有し、(c)成分は、アルデヒド系香料を含み、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量のモル比(a)/(b)が0.05以上1.6未満であり、(a)成分と(b)成分の合計含有量が0.01質量%以上3.0質量%以下である消臭剤組成物を消臭対象に接触させ、乾燥させる、消臭方法。
続きを表示(約 710 文字)
【請求項2】
(a)成分は、ヒドロキシ基を有する不揮発性1級アミンである、請求項1に記載の消臭方法。
【請求項3】
(a)成分は、水への溶解度が5g/100g-水(25℃)以上であり、且つ760mmHgにおける沸点が120℃以上の化合物である、請求項1又は2に記載の消臭方法。
【請求項4】
(a)成分は、1-アミノ-3-プロパノール、2-アミノ-1-ブタノール、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、2-アミノ-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-ヒドロキシエチル-1,3-プロパンジオール、アミノ糖及びそれらの塩から選ばれる1種以上を含む、請求項1又は2に記載の消臭方法。
【請求項5】
(b)成分は、炭素数2以上8以下の1価カルボン酸、炭素数2以上10以下の2価カルボン酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の消臭方法。
【請求項6】
(b)成分は、コハク酸、プロピオン酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上を含む、請求項1又は2に記載の消臭方法。
【請求項7】
(c)成分中のアルデヒド系香料〔以下、(c
ald
)成分という〕の含有量が0.5質量%以上50質量%以下である、請求項1又は2に記載の消臭方法。
【請求項8】
アルデヒド類に由来する臭いを消臭する、請求項1又は2に記載の消臭方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、消臭方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、香りに対するニーズが増加しており、トイレなどの硬質表面やリビングなどの居住空間、布団、カーペット、ソファー、衣料などの繊維製品に消臭芳香剤を接触させて好ましい香りを付与することが習慣化している。また、このような芳香剤には好ましい香りを設計するために、しばしばアルデヒド基を有するアルデヒド系香料が頻繁に応用される。
一方、香りを付与するだけでなく、生活臭、体臭、食品臭などの悪臭を消臭する技術も期待される。悪臭には脂肪酸などに由来する酸臭、アンモニアなどに由来するアルカリ臭があり、これらの臭いに対してはpH緩衝能を消臭剤に付与することで高い消臭効果を得ることができるが、例えば体臭として知られるノネナールなどのアルデヒド臭は化学的に消臭することが難しく、シクロデキストリンなどの包摂化合物による消臭が行われているが効果は十分ではない。
【0003】
一般にアルデヒド臭を化学的に消臭する技術としては1級アミンを接触させてイミンを生成させて消臭することが行われる。例えば、特許文献1には、所定のポリヒドロキシアミン化合物及び/又はその塩(a)、多価有機酸(b)及び水を含有する水性消臭剤組成物であって、(a)成分の含有量が0.06~10質量%であり、〔(a)成分/(b)成分〕のモル比が1.1~6.0であり、pHが6.0~9.5である水性消臭剤組成物が開示されている。
また、特許文献2には、所定のポリヒドロキシアミン化合物を0.005~30質量%含有し、かつpH緩衝能が0.3~300mmol/kgである空間及び/又は硬質表面用消臭剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-28071号公報
特開2006-320711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般にアルデヒド化合物と1級アミンの反応は酸性又はアルカリ性で進行する。特許文献1及び特許文献2にはポリヒドロキシアミン化合物及びアルデヒド系香料を含む消臭剤組成物が開示されているが、これら組成物のpHは中性であるため、組成物中でのアルデヒド系香料の分解は起こらない。一方で、消臭対象物に存在するアルデヒド化合物においてアセトアルデヒドのような低級のアルデヒドはポリヒドロキシアミン化合物の作用により一定の消臭効果を得ることができるが、調理臭や大人臭に含まれる炭素数3以上16以下の中鎖又は長鎖の有機アルデヒド化合物の消臭効果、特に噴霧した後の時間が経過した時点の消臭効果に対して更なる向上が求められる。
また、消臭剤組成物において、アルデヒド系香料を用いることと、アルデヒド類に由来する臭いの消臭性能の向上を両立することが困難である。
本発明は、消臭剤組成物中ではアルデヒド系香料に対する影響が少なく、アルデヒド類に由来する臭いに対する消臭性能に優れた消臭方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、(a)1級アミン化合物〔以下、(a)成分という〕、(b)炭素数2以上10以下の有機カルボン酸化合物〔以下、(b)成分という〕、及び(c)香料組成物〔以下、(c)成分という〕を含有し、(c)成分は、アルデヒド系香料を含み、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量のモル比(a)/(b)が0.05以上1.6未満であり、(a)成分と(b)成分の合計含有量が0.01質量%以上3.0質量%以下である消臭剤組成物を消臭対象に接触させ、乾燥させる、消臭方法に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、消臭剤組成物中ではアルデヒド系香料に対する影響が少なく、アルデヒド類に由来する臭いに対する消臭性能に優れる消臭方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の消臭方法により、消臭剤組成物中ではアルデヒド系香料に対する影響が少なく、アルデヒド類に由来する臭いに対する消臭性能に優れるメカニズムは不明であるが、次のように考えられる。
通常アルデヒドを消臭するために1級アミンとアルデヒドを反応させてイミンを生成させ、アルデヒドの揮発性を低下させて臭いを抑えることが考えられる。しかしながらこのような反応は脱水反応であるため過剰の水が存在する系では反応が進みにくく、しかも通常は酸性又はアルカリ条件下で反応が進むため、中性に近い水溶液である消臭剤組成物中ではイミノ化反応がほとんど進まない。その結果、消臭剤組成物中ではアルデヒド系香料の分解を抑制でき、組成物の香りの安定性が良好になると推察される。
一方消臭対象物に存在するアルデヒド系悪臭成分に本発明の消臭方法に係る消臭剤組成物を接触させた場合、乾燥が進むに従って組成物が濃縮される。本発明者らは(a)成分及び(b)成分を本発明の特定のモル比で含有する組成物を乾燥により濃縮させると(a)成分と(b)成分のクラスターが形成し、(a)成分の求核性が向上することを見出した。これにより、(a)成分とアルデヒド類の求核付加反応が促進されたものと推察される。
また、(a)成分とアルデヒド類との反応により生じるイミンに(b)成分のカルボン酸が塩基として作用し、イミンと(b)成分がクラスターを形成することで、イミンの加水分解が抑制され、消臭処理後、経時での臭い戻りが抑制されるものと推察される。
更に、当該(a)成分と(b)成分との作用は、本発明の消臭方法に係る消臭剤組成物中では起こりにくく、該消臭剤組成物を消臭対象に適用後、消臭剤組成物が乾燥する過程でより反応性が高くなるものと推察される。これにより、消臭剤組成物中のアルデヒド系香料に対する影響力が少なく、アルデヒド類に由来する臭いに対する消臭性能が向上すると推察される。
なお、本発明の消臭方法は、これら作用機構になんら限定されるものではない。
【0009】
本発明の消臭方法は、アルデヒド類に由来する臭い、特に調理臭や大人臭に含まれる中鎖又は長鎖の有機アルデヒド化合物に由来する臭いの低減効果に優れる。本明細書において、中鎖又は長鎖の有機アルデヒド化合物とは炭素数3以上18以下の炭化水素基を有する有機アルデヒド化合物が挙げられる。例えば加齢臭や衣類の部屋干し時に発生する臭い成分には炭素数7以上12以下の脂肪族アルデヒドが含まれることが知られており(繊消誌Vol.44 No.3 150~156(2003))、天ぷら油の酸化などで発生する臭気中にはヘキセナール、ヘプタジエナール、デカジエナールやこれらの異性体などの炭素数6以上12以下の不飽和アルデヒドが多く検出されることが知られている(日本家政学会誌Vol.41 No.11 1023~1030(1990))。
【0010】
本発明の消臭方法は、(a)1級アミン化合物〔以下、(a)成分という〕、(b)炭素数2以上10以下の有機カルボン酸化合物〔以下、(b)成分という〕、及び(c)香料組成物〔以下、(c)成分という〕を含有し、(c)成分は、アルデヒド系香料を含み、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量のモル比(a)/(b)が0.05以上1.6未満であり、(a)成分と(b)成分の合計含有量が0.01質量%以上3.0質量%以下である消臭剤組成物を消臭対象に接触させ、乾燥させる、消臭方法である。
まず、本発明の消臭方法に用いられる消臭剤組成物〔以下、本発明の消臭剤組成物という〕について、詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)
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