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公開番号
2025103624
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-09
出願番号
2023221139
出願日
2023-12-27
発明の名称
接合用ペースト、及び接合体
出願人
artience株式会社
代理人
主分類
B22F
7/04 20060101AFI20250702BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約
【課題】無加圧条件下においても、焼結後の塗膜中のボイドを抑制して高い熱伝導性を発現し、接合強度に優れ、且つ冷熱サイクルに伴う接合強度の低下を抑制可能な接合用ペースト、及び該接合ペーストを用いた接合体の提供。
【解決手段】上記課題は、金属粒子(A)と分散媒(B)とを含む接合用ペーストであって、金属粒子(A)は、平均粒子径が100nm以上、500nm以下である金属粒子(a)を金属粒子(A)の全質量を基準として50質量%以上含有し、該接合用ペーストを3℃/分の昇温速度で昇温したときの650℃における重量減少M650を100とした場合に、200℃における重量減少M200が88以上98以下である接合用ペーストによって解決される。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
金属粒子(A)と分散媒(B)とを含む接合用ペーストであって、
前記金属粒子(A)は、平均粒子径が100nm以上、500nm以下である金属粒子(a)を、金属粒子(A)の全質量を基準として、50質量%以上含有し、
該接合用ペーストを3℃/分の昇温速度で昇温したときの650℃における重量減少M650を100とした場合に、200℃における重量減少M200が88以上、98以下である、接合用ペースト。
続きを表示(約 640 文字)
【請求項2】
前記重量減少M650を100とした場合の、150℃における重量減少をM150としたときに、前記重量減少M200に対する前記重量減少M150の割合(M150/M200)が、0.975以上である、請求項1に記載の接合用ペースト。
【請求項3】
前記分散媒(B)は、沸点が250℃以上、300℃以下である分散媒(b1)の含有率が、分散媒(B)の全質量を基準として50質量%以上である、請求項1に記載の接合用ペースト。
【請求項4】
前記分散媒(b1)が、テルペン系及びグリコールエーテル系からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項3に記載の接合用ペースト。
【請求項5】
前記分散媒(B)は、沸点が300℃を超える分散媒(b2)の含有率が、分散媒(B)の全質量を基準として10質量%以下である、請求項1に記載の接合用ペースト。
【請求項6】
前記分散媒(B)は、水酸基を有する分散媒の含有率が、分散媒(B)の全質量を基準として、90質量%以上である、請求項1に記載の接合用ペースト。
【請求項7】
請求項1に記載の接合用ペーストによって、第一の被接合部と第二の被接合部とが接合された接合体。
【請求項8】
前記第一の被接合部が、非処理基材である請求項7に記載の接合体。
【請求項9】
前記第二の被接合部が、SiCである請求項7又は8に記載の接合体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、無加圧条件下において、優れた熱伝導性、接合強度を有し、冷熱サイクルに伴う接合強度の低下を抑制可能な接合用ペースト、及び、該接合ペーストを用いた接合体に関するものである。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、金属部材同士、金属部材と半導体素子、金属部材と発光ダイオード(LED)素子等を接着するための接合材として、はんだが使用されていた。近年、次世代パワーエレクトロニクスの技術分野では、高温動作可能なSiC等のデバイスが求められている。このようなデバイスを製造するための接合材としては、高温駆動信頼性の観点で、はんだの代替材料が求められており、例えば、特許文献1、2に示すように、焼結性を有する金属粒子を用いた接合用ペースト等の接合材が提案されている。
【0003】
特許文献1には、金属ナノ粒子及び溶剤を含む接合材であって、窒素雰囲気中で3℃/分の昇温速度で40℃から700℃まで昇温したときの加熱減量L700を100%としたときの、100℃、150℃及び200℃における加熱減量の値を特定した接合材が開示されている。
特許文献2には、無機粒子と、前記無機粒子の表面の少なくとも一部に付着している特定の有機物と、を含み、熱分析によって室温から200℃まで加熱したとき、及び、200℃から300℃まで加熱したときの重量減少率の値を特定した接合用組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-164895号公報
国際公開第2013-061527号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような接合材を用いた接合プロセスとしては、無加圧下で行う方法(以下、無加圧接合という)と、加圧下で行う方法(以下、加圧接合という)とがある。加圧接合はボイド低減に有効であり熱伝導性が向上し金属粒子の焼結を促進させるため、強固な接合が可能であり、接合強度及び冷熱サイクル特性に優れるという利点がある。しかし、加圧接合は専用設備を必要とし、さらに接合する対象が加圧環境に耐え得るものでなければならず、接合対象や用途が限定される。そのため、無加圧接合においてボイドを低減し高い熱伝導性を発現すること、および強固な接合を実現し、接合強度及び冷熱サイクル特性を向上させることが求められている。
一方、近年、半導体素子の大面積化が進んでいるが、素子が大面積になるほど内部のガス等が抜け難く、ボイドが発生し易い傾向にあることが知られている。また、Si素子やSiC素子の線膨張係数と、銀粒子及び基材として使用される銅の線膨張係数との差が非常に大きく、冷熱サイクル試験の際に、銅基材/銀粒子を含む接合層/Si又はSiC素子の層間でひずみが生じ、クラックが発生し冷熱サイクル特性が低下しやすい傾向にある。さらに、SiC素子はSi素子と同程度の線膨張係数であるが、Si素子に比べて硬度が高いため、Si素子に比べて冷熱サイクル時にかかる歪が大きく、接合層にクラックが生じやすい傾向にある。すなわち、SiC半導体素子の接合強度及び冷熱サイクル特性の向上に関する要求レベルは、近年ますます高まっている。
【0006】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の発明は、本願発明の構成要件を満たしておらず、無加圧接合にて大面積SiC素子を接合した際の、接合強度と冷熱サイクル特性の課題を解決できない。
【0007】
したがって、本開示が解決しようとする課題は、無加圧条件下においても、焼結後の塗膜中のボイドを抑制して高い熱伝導性を発現し、接合強度に優れ、且つ冷熱サイクルに伴う接合強度の低下を抑制可能な接合用ペースト、及び該接合ペーストを用いた接合体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、上記の課題を解決し得ることを見出した。
[1]:金属粒子(A)と分散媒(B)とを含む接合用ペーストであって、前記金属粒子(A)は、平均粒子径が100nm以上、500nm以下である金属粒子(a)を、金属粒子(A)の全質量を基準として、50質量%以上含有し、該接合用ペーストを3℃/分の昇温速度で昇温したときの650℃における重量減少M650を100とした場合に、200℃における重量減少M200が88以上、98以下である、接合用ペースト。
[2]:前記重量減少M650を100とした場合の、150℃における重量減少をM150としたときに、前記重量減少M200に対する前記重量減少M150の割合(M150/M200)が、0.975以上である、[1]に記載の接合用ペースト。
[3]:前記分散媒(B)は、沸点が250℃以上、300℃以下である分散媒(b1)の含有率が、分散媒(B)の全質量を基準として50質量%以上である、[1]又は[2]に記載の接合用ペースト。
[4]:前記分散媒(b1)が、テルペン系及びグリコールエーテル系からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、[3]に記載の接合用ペースト。
[5]:前記分散媒(B)は、沸点が300℃を超える分散媒(b2)の含有率が、分散媒(B)の全質量を基準として10質量%以下である、[1]~[4]いずれかに記載の接合用ペースト。
[6]:前記分散媒(B)は、水酸基を有する分散媒の含有率が、分散媒(B)の全質量を基準として、90質量%以上である、[1]~[5]いずれかに記載の接合用ペースト。
[7]:[1]~[6]いずれかに記載の接合用ペーストによって、第一の被接合部と第二の被接合部とが接合された接合体。
[8]:前記第一の被接合部が、非処理基材である、[7]に記載の接合体。
[9]:前記第二の被接合部が、SiCである、[7]又は[8]に記載の接合体。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、無加圧条件下においても、焼結後の塗膜中のボイドを抑制して高い熱伝導性を発現し、接合強度に優れ、且つ冷熱サイクルに伴う接合強度の低下を抑制可能な接合用ペースト、及び該接合ペーストを用いた接合体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の接合用ペーストは、金属粒子(A)と分散媒(B)とを含む接合用ペーストであって、金属粒子(A)は、平均粒子径が100nm以上、500nm以下である金属粒子(a)の割合が50質量%以上であり、且つ、該接合用ペーストを3℃/分の昇温速度で昇温したときの650℃における重量減少M650を100とした場合に、200℃における重量減少M200が88以上98以下であることを特徴とする、
本開示の接合用ペーストは、平均粒子径が100nm以上、500nm以下である金属粒子(a)を金属粒子(A)中に50質量%以上含み、且つ、650℃における重量減少M650に対する200℃における重量減少M200の割合が所定範囲であることで、無加圧という厳しい接合条件であり、且つ、被接合部材がメッキレスのような非処理基材、SiC半導体素子のような安定した接合が困難な場合でも、優れた接合強度と冷熱サイクル後の接合強度を発揮することができる。
詳細には、上記により、高い熱伝導性を有し、接合された箇所の接合強度が高く、冷熱サイクルに伴う接合強度の低下が抑制された、無加圧接合可能な接合用ペースト、及び該接合ペーストを用いた接合体を提供することができる。また、これにより、面積の大きなSiC素子を無加圧で接合した場合であっても、高い熱伝導性と、優れた接合強度と冷熱サイクル特性とを発揮することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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