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公開番号
2025104987
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-10
出願番号
2023223227
出願日
2023-12-28
発明の名称
炭素繊維前駆体用処理剤及びその用途
出願人
松本油脂製薬株式会社
代理人
主分類
D06M
15/643 20060101AFI20250703BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約
【課題】 本発明の目的は、処理剤を付与し製造された炭素繊維前駆体を長期間保存した際、炭素繊維前駆体の劣化を抑制できる炭素繊維前駆体用処理剤、該処理剤を用いた炭素繊維前駆体及び該処理剤を用いた炭素繊維の製造方法を提供することにある。
【解決手段】 本発明の炭素繊維前駆体用処理剤は、シリコーン化合物(S)及び芳香族化合物(C)を含有し、前記シリコーン化合物(S)がアミノ基を有するシリコーン(SA)及びポリエーテル基を有するシリコーン(SB)を含有し、前記芳香族化合物(C)がオキシアルキレン基を有する芳香族化合物(C1)及びエステル基を有する芳香族化合物(C2)から選ばれる少なくとも1種を含有し、不揮発分に占める前記シリコーン化合物(S)の割合が65重量%以下である。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
シリコーン化合物(S)及び芳香族化合物(C)を含有し、
前記シリコーン化合物(S)がアミノ基を有するシリコーン(SA)及びポリエーテル基を有するシリコーン(SB)を含有し、
前記芳香族化合物(C)がオキシアルキレン基を有する芳香族化合物(C1)及びエステル基を有する芳香族化合物(C2)から選ばれる少なくとも1種を含有し、
不揮発分に占める前記シリコーン化合物(S)の割合が65重量%以下である、炭素繊維前駆体用処理剤。
続きを表示(約 680 文字)
【請求項2】
前記芳香族化合物(C)がオキシアルキレン基を有する芳香族化合物(C1)を含有する、請求項1に記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
【請求項3】
前記芳香族化合物(C)が、ビスフェノール骨格を有する芳香族化合物を含有する、請求項1に記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
【請求項4】
前記処理剤の酸価が0.1~30mgKOH/gである、請求項1に記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
【請求項5】
前記ポリエーテル基を有するシリコーン(SB)のHLBが4~16である、請求項1に記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
【請求項6】
前記ポリエーテル基を有するシリコーン(SB)が、前記ポリエーテル基がオキシプロピレン単位を有するシリコーンを含む、請求項1に記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
【請求項7】
前記処理剤の不揮発分に占める、前記芳香族化合物(C)の割合が、35~90重量%である、請求項1に記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
【請求項8】
オキシアルキレン基を有する脂肪族化合物(D)を含有する、請求項1に記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
【請求項9】
炭素繊維前駆体の原料炭素繊維前駆体に、請求項1~8のいずれかに記載の炭素繊維前駆体用処理剤を付着させてなる、炭素繊維前駆体。
【請求項10】
請求項9に記載の炭素繊維前駆体を、耐炎化繊維に転換する耐炎化処理工程と、前記耐炎化繊維を炭化させる炭素化処理工程とを含む、炭素繊維の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素繊維前駆体用処理剤(以下、単に処理剤ということがある。)及びその用途に関する。より詳しくは、炭素繊維前駆体を製造する際に使用する処理剤と、該処理剤を用いた炭素繊維前駆体(以下、プレカーサーと称することがある)と、該処理剤を用いた炭素繊維の製造方法とに関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
炭素繊維はその優れた機械的特性を利用して、マトリックス樹脂と称されるプラスチックとの複合材料用の補強繊維として、航空宇宙用途、スポーツ用途、一般産業用途等に幅広く利用されている。
炭素繊維を製造する方法としては、まず炭素繊維前駆体を製造する(この炭素繊維前駆体の製造工程を製糸工程と称することがある)。この炭素繊維前駆体を200~300℃の酸化性雰囲気中で耐炎化繊維に転換し(この工程を以下、耐炎化処理工程と称することがある)、続いて300~2000℃の不活性雰囲気中で炭素化する(この工程を以下、炭素化処理工程と称することがある)方法が一般的である(以下、耐炎化処理工程と炭素化処理工程をあわせて、焼成工程と称することがある)。このような焼成工程において単繊維同士の融着が発生し、毛羽や糸切れの問題を引き起こしやすく、生産性向上の障害となっていた。
【0003】
焼成工程における単繊維同士の融着を防止するために、炭素繊維前駆体の製造時にシリコーン系処理剤を付与しており、処理剤を均一に付与するために水系のエマルションにして付与する技術が多数提案されている。(特許文献1~2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-46855号公報
特開2016-17231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような処理剤を付与し製造された炭素繊維前駆体を長期間保存した際、炭素繊維前駆体の経時劣化を引き起こす問題があった。そのため、長期間保存した炭素繊維前駆体を焼成して炭素繊維を製造した場合、焼成工程で毛羽が発生し、焼成後の炭素繊維強度が低下する等の問題があった。
かかる従来の技術背景に鑑み、本発明の目的は、処理剤を付与し製造された炭素繊維前駆体を長期間保存した際、炭素繊維前駆体の劣化を抑制できる炭素繊維前駆体用処理剤、該処理剤を用いた炭素繊維前駆体及び該処理剤を用いた炭素繊維の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のシリコーン化合物(S)及び特定の芳香族化合物(C)を含有し、不揮発分に占める前記シリコーン化合物(S)の割合が65重量%以下である炭素繊維前駆体用処理剤であれば、処理剤を付与し製造された炭素繊維前駆体を長期間保存した際、炭素繊維前駆体の劣化を抑制できることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明の炭素繊維前駆体用処理剤は以下の実施態様が含まれる。
<1>
シリコーン化合物(S)及び芳香族化合物(C)を含有し、前記シリコーン化合物(S)がアミノ基を有するシリコーン(SA)及びポリエーテル基を有するシリコーン(SB)を含有し、前記芳香族化合物(C)がオキシアルキレン基を有する芳香族化合物(C1)及びエステル基を有する芳香族化合物(C2)から選ばれる少なくとも1種を含有し、不揮発分に占める前記シリコーン化合物(S)の割合が65重量%以下である、炭素繊維前駆体用処理剤。
<2>
前記芳香族化合物(C)がオキシアルキレン基を有する芳香族化合物(C1)を含有する、<1>に記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
<3>
前記芳香族化合物(C)が、ビスフェノール骨格を有する芳香族化合物を含有する、<1>又は<2>に記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
<4>
前記処理剤の酸価が0.1~30mgKOH/gである、<1>~<3>のいずれかに記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
<5>
前記ポリエーテル基を有するシリコーン(SB)のHLBが4~16である、<1>~<4>のいずれかに記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
<6>
前記ポリエーテル基を有するシリコーン(SB)が、前記ポリエーテル基がオキシプロピレン単位を有するシリコーンを含む、<1>~<5>のいずれかに記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
<7>
前記処理剤の不揮発分に占める、前記芳香族化合物(C)の割合が、35~90重量%である、<1>~<6>のいずれかに記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
<8>
オキシアルキレン基を有する脂肪族化合物(D)を含有する、<1>~<7>のいずれかに記載の炭素繊維前駆体用処理剤。
<9>
炭素繊維前駆体の原料炭素繊維前駆体に、<1>~<8>のいずれかに記載の炭素繊維前駆体用処理剤を付着させてなる、炭素繊維前駆体。
<10>
<9>に記載の炭素繊維前駆体を、耐炎化繊維に転換する耐炎化処理工程と、前記耐炎化繊維を炭化させる炭素化処理工程とを含む、炭素繊維の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の炭素繊維前駆体用処理剤は、処理剤を付与し製造された炭素繊維前駆体を長期間保存した場合であっても、炭素繊維前駆体の劣化を抑制できる。本発明の炭素繊維前駆体用処理剤を用いた炭素繊維前駆体及び該処理剤を用いた炭素繊維の製造方法によれば処理剤を付与し製造された炭素繊維前駆体を長期間保存した場合であっても、炭素繊維前駆体の劣化を抑制でき、高品質な炭素繊維が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の炭素繊維前駆体用処理剤(以下、単に処理剤ということがある。)の各成分について説明する。
〔シリコーン化合物(S)〕
本発明の処理剤は、シリコーン化合物(S)を含有する。シリコーン化合物(S)は、主鎖が無機のシロキサン結合(-Si-O-Si-)であり、側鎖に有機基を有するものであれば特に限定はないが、後述するアミノ基を有するシリコーン(SA)及びポリエーテル基を有するシリコーン(SB)を含有するものである。
シリコーン化合物(S)はアミノ基を有するシリコーン(SA)及びポリエーテル基を有するシリコーン(SB)以外のその他のシリコーンを含有してもよい。
その他のシリコーンとしては、ジメチルシリコーン、エポキシ変性シリコーン、アミド変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、シラノール変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン等が挙げられ、本願効果を奏する点で、ジメチルシリコーン、アルキル変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、アラルキル変性シリコーンから選ばれる少なくとも1種を含むと好ましく、フェニル変性シリコーン、アラルキル変性シリコーンを含むとより好ましい。これらのその他のシリコーンは、公知のものを使用できる。
【0010】
〔アミノ基を有するシリコーン(SA)〕
本発明の処理剤は、アミノ基を有するシリコーン(SA)を含有する。アミノ基を有するシリコーン(SA)は、主鎖が無機のシロキサン結合(-Si-O-Si-)であり、側鎖及び/又は末端にアミノ基を有する有機基を有するものであれば特に限定はなく、公知のアミノ基を有するシリコーンを適宜採用することができる。アミノ基を有するシリコーン(SA)としては、アミノ変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン等が挙げられ、本願効果を奏する点で、アミノ変性シリコーンを含むとより好ましい。アミノ基を有するシリコーン(SA)は1種又は2種以上を用いても良い。
なお、アミノポリエーテル変性シリコーンはアミノ基(アミノ基を有する有機基を含む)及びポリエーテル基(ポリオキシアルキレン基を有する有機基を含む)を有するシリコーンである。
(【0011】以降は省略されています)
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