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公開番号2025105998
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-10
出願番号2025078252,2023578504
出願日2025-05-08,2023-01-25
発明の名称水処理方法および水処理装置
出願人オルガノ株式会社
代理人個人,個人
主分類C02F 1/44 20230101AFI20250703BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】バイオファウリングに起因する逆浸透膜の閉塞を抑制し、安定した水処理性能を発揮する。
【解決手段】本発明の水処理方法は、逆浸透膜に供給される被処理水に殺菌剤を間欠的に添加する工程を含み、当該工程が、逆浸透膜からの濃縮水の流量の現在の検出値と、逆浸透膜からの濃縮水の流量の初期値とに基づいて、逆浸透膜の通水差圧の現在の検出値を補正し、補正した検出値と、逆浸透膜の通水差圧の初期値との差を、逆浸透膜の生物汚染の程度を示す汚染度として算出する工程と、算出した汚染度に基づいて、殺菌剤が添加された被処理水の酸化還元電位および全塩素濃度の少なくとも一方が予め設定された所定値を上回らない範囲で、被処理水への殺菌剤の所定時間あたりの添加量を調整する工程であって、被処理水中の殺菌剤の濃度を一定に維持しながら、算出した汚染度に応じて、殺菌剤の所定時間あたりの添加時間を変更することを含む工程と、を含んでいる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被処理水を逆浸透膜に供給して透過水と濃縮水とに分離する工程と、
前記逆浸透膜に供給される被処理水に殺菌剤を間欠的に添加する工程であって、前記殺菌剤として、臭素系酸化剤、臭素とスルファミン酸化合物とを含む安定化次亜臭素酸組成物、ヨウ素系酸化剤、または、2,2-ジブロモ-3-ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)を添加する工程と、を含み、
前記殺菌剤を間欠的に添加する工程が、
前記逆浸透膜に供給される被処理水の現在の供給圧力と前記逆浸透膜から流出する濃縮水の現在の流出圧力との差である現在の通水差圧を検出する工程と、
前記逆浸透膜から流出する濃縮水の現在の流量を検出する工程と、
前記逆浸透膜の使用開始時に予め検出した前記通水差圧の初期値と、前記逆浸透膜の使用開始時に予め検出した前記流量の初期値と、前記検出した現在の通水差圧と、前記検出した現在の流量とに基づいて、前記逆浸透膜の生物汚染の程度を示す汚染度を算出する工程と、
前記算出した汚染度に基づいて、前記殺菌剤が添加された被処理水の酸化還元電位および全塩素濃度の少なくとも一方が予め設定された所定値を上回らない範囲で、前記被処理水への前記殺菌剤の所定時間あたりの添加量を調整する工程であって、前記被処理水中の前記殺菌剤の濃度を一定に維持しながら、前記算出した汚染度に応じて、前記殺菌剤の前記所定時間あたりの添加時間を変更することを含む工程と、を含み、
前記汚染度を算出する工程が、前記検出した現在の流量と、前記流量の初期値とに基づいて、前記検出した現在の通水差圧を補正し、該補正した現在の通水差圧と、前記通水差圧の初期値との差を、前記汚染度として算出することを含む、水処理方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記添加時間を変更することが、前記逆浸透膜の使用開始時に予め設定された添加時間に前記汚染度に応じた時間を加算した値を、新たな添加時間として設定することを含む、請求項1に記載の水処理方法。
【請求項3】
前記酸化還元電位に関する前記所定値は、570mVであり、前記全塩素濃度に関する前記所定値は、2.0mg/Lである、請求項1または2に記載の水処理方法。
【請求項4】
被処理水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜を有する逆浸透膜装置と、
前記逆浸透膜装置に供給される被処理水に殺菌剤を添加する殺菌剤添加装置であって、前記殺菌剤として、臭素系酸化剤、臭素とスルファミン酸化合物とを含む安定化次亜臭素酸組成物、ヨウ素系酸化剤、または、2,2-ジブロモ-3-ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)を添加する殺菌剤添加装置と、
前記逆浸透膜装置に供給される被処理水の供給圧力と前記逆浸透膜装置から流出する濃縮水の流出圧力との差である通水差圧を検出する圧力センサと、
前記逆浸透膜装置から流出する濃縮水の流量を検出する流量センサと、
前記殺菌剤添加装置による前記殺菌剤の添加を間欠的に実行するとともに、前記逆浸透膜の使用開始時に前記圧力センサにより予め検出された前記通水差圧の初期値と、前記逆浸透膜の使用開始時に前記流量センサにより予め検出された前記流量の初期値と、前記圧力センサにより検出された現在の前記通水差圧と、前記流量センサにより検出された現在の前記流量とに基づいて、前記逆浸透膜装置の生物汚染の程度を示す汚染度を算出し、該算出した汚染度に基づいて、前記殺菌剤が添加された被処理水の酸化還元電位および全塩素濃度の少なくとも一方が予め設定された所定値を上回らない範囲で、前記被処理水への前記殺菌剤の所定時間あたりの添加量を調整する制御装置と、を有し、
前記制御装置は、前記検出された現在の流量と、前記流量の初期値とに基づいて、前記検出された現在の通水差圧を補正し、該補正した現在の通水差圧と、前記通水差圧の初期値との差を、前記汚染度として算出し、前記被処理水中の前記殺菌剤の濃度を一定に維持しながら、前記算出した汚染度に応じて、前記殺菌剤の前記所定時間あたりの添加時間を変更することで、前記添加量を調整する、水処理装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理方法および水処理装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
被処理水に含まれる不純物を除去する水処理装置として、逆浸透膜(RO膜)を有するものが知られている。この装置では、所定の供給圧力でRO膜に供給された被処理水(原水)が、RO膜により透過水と濃縮水とに分離される。これにより、不純物が除去された処理水(透過水)を得ることができる。
【0003】
RO膜を有する水処理装置では、安定して運転を継続することが求められており、そのためには、RO膜の膜面に原水中の生物が付着するバイオファウリングを抑制することが重要となる。このようなバイオファウリングへの対策として、従来から、生物の増殖を抑制する殺菌剤を原水に添加する方法が用いられており、代表的な殺菌剤として、次亜塩素酸、次亜臭素酸、および、その安定化組成物などの酸化剤が知られている(例えば、特許文献1参照)。その一方で、近年では、コスト削減要求や環境意識の高まりに伴い、殺菌剤の使用量を最小限に抑えながらバイオファウリングを効果的に抑制することが求められている。例えば、特許文献2には、バイオファウリングの程度に応じて殺菌剤の添加量を調整する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6401491号公報
国際公開第2020/158645号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載の方法では、殺菌剤がRO膜に与える影響については何も考慮されておらず、特に特許文献1に記載されているような酸化剤を用いた場合に、それがRO膜に与える影響については何も考慮されていない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、バイオファウリングに起因する逆浸透膜の閉塞を抑制し、安定した水処理性能を発揮する水処理方法および水処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、本発明の水処理方法は、被処理水を逆浸透膜に供給して透過水と濃縮水とに分離する工程と、逆浸透膜に供給される被処理水に殺菌剤を間欠的に添加する工程であって、殺菌剤として、臭素系酸化剤、臭素とスルファミン酸化合物とを含む安定化次亜臭素酸組成物、ヨウ素系酸化剤、または、2,2-ジブロモ-3-ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)を添加する工程と、を含み、殺菌剤を間欠的に添加する工程が、逆浸透膜に供給される被処理水の現在の供給圧力と逆浸透膜から流出する濃縮水の現在の流出圧力との差である現在の通水差圧を検出する工程と、逆浸透膜から流出する濃縮水の現在の流量を検出する工程と、逆浸透膜の使用開始時に予め検出した通水差圧の初期値と、逆浸透膜の使用開始時に予め検出した流量の初期値と、検出した現在の通水差圧と、検出した現在の流量とに基づいて、逆浸透膜の生物汚染の程度を示す汚染度を算出する工程と、算出した汚染度に基づいて、殺菌剤が添加された被処理水の酸化還元電位および全塩素濃度の少なくとも一方が予め設定された所定値を上回らない範囲で、被処理水への殺菌剤の所定時間あたりの添加量を調整する工程であって、被処理水中の殺菌剤の濃度を一定に維持しながら、算出した汚染度に応じて、殺菌剤の所定時間あたりの添加時間を変更することを含む工程と、を含み、汚染度を算出する工程が、検出した現在の流量と、流量の初期値とに基づいて、検出した現在の通水差圧を補正し、補正した現在の通水差圧と、通水差圧の初期値との差を、汚染度として算出することを含んでいる。
【0008】
また、本発明の水処理装置は、被処理水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜を有する逆浸透膜装置と、逆浸透膜装置に供給される被処理水に殺菌剤を添加する殺菌剤添加装置であって、殺菌剤として、臭素系酸化剤、臭素とスルファミン酸化合物とを含む安定化次亜臭素酸組成物、ヨウ素系酸化剤、または、2,2-ジブロモ-3-ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)を添加する殺菌剤添加装置と、逆浸透膜装置に供給される被処理水の供給圧力と逆浸透膜装置から流出する濃縮水の流出圧力との差である通水差圧を検出する圧力センサと、逆浸透膜装置から流出する濃縮水の流量を検出する流量センサと、殺菌剤添加装置による殺菌剤の添加を間欠的に実行するとともに、逆浸透膜の使用開始時に圧力センサにより予め検出された通水差圧の初期値と、逆浸透膜の使用開始時に流量センサにより予め検出された流量の初期値と、圧力センサにより検出された現在の通水差圧と、流量センサにより検出された現在の流量とに基づいて、逆浸透膜装置の生物汚染の程度を示す汚染度を算出し、算出した汚染度に基づいて、殺菌剤が添加された被処理水の酸化還元電位および全塩素濃度の少なくとも一方が予め設定された所定値を上回らない範囲で、被処理水への殺菌剤の所定時間あたりの添加量を調整する制御装置と、を有し、制御装置は、検出された現在の流量と、流量の初期値とに基づいて、検出された現在の通水差圧を補正し、補正した現在の通水差圧と、通水差圧の初期値との差を、汚染度として算出し、被処理水中の殺菌剤の濃度を一定に維持しながら、算出した汚染度に応じて、殺菌剤の所定時間あたりの添加時間を変更することで、添加量を調整する。
【0009】
このような水処理方法および水処理装置によれば、殺菌剤の酸化力が逆浸透膜に悪影響を及ぼさない範囲で、生物汚染(バイオファウリング)の程度に応じて過不足なく殺菌剤を被処理水(原水)に添加することができる。
【発明の効果】
【0010】
以上、本発明によれば、バイオファウリングに起因する逆浸透膜の閉塞を抑制し、安定した水処理性能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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