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公開番号2025107845
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-22
出願番号2024001335
出願日2024-01-09
発明の名称誘導炉用キット、誘導炉、及び誘導炉施工方法
出願人東京窯業株式会社
代理人個人
主分類F27B 14/18 20060101AFI20250714BHJP(炉,キルン,窯;レトルト)
要約【課題】出湯口樋とスリーブとの間に地金差しが生じにくい誘導炉用キット、誘導炉、及び誘導炉施工方法を提供すること
【解決手段】誘導炉用キット1は、スリーブ2と出湯口樋5と充填材6を備える。スリーブ2には切欠部21が形成され、切欠部底部25と切欠部側部からなる。出湯口樋5には下垂部51が形成され、下垂部下端部55と下垂部側部からなる。切欠部底部25と下垂部下端部55とが対向し、切欠部側部と下垂部側部とが対向する。切欠部底部25と下垂部下端部55との境界、及び切欠部側部と下垂部側部との境界は、径方向において内部空間を挟んで炉体と対向し、混練された充填材6は各境界に充填可能である。混練された充填材6とスリーブ2とは、1500℃における線熱膨張率の差の範囲が1.5%以下である。
【選択図】図4


特許請求の範囲【請求項1】
筒状の誘導炉の炉体に施工可能なキットであって、
中心軸を中心とする定形材による円筒状のスリーブと、
前記炉体の炉頂部に施工可能な出湯口樋と、
充填材を備え、
前記中心軸の方向は、前記炉体における炉頂の側を上側、底の側を下側とする上下方向とし、
前記スリーブの頂部には、切欠部が形成され、
前記切欠部は、下側の端部である切欠部底部と、前記中心軸に対する周方向における前記スリーブの側壁である切欠部側部を備え、
前記出湯口樋は、樋先端とは反対側に下垂部が形成され、
前記下垂部は、下垂部下端部と、前記中心軸に対する周方向の端部である下垂部側部を備え、
前記下垂部は、前記スリーブの前記切欠部に設置可能であり、前記切欠部に設置されると下垂部内周面がスリーブ内周面に連続するよう形成され、
前記スリーブと前記出湯口樋とが前記炉体に設置されるとき、
前記上下方向において、前記切欠部底部と前記下垂部下端部とが対向し、前記中心軸に対する周方向において前記切欠部側部と前記下垂部側部とが対向し、
前記出湯口樋、前記スリーブ、及び前記炉体によって囲われる内部空間が形成され、
前記切欠部底部と前記下垂部下端部との境界は、前記中心軸に対する径方向において、前記内部空間を挟んで前記炉体と対向し、
前記充填材は、珪酸ナトリウム水溶液と混練可能であり、
混練された前記充填材は、前記切欠部底部と前記下垂部下端部との間と、前記切欠部側部と前記下垂部側部との間を充填可能であり、
混練された前記充填材と前記スリーブとは、1500℃における線熱膨張率の差の範囲が1.5%以下である誘導炉用キット。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
混練された前記充填材と前記出湯口樋とは、1500℃における線熱膨張率の差の範囲が1.5%以下である請求項1に記載の誘導炉用キット。
【請求項3】
前記スリーブの周囲にバック材を形成可能な不定形材を備え、
前記内部空間は、前記不定形材、及び/又は混練された前記充填材によって充填可能であり、
前記切欠部底部と前記下垂部下端部との境界は、前記中心軸に対する径方向において、前記バック材、又は前記充填材と対向可能である請求項1に記載の誘導炉用キット。
【請求項4】
筒状の誘導炉の炉体に施工可能なキットであって、
中心軸を中心とする定形材による円筒状のスリーブと、
前記炉体の炉頂部に施工可能な出湯口樋を備え、
前記中心軸の方向は、前記炉体における炉頂の側を上側、底の側を下側とする上下方向とし、
前記スリーブの頂部には、切欠部が形成され、
前記切欠部は、下側の端部である切欠部底部と、前記中心軸に対する周方向における前記スリーブの側壁である切欠部側部を備え、
前記出湯口樋は、樋先端とは反対側に下垂部が形成され、
前記下垂部は、下垂部下端部と、前記中心軸に対する周方向の端部である下垂部側部を備え、
前記下垂部は、前記スリーブの前記切欠部に設置可能であり、前記切欠部に設置されると下垂部内周面がスリーブ内周面に連続するよう形成され、
前記スリーブと前記出湯口樋とが前記炉体に設置されるとき、
前記上下方向において、前記切欠部底部と前記下垂部下端部とが対向し、前記中心軸に対する周方向において前記切欠部側部と前記下垂部側部とが対向し、
前記出湯口樋、前記スリーブ、及び前記炉体によって囲われる内部空間が形成され、
前記切欠部底部と前記下垂部下端部との境界は、前記中心軸に対する径方向において、前記内部空間を挟んで前記炉体と対向し、
前記切欠部底部と前記下垂部下端部の少なくとも一方に前記上下方向に沿って凸部、又は/及び凹部が形成される誘導炉用キット。
【請求項5】
前記下垂部下端部には下垂部凸部が形成され、前記切欠部底部には切欠部凸部が形成され、
前記出湯口樋が前記スリーブに設置されるとき、
前記切欠部凸部と前記下垂部凸部とは、前記中心軸に対する径方向において対向する請求項4に記載の誘導炉用キット。
【請求項6】
前記スリーブと前記出湯口樋とは、1500℃における線熱膨張率の差の範囲が1.5%以下である請求項4に記載の誘導炉用キット。
【請求項7】
前記スリーブの周囲にバック材を形成可能な不定形材と、
充填材を備え、
前記充填材は、珪酸ナトリウム水溶液と混練可能であり、
混練された前記充填材は、前記切欠部底部と前記下垂部下端部との間と、前記切欠部側部と前記下垂部側部との間を充填可能であり、
前記内部空間は、前記不定形材、及び/又は混練された前記充填材によって充填可能であり、
前記切欠部底部と前記下垂部下端部との境界は、前記中心軸に対する径方向において、前記バック材、又は前記充填材と対向可能である請求項4に記載の誘導炉用キット。
【請求項8】
前記炉体に誘導コイルを含むコイルブロックが形成されている場合において、
前記スリーブと前記出湯口樋とが前記炉体に設置されるとき、
前記切欠部底部は、前記上下方向において、前記コイルブロックの上側端部よりも上側に位置する請求項1から7のいずれかに記載の誘導炉用キット。
【請求項9】
請求項3又は7に記載の誘導炉用キットによって施工された誘導炉であって、
前記中心軸に対する径方向において、前記スリーブと前記炉体との間に前記バック材が形成され、
前記下垂部は、
前記切欠部に設置され、前記下垂部内周面が前記スリーブ内周面に連続し、
前記上下方向において、混練された前記充填材を介して前記スリーブと対向し、
前記切欠部底部と前記下垂部下端部との境界は、前記中心軸に対する径方向において、前記内部空間を挟んで前記炉体と対向し、
前記内部空間は、前記バック材が形成されるか、又は/及び混練された前記充填材によって充填された状態であり、
前記切欠部底部と前記下垂部下端部との間と、前記切欠部側部と前記下垂部側部との間は、混練された前記充填材で充填された状態である誘導炉。
【請求項10】
請求項3又は7に記載の誘導炉用キットによって、誘導炉を施工する方法であって、
前記充填材を珪酸ナトリウム水溶液と混練する工程と、
前記炉体の内周部に前記スリーブを設置する工程と、
前記出湯口樋、及び前記スリーブの各所定箇所に前記充填材を付与する工程と、
前記スリーブの前記切欠部において、前記下垂部内周面が前記上下方向に沿って前記スリーブ内周面に連続するよう、前記出湯口樋を設置する工程と、
前記炉体と前記スリーブとの間に前記不定形材を投入して前記バック材を形成する工程を備え、
前記下垂部は、前記上下方向において、混練した前記充填材を介して前記スリーブと対向し、
前記切欠部底部と前記下垂部下端部との境界は、前記中心軸に対する径方向において、前記内部空間を挟んで前記炉体と対向し、
前記内部空間は、前記バック材を形成し、又は/及び混練した前記充填材によって充填し、
前記切欠部底部と前記下垂部下端部との間と、前記切欠部側部と前記下垂部側部との間は、混練した前記充填材で充填する誘導炉施工方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導炉の炉体に施工する誘導炉用キット、施工された誘導炉、及び誘導炉施工方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、誘導炉の出湯口を構成する出湯口プレキャスト体、及びこれを与えられた誘導炉が提案されている。例えば、特許文献1に記載によれば、誘導炉の炉本体上部の開口周縁に取り付けられて出湯口を与える無機焼成体からなる出湯口プレキャスト体であって、前記炉本体の内壁面の一部を与える前面部を前方に有する鉛直壁部と、前記鉛直壁部の後方に突出し上部に樋状通路を有する突出樋部と、前記前面部と前記樋状通路の内面とを連続的に接続する立ち上がり部と、を含むことを特徴とする。
【0003】
かかる発明によれば、溶湯の取り出しにあたっての大きな熱衝撃を広い面積で受け止めることができて、且つ、炉本体の内壁面から出湯口の樋状通路への接続部での荷重を減じることが出来て、誘導炉用の耐久性に優れた出湯口を与え得るのである、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-32464
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来例では以下の課題がある。特許文献1の記載によれば、炉本体は、耐火レンガを炉本体に固定することで形成された受け台を備え、耐火レンガの上に鉛直壁部を延ばすように受け台の上に出湯口プレキャスト体を載置させている。出湯口プレキャスト体は、その左右に並ぶ固定用耐火レンガと目地に施工された不定形耐火物によって固定されている、と記載されている。受け台と出湯口プレキャストとの間は、金属溶湯による熱衝撃を受けやすく、間に施工された不定形耐火物に地金差しが生じやすい。すると、炉本体が損傷することに繋がるという課題がある。
【0006】
本発明の目的は、出湯口樋とスリーブとの間に地金差しが生じにくい誘導炉用キット、誘導炉、及び誘導炉施工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様に係る誘導炉用キットは、筒状の誘導炉の炉体に施工可能なキットであって、中心軸を中心とする定形材による円筒状のスリーブと、前記炉体の炉頂部に施工可能な出湯口樋と、充填材を備え、前記中心軸の方向は、前記炉体における炉頂の側を上側、底の側を下側とする上下方向とし、前記スリーブの頂部には、切欠部が形成され、前記切欠部は、下側の端部である切欠部底部と、前記中心軸に対する周方向における前記スリーブの側壁である切欠部側部を備え、前記出湯口樋は、樋先端とは反対側に下垂部が形成され、前記下垂部は、下垂部下端部と、前記中心軸に対する周方向の端部である下垂部側部を備え、前記下垂部は、前記スリーブの前記切欠部に設置可能であり、前記切欠部に設置されると下垂部内周面がスリーブ内周面に連続するよう形成され、前記スリーブと前記出湯口樋とが前記炉体に設置されるとき、前記上下方向において、前記切欠部底部と前記下垂部下端部とが対向し、前記中心軸に対する周方向において前記切欠部側部と前記下垂部側部とが対向し、前記出湯口樋、前記スリーブ、及び前記炉体によって囲われる内部空間が形成され、前記切欠部底部と前記下垂部下端部との境界は、前記中心軸に対する径方向において、前記内部空間を挟んで前記炉体と対向し、前記充填材は、珪酸ナトリウム水溶液と混練可能であり、混練された前記充填材は、前記切欠部底部と前記下垂部下端部との間と、前記切欠部側部と前記下垂部側部との間を充填可能であり、混練された前記充填材と前記スリーブとは、1500℃における線熱膨張率の差の範囲が1.5%以下である。
【0008】
これによれば、スリーブと出湯口樋とが炉体に設置されるとき、上下方向において、切欠部底部と下垂部下端部とが対向し、周方向において切欠部側部と下垂部側部とが対向し、間に混練された充填材を充填可能である。混練された充填材とスリーブとは1500℃における線熱膨張率の差の範囲が1.5%以下なので、金属溶湯による熱衝撃を受けたときに膨張率の違いによる亀裂等を抑制でき、地金差しの発生を低減することができる。
【0009】
また、切欠部底部と下垂部下端部との境界は、中心軸に対する径方向において、内部空間を挟んで炉体と対向する。よって、内部空間に不定形材或いは混練された充填材を充填可能なので、切欠部底部と下垂部下端部との間に亀裂等が生じて地金差しが発生したとしても、炉体に到達する前に不定形材等で地金差しの進行を留めることができる。
【0010】
また、前記誘導炉用キットは、混練された前記充填材と前記出湯口樋とが、1500℃における線熱膨張率の差の範囲が1.5%以下でもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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