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公開番号
2025108344
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-23
出願番号
2024132000
出願日
2024-08-08
発明の名称
リサイクル樹脂の製造方法
出願人
住友化学株式会社
代理人
弁理士法人浅村特許事務所
主分類
B29B
17/00 20060101AFI20250715BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約
【課題】耐熱性に優れる樹脂を提供すること。
【解決手段】塗膜付着のない樹脂材料の表面を物理的に除去した後、樹脂を洗浄する工程を含む、リサイクル樹脂の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
塗膜付着のない樹脂材料の表面を物理的に除去した後、樹脂を洗浄する工程を含む、リサイクル樹脂の製造方法であって、
塗膜付着のない樹脂材料がプロピレン重合体を含み、
以下の方法で測定される、樹脂材料中のキシレン可溶成分の重量比率が2.0重量%~40重量%である、
方法。
<キシレン可溶成分の重量比率の測定方法>
樹脂材料約4gを、円筒ろ紙とソックスレー抽出管を用いて、沸騰キシレンで5時間還流する。次いで、抽出液をロータリーエバポレーターで減圧濃縮して、ポリマー成分を得る。得られたポリマー成分約2gを精密に秤量し(この「ポリマー成分の重量」を「a」とする)、沸騰キシレンで2時間加熱溶解する。次いで、20℃まで冷却した後、ろ紙を用いてろ別する。ろ別したろ液を、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮して、キシレン可溶成分を得る。得られたキシレン可溶成分を精密に秤量する(以下、「キシレン可溶成分の重量」を「b」とする)。樹脂材料中のキシレン可溶成分の重量比率は、数値a及びbを用いて下記式により算出する。
CXS成分の重量比率(重量%)=(b/a)×100
続きを表示(約 920 文字)
【請求項2】
樹脂材料がヘテロファジックプロピレン重合材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
除去工程により3重量%以上の表面が除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法により得られる、リサイクル樹脂。
【請求項5】
表面が物理的に除去された、塗膜付着のない樹脂材料由来のリサイクル樹脂であって、
塗膜付着のない樹脂材料がプロピレン重合体を含み、
以下の方法で測定される、樹脂材料中のキシレン可溶成分の重量比率が2.0重量%~40重量%である、
リサイクル樹脂。
<キシレン可溶成分の重量比率の測定方法>
樹脂材料約4gを、円筒ろ紙とソックスレー抽出管を用いて、沸騰キシレンで5時間還流する。次いで、抽出液をロータリーエバポレーターで減圧濃縮して、ポリマー成分を得る。得られたポリマー成分約2gを精密に秤量し(この「ポリマー成分の重量」を「a」とする)、沸騰キシレンで2時間加熱溶解する。次いで、20℃まで冷却した後、ろ紙を用いてろ別する。ろ別したろ液を、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮して、キシレン可溶成分を得る。得られたキシレン可溶成分を精密に秤量する(以下、「キシレン可溶成分の重量」を「b」とする)。樹脂材料中のキシレン可溶成分の重量比率は、数値a及びbを用いて下記式により算出する。
CXS成分の重量比率(重量%)=(b/a)×100
【請求項6】
請求項4に記載のリサイクル樹脂を含む、樹脂組成物。
【請求項7】
バージンプロピレン重合体をさらに含む、請求項6に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
エチレン-α-オレフィン共重合体をさらに含む、請求項6に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
エチレン-α-オレフィン共重合体としてリサイクルエチレン-α-オレフィン共重合体を含む、請求項8に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
充填材Fを含む、請求項6に記載の樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、リサイクル樹脂に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)
【背景技術】
【0002】
車のバンパー(ポリプロピレン製)など、塗膜付き自動車用部品をリサイクルする際、表面に付着する塗膜を剥離してリサイクルしている。一方、表面に塗膜のない部品は、表面研磨をせずにリサイクルされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011-148166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、自動車材料、家電材料、容器包装材料等に用いられる樹脂は、耐熱性が求められている。
【0005】
そこで、本願は、耐熱性に優れる成形体を製造できるリサイクル樹脂を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以下に関するが、それに限定されない。
[発明A1]
塗膜付着のない樹脂材料の表面を物理的に除去した後、樹脂を洗浄する工程を含む、リサイクル樹脂の製造方法。
[発明A2]
樹脂材料がプロピレン重合体を含む、発明A1に記載の方法。
[発明A3]
樹脂材料がヘテロファジックプロピレン重合材料を含む、発明A1又はA2に記載の方法。
[発明A4]
除去工程により3重量%以上の表面が除去される、発明A1~A3のいずれかに記載の方法。
[発明A5]
発明A1~A4のいずれかに記載の方法により得られる、リサイクル樹脂。
[発明A6]
表面が物理的に除去された、塗膜付着のない樹脂材料由来のリサイクル樹脂。
[発明A7]
発明A5又はA6に記載のリサイクル樹脂を含む、樹脂組成物。
[発明A8]
バージンプロピレン重合体をさらに含む、発明A7に記載の樹脂組成物。
[発明A9]
エチレン-α-オレフィン共重合体をさらに含む、発明A7又はA8に記載の樹脂組成物。
[発明A10]
エチレン-α-オレフィン共重合体としてリサイクルエチレン-α-オレフィン共重合体を含む、発明A9に記載の樹脂組成物。
[発明A11]
充填材Fを含む、発明A7~A10のいずれかに記載の樹脂組成物。
[発明A12]
充填材Fとしてリサイクル充填材を含む、発明A11に記載の樹脂組成物。
[発明A13]
充填材Fとして無機充填材を含む、発明A11に記載の樹脂組成物。
[発明A14]
発明A5又はA6に記載のリサイクル樹脂又は発明A7~A13のいずれかに記載の樹脂組成物を含む成形体。
【0007】
本発明の他の態様は以下に関するが、それに限定されない。
[発明B1]
塗膜付着のない樹脂材料の表面を物理的に除去した後、樹脂を洗浄する工程を含む、リサイクル樹脂の製造方法であって、
塗膜付着のない樹脂材料がプロピレン重合体を含み、
以下の方法で測定される、樹脂材料中のキシレン可溶成分の重量比率が2.0重量%~40重量である、
方法。
<キシレン可溶成分の重量比率の測定方法>
樹脂材料約4gを、円筒ろ紙とソックスレー抽出管を用いて、沸騰キシレンで5時間還流する。次いで、抽出液をロータリーエバポレーターで減圧濃縮して、ポリマー成分を得る。得られたポリマー成分約2gを精密に秤量し(この「ポリマー成分の重量」を「a」とする)、沸騰キシレンで2時間加熱溶解する。次いで、20℃まで冷却した後、ろ紙を用いてろ別する。ろ別したろ液を、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮して、キシレン可溶成分を得る。得られたキシレン可溶成分を精密に秤量する(以下、「キシレン可溶成分の重量」を「b」とする)。樹脂材料中のキシレン可溶成分の重量比率は、数値a及びbを用いて下記式により算出する。
CXS成分の重量比率(重量%)=(b/a)×100
[発明B2]
樹脂材料がヘテロファジックプロピレン重合材料を含む、発明B1に記載の方法。
[発明B3]
除去工程により3重量%以上の表面が除去される、発明B1又はB2に記載の方法。
[発明B4]
発明B1~B3のいずれかに記載の方法により得られる、リサイクル樹脂。
[発明B5]
表面が物理的に除去された、塗膜付着のない樹脂材料由来のリサイクル樹脂であって、
塗膜付着のない樹脂材料がプロピレン重合体を含み、
以下の方法で測定される、樹脂材料中のキシレン可溶成分の重量比率が2.0重量%~40重量%である、
リサイクル樹脂。
<キシレン可溶成分の重量比率の測定方法>
樹脂材料約4gを、円筒ろ紙とソックスレー抽出管を用いて、沸騰キシレンで5時間還流する。次いで、抽出液をロータリーエバポレーターで減圧濃縮して、ポリマー成分を得る。得られたポリマー成分約2gを精密に秤量し(この「ポリマー成分の重量」を「a」とする)、沸騰キシレンで2時間加熱溶解する。次いで、20℃まで冷却した後、ろ紙を用いてろ別する。ろ別したろ液を、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮して、キシレン可溶成分を得る。得られたキシレン可溶成分を精密に秤量する(以下、「キシレン可溶成分の重量」を「b」とする)。樹脂材料中のキシレン可溶成分の重量比率は、数値a及びbを用いて下記式により算出する。
CXS成分の重量比率(重量%)=(b/a)×100
[発明B6]
発明B4又はB5に記載のリサイクル樹脂を含む、樹脂組成物。
[発明B7]
バージンプロピレン重合体をさらに含む、発明B6に記載の樹脂組成物。
[発明B8]
エチレン-α-オレフィン共重合体をさらに含む、発明B6又はB7に記載の樹脂組成物。
[発明B9]
エチレン-α-オレフィン共重合体としてリサイクルエチレン-α-オレフィン共重合体を含む、発明B8に記載の樹脂組成物。
[発明B10]
充填材Fを含む、発明B6~B9のいずれかに記載の樹脂組成物。
[発明B11]
充填材Fとしてリサイクル充填材を含む、発明B10に記載の樹脂組成物。
[発明B12]
充填材Fとして無機充填材を含む、発明B10に記載の樹脂組成物。
[発明B13]
発明B4又はB5に記載のリサイクル樹脂又は発明B6~B12のいずれかに記載の樹脂組成物を含む成形体。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、耐熱性に優れる成形体及びその原料である樹脂を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
定義
本明細書において、用語「プロピレン重合体」は、プロピレンに由来する単量体単位を50重量%以上有する重合体を意味する。後で詳細に説明する。
本明細書において、用語「プロピレン樹脂組成物」は、プロピレン重合体を含有する組成物を意味する。後で詳細に説明する。
本明細書において、用語「α-オレフィン」は、α位に炭素-炭素不飽和二重結合を有する脂肪族不飽和炭化水素を意味する。
本明細書において、用語「C4~10の炭化水素基」は、炭素原子数4~10の炭化水素基を意味する。他の類似の表現についても同様である。
本明細書において、用語「エチレン-α-オレフィン共重合体」は、エチレンに由来する単量体単位と、C4以上(炭素原子数4以上を意味する。他の類似の表現についても同様である)のα-オレフィンに由来する単量体単位とを含有する共重合体であり、プロピレンに由来する単量体単位を実質的に含まないものを意味する。後で詳細に説明する。
本明細書において、用語「ヘテロファジックプロピレン重合材料」は、プロピレンに由来する単量体単位を80重量%以上含有する重合体I(ただし、該重合体Iの全重量を100重量%とする。)と、エチレン及びC4~12のα-オレフィンからなる群より選択される少なくとも一種のα-オレフィンに由来する単量体単位とプロピレンに由来する単量体単位とを含有する重合体IIとを含む混合物を意味する。
本明細書において、用語「キシレン不溶成分(「CXIS成分」ともいう)」は、重合体に含まれるp-キシレンに不溶な成分を意味する。詳細は後述する。
本明細書において、用語「キシレン可溶成分(「CXS成分」ともいう)」は、重合体中の「CXIS成分」以外の成分を意味する。
CXS成分は、主に、樹脂材料に含まれるプロピレン重合体の立体規則性の低い成分、プロピレンとプロピレン以外の単量体とのランダム共重合体、プロピレン重合体の一種であるヘテロファジックプロピレン重合材料中の重合体II、(プロピレン重合体の範疇外の)エチレン-α-オレフィン共重合体等に由来すると考えられる。
CXIS成分は、主に、樹脂材料に含まれるプロピレン重合体の立体規則性の高い成分、プロピレンの単独重合体、プロピレン重合体の一種であるヘテロファジックプロピレン重合材料中の重合体I等に由来すると考えられる。
【0010】
数値範囲を表す「下限~上限」の記載は、「下限以上、上限以下」を表し、「上限~下限」の記載は、「上限以下、下限以上」を表す。すなわち、これらの記載は、下限及び上限を含む数値範囲を表すが、一態様において、上限及び下限の一方又は両方が除外されてもよい、すなわち、「下限~上限」が、「下限より多く、上限以下」、「下限以上、上限未満」、又は「下限より多く、上限未満」を表してもよい。同様に、「xx以上」が「xxより多い」を表してもよく、「xx以下」が「xx未満」を表してもよい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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