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公開番号
2025109012
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-24
出願番号
2024002653
出願日
2024-01-11
発明の名称
樹脂担持環状テルル化合物
出願人
学校法人東海大学
代理人
園田・小林弁理士法人
主分類
C07D
345/00 20060101AFI20250716BHJP(有機化学)
要約
【課題】樹脂担持環状テルル化合物を提供することを課題とする。また、該樹脂担持環状テルル化合物を用いる、分子内又は分子間ジスルフィド結合を効果的に形成する方法、及び該方法を含む、分子内又は分子間ジスルフィド結合を有する化合物を効果的に製造するための方法を提供することを別の課題とする。
【解決手段】樹脂担持環状テルル化合物が提供される。また、該樹脂担持環状テルル化合物が、分子内又は分子間ジスルフィド結合形成反応の触媒として使用される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
式1:
TIFF
2025109012000018.tif
43
170
[式1中、Lはリンカーであり、Xは、樹脂部分である]
で表される構造、又は、
式2:
TIFF
2025109012000019.tif
35
170
[式2中、Lはリンカーであり、Xは、樹脂部分である]
で表される構造
を有する、樹脂担持環状テルル化合物。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
式3:
TIFF
2025109012000020.tif
42
170
[式3中、Lはリンカーであり、Xは樹脂部分である]
で表される構造を有する、請求項1に記載の樹脂担持環状テルル化合物。
【請求項3】
リンカーが、-NHCO-、-CONH-、-OCO-、又は-COO-である、請求項1に記載の樹脂担持環状テルル化合物。
【請求項4】
樹脂部分が、ポリスチレン樹脂を含む樹脂部分である、請求項1に記載の樹脂担持環状テルル化合物。
【請求項5】
少なくとも1対のチオール基を含む化合物において、少なくとも1つの分子内ジスルフィド結合を形成させるための方法であって、
請求項1から4のいずれか1項に記載の樹脂担持環状テルル化合物を触媒として少なくとも1対のチオール基を酸化剤により酸化することにより、少なくとも1つの分子内ジスルフィド結合を形成させることを含む、方法。
【請求項6】
酸化剤が、ROOH[Rは、水素又はC1-C6アルキル基]、メタクロロ過安息香酸、又は過酸化水素尿素である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1対のチオール基を含む化合物が、タンパク質又はペプチドである、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
請求項5に記載の方法により、少なくとも1つの分子内ジスルフィド結合を形成させることを含む、少なくとも1つの分子内ジスルフィド結合を有する化合物を製造するための方法。
【請求項9】
少なくとも1つのチオール基を含む第1の化合物と少なくとも1つのチオール基を含む第2の化合物との間に分子間ジスルフィド結合を形成させるための方法であって、
請求項1から4のいずれか1項に記載の樹脂担持環状テルル化合物を触媒として第1の化合物が含む少なくとも1つのチオール基と第2の化合物が含む少なくとも1つのチオール基とを酸化剤により酸化することにより、少なくとも1つの分子間ジスルフィド結合を形成させることを含む、方法。
【請求項10】
酸化剤が、ROOH[Rは、水素又はC1-C6アルキル基]、メタクロロ過安息香酸、又は過酸化水素尿素である、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、樹脂担持環状テルル化合物に関する。また、本開示は、樹脂担持環状テルル化合物を触媒として用いる、対象の化合物においてジスルフィド結合を形成させるための方法、及び当該方法を用いた、ジスルフィド結合を有する化合物を製造するための方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
チオール(SH)基を有する有機化合物において、分子内又は分子間ジスルフィド(SS)結合を適切に形成させることは、分子コンフォメーション制御、可逆的カップリング、チオール基保護等の点において重要である。
また、多くのタンパク質又はペプチドは、分子内又は分子間ジスルフィド結合が適切に形成されることにより、生理機能を発揮する。とりわけ、タンパク質の場合、タンパク質が生理機能を発揮するのに必要な高次構造を形成する上で、分子内又は分子間ジスルフィド結合が適切に形成されることが重要である。したがって、例えば遺伝子工学的手法や有機化学的手法により、人工的にタンパク質又はペプチドを合成する場合には、合成したタンパク質又はペプチドに、分子内又は分子間ジスルフィド結合を適切に形成させることが重要である。
さらに、対象の化合物(例えば、タンパク質又はペプチド)に、天然にはないジスルフィド結合を導入して対象の化合物の機能を改変したり、薬剤等をコンジュゲートして対象の化合物の機能を修飾、拡張したり、標識化合物をコンジュゲートして対象の化合物の検出を容易にしたりする用途においても、ジスルフィド結合は有効に利用することが可能である。
【0003】
ジスルフィド結合形成反応は、化学的な観点からは、1対のチオール基間で起きる二電子酸化反応である。この方法に用いることができる古典的な無機/有機系酸化剤として、ヨウ素、過マンガン酸塩、過ホウ酸ナトリウム、塩化鉄(III)、ジメチルスルホキシド等が知られている。しかしながら、これらの古典的な無機/有機系酸化剤は化学選択性が低く、多くの反応性官能基を有するタンパク質、ペプチドにおいて、チオール基を化学選択的に酸化し、ジスルフィド結合を形成させる用途には不適である。
【0004】
タンパク質、ペプチドにおけるジスルフィド結合の形成には、一般に、trans-4,5-ジヒドロキシ-1,2-ジチアン(DTTox)や酸化型グルタチオン(GSSG)等のSS系酸化剤が用いられる。これらのSS系酸化剤は、チオール基を化学選択的に酸化することができる。しかしながら、これらのSS系酸化剤は、一般に反応効率が悪く、適切な反応速度と収率を達成するには、チオール基に対しモル比にして大過剰量(10~100倍)を使用する必要がある。また、SS系酸化剤によるチオール基の酸化反応は、一般に、チオール基が活性型であるチオラートアニオンに変換される中性~弱塩基性条件下で実施する必要があることから、酸性溶媒にのみ可溶なタンパク質、ペプチドにおいて、ジスルフィド結合を形成させる用途には適さない。
【0005】
また、チオール基からジスルフィド結合を形成させる反応においては、一般に、用いた試薬由来の副生成物や、未反応の化合物を除去するための精製工程(例えばHPLCを用いた精製工程)が必要となる。
【0006】
対象の化合物におけるジスルフィド結合形成反応を、より効果的に実施することができる試薬、方法が研究されている。
例えば、非特許文献1には、環状テルル化合物が開示されている。また、非特許文献1には、この環状テルル化合物を触媒として用いることにより、とりわけ低分子量有機化合物において、ジスルフィド結合形成反応が効果的に実施されたことが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
K.Araiら、Catal.Sci.Technol.、2019年、第9巻、3647-3655頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示は、新規の樹脂担持環状テルル化合物を提供することを課題とする。また、該樹脂担持環状テルル化合物を用いる、分子内又は分子間ジスルフィド結合を効果的に形成する方法、及び該方法を含む、分子内又は分子間ジスルフィド結合を有する化合物を効果的に製造するための方法を提供することを、別の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示では、以下の樹脂担持環状テルル化合物が提供される。
式1:
TIFF
2025109012000002.tif
43
170
[式1中、Lはリンカーであり、Xは、樹脂部分である]
で表される構造、又は、
式2:
TIFF
2025109012000003.tif
35
170
[式2中、Lはリンカーであり、Xは、樹脂部分である]
で表される構造
を有する、樹脂担持環状テルル化合物。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、新規の樹脂担持環状テルル化合物を提供することができる。また、本開示によれば、新規の樹脂担持環状テルル化合物を触媒として用いることにより、基質化合物におけるジスルフィド結合形成反応を、効果的に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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