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公開番号2025110158
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-28
出願番号2024003934
出願日2024-01-15
発明の名称水生ミミズを用いた有機性排水の処理システムおよび処理方法
出願人水ing株式会社
代理人個人
主分類C02F 3/12 20230101AFI20250718BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】食物連鎖の上位である水生ミミズによる汚泥捕食と活性汚泥の自己酸化を利用した省エネルギーな汚泥減容化技術を提供する。
【解決手段】有機性排水の処理システムは、有機性排水を生物処理する活性汚泥曝気手段1と、生物処理により得られた曝気液中の汚泥を捕食する水生ミミズを保持するための処理槽12を有する汚泥処理手段2と、活性汚泥曝気手段1および汚泥処理手段2で得られた処理曝気液を固液分離処理する固液分離処理手段3と、固液分離処理で得られた余剰汚泥を汚泥処理手段2または活性汚泥曝気手段1に返送するための余剰汚泥返送ライン4を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
有機性排水を生物処理する活性汚泥曝気手段と、
前記生物処理により得られた曝気液中の汚泥を捕食する水生ミミズを保持するための処理槽を有する汚泥処理手段と、
前記活性汚泥曝気手段および前記汚泥処理手段で得られた処理曝気液を固液分離処理する固液分離処理手段と、
前記固液分離処理で得られた余剰汚泥を前記汚泥処理手段または前記活性汚泥曝気手段に返送するための余剰汚泥返送ラインを備えたことを特徴とする有機性排水の処理システム。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記汚泥処理手段は、表面曝気装置を備えていることを特徴とする請求項1に記載の有機性排水の処理システム。
【請求項3】
前記処理槽は、矩形状の水平断面を有し、前記矩形状の水平断面の短辺と長辺との比は、1:1.5~1:3.0であることを特徴とする請求項1に記載の有機性排水の処理システム。
【請求項4】
前記汚泥処理手段は、水生ミミズ含有汚泥採取通路が形成された採取ポートと、前記採取ポートに取り付けられたポート開閉手段を備えており、
前記採取ポートは、前記処理槽の底部に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の有機性排水の処理システム。
【請求項5】
前記処理槽の前記底部は、前記水生ミミズ含有汚泥採取通路に向かって下方に傾斜していることを特徴とする請求項4に記載の有機性排水の処理システム。
【請求項6】
前記処理槽内の汚泥濃度を、前記余剰汚泥を用いて1,000~5,000mg/Lに調整することを特徴とする請求項1に記載の有機性排水の処理システム。
【請求項7】
前記表面曝気装置は、前記処理槽の底部からの高さの10%よりも低い位置に存在する前記曝気液中の溶存酸素濃度を0.1~1mg/Lに調整し、前記処理槽の底部からの高さの10~30%の範囲内に存在する前記曝気液中の溶存酸素濃度を1~3mg/Lに調整し、かつ前記処理槽の底部からの高さの30%よりも高い位置に存在する前記曝気液中の溶存酸素濃度を3mg/L以上に調整することを特徴とする請求項2に記載の有機性排水の処理システム。
【請求項8】
前記活性汚泥曝気手段から前記汚泥処理手段に導入される前記曝気液の導入量を、前記活性汚泥曝気手段への前記有機性排水の流入量に対して50~150%に調整し、かつ、前記汚泥処理手段から前記活性汚泥曝気手段に返送する二次曝気液の返送量を、前記活性汚泥曝気手段から前記汚泥処理手段に導入される前記曝気液の導入量と同じとすることを特徴とする請求項1に記載の有機性排水の処理システム。
【請求項9】
有機性排水を活性汚泥曝気手段に流入させ、前記活性汚泥曝気手段により前記有機性排水を生物処理し、
前記生物処理により得られた曝気液を、汚泥処理手段の処理槽に導入し、前記曝気液中の汚泥を前記処理槽内の水生ミミズにより捕食させ、
前記活性汚泥曝気手段および前記汚泥処理手段で得られた処理曝気液を固液分離処理手段に導いて固液分離処理し、
前記固液分離処理で得られた余剰汚泥を前記汚泥処理手段または前記活性汚泥曝気手段に返送することを特徴とする有機性排水の処理方法。
【請求項10】
前記処理槽内の前記曝気液を表面曝気装置により曝気することをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の有機性排水の処理方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機性排水の処理システムおよび処理方法に関し、特に水生ミミズの汚泥捕食による汚泥減容化技術に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
有機性排水を処理する方法として活性汚泥法が一般的であるが、処理の際に発生する余剰汚泥が昔から問題となっている。この余剰汚泥の減容化方法として、化学的処理法(殺菌剤、薬剤、酸・アルカリ、オゾン)や、物理的処理法(水熱反応、加圧、湿式ビーズミル、超音波)を利用した研究・開発が古くからなされている。これら技術は一定の成果があげられているが、大量のエネルギーや薬剤が必要であることから、大量消費型社会から資源循環型社会や脱炭素社会への転換に求められている現状のニーズに対応していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開昭57-65137号公報
特開2004-141802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、活性汚泥による水棲飼料生物の養殖方法および装置として、廃液の処理で発生する余剰汚泥を用いて水棲生物を生育する方法が開示されている。しかしながら、この方法は、水生生物の養殖を主軸に置いており、処理水水質および余剰汚泥の減容化における適正な負荷を検討していない。この特許文献1の技術は、余剰汚泥減容化につながる可能性があるが、過剰な有機物が投入された場合、水生生物の汚泥捕食が限定的となる。また、装置は周回路構造を有するため、装置容量が過大である。
【0005】
特許文献2には、汚泥処理装置および汚泥処理方法として、捕食動物を用いた余剰汚泥減容化の方法が開示されている。しかしながら、この特許文献2の技術は、主にpH、水温といったソフトウェア面の制御を主軸に置いており、装置の詳細な構造は開示されていない。また、この技術は、三段以上の槽が必要であり、装置容量が過大である。また、有機物の供給量が過大になると後生動物による汚泥捕食行動が限定的となり、得られる処理水水質の性状も不明である。
【0006】
そこで、本発明は、食物連鎖の上位である水生ミミズによる汚泥捕食と活性汚泥の自己酸化を利用した省エネルギーな汚泥減容化技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、有機性排水を生物処理する活性汚泥曝気手段と、前記生物処理により得られた曝気液中の汚泥を捕食する水生ミミズを保持するための処理槽を有する汚泥処理手段と、前記活性汚泥曝気手段および前記汚泥処理手段で得られた処理曝気液を固液分離処理する固液分離処理手段と、前記固液分離処理で得られた余剰汚泥を前記汚泥処理手段または前記活性汚泥曝気手段に返送するための余剰汚泥返送ラインを備えたことを特徴とする有機性排水の処理システムが提供される。
【0008】
一態様では、前記汚泥処理手段は、表面曝気装置を備えていることを特徴とする。
一態様では、前記処理槽は、矩形状の水平断面を有し、前記矩形状の水平断面の短辺と長辺との比は、1:1.5~1:3.0であることを特徴とする。
一態様では、前記汚泥処理手段は、水生ミミズ含有汚泥採取通路が形成された採取ポートと、前記採取ポートに取り付けられたポート開閉手段を備えており、前記採取ポートは、前記処理槽の底部に接続されていることを特徴とする。
一態様では、前記処理槽の前記底部は、前記水生ミミズ含有汚泥採取通路に向かって下方に傾斜していることを特徴とする。
一態様では、前記処理槽内の汚泥濃度を、前記余剰汚泥を用いて1,000~5,000mg/Lに調整することを特徴とする。
一態様では、前記表面曝気装置は、前記処理槽の底部からの高さの10%よりも低い位置に存在する前記曝気液中の溶存酸素濃度を0.1~1mg/Lに調整し、前記処理槽の底部からの高さの10~30%の範囲内に存在する前記曝気液中の溶存酸素濃度を1~3mg/Lに調整し、かつ前記処理槽の底部からの高さの30%よりも高い位置に存在する前記曝気液中の溶存酸素濃度を3mg/L以上に調整することを特徴とする。
一態様では、前記活性汚泥曝気手段から前記汚泥処理手段に導入される前記曝気液の導入量を、前記活性汚泥曝気手段への前記有機性排水の流入量に対して50~150%に調整し、かつ、前記汚泥処理手段から前記活性汚泥曝気手段に返送する二次曝気液の返送量を、前記活性汚泥曝気手段から前記汚泥処理手段に導入される前記曝気液の導入量と同じとすることを特徴とする。
【0009】
一態様では、有機性排水を活性汚泥曝気手段に流入させ、前記活性汚泥曝気手段により前記有機性排水を生物処理し、前記生物処理により得られた曝気液を、汚泥処理手段の処理槽に導入し、前記曝気液中の汚泥を前記処理槽内の水生ミミズにより捕食させ、前記活性汚泥曝気手段および前記汚泥処理手段で得られた処理曝気液を固液分離処理手段に導いて固液分離処理し、前記固液分離処理で得られた余剰汚泥を前記汚泥処理手段または前記活性汚泥曝気手段に返送することを特徴とする有機性排水の処理方法が提供される。
【0010】
一態様では、前記処理方法は、前記処理槽内の前記曝気液を表面曝気装置により曝気することをさらに含むことを特徴とする。
一態様では、前記処理槽は、矩形状の水平断面を有し、前記矩形状の水平断面の短辺と長辺との比は、1:1.5~1:3.0であることを特徴とする。
一態様では、前記処理槽内の汚泥濃度を、前記余剰汚泥を用いて1,000~5,000mg/Lに調整することを特徴とする。
一態様では、前記処理槽の底部からの高さの10%よりも低い位置に存在する前記曝気液中の溶存酸素濃度を0.1~1mg/Lに調整し、前記処理槽の底部からの高さの10~30%の範囲内に存在する前記曝気液中の溶存酸素濃度を1~3mg/Lに調整し、かつ前記処理槽の底部からの高さの30%よりも高い位置に存在する前記曝気液中の溶存酸素濃度を3mg/L以上に調整することを特徴とする。
一態様では、前記活性汚泥曝気手段から前記汚泥処理手段に導入される前記曝気液の導入量を、前記活性汚泥曝気手段への前記有機性排水の流入量に対して50~150%に調整し、かつ、前記汚泥処理手段から前記活性汚泥曝気手段に返送する二次曝気液の返送量を、前記活性汚泥曝気手段から前記汚泥処理手段に導入される前記曝気液の導入量と同じとすることを特徴とする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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