TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025110948
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-30
出願番号2024005014
出願日2024-01-17
発明の名称リポソーム調製用複合体
出願人日本精化株式会社
代理人
主分類A61K 8/14 20060101AFI20250723BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】化粧料又は皮膚外用剤に使用するにあたって安全性面で懸念がない表面が正に帯電したリポソームを簡便に調製できる複合体を提供する。
【解決手段】下記の成分(A)及び(B)が有機溶媒中に均一に溶解している溶液から有機溶媒を除去して、成分(A)(B)を同時に析出せしめて得られる、表面が正に帯電したリポソーム調製用複合体を用いる。本発明のリポソーム調製用複合体は、水に分散させることにより、表面が正に帯電したリポソームを簡便に調製できる。
(A)リン脂質
(B)スフィンゴシン類
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
下記の成分(A)及び(B):
(A)リン脂質
(B)スフィンゴシン類
が有機溶媒中に均一に溶解している溶液から有機溶媒を除去して、成分(A)(B)を同時に析出せしめて得られる、表面が正に帯電したリポソーム調製用複合体。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
成分(A)リン脂質が、ホスファチジルコリン含量が60質量%以上のレシチンであることを特徴とする請求項1に記載のリポソーム調製用複合体。
【請求項3】
請求項2の複合体において、さらに成分(C)としてステロール類を含有し、成分(A)~(C)が有機溶媒中に均一に溶解している溶液から有機溶媒を除去して、成分(A)~(C)を同時に析出せしめて得られる、表面が正に帯電したリポソーム調製用複合体。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の複合体において、さらに成分(D)として有機酸を含有し、成分(A)~(D)が有機溶媒中に均一に溶解している溶液から有機溶媒を除去して、成分(A)~(D)を同時に析出せしめて得られる表面が正に帯電したリポソーム調製用複合体。
【請求項5】
請求項1~3のいずれかに記載のリポソーム調製用複合体を水に分散して得られるリポソーム。
【請求項6】
請求項4に記載のリポソーム調製用複合体を水に分散して得られるリポソーム。
【請求項7】
請求項1~3のいずれかに記載のリポソーム調製用複合体を含有する化粧料又は皮膚外用剤。
【請求項8】
請求項4に記載のリポソーム調製用複合体を含有する化粧料又は皮膚外用剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リン脂質とスフィンゴシン類を含有する表面が正に帯電したリポソーム調製用複合体に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
リポソームとは、リン脂質を主な構成成分として形成される脂質二重層膜からなる球状の閉鎖小胞(ベシクル)であり、その膜内には親油性の有効成分を、その内水相には親水性の有効成分を内包することができる。リポソームは使用感や保湿作用などに優れるとともに、内包した有効成分の皮膚への浸透性を高めることから、古くから化粧料や皮膚外用剤に利用されている。一般にレシチンなどのリン脂質から形成されるリポソームは、その表面は負に帯電しているが、近年、皮膚表面が負に帯電している点に注目し、リポソーム表面を正に帯電させて、静電気的な相互作用によって有効成分の皮膚内への浸透を向上させる試みがなされている。例えば、特許文献1には、N-ココイル-L-アルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩などのカチオン性界面活性剤を含有するゼータ電位が正のリポソームが、有効成分の皮膚浸透性に優れることが記載されている。引用文献2には、1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP)などの陽イオン脂質を含有する陽イオン性リポソームが、有効成分の皮膚吸収能を増大させることが記載されている。しかしながら、これら文献でリポソーム表面に正電荷を付与するために使用される化合物は、界面活性剤に該当する成分であり、刺激性などの皮膚への安全性面で懸念があるため、このような懸念がない表面が正に帯電したリポソームが望まれている。
【0003】
スフィンゴシン類は、保湿、抗アクネ、抗炎症、表皮角化正常化などの様々な効果・効能を有し、古くから化粧料又は皮膚外用剤に使用されている有効成分の一種であり、その安全性に懸念がないものである(例えば特許文献3)。しかしながら、化粧料又は皮膚外用剤の分野において、スフィンゴシン類をリポソームに内包させて使用する試みは知られていない。また、一般にリポソームの調製には、煩雑な操作が必要となるため、簡便にリポソームが調製できることが望まれており、さらに、簡便にリポソームが調製できるような原料が市販品として入手できることも望まれている。
【0004】
特許文献4には、水和性に乏しいレシチンを水に分散させる手法として、レシチンとステロールが有機溶媒中に均一に溶解している溶液から有機溶媒を除去して、レシチンとステロールを同時に析出せしめて得られるレシチン-ステロール複合体が開示されている。この複合体によれば、特殊な調製方法を用いずとも、レシチンを用いた可溶化組成物の調整が可能であり、得られた組成物の分散安定性も良好である。また、特許文献5には、難水溶性の生理活性物質とリン脂質が有機溶媒中に均一に溶解している溶液から有機溶媒を除去して、難水溶性の生理活性物質とリン脂質を同時に析出せしめて得られる難水溶性生理活性物質-リン脂質複合体が開示されている。しかしながら、リン脂質とスフィンゴシン類が配合された複合体、および、該複合体を表面が正に帯電したリポソームの調製に使用することは知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2014/069631号
特表2022-523422号公報
特開平05-085924号公報
特開平4-149194号
特開2007-197328号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、化粧料又は皮膚外用剤に使用するにあたって安全性面で懸念がない表面が正に帯電したリポソームを簡便に調製できる複合体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、成分(A)リン脂質及び成分(B)スフィンゴシン類が有機溶媒中に均一に溶解している溶液から有機溶媒を除去して、成分(A)(B)を同時に析出せしめて得られる、表面が正に帯電したリポソーム調製用複合体が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【発明の効果】
【0008】
本発明の複合体は、水に分散させることにより、表面が正に帯電したリポソームを簡便に調製できる。また、本発明の複合体により調製されるリポソームは、化粧料又は皮膚外用剤に使用するにあたって安全性面に懸念がなく、表面が正に帯電していることから有効成分の皮膚への浸透性に優れ、また、塗布時のなじみやすさ、乾き際のべたつきのなさ、乾燥後のしっとり感といった使用感にも優れるものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、下記の成分(A)及び(B)が有機溶媒中に均一に溶解している溶液から有機溶媒を除去して、成分(A)と(B)を同時に析出させることにより得られる複合体に関するものである。
(A)リン脂質
(B)スフィンゴシン類
【0010】
本発明の複合体に使用される成分(A)のリン脂質としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸等の極性基を有するジアシルグリセロリン脂質;大豆、なたね、ひまわり、サフラワー、落花生、綿実、トウモロコシ、米、大麦などの植物や卵黄から得られるレシチン及びこれらの水素添加物が例示できる。これらはモノアシルグリセロリン脂質又はリゾレシチンが含まれたものであっても良い。さらにこれらはポリエチレングリコール等のポリオキシアルキレン基で修飾された誘導体であっても良い。これらのリン脂質は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。これらのうち、入手性や本発明の効果をより発揮させる観点から、レシチン及びこれらの水素添加物が好ましいものとして挙げられる。レシチンとしては、その精製度合いによりホスファチジルコリン(以下、PC)の含量が異なるものが市販されているが、後述するリポソームの分散安定性や本発明の効果をより発揮させる観点から、PC含量が60質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上のものを使用するとよい。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

日本精化株式会社
リポソーム調製用複合体
18日前
日本精化株式会社
ホスホコリン含有化粧料
13日前
日本精化株式会社
リポソーム調製用組成物
2か月前
日本精化株式会社
グリセロホスホコリン含有化粧料
13日前
個人
健康器具
6か月前
個人
短下肢装具
26日前
個人
鼾防止用具
5か月前
個人
歯茎みが品
6か月前
個人
白内障治療法
5か月前
個人
前腕誘導装置
1か月前
個人
マッサージ機
6か月前
個人
導電香
6か月前
個人
脈波測定方法
5か月前
個人
嚥下鍛錬装置
1か月前
個人
洗井間専家。
4か月前
個人
脈波測定方法
6か月前
個人
歯の修復用材料
1か月前
個人
片足歩行支援具
7か月前
個人
ホバーアイロン
4か月前
個人
バッグ式オムツ
2か月前
個人
矯正椅子
2か月前
個人
クリップ
7か月前
個人
シャンプー
3か月前
個人
哺乳瓶冷まし容器
24日前
個人
陣痛緩和具
1か月前
三生医薬株式会社
錠剤
5か月前
個人
口内洗浄具
6か月前
個人
眼科診療車
7か月前
個人
車椅子持ち上げ器
5か月前
個人
歯の保護用シール
2か月前
個人
除菌システム
7か月前
株式会社コーセー
化粧料
7か月前
個人
性行為補助具
16日前
株式会社結心
手袋
5か月前
個人
避難困難者救出台車
7か月前
株式会社大野
骨壷
1か月前
続きを見る