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公開番号2025113333
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-01
出願番号2025083076,2023077853
出願日2025-05-19,2019-11-07
発明の名称O-置換セリン誘導体の製造方法
出願人中外製薬株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C07C 271/22 20060101AFI20250725BHJP(有機化学)
要約【課題】医薬中間体として有用なO-置換セリン誘導体およびその製造に有用なスルファミダートを、優れた位置選択性、化学収率および光学純度で製造する方法を提供する。
【解決手段】アミノ酸誘導体を環化試薬と反応させることで環状スルファミダートを製造できることを見出した。また環状スルファミダートをアルコールと反応させることで、O-置換セリン誘導体を製造できることを見出した。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記(1)または(2)の構造式で表される化合物、その化学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物:
JPEG
2025113333000125.jpg
37
149
(式(1)または(2)中、


は、n-プロピル、またはi-プロピルであり、


は、水素、C

-C

アルキルまたはアミノ基の保護基であり、


は、水素、またはカルボキシル基の保護基である)。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】


が、水素、Boc基、Fmoc基、Cbz基またはAlloc基であり、R

が、水素、ベンジルまたはtert-Buである、請求項1に記載の化合物、その化学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
【請求項3】
以下から選択される、請求項1または2に記載の化合物、その化学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
JPEG
2025113333000126.jpg
53
149

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品中間体として有用なO-置換セリン誘導体とその製造に有用な環状スルファミダートおよびそれらの製造法に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
タンパク-タンパク相互作用の阻害に代表される、tough targetへのアクセスは、低分子化合物と比較して、中分子化合物(分子量500~2000)の方が優れている可能性がある。また、抗体と比較して、中分子化合物は細胞内に移行できる点でも優れている可能性がある。生理活性をもつ中分子化合物の中でもペプチド医薬品はすでに40種類以上が上市されている価値の高い分子種である(非特許文献1)。ペプチド医薬品の代表例として、シクロスポリンAやポリミキシンBが挙げられる。これらの構造に着目してみると、いくつかの非天然アミノ酸を含むペプチド化合物であることがわかる。非天然アミノ酸とは、天然でmRNA上にコードされていないアミノ酸のことで、天然由来のシクロスポリンAやポリミキシンBに非天然アミノ酸が含まれていることに加え、これら非天然の構造部位が生体内の作用部位と相互作用をして薬理活性を発現することは非常に興味深い。非天然のアミノ酸が生体内の作用部位と相互作用する例として、ラコサミドのO-置換セリン部位とナトリウムチャネルとの相互作用の研究(非特許文献2)が知られている。
【0003】
O-置換セリン誘導体を製造する方法のうち、O-アルキル置換セリン誘導体を製造する方法として、以下の方法が知られている。
1.Williamsonエーテル合成法を利用して塩基存在下でセリンとアルキルハライドから製造する方法、あるいはその改良法(非特許文献3)。
2.酸触媒存在下でセリンとトリクロロアセトイミダートから製造する、SchmidtGlycosylationを応用した合成法(非特許文献4)。
3.パラジウム触媒存在下でセリンと炭酸アリルエステルから製造する合成法(非特許文献5)。
これらは、セリンにアルキル基を直接的に導入する方法である。
4.セリンから誘導したアジリジン化合物をルイス酸もしくはブレンステッド酸触媒の存在下でアルコールと反応する合成法(特許文献1、2)。
5.セリンから誘導した環状スルファミダートを塩基の存在下でアルコールと反応させる方法(非特許文献6)。
これらはセリンから誘導した中間体を介してO-アルキル置換セリン誘導体を製造する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭57-159747号公報
国際公開第2010/053050号
【非特許文献】
【0005】
Future Med. Chem. 2009, 1,1289-1310
J. Med. Chem., 2010, 53(15),5716-5726
Tetrahedron Letters, 2012, 53,3225-3229
Bioorganic & MedicinalChemistry Letters, 1992, 2, 579-582
Journal of the American ChemicalSociety, 2014, 136, 12469-12478
Organic and BiomolecularChemistry, 2014, 12, 6507-6515
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1および2に記載のセリンから誘導したアジリジンを用いる方法では、反応点の位置選択性の課題を有する。
非特許文献2に記載のセリンから誘導したアジリジンを用いる方法では、反応点の位置選択性の課題を有する。
非特許文献3に記載の塩基存在下での方法では、セリンの水酸基が脱離することが知られており、反応性の高いベンジルエーテルの製造に限定される。
非特許文献4に記載のトリクロロアセトイミダートから製造する方法では、製造できるO-置換セリン誘導体の酸素上の置換基がアリル基に限定される。
非特許文献5に記載のアリルエーテルのカップリング反応による方法では、製造できるO-置換セリン誘導体の酸素上の置換基がアリル基に限定される。
非特許文献6に記載のセリンから誘導したスルファミダートを用いる方法では、高収率で製造可能なO-置換セリン誘導体は、もっぱらフェノール等の芳香環で置換されたO-置換セリンに限られていて、アルキルアルコールと反応させることで得られるO-アルキル置換セリン誘導体の合成はわずか16%の収率で得られる一例が報告されているのみである。すなわち、環状スルファミダートとアルコールを作用させて満足できる位置選択性と収率と光学純度を達成したO-アルキル置換セリン誘導体の合成例は極めて限定的と言える。
【0007】
本発明は、満足できる位置選択性、化学収率および光学純度を伴って、医薬中間体として有用なO-置換セリン誘導体およびその製造に有用なスルファミダートを製造する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、アミノ酸誘導体から誘導した環状スルファミダートとアルコールとの反応を鋭意検討した結果、以下のスキーム1またはスキーム2を用いる、光学純度を保持しながら優れた位置選択性と化学収率を有するO-置換セリン誘導体(I)の製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
JPEG
2025113333000001.jpg
190
149
【0009】
本発明は、非限定の具体的な一態様において以下を包含する。
〔1〕以下の工程を含む、一般式(I):
JPEG
2025113333000002.jpg
22
149
[式中、


は置換基を有していてもよいC

-C

アルキル、置換基を有していてもよいC

-C

シクロアルキル、置換基を有していてもよいアラルキル、または置換基を有していてもよいヘテロアラルキルであり、


はC

-C

アルキルまたはアミノ基の保護基であり、


はカルボキシル基の保護基であり、


は単結合または-CH

-であり、


は単結合または-CH

-であり、
nは1または2であり、
但し、L

が-CH

-である場合、L

は単結合であり、L

が-CH

-である場合、L

は単結合である。]
で表される化合物、その化学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物を製造する方法:
工程A:環化試薬と、一般式(V):
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2025113333000003.jpg
22
149
[式中、R

、R

、L

、L
2、
及びnは上記と同義である。]
で表される化合物、その化学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物とを反応させて、一般式(IV):
JPEG
2025113333000004.jpg
21
149
[式中、R

、R

、L

、L
2、
及びnは上記と同義である。]
で表される化合物、その化学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物を得る工程、
工程B:一般式(IV)で表される化合物、その化学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物を酸化剤と反応させて、一般式(II):
JPEG
2025113333000005.jpg
23
149
[式中、R

、R

【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ペプチド医薬品の探索、および/または医薬品の原薬供給に有用な非天然アミノ酸を高い位置選択性、化学収率、および光学純度を伴って提供できる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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