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公開番号2025117374
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-12
出願番号2024012180
出願日2024-01-30
発明の名称帯電状態の切り替えにより花粉を吸着する金網およびこれを備えた網戸
出願人国立大学法人 名古屋工業大学
代理人
主分類B03C 3/47 20060101AFI20250804BHJP(液体による,または,風力テーブルまたはジグによる固体物質の分離;固体物質または流体から固体物質の磁気または静電気による分離,高圧電界による分離)
要約【課題】
金網12の帯電状態を時間経過に伴って正と負で切り替えることにより、金網12が正に帯電しているときは負に帯電した粒子(負に帯電した花粉5d)を、負に帯電しているときは正に帯電した粒子(正に帯電した花粉5c)を吸着しやすくなり、花粉吸着性能を向上させた帯電網戸2bを提供すること。
【解決手段】
導電性の網と、網を支持するサッシ8を備える帯電網戸2bであって、網は時間経過に伴って正の帯電と負の帯電を繰り返すことを特徴とする帯電網戸である。
【選択図】図1C
特許請求の範囲【請求項1】
導電性の網と、前記網を支持するサッシから成る帯電網戸であって、前記網は時間経過に伴って正の帯電状態と負の帯電状態を繰り返すことを特徴とする帯電網戸。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記網は正の帯電状態から負の帯電状態、負の帯電状態から正の帯電状態に切り替わる際に、接地状態となることを特徴とする請求項1に記載された帯電網戸。
【請求項3】
前記網は前記網の周囲の流体の流速に対応した速度で帯電状態を変更することを特徴とする請求項1乃至2に記載された帯電網戸。
【請求項4】
前記網は空気流入側から空気流出側に向けて設置される2枚以上の網からなることを特徴とする請求項1乃至2に記載された帯電網戸。
【請求項5】
前記網の帯電状態が時間変化に伴って変化した際、全ての前記網が同極性に帯電していることを特徴とする請求項4に記載された帯電網戸。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の少なくても1枚の網と、前記網のうち最も前記空気流入側に設置された網より前記空気流入側に設置された、帯電していない少なくても1枚の網と、前記網の全てを支持するサッシと、を備えることを特徴とする帯電網戸。
【請求項7】
前記網と前記サッシの間に絶縁体をはさむことを特徴とする請求項1又は2に記載された帯電網戸。
【請求項8】
前記サッシは絶縁性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載された帯電網戸。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電状態の切り替えにより花粉を吸着する金網およびこれを備えた網戸に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
感染症対策や室内を快適に保つために換気は重要であるが、図1A(a)のように換気によって室内に花粉が侵入すると花粉症罹患者にとって問題となる(非特許文献1)。そこで、本発明者らは図1A(b)のように網戸を帯電させ、室内に侵入する花粉を網戸で吸着する研究、発明など、建築材料に花粉吸着性能を付与する開示を行ってきた(非特許文献2、特許文献1)。
【0003】
特許文献2には、矩形状の絶縁板の表面の周縁部にリーク防止用の絶縁帯を設け、絶縁帯で囲まれた内部の集塵領域に帯電物質からなる帯状の電極帯を設けて極シートを形成し、電極シート間にスペーサ部を挟んで積層し、積層された電極シートの一つおきに異なる電圧(-5KVとアース電位)が印加される電気集塵フィルタが記載されている。
【0004】
特許文献3には、イオンを放出するイオン放出手段と、セル構造を持つ絶縁体を挟みながら極性の異なる電極板を交互に積層した集塵部で構成される集塵装置が記載されている。また、特許文献4には、空気の吸込口と吐出口と内部に送風機を設けた本体と、吸込口に近接して本体内に設けられ、吸込口から流入してくる流入粉塵に荷電する荷電部を備え、荷電部の下流側に設けられ、アースされる導電性網と、アースされる導電性網の下流側に設けられた帯電フィルタと、帯電フィルタの下流側に設けられて高圧が印加される導電性網を有する空気清浄機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2023-110278号公報
特開2006-281173号公報
特開2004-298660号公報
特開平1-266863号公報
【非特許文献】
【0006】
清澤裕美, 吉沢晋:住宅等における花粉の侵入と被曝量, 日本建築学会計画系論文集, Vol.66, No.548, pp.63-68, 2001.10
今岡智輝, 伊藤洋介, 河辺伸二:帯電した網戸用金網の花粉吸着性能の測定, 日本建築学会東海支部研究報告集, Vol.60, pp.25-28, 2022.2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、帯電金網により空気中の花粉等の粒子を吸着する網戸は、単一の極に帯電させた場合、逆極性に帯電した粒子は吸着しにくいため、十分な花粉吸着性能が発揮できないという問題があった。
そこで、本発明では、金網の帯電状態を時間経過に伴って正と負で切り替えることにより、金網が正に帯電しているときは負に帯電した粒子(花粉)を、負に帯電しているときは正に帯電した粒子(花粉)を吸着しやすくなり、花粉吸着性能を向上させた帯電網戸を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明は以下の通りである。
[1]導電性の網と、前記網を支持するサッシから成る帯電網戸であって、前記網は時間経過に伴って正の帯電状態と負の帯電状態を繰り返すことを特徴とする帯電網戸である。
正の帯電状態は導電性の網が正に帯電している状態をいい、負の帯電状態は導電性の網が負に帯電している状態をいう。また、サッシとは網を支持する枠のことである。
[2]前記網は正の帯電状態から負の帯電状態、負の帯電状態から正の帯電状態に切り替わる際に、接地状態となることを特徴とする[1]に記載された帯電網戸である。
[3]前記網は前記網の周囲の流体の流速に対応した速度で帯電状態を変更することを特徴とする[1]乃至[2]に記載された帯電網戸である。
[4]前記網は空気流入側から空気流出側に向けて設置される2枚以上の網からなることを特徴とする[1]乃至[2]に記載された帯電網戸である。
すなわち2枚以上の網からなるとは、空気流入側から空気流出側に向けて1枚目、2枚目、3枚目といった2枚以上の網からなることを意味する。
[5]前記網の帯電状態が時間変化に伴って変化した際、全ての前記網が同極性に帯電していることを特徴とする[4]に記載された帯電網戸である。
[6][1]又は[2]に記載の少なくても1枚の網と、前記網のうち最も前記空気流入側に設置された網より前記空気流入側に設置された、帯電していない少なくても1枚の網と、前記網の全てを支持するサッシと、を備えることを特徴とする帯電網戸である。
[7]前記網と前記サッシの間に絶縁体をはさむことを特徴とする[1]又は[2]に記載された帯電網戸である。
[8]前記サッシは絶縁性を有することを特徴とする[1]又は[2]に記載された帯電網戸である。
【発明の効果】
【0009】
本発明による帯電網戸によれば、帯電網戸が正に帯電しているときは負に帯電した粒子(花粉)を、負に帯電しているときは正に帯電した粒子(花粉)を吸着しやすくなる。さらに、実用化する際に透視性の確保やランニングコストの観点から、特許文献1等に開示された2枚の金網に比べて、1枚の金網で花粉を吸着することの利益は大きい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
家屋の開口部付近の様子について(a)換気による花粉の侵入、(b)帯電した網戸による花粉の吸着を、それぞれ模式的に示す図である。
帯電網戸であって、網戸の金網が負に帯電したときの花粉吸着の原理を示す図である。
本発明の一実施形態に係る金網の帯電状態の変更パターンを示す図である。
本発明の一実施形態に係る帯電網戸を示す図である。
本発明の評価に使用した実験装置を示す図である。
実験装置の花粉吸着部の拡大図を示す図である。
実験装置の堆積板の観察面を示す図である。
実験装置の電圧切り替え装置を示す図である。
実験装置の電極金網の印加状態を示す図である。
電圧絶対値1.0kVにおける堆積個数と間隔の関係を示す図である。
電圧絶対値2.0kVにおける堆積個数と間隔の関係を示す図である。
堆積減少率と間隔の関係を示す図である。
堆積個数と電圧絶対値の関係(間隔15r/min)を示す図である。
堆積個数と電圧絶対値の関係(間隔30r/min)を示す図である。
堆積個数と電圧絶対値の関係(間隔90r/min)を示す図である。
堆積個数と電圧絶対値の関係(間隔150r/min)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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