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公開番号2025141167
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-29
出願番号2024040978
出願日2024-03-15
発明の名称ポリテトラフルオロエチレンおよびその誘導体の分解方法
出願人国立大学法人 名古屋工業大学,東ソー・ファインケム株式会社
代理人個人
主分類C08J 11/16 20060101AFI20250919BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)およびその誘導体を、穏和な条件で無機フッ化物へと分解する実用的な分解方法、すなわち安全かつ工業的に実施可能なポリテトラフルオロエチレンおよびその誘導体の分解方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)
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(式(1)中、AおよびBは各々独立して水素原子、フッ素原子、カルボキシル基、アミド基、トリフルオロビニル基、スルホ基又はフェニル基を表す。nは2以上の整数を表す。)で表されるポリテトラフルオロエチレンおよび/またはその誘導体を、溶媒中、金属ナトリウム分散体と反応させて無機フッ化物を生成させることを特徴とするポリテトラフルオロエチレンおよびその誘導体の分解方法を用いる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記一般式(1)
JPEG
2025141167000008.jpg
26
170
(式(1)中、AおよびBは各々独立して水素原子、フッ素原子、カルボキシル基、アミド基、トリフルオロビニル基、スルホ基又はフェニル基を表す。nは2以上の整数を表す。)
で表されるポリテトラフルオロエチレンおよび/またはその誘導体を、溶媒中、金属ナトリウム分散体と反応させて無機フッ化物を生成させることを特徴とするポリテトラフルオロエチレンおよびその誘導体の分解方法。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
前記反応に供される金属ナトリウム量が、ポリテトラフルオロエチレンおよびその誘導体に含有されるフッ素原子の総モル量に対して、1.0モル当量~10モル当量である、請求項1に記載のポリテトラフルオロエチレンおよびその誘導体の分解方法。
【請求項3】
前記溶媒がテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジグライム、トリグライムおよびテトラグライムからなる群から選択される1種類以上の有機溶媒である、請求項1又は請求項2に記載のポリテトラフルオロエチレンおよびその誘導体の分解方法。
【請求項4】
前記反応温度が0℃~100℃であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のポリテトラフルオロエチレンおよびその誘導体の分解方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」と略す)およびその誘導体の分解方法に関する。PTFEは、耐熱性、耐薬品性、摺動性に優れており、シール材、コーティング材、摺動部材など様々な用途で使用される。一方で、PTFEは高い安定性故に、環境中では分解が非常に遅いため環境残留性が指摘されている。PTFEの分解処理を行い、環境へのPTFE排出量を低減し、さらにフッ素源を回収することで、持続可能な社会の実現に貢献できる。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
PTFEは500℃以上の高温で熱分解するが、エネルギー消費が多く、コストがかかるという課題がある。また焼却の際に発生するフッ化水素は腐食性ガスであることから焼却炉の劣化を早めることも予想される。
【0003】
近年では、アルカリ金属単体やアルカリ金属-ナフタレン錯体と反応させることによりPTFEを脱フッ素化分解する方法が報告されている(例えば非特許文献1等)。しかし、アルカリ金属単体によるPTFEの脱フッ素化は200℃の高温が必要であることや、アルカリ金属単体は反応性に富むため発火の危険性もある。また、アルカリ金属-ナフタレン錯体によるPTFEの脱フッ素化は室温で進行するものの、錯体自体が不安定なため、都度ナフタレンとアルカリ金属単体から調製する必要がある。そのため、より安全で入手容易な試薬を用いたPTFEの分解方法が望まれる。
【0004】
一方、金属ナトリウム分散体を用いたパーフルオロアルキルカルボン酸およびパーフルオロアルキルスルホン酸の脱フッ素化が報告されている(例えば特許文献1)。金属ナトリウム分散体は鉱物油中に金属ナトリウム粒子が分散したペースト状の形態であり、空気中での取り扱いが可能、反応器への供給が容易といった特徴がある。金属ナトリウム分散体は金属ナトリウム単体と比較して安全性と操作性に優れているが、PTFEの分解に関しては報告されていない。また、一般にPTFEのフッ化炭素鎖はパーフルオロアルキル化合物より長鎖であることが多く、より長鎖のフッ化炭素鎖ほど分解が困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
米国特許出願公開第2022/0107291号。
【非特許文献】
【0006】
Y.Yamada,O.Tanaike,S.Shiraishi,TANSO,2004,215,285-294。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、PTFEを、穏和な条件で無機フッ化物へと分解する実用的な分解方法、すなわち安全かつ工業的に実施可能なPTFEの分解方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、PTFEの分解方法について、鋭意検討した結果、PTFEを溶媒中金属ナトリウム分散体と反応させることで、穏和な条件で無機フッ化物へと分解する方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち本発明は、以下の発明に係る。
[1] 式(1)
JPEG
2025141167000001.jpg
26
170
(式(1)中、AおよびBは各々独立して水素原子、フッ素原子、カルボキシル基、アミド基、トリフルオロビニル基、スルホ基又はフェニル基を表す。nは2以上の整数を表す。)
で表されるポリテトラフルオロエチレンおよび/またはその誘導体を、溶媒中、金属ナトリウム分散体と反応させて無機フッ化物を生成させることを特徴とするポリテトラフルオロエチレンおよびその誘導体の分解方法。
[2] 前記反応に供される金属ナトリウム量が、ポリテトラフルオロエチレンおよびその誘導体に含有されるフッ素原子の総モル量に対して、1.0モル当量~10モル当量である、項[1]に記載のポリテトラフルオロエチレンおよびその誘導体の分解方法。
[3] 前記溶媒がテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジグライム、トリグライムおよびテトラグライムからなる群から選択される1種類以上の有機溶媒である、項[1]又は項[2]に記載のポリテトラフルオロエチレンおよびその誘導体の分解方法。
[4] 前記反応温度が0℃~100℃であることを特徴とする、項[1]又は項[2]に記載のポリテトラフルオロエチレンおよびその誘導体の分解方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、ポリテトラフルオロエチレンおよび/またはその誘導体を比較的低温でかつ短時間という穏和な条件下で無機フッ化物に分解可能な方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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