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公開番号2025117823
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2024012758
出願日2024-01-31
発明の名称冷凍サイクル用作動媒体の不均化反応の抑制方法、並びに冷凍サイクル用作動媒体
出願人パナソニックIPマネジメント株式会社
代理人弁理士法人有古特許事務所
主分類C09K 5/04 20060101AFI20250805BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】 不均化反応が生じる冷媒成分を含有する冷凍サイクル用作動媒体において、当該冷媒成分の不均化反応を良好に抑制または緩和する新たな方法を提供する。
【解決手段】 不均化反応が生じる冷媒成分、例えばフルオロオレフィンを含有する冷凍サイクル用作動媒体が循環する冷凍サイクル内において、フルオロオレフィンの不均化反応に伴いカルベンが生成する。このときに、冷凍サイクル用作動媒体は、さらに、カルベンと反応する炭素-炭素二重結合(C=C結合)を化学構造中に有する不飽和化合物を、カルベン捕捉剤として含有する。このカルベン捕捉剤が、生成したカルベンを捕捉することにより、冷凍サイクル内におけるカルベンの増加を抑制して、フルオロオレフィンの不均化反応を抑制する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
不均化反応が生じる冷媒成分を含有する冷凍サイクル用作動媒体が循環する冷凍サイクル内において、前記冷媒成分の不均化反応に伴いカルベンが生成するときに、
前記冷凍サイクル用作動媒体は、さらに、前記カルベンと反応する炭素-炭素二重結合(C=C結合)を化学構造中に有する不飽和化合物を、カルベン捕捉剤として含有し、
前記カルベン捕捉剤により、生成した前記カルベンを捕捉することにより、前記冷凍サイクル内における前記カルベンの増加を抑制して、前記冷媒成分の不均化反応を抑制することを特徴とする、
冷凍サイクル用作動媒体の不均化反応の抑制方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記不均化反応が生じる冷媒成分は、フルオロオレフィンである、
請求項1に記載の冷凍サイクル用作動媒体の不均化反応の抑制方法。
【請求項3】
前記不飽和化合物は、炭素数4以下の有機化合物またはその誘導体である、
請求項1に記載の冷凍サイクル用作動媒体の不均化反応の抑制方法。
【請求項4】
前記不飽和化合物は、エテン、ブタジエン、シクロプロペン、シクロブテン、ブテンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンまたはその誘導体である、
請求項3に記載の冷凍サイクル用作動媒体の不均化反応の抑制方法。
【請求項5】
前記カルベンは、CF
2
,CHF,およびCH
2
からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、
請求項1から3のいずれか1項に記載の冷凍サイクル用作動媒体の不均化反応の抑制方法。
【請求項6】
前記カルベン捕捉剤は、前記カルベンが前記二重結合と反応し、当該二重結合の一方の結合が切断されて前記カルベンが取り込まれることにより、シクロプロパン構造が形成されて、前記カルベンの増加を抑制する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の冷凍サイクル用作動媒体の不均化反応の抑制方法。
【請求項7】
前記カルベンの増加の抑制には、予め設定される前記カルベンの濃度上限値を下回るか、もしくは、前記カルベン濃度を実質的に0にすることが含まれる、
請求項6に記載の冷凍サイクル用作動媒体の不均化反応の抑制方法。
【請求項8】
前記冷凍サイクルは、圧縮機を備え、
前記圧縮機内には、
放電が発生し得る放電領域と、
複数の摺動部材が互いの摺動面で接した状態で摺動する摺動部を有する摺動領域と、
を含み、
前記放電領域および前記摺動領域の少なくとも一方の領域に存在する前記カルベンの増加を抑制する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の冷凍サイクル用作動媒体の不均化反応の抑制方法。
【請求項9】
不均化反応が生じる冷媒成分を含有するとともに、
前記冷媒成分の不均化反応に伴って生じるカルベンを捕捉するカルベン捕捉剤として、前記カルベンと反応する炭素-炭素二重結合(C=C結合)を化学構造内に有する不飽和化合物を含有することを特徴とする、
冷凍サイクル用作動媒体。
【請求項10】
前記不均化反応が生じる冷媒成分は、フルオロオレフィンである、
請求項9に記載の冷凍サイクル用作動媒体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、1,1,2-トリフルオロエチレン等のフルオロオレフィン(フルオロアルケン)の不均化反応を有効に抑制または緩和することが可能な冷凍サイクル用作動媒体の抑制方法、並びに、これを用いた冷凍サイクル用作動媒体に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
冷凍サイクル用作動媒体(冷媒または熱媒体)としては、最近、オゾン層破壊係数(ODP)が0であり、かつ、地球温暖化係数(GWP)のより小さいフルオロオレフィン、特にハイドロフルオロオレフィン(HFO)の使用が提案されている。代表的なHFOとしては、例えば、1,1,2-トリフルオロエチレン(HFO1123)あるいはジフルオロエチレン(HFO1132)等が知られている。HFOは、従来のHFC(ハイドロフルオロカーボン)等に比べて安定性が低いため大気中に残存しにくい。
【0003】
ところが、HFOは、その安定性の低さのために、不均化反応と呼ばれる自己重合反応(以下、不均化反応と記載する。)が生じやすいことも知られている。不均化反応は、冷凍サイクル用作動媒体の使用中に生じた発熱等に誘引されて生じやすく、しかも不均化反応の発生には大きな熱放出が伴われるため、不均化反応が連鎖的に生じることも知られている。その結果、大量の煤が発生して、冷凍サイクルシステムまたはこのシステムを構成する圧縮機等の信頼性を低下させる可能性がある。
【0004】
そこで、本出願人は、冷凍サイクル用作動媒体の冷媒成分として、例えば1,1,2-トリフルオロエチレンを用いた場合には、当該1,1,2-トリフルオロエチレンの不均化反応を抑制するための成分(不均化抑制剤)として、ハロメタン(特許文献1)、飽和炭化水素(特許文献2)、ハロエタン(特許文献3)、これらの併用(特許文献4または特許文献5)、あるいは、特に好適な不均化抑制剤の代表例としてのジフルオロヨードメタン(特許文献6)を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-145380号公報
特開2018-048271号公報
特開2018-104565号公報
特開2018-104566号公報
特開2019-034983号公報
特開2021-161316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1~6では、冷凍サイクルにおいて不均化反応の発生に影響し得るさまざまな条件を考慮して、種々の不均化抑制剤またはその組み合わせを提案している。これら不均化抑制剤は、1,1,2-トリフルオロエチレン等のフルオロオレフィンの不均化反応を有効に抑制または緩和することができる。
【0007】
ただし、フルオロオレフィンの不均化反応については不明な部分が多い。そのため、特許文献1~6で提案する不均化抑制剤以外にも、不均化反応を有効に抑制または緩和することが可能な新たな方法を検討することが求められている。
【0008】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、不均化反応が生じる冷媒成分を含有する冷凍サイクル用作動媒体において、当該冷媒成分の不均化反応を良好に抑制または緩和する新たな方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る冷凍サイクル用作動媒体の不均化反応の抑制方法は、前記の課題を解決するために、不均化反応が生じる冷媒成分を含有する冷凍サイクル用作動媒体が循環する冷凍サイクル内において、前記冷媒成分の不均化反応に伴いカルベンが生成するときに、前記冷凍サイクル用作動媒体は、さらに、前記カルベンと反応する炭素-炭素二重結合(C=C結合)を化学構造中に有する不飽和化合物を、カルベン捕捉剤として含有し、前記カルベン捕捉剤により、生成した前記カルベンを捕捉することにより、前記冷凍サイクル内における前記カルベンの増加を抑制して、前記冷媒成分の不均化反応を抑制する構成である。
【0010】
前記構成によれば、炭素-炭素二重結合(C=C結合)を化学構造中に有する不飽和化合物は、その二重結合がカルベンと反応することにより当該カルベンを捕捉する。このカルベン捕捉反応は、相対的に活性化エネルギーが低いため、当該カルベンが冷媒成分と反応して活性種が二次的に生じた状況下、もしくは、反応熱によって不均化反応を促進する状況下においても、当該カルベンが冷媒成分と反応する以前に不飽和化合物反応し得る。それゆえ、冷媒成分の不均化反応をより一層良好に抑制することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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