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公開番号2025110738
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-29
出願番号2024004754
出願日2024-01-16
発明の名称液状組成物
出願人AGC株式会社
代理人個人,個人
主分類C09D 127/18 20060101AFI20250722BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】機械的特性、耐熱性、電気的特性(低線膨張係数、低誘電率、低誘電正接)等のテトラフルオロエチレン系ポリマーの物性を高度に具備し、均質かつ前記弾性基材との密着性に優れ、さらに耐フッ素プラズマ性にも優れたコーティング層を、曲面構造を有するフルオロエラストマーの弾性基材の表面へ形成しやすい液状組成物を提供する。
【解決手段】曲面構造を有するフルオロエラストマーの弾性基材の表面をコーティングするために用いられる、カルボニル基含有基を有する熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を含む、表面張力が50dyn/cm以下の液状組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
曲面構造を有するフルオロエラストマーの弾性基材の表面をコーティングするために用いられる、カルボニル基含有基を有する熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を含む、表面張力が50dyn/cm以下の液状組成物。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の平均粒子径が1μm以上10μm未満である、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項3】
前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の含有量が30質量%以上である、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項4】
前記テトラフルオロエチレン系ポリマーのフッ素含有量が、70質量%以上78質量%以下である、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項5】
水系である、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項6】
さらに、ノニオン性界面活性剤を含有する、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項7】
さらに非熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を含む、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項8】
さらにフルオロエラストマーの粒子を含む、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項9】
25℃における粘度が100000mPa以下である、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項10】
前記曲面構造を有する弾性基材が、シール材である、請求項1に記載の液状組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を含む液状組成物に関する。詳細には、本発明は、曲面構造を有するフルオロエラストマーの弾性基材の表面をコーティングするために用いられる、特定のテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を含む液状組成物に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
フルオロエラストマーは耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性等を示し、航空宇宙分野、半導体製造装置分野、化学プラント分野等の、プラズマ雰囲気や薬品雰囲気等の環境下で使用されるシール材等として使用されている。近年では、高濃度かつ高活性なガスや薬液等が使用される傾向にあり、従来のフルオロエラストマーからなるシール材では頻繁な交換を要する場合がある。
フルオロエラストマーの中でもパーフルオロエラストマーは耐プラズマ性や耐薬品性に特に優れることから、前記シール材として用いられるが、非常に高価であるという問題もある。耐プラズマ性や耐薬品性に優れる材料を得るべく、フルオロエチレン系ポリマーと他の成分との組成物が提案されている。例えば、特許文献1には、フルオロエチレン系ポリマーと、所定のシルセスキオキサンのポリマーを含む組成物が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2018/030427号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、ガスケット、ベアリングシール、オイルシール、Oリング等の弾性基材の表面には、固着防止、ブロッキング防止、耐摩耗性向上等の目的でコーティング膜(コーティング層)が設けられる場合がある。しかし、上記の特性を有するフルオロエチレン系ポリマーを含有する液状組成物を用いて、前記した弾性基材の表面にコーティング層を形成しようとすると、弾性基材が曲面構造を有することから、形成されるコーティング層が不均一になりやすく、厚さや表面特性にムラが生じやすく、得られるコーティング層と弾性基材との密着性も低下しやすい。
【0005】
本発明者らは、特定のテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を含有し、表面張力が特定範囲である液状組成物は分散性に優れ、曲面構造を有するフルオロエラストマーの弾性基材の表面をコーティングするために用いると、形成されるコーティング層が機械的特性、耐熱性、電気特性等のテトラフルオロエチレン系ポリマーに基づく特性に優れ、また前記弾性基材との密着性、さらに耐フッ素プラズマ性にも優れることを見出し、本発明に至った。
本発明の目的は、かかる組成物の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記の態様を有する。
[1] 曲面構造を有するフルオロエラストマーの弾性基材の表面をコーティングするために用いられる、カルボニル基含有基を有する熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を含む、表面張力が50dyn/cm以下の液状組成物。
[2] 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の平均粒子径が1μm以上10μm未満である、[1]の液状組成物。
[3] 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の含有量が30質量%以上である、[1]又は[2]の液状組成物。
[4] 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーのフッ素含有量が、70質量%以上78質量%以下である、[1]~[3]のいずれかの液状組成物。
[5] 水系である、[1]~[4]のいずれかの液状組成物。
[6] さらに、ノニオン性界面活性剤を含有する、[1]~[5]のいずれかの液状組成物。
[7] さらに非熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を含む、[1]~[6]のいずれかの液状組成物。
[8] さらにフルオロエラストマーの粒子を含む、[1]~[7]のいずれかの液状組成物。
[9] 25℃における粘度が100000mPa以下である、[1]~[8]のいずれかの液状組成物。
[10] 前記曲面構造を有する弾性基材が、シール材である、[1]~[9]のいずれかの液状組成物。
[11] 前記弾性基材の水接触角度が50°超である、[1]~[10]のいずれかの液状組成物。
[12] 前記弾性基材の臨界ぬれ表面張力が40mN/m以下である、[1]~[11]のいずれかの液状組成物。
[13] 前記弾性基材がパーフルオロエラストマーの弾性基材である、[1]~[12]のいずれかの液状組成物。
[14] 前記コーティングの手段が、スプレー噴霧又はディッピングである、[1]~[13]のいずれかの液状組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、機械的特性、耐熱性、電気的特性(低線膨張係数、低誘電率、低誘電正接)等のテトラフルオロエチレン系ポリマーの物性を高度に具備し、均質かつ前記弾性基材との密着性に優れ、さらに耐フッ素プラズマ性にも優れたコーティング層を、曲面構造を有するフルオロエラストマーの弾性基材の表面へ形成しやすい液状組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の用語は、以下の意味を有する。
ポリマーにおける「単位」とは、モノマーの重合により形成された前記モノマーに基づく原子団を意味する。単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって前記単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。以下、モノマーaに基づく単位を、単に「モノマーa単位」とも記す。
「溶融温度」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定したポリマーの融解ピークの最大値に対応する温度である。
「ガラス転移点(Tg)」は、動的粘弾性測定(DMA)法でポリマーを分析して測定される値である。
「平均粒子径(D50)」は、レーザー回折・散乱法によって求められる、粒子の体積基準累積50%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径である。
粒子のD50は、粒子を水中に分散させ、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA-920測定器)を用いたレーザー回折・散乱法により分析して求められる。
粒子の比表面積は、ガス吸着(定容法)BET多点法で粒子を測定し算出される値であり、NOVA4200e(Quantachrome Instruments社製)を使用して求められる。
「粘度」は、B型粘度計を用いて、25℃で回転数が30rpmの条件下で組成物を測定して求められる。測定を3回繰り返し、3回分の測定値の平均値とする。
「チキソ比」とは、組成物の、回転数が30rpmの条件で測定される粘度η

を、回転数が60rpmの条件で測定される粘度η

で除して算出される値である。それぞれの粘度の測定は、3回繰り返し、3回分の測定値の平均値とする。
溶媒又は液状組成物の「表面張力」は、表面張力計を用い、25℃にてウィルヘルミー法で測定した値である。
【0009】
本発明は、曲面構造を有するフルオロエラストマーの弾性基材(以下、「本弾性基材」とも記す。)の表面をコーティングするために用いられる、カルボニル含有基を有する熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマー(以下、「Fポリマー」とも記す。)の粒子(以下、「F粒子」とも記す。)を含む、表面張力が50dyn/cm以下の液状組成物(以下、「本組成物」とも記す。)である。換言すれば、本組成物は、本弾性基材の表面をコーティングするためのコーティング剤でもある。
【0010】
本組成物は分散性に優れており、機械的特性、耐熱性、電気的特性(低線膨張係数、低誘電率、低誘電正接)等のテトラフルオロエチレン系ポリマーの物性を高度に具備し、均質かつ前記弾性基材との密着性に優れ、さらに耐フッ素プラズマ性にも優れたコーティング層を、本弾性基材の表面へ形成しやすい。その理由は必ずしも明確ではないが、以下の様に考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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