TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025121019
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-19
出願番号2024016161
出願日2024-02-06
発明の名称組成物、稠密シート及びその製造方法
出願人AGC株式会社
代理人個人,個人
主分類C08L 27/18 20060101AFI20250812BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】機械的特性、耐熱性に優れ、線膨張係数、誘電率及び誘電正接が低く、特に電気絶縁性を維持しつつ熱伝導性に優れた稠密シート等の成形物を形成でき、熱界面材料として放熱絶縁シート等に好適に使用できる、熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマーを含む組成物を提供すること。
【解決手段】熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、一次粒子又はその凝集体である異方性フィラーと、平均粒子径が前記異方性フィラーの一次粒子の長径に対し0.2以下である球状フィラーとを含み、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の含有量に対する前記異方性フィラーの含有量が体積比で2.4超であり、固形分における前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子、前記異方性フィラー及び前記球状フィラーの総量が90体積%以上である、組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、一次粒子又はその凝集体である異方性フィラーと、平均粒子径が前記異方性フィラーの一次粒子の長径に対し0.2以下である球状フィラーとを含み、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の含有量に対する前記異方性フィラーの含有量が体積比で2.4超であり、固形分における前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子、前記異方性フィラー及び前記球状フィラーの総量が90体積%以上である、組成物。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記異方性フィラーの含有量が50体積%以上である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記異方性フィラーの一次粒子のアスペクト比が5以上1000以下である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記異方性フィラーの一次粒子の長径が2μm以上10μm以下であり、かつ、前記球状フィラーの平均粒子径が0.05μm以上2μm以下である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記異方性フィラーのモース硬度が3以下であり、かつ、前記球状フィラーのモース硬度が3超である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の平均粒子径が10μm未満である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
さらに液状分散媒を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマーと、一次粒子又はその凝集体である異方性フィラーと、平均粒子径が前記異方性フィラーの一次粒子の長径に対し0.2以下である球状フィラーとを含み、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの含有量に対する前記異方性フィラーの含有量が体積比で2.4超であり、空隙率が10%未満である、稠密シート。
【請求項9】
前記異方性フィラーの含有量が50体積%以上である、請求項8に記載の稠密シート。
【請求項10】
前記異方性フィラーの一次粒子のアスペクト比が5以上1000以下である、請求項8に記載の稠密シート。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、テトラフルオロエチレン系ポリマーと所定の複数のフィラーとを含む組成物、稠密シート及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 4,600 文字)【背景技術】
【0002】
コンピューターチップ(CPU)、ビデオグラフィックスアレイ、サーバー、ゲーム機、スマートフォン、LEDボード等の電子部品や、電気自動車及び送電システムのインバーターやコンバーター等で使用されるパワー半導体を含む半導体モジュール等から発生する大量の熱を放散するために、放熱材料として熱界面材料(Thermal Interface Material;以下、「TIM」とも記す。)が用いられる。TIMは、典型的には、過剰な熱を電子部品から熱拡散部に伝達し、次いで熱を放熱板に伝達する役割を有する。
従来、TIMとして、非常に薄い層に広がり、隣接する表面間の緊密な接触を提供できる観点から、パラフィンワックス等の相変化材料、グリース状材料、エラストマーテープが用いられるが、耐熱性(熱安定性)に劣り、性能が低下しやすいという問題がある。
TIMに適用可能な放熱材料として、例えば特許文献1には、芳香族骨格を有する所定のポリマーと、所定のエポキシ化合物及び/又はオキセタン化合物、硬化剤、及び特定形状を有する複数種のフィラーを所定量比で配合した絶縁シートが提案されている。特許文献2及び特許文献3には、熱硬化性樹脂と、アスペクト比又は平均長径の異なる窒化ホウ素の一次粒子からそれぞれ形成される、複数の二次粒子を含む熱硬化性樹脂組成物が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-144072号公報
国際公開第2014/199650号
特開2011- 6586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行技術文献に記載されるのはいずれも熱硬化性のシート又は樹脂組成物である。TIMに要求される電気絶縁性、耐熱性、熱伝導性、機械的特性を、熱可塑性樹脂(熱溶融性樹脂)及び無機フィラーを配合した組成物で達成するには、なお検討の余地がある。
本発明者らは、熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーと、特定の異方性フィラーと特定の球状フィラーとを所定量比で含む組成物は分散性に優れており、かかる組成物から形成されるシート等の成形物は機械的特性、耐熱性に優れ、線膨張係数、誘電率及び誘電正接が低く、特に電気絶縁性を維持しつつ熱伝導性に優れることを見出し、本発明に至った。
本発明の目的は、かかる組成物、該組成物より形成される稠密シート、及び該稠密シートの製造方法の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記の態様を有する。
[1] 熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、一次粒子又はその凝集体である異方性フィラーと、平均粒子径が前記異方性フィラーの一次粒子の長径に対し0.2以下である球状フィラーとを含み、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の含有量に対する前記異方性フィラーの含有量が体積比で2.4超であり、固形分における前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子、前記異方性フィラー及び前記球状フィラーの総量が90体積%以上である、組成物。
[2] 前記異方性フィラーの含有量が50体積%以上である、[1]の組成物。
[3] 前記異方性フィラーの一次粒子のアスペクト比が5以上1000以下である、[1]又は[2]の組成物。
[4] 前記異方性フィラーの一次粒子の長径が2μm以上10μm以下であり、かつ、前記球状フィラーの平均粒子径が0.05μm以上2μm以下である、[1]~[3]のいずれかの組成物。
[5] 前記異方性フィラーのモース硬度が3以下であり、かつ、前記球状フィラーのモース硬度が3超である、[1]~[4]のいずれかの組成物。
[6] 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の平均粒子径が10μm未満である、[1]~[5]のいずれかの組成物。
[7] さらに液状分散媒を含む、[1]~[6]のいずれかの組成物。
[8] 熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマーと、一次粒子又はその凝集体である異方性フィラーと、平均粒子径が前記異方性フィラーの一次粒子の長径に対し0.2以下である球状フィラーとを含み、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの含有量に対する前記異方性フィラーの含有量が体積比で2.4超であり、空隙率が10%未満である、稠密シート。
[9] 前記異方性フィラーの含有量が50体積%以上である、[8]の稠密シート。
[10] 前記異方性フィラーの一次粒子のアスペクト比が5以上1000以下である、[8]又は[9]の稠密シート。
[11] 前記異方性フィラーの一次粒子の長径が2μm以上10μm以下であり、かつ、前記球状フィラーの平均粒子径が0.05μm以上2μm以下である、[8]~[10]のいずれかの稠密シート。
[12] 前記異方性フィラーのモース硬度が3以下であり、かつ、前記球状フィラーのモース硬度が3超である、[8]~[11]のいずれかの稠密シート。
[13] 長尺シートである、[8]~[12]のいずれかの稠密シート。
[14] 厚さが50μm以上1000μm以下である、[8]~[13]のいずれかの稠密シート。
[15] [1]~[7]のいずれかの組成物を押出すか、又は基材の表面に配置して、層を形成し、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの融点以上かつ10MPa超の圧力にてプレスして、[8]~[14]のいずれかの稠密シートを得る、稠密シートの製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマーと所定の異方性フィラーと所定の球状フィラーとを所定量比で含み、分散性に優れた組成物が提供される。かかる組成物からは、機械的特性、耐熱性に優れ、線膨張係数、誘電率及び誘電正接が低く、特に電気絶縁性を維持しつつ熱伝導性に優れた稠密シート等の成形物を形成でき、熱界面材料として放熱絶縁シート等に好適に使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の用語は、以下の意味を有する。
「体積」は、対象物の質量をその比重で除して算出される値である。
「平均粒子径(D50)」は、レーザー回折・散乱法によって求められる、粒子の体積基準累積50%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径である。
粒子のD50は、粒子を水中に分散させ、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA-920測定器)を用いたレーザー回折・散乱法により分析して求められる。
「溶融温度」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定したポリマーの融解ピークの最大値に対応する温度である。
「ガラス転移点(Tg)」は、動的粘弾性測定(DMA)法でポリマーを分析して測定される値である。
ポリマーにおける「単位」とは、モノマーの重合により形成された前記モノマーに基づく原子団を意味する。単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって前記単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。以下、モノマーaに基づく単位を、単に「モノマーa単位」とも記す。
【0008】
本発明の組成物(以下、「本組成物」とも記す。)は、熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマー(以下、「Fポリマー」とも記す。)の粒子(以下、「F粒子」とも記す。)と、一次粒子又はその凝集体である異方性フィラー(以下、「異方性フィラー」とも記す。)と、平均粒子径が前記異方性フィラーの一次粒子の長径に対し0.2以下である球状フィラー(以下、「球状フィラー」とも記す。)とを含み、前記F粒子の含有量に対する前記異方性フィラーの含有量が体積比で2.4超であり、固形分における前記F粒子、前記異方性フィラー及び前記球状フィラーの総量が90体積%以上である。
本発明はまた、Fポリマーと、異方性フィラーと、球状フィラーとを含み、Fポリマーの含有量に対する前記異方性フィラーの含有量が体積比で2.4超であり、空隙率が10%未満である、稠密シート(以下、「本稠密シート」とも記す。)である。
【0009】
本組成物は分散性に優れており、Fポリマーと異方性フィラーと球状フィラーとの物性を高度に具備し、機械的特性、耐熱性に優れ、線膨張係数、誘電率及び誘電正接が低く、特に電気絶縁性を維持しつつ熱伝導性に優れた、本稠密シート等の成形物を形成しやすい。その理由は必ずしも明確ではないが、以下の様に考えられる。
【0010】
Fポリマーは表面張力が低く、他の材料との親和性が低い。そのため、Fポリマーと熱伝導性の無機フィラーとを含む組成物から形成される成形物においては、成分間の相互作用が不充分となり、各成分の物性が充分に発現し難い。特に上記した異方性フィラーのように凝集粒子であると、その内部に存在する空隙等が、形成される成形物の熱伝導率を低下させやすくなる。また、球状フィラーのような微粒子状のフィラーは、それ自身が凝集して、その物性を発揮し難くなり、得られる成形物の機械的特性等を低下させやすい。
本組成物は、F粒子と、異方性フィラーと、平均粒子径が異方性フィラーの一次粒子の長径に対し0.2以下である球状フィラーとを含み、F粒子の含有量に対する異方性フィラーの含有量を特定範囲とし、固形分におけるF粒子、異方性フィラー及び前記球状フィラーの総量が90体積%以上としている。そのため、異方性フィラーを母粒子とした、異方性フィラー同士の接触による熱伝導パスが形成されやすくなるだけでなく、その表面、又は、近傍に球状フィラーが存在しやすくもなり、フィラーの凝集が高度に抑制された状態を形成しやすくなると考えられる。また、組成物中におけるフィラーがかかる状態にあれば、その表面積が相対的に高まり、成分間の相互作用が促されるため、組成物の均一な分散性が向上したと考えられる。
また、好適には本組成物から形成される本稠密シート等の成形物では、本稠密シート製造の際の熱プレスによって、異方性フィラー同士がパッキングされて熱伝導パスの形成がさらに促されやすくなる。また異方性フィラーがパッキングした隙間に、球状フィラーが効率的に緻密に充填され、高度なフィラーのパスが形成されやすく、それが成形物の耐熱性、線膨張係数、電気特性、特に電気絶縁性を維持しつつ熱伝導性を向上させていると考えられる。さらに、Fポリマーと異方性フィラー及び球状フィラー間の接触界面が大きくなり、成形物の曲げ強度等の機械的物性も向上できたと考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

AGC株式会社
組成物
2か月前
AGC株式会社
ガラス
1か月前
AGC株式会社
光学素子
1か月前
AGC株式会社
光学素子
今日
AGC株式会社
真空断熱材
1か月前
AGC株式会社
液状組成物
1か月前
AGC株式会社
光学フィルタ
2か月前
AGC株式会社
光学フィルタ
2か月前
AGC株式会社
光学フィルタ
2か月前
AGC株式会社
合わせガラス
今日
AGC株式会社
車両用窓ガラス
2か月前
AGC株式会社
車両用窓ガラス
1か月前
AGC株式会社
車両用表示システム
1か月前
AGC株式会社
太陽電池モジュール
1か月前
AGC株式会社
太陽電池モジュール
1か月前
AGC株式会社
研磨装置及び研磨方法
16日前
AGC株式会社
ガラス及びその製造方法
1か月前
AGC株式会社
成形装置、及び成形方法
1か月前
AGC株式会社
樹脂組成物及びその成形体
2日前
AGC株式会社
潤滑油基油、潤滑油組成物
10日前
AGC株式会社
クロス材の平坦化評価方法
1か月前
AGC株式会社
指紋検出用液、指紋検出方法
2か月前
AGC株式会社
粘着シート及び携帯電子機器
25日前
AGC株式会社
光学異方性体、光学フィルタ
22日前
AGC株式会社
ガラス板及びディスプレイ装置
2か月前
AGC株式会社
ガラス板及びディスプレイ装置
2か月前
AGC株式会社
情報処理装置及び情報処理方法
1か月前
AGC株式会社
組成物、稠密シート及びその製造方法
10日前
AGC株式会社
光学素子の製造方法、及び光学素子の製造装置
16日前
AGC株式会社
検査装置、プログラム、検査方法および生産方法
7日前
AGC株式会社
ヘキサフルオロプロピレンオキサイドの製造方法
1か月前
AGC株式会社
分類装置、分類方法、プログラム及び学習済みモデル
今日
AGC株式会社
分類装置、分類方法、プログラム及び学習済みモデル
2日前
AGC株式会社
分類装置、分類方法、プログラム及び学習済みモデル
今日
AGC株式会社
電極用の焼結体、および電極用の焼結体を製造する方法
2か月前
AGC株式会社
太陽電池モジュール、及び太陽電池モジュールの製造方法
1か月前
続きを見る