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公開番号2025125881
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-28
出願番号2024022128
出願日2024-02-16
発明の名称麹菌組織物の製造方法
出願人国立大学法人 筑波大学
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C12P 13/02 20060101AFI20250821BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】γ-アミノ酪酸を多く含有する麹菌組織物の製造方法を提供する。
【解決手段】麹菌の菌糸体の嫌気処理を行なうことを含む、γ-アミノ酪酸が富化された麹菌組織物の製造方法、および麹菌の液体培地での培養において上記培養の終了時の1時間~24時間前に上記液体培地に酢酸を添加することを含む、γ-アミノ酪酸が富化された麹菌組織物の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
麹菌の菌糸体の嫌気処理を行なうことを含む、γ-アミノ酪酸が富化された麹菌組織物の製造方法。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
前記嫌気処理が20℃~45℃で1時間~36時間行なわれる、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記嫌気処理が前記菌糸体を20℃~45℃条件下で1時間~36時間、フィルムで包んでおくことにより行なわれる、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記嫌気処理後に滅菌処理を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
麹菌の液体培地での培養により前記菌糸体を得ることを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記菌糸体を、以下(1)~(3)をこの順で含む培養により得ることを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法;
(1)少なくとも炭素源を含む液体培地中でスターターである麹菌の培養を開始すること、
(2)前記液体培地中で前記麹菌が増殖を開始した時点より後に、第1の窒素源を前記液体培地に添加すること、および
(3)第1の窒素源の添加後、第1の窒素源を原料とするタンパク質の生成に要する時間、培養を継続すること。
【請求項7】
麹菌の液体培地での培養により菌糸体を得ることを含み、前記培養の終了時の1時間前~24時間前に前記液体培地に酢酸を添加する、
γ-アミノ酪酸が富化された麹菌組織物の製造方法。
【請求項8】
麹菌の菌糸体を含む麹菌組織物であって、
前記麹菌組織物の乾燥全質量に対し、6.0mg/g以上のγ-アミノ酪酸を含み、
前記γ-アミノ酪酸が前記菌糸体の内部にある、麹菌組織物。
【請求項9】
前記麹菌組織物の乾燥全質量に対し40質量%~70質量%のタンパク質を含む、請求項8に記載の麹菌組織物。
【請求項10】
食用である、請求項8または9に記載の麹菌組織物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、麹菌組織物の製造方法に関する。本発明は特に、γ-アミノ酪酸が富化された麹菌組織物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
世界的な人口の増加による食料不足や家畜生産が環境に与える問題を解決するために代替タンパク質源の研究が進んでいる。代替タンパク質源としては、大豆やエンドウ豆などを原料とするプラントベースミート、細胞培養により人工的に製造する培養肉、コオロギなどの昆虫食、発酵技術を利用する発酵由来のタンパク質などがある。
【0003】
発酵由来のタンパク質源として利用される菌類は、生育速度が速く短期間で増殖可能で、必要となる資源(水や土地)が少ないため環境負荷が低く、菌糸体が線維構造を有するため繊維感の造成が容易で、栄養成分が豊富であるという利点がある。
菌類として、麹菌を用いた技術も開発されている。麹菌は伝統的な和食の様々な用途に長年使用されており、安全性や消費者心理の観点から現実的な代替タンパク質源となる。
【0004】
特許文献1には、液体培地で麹菌を培養開始後、増殖した菌体を回収および洗浄する工程を含む、食肉代替用麹菌体の製造方法が開示されている。
【0005】
γ-アミノ酪酸は抑制神経伝達物質として知られている。その作用効果として血圧低下作用、脳代謝促進作用、精神安定作用、成長ホルモン分泌促進作用等が認められ、この物質を富化した食品の開発が活発化している。γ-アミノ酪酸を多量に生産する方法として発酵法がある。特許文献2には、麹菌Aspergillus oryzaeを培養することによりγ-アミノ酪酸を生産することを特徴とするγ-アミノ酪酸の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2021-023172号公報
特開平10-165191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、γ-アミノ酪酸の含有量の高い麹菌組織物の製造方法を提供することである。特許文献1には、生成する食肉代替用麹菌体の特定の栄養成分の含有量の調整に関する記載はない。また、特許文献2は麹菌を利用してγ-アミノ酪酸を化合物として製造する方法を開示するのみである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題の解決のため、麹菌組織物の製造における麹菌の培養条件を検討していたところ、得られる麹菌組織物におけるγ-アミノ酪酸(本明細書において「GABA」という)の含有量を増加させることのできる方法を見出した。本発明者らは、この知見に基づき、さらに検討を重ねて、本発明を完成させた。
本発明の代表的な態様として、以下が挙げられる。
【0009】
<1>麹菌の菌糸体の嫌気処理を行なうことを含む、γ-アミノ酪酸が富化された麹菌組織物の製造方法。
<2>上記嫌気処理が20℃~45℃で1時間~36時間行なわれる、<1>に記載の製造方法。
<3>上記嫌気処理が上記菌糸体を20℃~45℃条件下で1時間~36時間、フィルムで包んでおくことにより行なわれる、<1>に記載の製造方法。
<4>上記嫌気処理後に滅菌処理を含む、<1>~<3>のいずれかに記載の製造方法。
<5>麹菌の液体培地での培養により上記菌糸体を得ることを含む、<1>~<4>のいずれかに記載の製造方法。
<6>上記菌糸体を、以下(1)~(3)をこの順で含む培養により得ることを含む、<1>~<4>のいずれかに記載の製造方法;
(1)少なくとも炭素源を含む液体培地中でスターターである麹菌の培養を開始すること、
(2)上記液体培地中で上記麹菌が増殖を開始した時点より後に、第1の窒素源を上記液体培地に添加すること、および
(3)第1の窒素源の添加後、第1の窒素源を原料とするタンパク質の生成に要する時間、培養を継続すること。
<7>麹菌の液体培地での培養により菌糸体を得ることを含み、上記培養の終了時の1時間前~24時間前に上記液体培地に酢酸を添加する、
γ-アミノ酪酸が富化された麹菌組織物の製造方法。
<8>麹菌の菌糸体を含む麹菌組織物であって、
上記麹菌組織物の乾燥全質量に対し、6.0mg/g以上のγ-アミノ酪酸を含み、
上記γ-アミノ酪酸が上記菌糸体の内部にある、麹菌組織物。
<9>上記麹菌組織物の乾燥全質量に対し40質量%~70質量%のタンパク質を含む、<8>に記載の麹菌組織物。
<10>食用である<8>または<9>に記載の麹菌組織物。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、GABA含有量の高い麹菌組織物の製造方法が提供される。本発明の製造方法により、GABA含有量の高い麹菌組織物を簡便な手順および低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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