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公開番号2025127991
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-02
出願番号2024092535
出願日2024-06-06
発明の名称マルチサブルーチンの組み合わせに基づくカム成形面の転がり摩耗体積のシミュレーション方法
出願人江蘇科技大学,JIANGSU UNIVERSITY OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
代理人弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
主分類F01L 1/08 20060101AFI20250826BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】塑性変形データの干渉を排除できるカム実転がり摩耗体積シミュレーション技術において、マルチサブルーチンの組み合わせに基づくカム成形面の転がり摩耗体積のシミュレーションを行う。
【解決手段】カムとローラとの間の転がり接触状態について、カムとローラの転がり接触摩耗モデルを確立するステップと、umeshmotionサブルーチン及びufieldサブルーチンの二次開発と組み合わせて転がり摩耗によるカム摩耗体積の伝達及び蓄積プロセスのシミュレーションを完了し、金属の塑性変形及び残留応力などの要因の影響を排除した転がり正味摩耗体積分布クラウドマップを取得するステップと、PYTHON(登録商標)で二次開発してカムーローラ接触ノードの摩耗体積を描画し、さらにカムの摩耗体積の変化を正確に計算するステップとを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
カムとローラとの間の転がり接触状態について、カムとローラの転がり接触摩耗モデルを確立するステップS1と、
umeshmotionサブルーチン及びufieldサブルーチンの二次開発と組み合わせて転がり摩耗によるカム摩耗体積の伝達及び蓄積プロセスのシミュレーションを完了し、金属の塑性変形及び残留応力などの要因の影響を排除した転がり正味摩耗体積分布クラウドマップを取得するステップS2と、
Pythonで二次開発してカムーローラ接触ノードの摩耗体積を描画し、さらにカムの摩耗体積の変化を正確に計算するステップS3とを含むことを特徴とする、マルチサブルーチンの組み合わせに基づくカム成形面の転がり摩耗体積のシミュレーション方法。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
前記ステップS1におけるカムとローラの転がり接触摩耗モデルの確立方法は、
カムとローラのモデルをABAQUSソフトウェアに導入し、カムの実際の作業状態を参照してシミュレーションパラメータを設定し、カムとローラの材料パラメータを与え、モデル作業状態の荷重のロードを実現する第一分析ステップとカム及びローラの回転を実現する第二分析ステップという2つの分析ステップを設定し、これにより、作業成形面の接触疲労及び摩耗が発生し、次にカムとローラの相互作用のための荷重及び回転速度を作成し、メッシュを区切り、要素タイプを選択し、最後に作業タスクを作成することであることを特徴とする、請求項1に記載のマルチサブルーチンの組み合わせに基づくカム成形面の転がり摩耗体積のシミュレーション方法。
【請求項3】
前記ステップS2におけるumeshmotionサブルーチンにより転がり摩耗によるカム摩耗体積の計算を完了する具体的なプロセスは、
umeshmotionサブルーチンを編集し、シミュレーションモデルでumeshmotionサブルーチンを自己適応メッシュ制御によって導入し、umeshmotionサブルーチンにおいてカム転がりプロセスにおける接触圧力と滑り距離をユーティリティルーチンGETNODETOELEMCONN及びGETVRMAVGATNODEによって取得し、それらをArchard摩耗モデルに取り込み、局所摩耗体積を求め、反復によって摩耗体積を出力することであることを特徴とする、請求項1に記載のマルチサブルーチンの組み合わせに基づくカム成形面の転がり摩耗体積のシミュレーション方法。
【請求項4】
前記Archard摩耗モデルは、Archard摩耗公式によって局所摩耗深さを計算し、局所摩耗深さに摩耗接触幅と局所摩耗経路を乗じて局所摩耗体積を得て、摩耗公式が次のとおりであり、
TIFF
2025127991000006.tif
9
168
tが時間であり、ΔNが転がりターン数であり、p(x,t)が接触応力であり、K

が摩擦係数であり、δ(x,t)が相対的な滑り距離であり、Δh(x,t)が摩耗深さ増分であり、
TIFF
2025127991000007.tif
9
168
Δv(x,t)が摩耗体積であり、d
wear
が摩耗接触幅であり、s(x,t)が相対的な転がり経路であることを特徴とする、請求項3に記載のマルチサブルーチンの組み合わせに基づくカム成形面の転がり摩耗体積のシミュレーション方法。
【請求項5】
前記ステップS2におけるufieldサブルーチンにより転がり摩耗によるカム摩耗体積の伝達及び蓄積を完了する具体的なプロセスは、まず、分析ステップモジュールでFVの事前に定義されたフィールド変数を選択し、次にufieldサブルーチンにおいてフィールド変数を宣言し、umeshmotionによって得られた摩耗体積をフィールド変数によって蓄積し、即ちノードのフィールド変数の値を伝達及び蓄積し、増分ステップを解き始める時に機能し、陰的分析の反復解法プロセスに参加し、Archard摩耗モデルによる正味摩耗体積のフィールド変数クラウドマップとodb結果ファイルを求めることであることを特徴とする、請求項3に記載のマルチサブルーチンの組み合わせに基づくカム成形面の転がり摩耗体積のシミュレーション方法。
【請求項6】
前記ステップS2でufieldサブルーチンを呼び出し、自己適応メッシュ制御のノードセットの後にキーワード

field、user、number=2を追加し、自己適応メッシュ制御のノードセット名前をエンターキーで追加し、同時にフィールド出力に摩耗体積の事前に定義されたフィールド変数を開くことを特徴とする、請求項5に記載のマルチサブルーチンの組み合わせに基づくカム成形面の転がり摩耗体積のシミュレーション方法。
【請求項7】
前記ステップS3は、具体的には、Python言語を使用して二次開発を行い、後処理されたクラウドマップからノード座標を抽出するためのプラグインを編集し、カムの摩耗成形面上のノードを接続して閉じた線ループを描画し、摩耗後のこれらのノードの摩耗方向に沿った座標を抽出し、摩耗前後の摩耗ノードデータを抽出し、excelテーブルを生成し、カム成形面の異なる接触ノードの摩耗体積変化データを取得することであることを特徴とする、請求項1に記載のマルチサブルーチンの組み合わせに基づくカム成形面の転がり摩耗体積のシミュレーション方法。
【請求項8】
前記ABAQUSソフトウェアプログラムの実行には、初期条件の定義、分析ステップの開始及び増分ステップの開始が順次含まれ、umeshmotionサブルーチン及びufieldサブルーチンが増分ステップで適用されることを特徴とする、請求項2に記載のマルチサブルーチンの組み合わせに基づくカム成形面の転がり摩耗体積のシミュレーション方法。
【請求項9】
増分ステップでのumeshmotionサブルーチンとufieldサブルーチンの呼び出し順序及び方法は、各増分ステップが終了する時に、umeshmotionサブルーチンを呼び出し、kmeshsweep=1の場合、メッシュを1回スイープし、相対的な滑り距離を得て、Fortran言語で書かれたArchard摩耗モデル公式に取り込み、摩耗体積の増分を生成し、次の増分ステップの開始時にufieldサブルーチンを実行し、前の増分ステップの終了時に生成された摩耗体積を伝達及び蓄積し、サブルーチン対話による正味摩耗体積変数の出力を形成することであることを特徴とする、請求項8に記載のマルチサブルーチンの組み合わせに基づくカム成形面の転がり摩耗体積のシミュレーション方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶用ディーゼルエンジンの分野に属し、船舶用ディーゼルエンジンのカム-ローラ摩耗故障及び性能評価技術に関し、具体的には、カム-ローラの転がり接触使用状態を考慮した、マルチサブルーチンの組み合わせに基づくカム成形面の転がり摩耗体積のシミュレーション方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
船舶用ディーゼルエンジンのカムは、実際の動作過程に表面摩耗が発生し、ディーゼルエンジンの動作効率及び使用性能を悪化させるだけでなく、ディーゼルエンジンの耐用年数に影響を与えるため、摩耗状態でのディーゼルエンジンのカムの耐用年数を事前に予測することは、舶用分野におけるディーゼルエンジンの点検修理及びメンテナンスにおいて重要な意義を有する。既存の機械的ワークピースの摩耗性能シミュレーションソフトウェアは、一般的にANSYS及びABAQUSソフトウェアであり、シミュレーションプロセスは、一般的に、Archard理論に基づいて、umeshmotionサブルーチンの二次開発により摩耗変位分布クラウドマップを得て、変位結果クラウドマップを通じて摩耗深さの変化を分析することである。しかし、上記摩耗有限要素シミュレーションの変位クラウドマップ結果がワークピースの塑性変形及び摩耗深さの両方の影響を受けるため、カム成形面の実摩耗体積指標を得ることができない。
【0003】
したがって、この問題を解決するために、新しい技術的解決手段が必要となる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、既存の技術の欠陥を克服するために、カム-ローラの転がり接触使用状態を考慮した、マルチサブルーチンの組み合わせに基づくカム成形面の転がり摩耗体積有限要素シミュレーション方法を提供することであり、当該方法は、具体的には、ABAQUSのumeshmotionサブルーチンとufieldサブルーチンの2つのサブサブルーチンの組み合わせにより、塑性変形と残留応力の影響を排除し、Archard摩耗モデルに基づく摩耗体積の変化をフィールド変数の形で蓄積及び伝達し、材料の実摩耗量のみを考慮した摩耗体積分布クラウドマップを取得し、次にPythonプログラミングにより摩耗体積のodbファイルからデータを抽出し、異なるカム-ローラ接触ノードの摩耗体積の結果を得る。
【0005】
技術的解決手段は、次のとおりである。上記目的を達成するために、本発明は、マルチサブルーチンの組み合わせに基づくカム成形面の転がり摩耗体積のシミュレーション方法を提供する。前記方法は、次のステップを含む。
【0006】
S1、カムとローラとの間の転がり接触状態について、カムとローラの転がり接触摩耗モデルを確立する。
【0007】
S2、umeshmotionサブルーチンとufieldサブルーチンの二次開発と組み合わせて転がり摩耗によるカム摩耗体積の伝達及び蓄積プロセスのシミュレーションを完了し、金属の塑性変形及び残留応力などの要因の影響を排除した転がり正味摩耗体積分布クラウドマップを取得する。
【0008】
S3、Pythonで二次開発してカム-ローラ接触ノードの摩耗体積を描画し、さらにカム摩耗体積の変化を正確に計算する。
【0009】
さらに、前記ステップS1におけるカムとローラの転がり接触摩耗モデルの確立方法は、カムとローラのモデルをABAQUSソフトウェアに導入し、カムの実際の作業状態を参照してシミュレーションパラメータを設定し、カムとローラの材料パラメータを与え、モデル作業状態の荷重のロードを実現する第1分析ステップとカム及びローラの回転を実現する第2分析ステップという2つの分析ステップを設定し、これにより、作業成形面の接触疲労及び摩耗が発生し、次にカムとローラの相互作用のための荷重及び回転速度を作成し、メッシュを区切り、適切な要素タイプを選択し、最後に作業タスクを作成することである。
【0010】
ABAQUSソフトウェアのランタイムプログラムで、要素の幾何学的属性、材料特性及び積分アルゴリズムなどを含む要素剛性マトリックスを定義し、40Crの材料属性を与え、相互作用を設定し、荷重の大きさを定義し、テーブルプログラムコントローラを追加して荷重振幅を設定し、カム-ローラ接触摩耗の幾何学的モデルを確立する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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