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公開番号2025129627
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-05
出願番号2024026380
出願日2024-02-26
発明の名称光学積層体
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人籾井特許事務所
主分類G02B 5/30 20060101AFI20250829BHJP(光学)
要約【課題】耐熱性および耐湿性をバランスよく両立できる光学積層体を提供すること。
【解決手段】本発明の光学積層体は、偏光子と;偏光子の表面に設けられ、ポリビニルアルコール系樹脂を含む緩衝層と;緩衝層に対して偏光子と反対側に位置し、接合層を介して緩衝層に貼り付けられる位相差層と;を備えている。位相差層は、液晶化合物の配向固化層であり、緩衝層の厚みに対する偏光子の厚みの比は、70以上である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
偏光子と、
前記偏光子の表面に設けられ、ポリビニルアルコール系樹脂を含む緩衝層と、
前記緩衝層に対して前記偏光子と反対側に位置し、接合層を介して前記緩衝層に貼り付けられる位相差層と、を備え、
前記位相差層は、液晶化合物の配向固化層であり、
前記緩衝層の厚みに対する前記偏光子の厚みの比は、70以上である、光学積層体。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
前記緩衝層の厚みに対する前記偏光子の厚みの比は、120以上である、請求項1に記載の光学積層体。
【請求項3】
前記偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂を含む、請求項1または2に記載の光学積層体。
【請求項4】
前記緩衝層の厚みに対する前記接合層の厚みの比は、7以上である、請求項1または2に記載の光学積層体。
【請求項5】
前記緩衝層の厚みは、0.15μm以下である、請求項1または2に記載の光学積層体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光学積層体に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置およびエレクトロルミネセンス(EL)表示装置(例えば、有機EL表示装置、無機EL表示装置)に代表される画像表示装置が急速に普及している。画像表示装置には、代表的には偏光板および位相差層を備える光学積層体が用いられている。また、光学積層体の薄型化のために、位相差層として液晶化合物の配向固化層を用いる場合がある。そのような光学積層体として、例えば、偏光板に、紫外線硬化型接着剤を介して液晶化合物の配向固化層を貼り合わせた位相差層付偏光板が知られている(例えば、特許文献1)。しかし、そのような位相差層付偏光板は、耐熱性および耐湿性が不十分である。より具体的には、特許文献1に記載の位相差層付偏光板では、高温環境下(例えば85℃以上)で変形して偏光子にクラックが生じる場合があり、高温高湿環境下(例えば温度65℃、湿度95%R.H.以上)で偏光子が脱色されて色抜けが生じる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021―63975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、優れた耐熱性および耐湿性をバランスよく両立できる光学積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]本発明の実施形態による光学積層体は、偏光子と、緩衝層と、位相差層と、を備えている。該緩衝層は、該偏光子の表面に設けられている。該緩衝層は、ポリビニルアルコール系樹脂を含む。該位相差層は、該緩衝層に対して該偏光子と反対側に位置する。該位相差層は、接合層を介して該緩衝層に貼り付けられる。該位相差層は、液晶化合物の配向固化層である。該緩衝層の厚みに対する該偏光子の厚みの比は、70以上である。
[2]上記[1]に記載の光学積層体において、上記緩衝層の厚みに対する上記偏光子の厚みの比は、120以上であってもよい。
[3]上記[1]または[2]に記載の光学積層体において、上記偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂を含んでいてもよい。
[4]上記[1]から[3]のいずれかに記載の光学積層体において、上記緩衝層の厚みに対する上記接合層の厚みの比は、7以上であってもよい。
[5]上記[1]から[4]のいずれかに記載の光学積層体において、上記緩衝層の厚みは、0.15μm以下であってもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、優れた耐熱性および耐湿性をバランスよく両立できる光学積層体を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の1つの実施形態による光学積層体の概略断面図である。
図1の光学積層体の製造に用いられる中間積層体の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の代表的な実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0009】
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定したフィルムの面内位相差である。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定したフィルムの面内位相差である。Re(λ)は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、式:Re=(nx-ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定したフィルムの厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定したフィルムの厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、式:Rth=(nx-nz)×dによって求められる。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz=Rth/Reによって求められる。
(5)角度
本明細書において角度に言及するときは、特に明記しない限り、当該角度は時計回りおよび反時計回りの両方の方向の角度を包含する。
【0010】
A.光学積層体の全体構成
図1は、本発明の1つの実施形態による光学積層体の概略断面図である。図示例の光学積層体1は、偏光子2と、緩衝層52と、位相差層8と、を備えている。緩衝層52は、偏光子2の表面に設けられている。緩衝層52は、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂を含んでいる。位相差層8は、緩衝層52に対して偏光子2と反対側に位置している。位相差層8は、液晶化合物の配向固化層である。本明細書において「配向固化層」とは、液晶化合物が層内で所定の方向に配向し、その配向状態が固定されている層をいう。なお、「配向固化層」は、重合性液晶化合物(代表的には液晶モノマー)を硬化させて得られる配向硬化層を包含する概念である。
位相差層8は、接合層7を介して緩衝層52に貼り付けられている。すなわち、光学積層体1は、偏光子2と、緩衝層52と、接合層7と、位相差層8と、をこの順で備えている。
緩衝層52の厚みに対する偏光子2の厚みの比(偏光子の厚み/緩衝層の厚み)は、70以上、好ましくは80以上、より好ましくは100以上、さらに好ましくは120以上、とりわけ好ましくは150以上である。偏光子の厚み/緩衝層の厚みの上限は、代表的には250、好ましくは200である。
このような構成によれば、偏光子と接合層との間に緩衝層が設けられているので、高温環境下(例えば85℃以上)において、熱の影響で接合層に寸法変化が生じても、緩衝層によって接合層の寸法変化が偏光子に影響することを抑制できる。そのため、高温環境下で偏光子にクラックが生じることを抑制でき、光学積層体の耐熱性の向上を図ることができる。また、偏光子の厚み/緩衝層の厚みが上記下限以上であるので、高温高湿環境下(例えば温度65℃、湿度95%R.H.以上)において、緩衝層が保持する水分量を低減できる。これによって、偏光子が水分によって色抜けすることを抑制でき、光学積層体の耐湿性の向上を図ることができる。すなわち、上記の構成によれば、光学積層体において、優れた耐熱性および耐湿性をバランスよく両立できる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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