TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025131455
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-09
出願番号2024029225
出願日2024-02-28
発明の名称散水式の浄化装置及び浄化方法
出願人三機工業株式会社,国立研究開発法人国立環境研究所
代理人個人,個人
主分類C02F 3/04 20230101AFI20250902BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】汚水を処理槽に対して効率的に分散供給する。
【解決手段】汚水に対して微生物反応処理を行うための散水式の浄化装置100であって、微生物を保持した担体11が複数充填された処理槽10と、処理槽10の上方から汚水を散水する散水装置20と、処理槽10と散水装置20の間に配置され汚水を処理槽10へ分散して供給する分散層30を備え、分散層30は樹脂製の発泡体31を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
汚水に対して微生物反応処理を行うための散水式の浄化装置であって、
微生物を保持した担体が複数充填された処理槽と、
前記処理槽の上方から汚水を散水する散水装置と、
前記処理槽と前記散水装置の間に配置され、前記汚水を前記処理槽へ分散して供給する分散層を備え、
前記分散層は、樹脂製の発泡体を含む
浄化装置。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
前記分散層は、平坦な前記発泡体が隙間をあけて複数敷設されている
請求項1に記載の浄化装置。
【請求項3】
前記発泡体のそれぞれは、平面視において帯状、多角形状、又は円形状である
請求項2に記載の浄化装置。
【請求項4】
前記発泡体上への前記汚水の滴下位置から前記隙間まで20~50cmの距離があくように、前記発泡体の敷設位置が調整されている
請求項2に記載の浄化装置。
【請求項5】
前記発泡体は、上面から下面まで貫通する開口が形成されている
請求項1又は請求項2に記載の浄化装置。
【請求項6】
前記開口の大きさは25~225mm

である
請求項5に記載の浄化装置。
【請求項7】
前記発泡体は、1インチ当たりのセルの平均数が20~50個である
請求項1又は請求項2に記載の浄化装置。
【請求項8】
前記発泡体は、平均セル径が0.5~1.25mmである
請求項1又は請求項2に記載の浄化装置。
【請求項9】
前記発泡体は、空隙率が90%以上である
請求項1又は請求項2に記載の浄化装置。
【請求項10】
前記発泡体は、平坦状であり、その厚さが15~50mmである
請求項1又は請求項2に記載の浄化装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、汚水を微生物反応槽に散水して浄化するため浄化装置及び浄化方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、微生物を保持した担体が多数充填された処理槽に汚水を散水して、この担体が保持する微生物の分解機能によって汚水を好気的に浄化するDHS(Downflow Hanging Sponge)法や、この方法を実行するための浄化装置(DHSリアクター)が知られている。このような浄化装置では、処理槽の浄化機能を効率的に発揮させるためには、処理槽に対して均一に汚水を散水することが理想であるとされている。
【0003】
ここで、本願出願人は、浄化装置に供給する汚水の流量を少なくした場合でも、処理槽全体に汚水を均一に供給できるようするための技術を提案している(特許文献1)。特許文献1では、例えば処理槽と散水装置の間であって散水装置から落水する汚水が衝突する位置に分散部材(散水プレート)を配置し、この分散部材によって汚水を分散することによって処理槽に対して汚水を広く分散させることとしている。
【0004】
また、特許文献2では、散水装置から散水された汚水を処理槽に広く分散させると共に、処理槽内の放熱を抑制するために、処理槽の上方に多孔質層を設けることが提案されている。この特許文献2では、汚水の分散と放熱の抑制を両立するために、多孔質層として合成繊維の織物又はグラスウールからなる多孔質フリースを採用することが特に好ましいと説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-167194号公報
米国特許第4274966号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1のように、分散部材(散水プレート)に汚水を衝突させて、汚水を飛沫化させた場合であっても、処理槽に汚水が滴下する場所が偏在してしまい、汚水を処理槽に対して均一に分布させることが難しいという課題が残っていた。また、汚水に固形物が含まれること、処理槽内の担体に保持された微生物と汚水の反応に伴って担体に固形物が堆積することが知られているが、処理槽の滴下位置が偏在するとこの固形物の堆積にも偏りが生じ、その結果汚水の流れにも偏り(いわゆるショートパス)が生じることがある。具体的には、汚水に含まれる固形物や微生物の反応により生成された固形物が処理槽の一部に堆積すると、汚水が処理槽内の一部の経路だけを流れることになるため、汚水と担体の接触が不十分になって反応効率が低下する恐れがある。
【0007】
このような処理槽に対する汚水の滴下位置の偏在化を緩和するために、特許文献2で提案されているように、処理槽の上方に多孔質層を設け、散水装置からこの多孔質層に汚水を散布することも考えられる。しかし、特許文献2の多孔質層は、処理槽内の放熱を抑制することを目的の一つとしたものであるために、合成繊維織物又はグラスウールが用いることが推奨されている。このような合成繊維織物又はグラスウールからなる多孔質層は、長期間使用していると汚水の滴下圧によって形状や、厚み、密度などが局所的に変化しやすく、多孔質層内に浸透した汚水が形状等の変化した場所に集中して流れ込みやすいという問題がある。このため、結局のところ、多孔質層に対する汚水の滴下位置が偏在すると、多孔質層から処理槽への汚水の流れにも偏りが生じてしまうことになる。さらに、合成繊維織物からなる多孔質層は、長期間使用すると担体に保持されている微生物によって分解されたり、汚水中に含まれる固形物が目詰まりを起こしたり、通気性が悪くカビや雑菌の温床になったりすることも懸念される。グラスウールからなる多孔質層にしても、長期間使用すると微生物の反応により生じた固形物が目詰まりを起こしたり、通気性が悪くカビや雑菌の温床になったりすることが懸念される。このように、特許文献2で提案されている多孔質層は、比較的頻繁に交換又は洗浄が必要となるため、浄化装置内で使用するには実用的なものではないと考えられる。
【0008】
そこで、本発明は、より効率的に、汚水を処理槽に対して均一に分散供給できるようにするための技術を提案することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の発明者は、上記した従来発明の課題を解決する手段について鋭意検討した結果、散水装置と処理槽の間に樹脂製の発泡体を含む分散層を設けることにより、比較的長期に亘って散水装置から滴下された汚水を処理槽に対して均一に分散できるようになるという知見を得た。そして、本発明者は、上記知見に基づけば従来発明の課題を解決できることに想到し、本発明を完成させた。具体的に説明すると、本発明は以下の構成又は工程を有する。
【0010】
本発明の第1の側面は、汚水に対して微生物反応処理を行うための散水式の浄化装置100に関する。本発明に係る浄化装置100は、処理槽10、散水装置20、及び分散層30を備える。処理槽10は、微生物を保持した担体11が複数充填されている。散水装置20は、処理槽10の上方から汚水を散水する。分散層30は、処理槽10と散水装置20の間に配置されており、汚水を処理槽10へ分散して供給する。ここで、分散層30は、樹脂製の発泡体31を含んで構成されている。このように、処理槽10の上部に樹脂製の発泡体31(スポンジなど)を含む分散層30を設けることで、この分散層30が散水装置20から散水された汚水を表面張力の働きで一時的に保持しながら徐々に離水していく。このとき、分散層30に吸収された汚水は、分散層30内で水平方向に拡散しながら、その下面と処理槽10内の担体11とが接触する場所から離水するため、処理槽10の水平方向に対して均一に供給され易くなる。特に、樹脂製の発泡体31はその立体的形状が維持しやすいものであるため、分散層30をこのような発泡体31によって形成することで汚水の滴下圧などによって変形しにくくなる。また、樹脂製の発泡体31は、担体11に保持されている微生物によって分解しにくいものであるため、長期間使用しても劣化しにくい。このため、分散層30の交換頻度を下げることができる。従って、本発明によれば、この分散層30を比較的長期的に使用し続けることができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

三機工業株式会社
ろ過装置
14日前
三機工業株式会社
制気口の検査装置
1か月前
三機工業株式会社
負荷温度制御システム
16日前
三機工業株式会社
散水式の浄化装置及び浄化方法
3日前
三機工業株式会社
クリーンルームの空調システム
1か月前
三機工業株式会社
貫通穴の止水構造および止水方法
1か月前
三機工業株式会社
クリーンルームの風量制御システム
15日前
三機工業株式会社
ダクトの吊下作業方法およびシステム
9日前
国立大学法人群馬大学
磁気浮上装置の制御システム
2か月前
日本ソリッド株式会社
ダム湖の取水方法
2日前
宗教法人立善寺
汚染物質回収装置
17日前
個人
浄化処理装置
2日前
株式会社バンブーケミカル研究所
流体除菌機器
2日前
栗田工業株式会社
有機物含有排水の処理方法
3日前
WOTA株式会社
排水処理システム及び排水処理方法
1日前
WOTA株式会社
排水処理システム及び排水処理方法
1日前
WOTA株式会社
排水処理システム及び排水処理方法
1日前
株式会社ハタノ製作所
銀イオン水生成装置
23日前
オルガノ株式会社
水処理装置およびその運転方法
24日前
三菱ケミカル・クリンスイ株式会社
浄水器
14日前
株式会社ハタノ製作所
銀イオン水生成装置
23日前
株式会社ハタノ製作所
銀イオン水生成装置
23日前
オルガノ株式会社
水処理装置およびその運転方法
7日前
オルガノ株式会社
水処理装置およびその運転方法
24日前
株式会社ハタノ製作所
銀イオン水生成装置
23日前
株式会社ハタノ製作所
銀イオン水生成装置
23日前
株式会社ササクラ
造水システム
3日前
パナソニックIPマネジメント株式会社
軟水化装置
3日前
オルガノ株式会社
電気式脱イオン水製造装置
17日前
個人
撹拌装置及び撹拌装置を用いた養殖方法
18日前
株式会社ササクラ
造水システム
1日前
オルガノ株式会社
水処理システムおよびその運転方法
10日前
栗田工業株式会社
電気脱イオン装置及びその運転方法
29日前
バイオアイ株式会社
磁気装置
25日前
オルガノ株式会社
水処理システムおよびその運転方法
9日前
栗田工業株式会社
2段電気脱イオンシステムの運転方法
4日前
続きを見る