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公開番号2025132699
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-10
出願番号2024030439
出願日2024-02-29
発明の名称塗料組成物
出願人中国塗料株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C09D 163/00 20060101AFI20250903BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】エポキシ系下塗り塗膜及び下層である旧防汚塗膜のいずれにも良好な付着性を有すると共に、上層となるシリコーン系防汚塗料から形成される防汚塗膜とも良好な付着性を有する塗膜が形成される塗料組成物を提供すること。
【解決手段】フェノール型エポキシ樹脂(A)を含む塗料組成物であり、前記フェノール型エポキシ樹脂(A)は、25℃において固体であり、前記フェノール型エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量が、800g/eq以上3,500g/eq以下であり、前記塗料組成物の固形分中のエポキシ基の当量(eq)に対するエポキシ硬化剤の活性水素の当量(eq)(活性水素の当量/エポキシ基の当量)が、0.5以下であり、前記塗料組成物の固形分中の前記フェノール型エポキシ樹脂(A)の含有量が10質量%以上50質量%以下である、塗料組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
フェノール型エポキシ樹脂(A)を含む塗料組成物であり、
前記フェノール型エポキシ樹脂(A)は、25℃において固体であり、
前記フェノール型エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量が、800g/eq以上3,500g/eq以下であり、
前記塗料組成物の固形分中のエポキシ基の当量(eq)に対するエポキシ硬化剤の活性水素の当量(eq)(活性水素の当量/エポキシ基の当量)が、0.5以下であり、
前記塗料組成物の固形分中の前記フェノール型エポキシ樹脂(A)の含有量が10質量%以上50質量%以下である、
塗料組成物。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
前記塗料組成物の溶剤可溶分のエポキシ当量が5,000g/eq以上50,000g/eq以下である、請求項1に記載の塗料組成物。
【請求項3】
前記フェノール型エポキシ樹脂(A)が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である、請求項1に記載の塗料組成物。
【請求項4】
前記塗料組成物が、硬化性シリコーンを含有する防汚塗料組成物の下塗り層用である、請求項1に記載の塗料組成物。
【請求項5】
前記硬化性シリコーンが、下記(1)及び(2)から選択される少なくとも1つの硬化性シリコーンである、請求項4に記載の塗料組成物。
(1)両末端にケトオキシム基を有するポリオルガノシロキサン
(2)両末端にヒドロキシ基を有するポリオルガノシロキサン、及び下記式(I)で表されるオルガノシラン
JPEG
2025132699000008.jpg
6
51
(式(I)中、R

は置換又は非置換の炭素数1以上10以下の炭化水素基を表し、Xはケトオキシム基であり、aは0又は1である。)
【請求項6】
前記硬化性シリコーンが、前記(1)の硬化性シリコーンである、請求項5に記載の塗料組成物。
【請求項7】
前記防汚塗料組成物が、アミノ基含有シランカップリング剤を含有する、請求項4に記載の塗料組成物。
【請求項8】
前記塗料組成物が、旧防汚塗膜、及び1液型又は2液型のエポキシ系下塗り塗膜からなる群より選択される塗膜上に形成される下塗り層用である、請求項1に記載の塗料組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の塗料組成物から形成された塗膜。
【請求項10】
基材と、請求項9に記載の塗膜と、硬化性シリコーンを含有する防汚塗料組成物から形成された防汚塗膜とをこの順で有する、防汚塗膜付き基材。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、防汚塗料組成物、これを用いた塗膜、並びに前記塗膜を有する防汚塗膜付き基材及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
船舶、海中構造物、漁業資材等への水性生物の付着による汚損防止として塗装される自己研磨型防汚塗料組成物は、塗料中に含まれる防汚剤を徐々に放出することにより生物の付着を防止している。
一方、防汚剤を含まないシリコーン系防汚塗料は、環境対応型防汚塗料として、注目されている。
例えば、特許文献1には硬化性オルガノポリシロキサン組成物である防汚塗料組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-88653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、特許文献1に記載の防汚塗料のようなシリコーン系防汚塗料から形成された防汚塗膜を基材上に形成するに際し、二液硬化型エポキシ系塗料により形成された下塗り塗膜を必要としていたが、二液硬化型エポキシ系塗料を下塗り層として採用する場合、下塗り層の形成後、速やかにシリコーン系防汚塗料を塗布する必要があり、作業上の制約が大きいという問題があった。
また、自己研磨型防汚塗料により形成された旧防汚塗膜上に、新たにシリコーン系防汚塗料を塗布しようとする場合、従来、旧防汚塗膜上に二液硬化型エポキシ系塗料を下塗り層として塗布した後、シリコーン系防汚塗料を塗布していた。しかし、二液硬化型エポキシ塗料は塗膜硬度が高いため、下層である塗膜硬度の低い自己研磨型防汚塗膜が層内破壊を生じるという問題があった。
本発明は、エポキシ系下塗り塗膜及び下層である旧防汚塗膜のいずれにも良好な付着性を有すると共に、上層となるシリコーン系防汚塗料から形成される防汚塗膜とも良好な付着性を有する塗膜が形成される塗料組成物を提供することを目的とする。更に本発明は、前記塗料組成物から形成された塗膜、並びに、該塗膜を有する防汚塗膜付き基材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、前記の課題に鑑み鋭意研究したところ、特定のエポキシ当量を有する、常温において固体のエポキシ基を有する樹脂(A)を特定量含有する塗料組成物であり、該塗料組成物の固形分中のエポキシ基の当量に対するエポキシ硬化剤の活性水素の当量を特定の値以下とするにより、前記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の[1]~[12]に関する。
[1] フェノール型エポキシ樹脂(A)を含む塗料組成物であり、前記フェノール型エポキシ樹脂(A)は、25℃において固体であり、前記フェノール型エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量が、800g/eq以上3,500g/eq以下であり、前記塗料組成物の固形分中のエポキシ基の当量(eq)に対するエポキシ硬化剤の活性水素の当量(eq)(活性水素の当量/エポキシ基の当量)が、0.5以下であり、前記塗料組成物の固形分中のフェノール型エポキシ樹脂(A)の含有量が10質量%以上50質量%以下である、塗料組成物。
[2] 前記塗料組成物の溶剤可溶分のエポキシ当量が5,000g/eq以上50,000g/eq以下である、[1]に記載の塗料組成物。
[3] 前記フェノール型エポキシ樹脂(A)が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である、[1]又は[2]に記載の塗料組成物。
[4] 前記塗料組成物が、硬化性シリコーンを含有する防汚塗料組成物の下塗り層用である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の塗料組成物。
[5] 前記硬化性シリコーンが、下記(1)及び(2)から選択される少なくとも1つの硬化性シリコーンである、[4]に記載の塗料組成物。
(1)両末端にケトオキシム基を有するポリオルガノシロキサン
(2)両末端にヒドロキシ基を有するポリオルガノシロキサン、及び下記式(I)で表されるオルガノシラン
【0006】
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6
51
(式(I)中、R

は置換又は非置換の炭素数1以上10以下の炭化水素基を表し、Xはケトオキシム基であり、aは0又は1である。)
【0007】
[6] 前記硬化性シリコーンが、前記(1)の硬化性シリコーンである、[5]に記載の塗料組成物。
[7] 前記防汚塗料組成物が、アミノ基含有シランカップリング剤を含有する、[4]~[6]のいずれか1つに記載の塗料組成物。
[8] 前記塗料組成物が、旧防汚塗膜、及び1液型又は2液型のエポキシ系下塗り塗膜からなる群より選択される塗膜上に形成される下塗り層用である、[1]~[7]のいずれか1つに記載の塗料組成物。
[9] [1]~[8]のいずれか1つに記載の塗料組成物から形成された塗膜。
[10] 基材と、[9]に記載の塗膜と、硬化性シリコーンを含有する防汚塗料組成物から形成された防汚塗膜とをこの順で有する、防汚塗膜付き基材。
[11] 基材と、1液型又は2液型エポキシ系下塗り塗膜と、任意に旧防汚塗膜と、[9]に記載の塗膜と、硬化性シリコーンを含有する防汚塗料組成物から形成された防汚塗膜とをこの順で有する、防汚塗膜付き基材。
[12] 下記工程(1)~(4)を有する、防汚塗膜付き基材の製造方法。
工程(1):基材に、[1]~[8]のいずれか1つに記載の塗料組成物を塗布又は含浸させ、塗布体又は含浸体を得る工程
工程(2):該工程(1)により得られた塗布体、又は含浸体を乾燥させて塗膜を形成する工程
工程(3):該塗膜上に硬化性シリコーンを含有する防汚塗料組成物を塗布又は含浸させ、塗布体又は含浸体を得る工程
工程(4):該工程(3)により得られた塗布体、又は含浸体を乾燥及び硬化させて塗膜を形成する工程
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、エポキシ系下塗り塗膜及び下層である旧防汚塗膜のいずれにも良好な付着性を有すると共に、上層となるシリコーン系防汚塗料から形成される防汚塗膜とも良好な付着性を有する塗膜が形成される塗料組成物が提供される。更に本発明によれば、前記塗料組成物から形成された塗膜、並びに、該塗膜を有する防汚塗膜付き基材及びその製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の塗料組成物、これを用いた防汚塗膜、並びに防汚塗膜付き基材及びその製造方法について詳細に説明する。
【0010】
[塗料組成物]
本発明の塗料組成物は、フェノール型エポキシ樹脂(A)を含む塗料組成物であり、前記フェノール型エポキシ樹脂(A)は、25℃において固体であり、前記フェノール型エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量が、800g/eq以上3,500g/eq以下であり、前記塗料組成物の固形分中のエポキシ基の当量(eq)に対するエポキシ硬化剤の活性水素の当量(eq)(活性水素の当量/エポキシ基の当量)が、0.5以下であり、前記塗料組成物の固形分中の前記エポキシ基を有する樹脂(A)の含有量が10質量%以上50質量%以下である。
本発明によれば、エポキシ系下塗り塗膜及び下層である旧防汚塗膜のいずれにも良好な付着性を有すると共に、上層となるシリコーン系防汚塗料から形成される防汚塗膜とも良好な付着性を有する塗膜が形成される塗料組成物が提供される。
上記の効果が得られる詳細な理由は不明であるが、一部は以下のように考えられる。
エポキシ樹脂は、その分子構造から、接着性に優れる素材である。従来、エポキシ樹脂の硬化性を高めるために、アミン系硬化剤などのエポキシ硬化剤を併用して、硬化皮膜を形成することが行われてきた。しかし、塗装環境によっては、エポキシ硬化剤が空気中の水分や二酸化炭素と反応する場合がある。例えば、アミン系硬化剤を使用した場合には、アミン系硬化剤が空気中の水分や二酸化炭素と反応して水和物を形成して塗膜表面を白化させる、所謂アミンブラッシングが発生する場合があった。アミンブラッシングが発生した塗膜は、塗膜の硬化が不十分となり、下層及び上層との十分な付着性が得られない傾向にある。本実施形態の塗料組成物が特定のエポキシ当量を有するフェノール型エポキシ樹脂(A)を含有すると共に、塗料組成物の固形分中のエポキシ基の当量に対するエポキシ硬化剤の活性水素の当量が特定の値以下であることにより、下層及び上層との付着性に優れた塗膜が形成されたと考えられる。
なお、本発明の効果が得られるメカニズムは、上記に限定されるものではない。
以下、本実施形態の塗料組成物について詳述する。
(【0011】以降は省略されています)

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