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公開番号2025137366
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024195797,2024035889
出願日2024-11-08,2024-03-08
発明の名称タンパク質吸着方法、タンパク質精製方法、ならびにタンパク質精製装置
出願人ノリタケ株式会社
代理人個人,個人
主分類C07K 1/22 20060101AFI20250911BHJP(有機化学)
要約【課題】インラインミキサーとハイドロサイクロンとを備える装置において、タンパク質と担体との吸着効率を高める技術の提供
【解決手段】ここで開示される吸着方法は、インラインミキサーと、インラインミキサーに接続されたハイドロサイクロンと、を備える装置を用いて実施される。吸着方法は、タンパク質を、タンパク質に結合するリガンドを備えた担体に吸着させる方法である。吸着方法は、担体を含む第1スラリーと、タンパク質を含む第2スラリーと、をインラインミキサーで混合し、その混合スラリーにおいて、タンパク質を担体に吸着させて、タンパク質と担体との複合体を作製することを包含する。混合スラリーは、混合スラリー全体を100体積%として、10体積%~25体積%の担体と、担体1mlに対して5mg~20mgのタンパク質と、を含むように調製されている。インラインミキサーの混合時間は、0.6秒~60秒である。
【選択図】なし


特許請求の範囲【請求項1】
インラインミキサーと、
前記インラインミキサーの下流において、該インラインミキサーに接続されたハイドロサイクロンと、
を備えるタンパク質精製装置を用いて、
細胞に由来するタンパク質を、該タンパク質に結合するリガンドを備えた担体に吸着させる方法であって、
前記担体を含む第1スラリーと、前記タンパク質を含む第2スラリーと、を前記インラインミキサーで混合し、該第1スラリーと該第2スラリーとの混合スラリーにおいて、前記タンパク質を前記担体に吸着させて、該タンパク質と該担体との複合体を作製することを包含し、
前記混合スラリーは、
該混合スラリー全体を100体積%として、10体積%以上25体積%以下の前記担体と、
前記担体1mlに対して5mg以上20mg以下の前記タンパク質と、
を含むように調製されており、
前記インラインミキサーによる混合時間は、0.6秒以上60秒以下である、吸着方法。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記タンパク質を含む細胞培養液から該タンパク質を精製する方法であって、
請求項1に記載の吸着方法によって前記複合体を作製することと、
前記ハイドロサイクロンにおいて、前記インラインミキサーから該ハイドロサイクロンに連続的に送液された前記混合スラリーから前記複合体を分離することと、
を包含する、精製方法。
【請求項3】
細胞培養液からタンパク質を精製する装置であって、
前記タンパク質に結合するリガンドを備えた担体を含む第1スラリーを供給する第1供給部と、
前記タンパク質を含む細胞培養液である第2スラリーを供給する第2供給部と、
前記第1供給部から供給された前記第1スラリーと、前記第2供給部から供給された前記第2スラリーと、を混合するインラインミキサーと、
前記インラインミキサーの下流において、該インラインミキサーに接続されたハイドロサイクロンであって、該インラインミキサーによって得られた前記第1スラリーと前記第2スラリーとの混合スラリーから、前記タンパク質と前記担体との複合体を分離するハイドロサイクロンと、
を備えており、
前記混合スラリーは、
該混合スラリー全体を100体積%として、10体積%以上25体積%以下の前記担体と、
前記担体1mlに対して5mg以上20mg以下の前記タンパク質と、
を含むように調製されており、
前記インラインミキサーの長さは、前記第1スラリーと前記第2スラリーとを0.6秒以上60秒以下の時間で混合できるように設定されている、精製装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、タンパク質吸着方法、タンパク質精製方法、ならびにタンパク質精製装置に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
国際公開第2019/189064号には、インラインミキサーとサイクロンを結合したモジュールを用いて、タンパク質を細胞培養液から連続的に精製する装置が開示されている。この装置は、第一のモジュールと第二のモジュールとから構成されている。第一のモジュールにおいて、インラインミキサーの導入口に、培養槽または細胞分離装置と第一のモジュールとを結ぶ配管と、第一の貯留槽と第一のモジュールとを結ぶ配管が分岐バルブを介して接続されている。インラインミキサーの排出口は、ハイドロサイクロンの導入口に接続されている。ハイドロサイクロンの下部排出口には、第一の反応モジュールと第二のモジュールを結ぶ配管が結合している。ハイドロサイクロンの上部排出口には、配管が結合している。第二のモジュールにおいて、インラインミキサーの導入口には、第一のモジュールと第二のモジュールとを結ぶ配管と、第二の貯留槽と第二のモジュールとを結ぶ配管とが、分岐バルプを介して接続されている。インラインミキサーの排出口とハイドロサイクロンの導入口とは、接続されている。ハイドロサイクロン下部の排出口には、第二のモジュールと他のモジュールとを結ぶ配管が結合している。ハイドロサイクロン上部排出口には、配管が結合している。同公報には、かかる構成の装置を用いることによって、少量の細胞や細胞破片、あるいは宿主微生物等が含まれる懸濁状態の試料であっても、その中から目的タンパク質を連続的に短時間で回収および精製することができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2019/189064号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載されているように、インラインミキサーと、その下流においてインラインミキサーに接続されたハイドロサイクロンと、を備える装置がある。例えば、特許文献1において、かかる装置を用いて、特定のタンパク質を含有する細胞培養液と樹脂を含むスラリーとを混合して細胞培養液中のタンパク質をスラリー中の樹脂と結合させて複合体を作製する工程と、ハイドロサイクロンにおいて、インラインミキサーから連続的に送液された混合スラリーから複合体を分離する工程と、が実施されることが記載されている。本発明者は、上述の構成を有する装置が備えるインラインミキサーにおいて、細胞に由来するタンパク質を、該タンパク質に結合するリガンドを備えた担体に吸着させる際、タンパク質と担体との吸着効率を高めたい、と考えている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ここで開示される吸着方法は、インラインミキサーと、インラインミキサーの下流において、インラインミキサーに接続されたハイドロサイクロンと、を備える装置を用いて実施される。吸着方法は、細胞に由来するタンパク質を、該タンパク質に結合するリガンドを備えた担体に吸着させる方法である。吸着方法は、担体を含む第1スラリーと、タンパク質を含む第2スラリーと、をインラインミキサーで混合し、第1スラリーと第2スラリーとの混合スラリーにおいて、タンパク質を担体に吸着させて、タンパク質と担体との複合体を作製することを包含する。混合スラリーは、混合スラリー全体を100体積%として、10体積%~25体積%の担体と、担体1mlに対して5mg~20mgのタンパク質と、を含むように調製されている。インラインミキサーによる混合時間は、0.6秒~60秒である。かかる構成によると、上述の構成を有する装置が備えるインラインミキサーにおいて、細胞に由来するタンパク質を、該タンパク質に結合するリガンドを備えた担体に吸着させる際、タンパク質と担体との吸着効率を高めることができる。
【0006】
ここで開示される技術によると、タンパク質を含む細胞培養液から該タンパク質を精製する方法が開示される。この精製方法は、上述の吸着方法によって複合体を作製することと、ハイドロサイクロンにおいて、インラインミキサーからハイドロサイクロンに連続的に送液された混合スラリーから複合体を分離することと、を包含する。かかる構成によると、上述の構成を有する装置が備えるインラインミキサーにおいて、細胞に由来するタンパク質を、該タンパク質に結合するリガンドを備えた担体に吸着させる際、タンパク質と担体との吸着効率を高めることができる。
【0007】
ここで開示される技術によると、細胞培養液からタンパク質を精製する装置が開示される。装置は、第1供給部と、第2供給部と、インラインミキサーと、ハイドロサイクロンと、を備えている。第1供給部は、第1スラリーを供給する。第1スラリーは、タンパク質に結合するリガンドを備えた担体を含んでいる。第2供給部は、第2スラリーを供給する。第2スラリーは、タンパク質を含む細胞培養液である。インラインミキサーは、第1供給部から供給された第1スラリーと、第2供給部から供給された第2スラリーと、を混合する。ハイドロサイクロンは、インラインミキサーの下流において、インラインミキサーに接続されている。ハイドロサイクロンは、インラインミキサーによって得られた第1スラリーと第2スラリーとの混合スラリーから、タンパク質と担体との複合体を分離する。混合スラリーは、混合スラリー全体を100体積%として、10体積%~25体積%の担体と、担体1mlに対して5mg~20mgのタンパク質と、を含むように調製されている。インラインミキサーの長さは、第1スラリーと第2スラリーとを0.6秒以上60秒以下の時間で混合できるように設定されている。かかる構成によると、上述の構成を有する装置が備えるインラインミキサーにおいて、細胞に由来するタンパク質を、該タンパク質に結合するリガンドを備えた担体に吸着させる際、タンパク質と担体との吸着効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、装置1の模式図である。
図2は、吸着部10の拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、ここで開示される技術の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であってここで開示される技術の実施に必要な事柄は、本明細書により教示されている技術内容と、当該分野における当業者の一般的な技術常識とに基づいて理解されうる。ここで開示される技術は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施されうる。なお、本明細書および請求の範囲におけるA~B(A、Bは任意の数値)の記載は、A以上B以下を意味するとともに、Aを上回り、かつ、Bを下回る場合をも包含する。
【0010】
<タンパク質精製装置>
ここで開示される技術によると、タンパク質精製装置が開示される。タンパク質精製装置は、例えば、細胞培養液からタンパク質を精製する装置である。本明細書において、「細胞」は、精製対象となるタンパク質を産生する細胞であって、生体外(インビトロ)において培養可能な細胞をいう。「細胞」は、例えば、細胞株と、生体から摘出された細胞塊または組織または器官と、を含む。「細胞株」は、インビトロにおいて何代にもわたって安定して培養させることができる初代細胞のクローンをいう。細胞としては、例えば、大腸菌等の微生物細胞;酵母;S2細胞、Sf9細胞、Sf21細胞等の昆虫細胞;COS細胞、NS0細胞、Sp2/0細胞、CHO細胞、HEK細胞、HeLa細胞、ハイブリドーマ等の哺乳類細胞;が挙げられる。細胞としては、例えば哺乳類細胞が好ましく用いられ、なかでも、NS0細胞、Sp2/0細胞、CHO細胞、HEK細胞、ハイブリドーマ等が好ましく用いられうる。細胞は、精製対象のタンパク質を産生することができるように、遺伝子組み換えされた細胞であってもよい。本明細書において、「培養液」は、上述の細胞が培養され、精製対象のタンパク質が産生かつ分泌された状態の培養液をいう。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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