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公開番号2025129980
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-05
出願番号2024027008
出願日2024-02-26
発明の名称導電ペーストおよび導電ペーストの製造方法
出願人ノリタケ株式会社
代理人個人,個人
主分類H01B 1/22 20060101AFI20250829BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】基材への定着性を確保しつつ、シートアタックを抑制できる導電ペーストを提供する。
【解決手段】ここに開示される導電ペーストは、導電材Aと、ポリオールBと、シリコーン樹脂Cと、有機溶剤Dと、シリコーンオイルEとを少なくとも含む。また、ここに開示される導電ペーストは、100μm以下の薄膜状に塗布した際の光学顕微鏡画像において、ポリオールBを主成分として含むポリオール相1と、シリコーン樹脂CとシリコーンオイルEとを主成分として含むシリコーン相2とが観察される。そして、シリコーン相2には導電材Aの凝集体が存在している。そして、ここに開示される導電ペーストでは、上記光学顕微鏡画像をグレースケール化した画像の輝度分布の尖度が0.1以上0.6以下である。かかる輝度分布を有する導電ペーストは、ポリオール相1とシリコーン相2とが好適に乳化分散しているため、導電性と定着性と低攻撃性の3つの性能を高いレベルで発揮できる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電子部品の回路形成用の導電ペーストであって、
導電材Aと、
ポリオールBと、
シリコーン樹脂Cと、
有機溶剤Dと、
シリコーンオイルEと
を少なくとも含み、
100μm以下の薄膜状に塗布した際の光学顕微鏡画像において、前記ポリオールBと前記有機溶剤Dを主体として含むポリオール相と、前記シリコーン樹脂Cと前記シリコーンオイルEとを主体として含むシリコーン相とが観察され、
前記シリコーン相に前記導電材Aの凝集体が存在しており、
前記光学顕微鏡画像をグレースケール化した画像の輝度分布の尖度が0.1以上0.6以下である、導電ペースト。
なお、前記尖度は、前記グレースケール化した画像の輝度の平均値が120以上130以下、かつ、輝度の標準偏差が20以上30以下になるように、当該画像のコントラストを調節したときの尖度である。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
イソシアネートFをさらに含み、前記ポリオール相に前記イソシアネートFが含まれている、請求項1に記載の導電ペースト。
【請求項3】
前記導電材Aの形状は、樹枝状、平板状、針状、繊維状から選択される少なくとも一種である、請求項1または2に記載の導電ペースト。
【請求項4】
前記導電材Aは、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、ロジウム、炭素から選択される少なくとも一種である、請求項1または2に記載の導電ペースト。
【請求項5】
前記導電ペーストの総質量を100wt%としたときの前記導電材Aの含有量が15wt%以上75wt%以下である、請求項1または2に記載の導電ペースト。
【請求項6】
前記導電ペーストの総質量を100wt%としたときの前記ポリオールBの含有量が10wt%以上20wt%以下である、請求項1または2に記載の導電ペースト。
【請求項7】
前記導電ペーストの総質量を100wt%としたときの前記シリコーン樹脂Cの含有量が1wt%以上15wt%以下である、請求項1または2に記載の導電ペースト。
【請求項8】
前記導電ペーストの総質量を100wt%としたときの前記有機溶剤Dの含有量が1wt%以上30wt%以下である、請求項1または2に記載の導電ペースト。
【請求項9】
前記導電ペーストの総質量を100wt%としたときの前記シリコーンオイルEの含有量が1wt%以上15wt%以下である、請求項1または2に記載の導電ペースト。
【請求項10】
電子部品の回路形成用の導電ペーストを製造する方法であって、
導電材Aと、ポリオールBと、シリコーン樹脂Cと、有機溶剤Dと、シリコーンオイルEとを含む原料を準備する準備工程と、
前記ポリオールBと前記有機溶剤Dと前記シリコーンオイルEとを少なくとも含むベース溶液を調製するベース溶液調製工程と、
前記ベース溶液に前記導電材Aを分散させる導電材分散工程と、
前記ベース溶液に前記シリコーン樹脂Cを分散させるシリコーン分散工程と
を備えている、導電ペーストの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
ここに開示される技術は、導電ペーストおよび当該導電ペーストの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
フレキシブルデバイスの開発が進み、プラスチックやゴムなどの可撓性の樹脂基板の表面に、電極や配線といった導電膜を形成した電子部品の需要が高まっている。この可撓性の電子部品は、例えば、基材表面に導電ペーストを塗布し、当該導電ペーストを硬化させることで製造される。この導電ペーストは、例えば、導電材とバインダ樹脂と有機溶剤とを含んでいる。このバインダ樹脂には、熱や光によって硬化して絶縁性基材に定着する硬化性樹脂が用いられる。
【0003】
この種の電子部品の絶縁性基材としては、シリコーン基材が広く使用される。シリコーン基材は、化学的耐久性、高耐熱性、生体安全性、低誘電率、高絶縁性などに優れているため、電子部品の品質向上に貢献し得る。一方で、シリコーン基材は、表面エネルギーが低いため、硬化後のバインダ樹脂が定着しにくい傾向がある。このため、シリコーン基材用の導電ペーストのバインダ樹脂には、絶縁性基材と同種の樹脂材料であるシリコーン樹脂が用いられる。例えば、特許文献1には、シリコーン樹脂を含む導電ペーストの一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-193165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、シリコーン樹脂を含む導電ペーストには、当該シリコーン樹脂を溶解可能な有機溶剤が用いられる。このような有機溶剤は、塗布対象であるシリコーン基材に浸透するため、基材の膨潤や変形などのシートアタックが生じる原因になる。このため、シリコーン基材用の導電ペーストでは、基材への定着性を確保しつつ、シートアタックを抑制できる技術が要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示される導電ペーストは、上述の要求に応じてなされたものである。
【0007】
ここに開示される導電ペーストは、電子部品の回路形成に用いられる。この導電ペーストは、導電材Aと、ポリオールBと、シリコーン樹脂Cと、有機溶剤Dと、シリコーンオイルEとを少なくとも含む。また、ここに開示される導電ペーストは、100μm以下の薄膜状に塗布した際の光学顕微鏡画像において、ポリオールBを主成分として含むポリオール相と、シリコーン樹脂CとシリコーンオイルEとを主成分として含むシリコーン相とが観察される。そして、シリコーン相には導電材Aの凝集体が存在している。そして、ここに開示される導電ペーストでは、上記光学顕微鏡画像をグレースケール化した画像の輝度分布の尖度が0.1以上0.6以下である。なお、本明細書における「尖度」は、グレースケール化した画像の輝度の平均値が120以上130以下、かつ、標準偏差が20以上30以下になるように、当該画像のコントラストを調節したときの尖度である。
【0008】
ここに開示される導電ペーストは、ポリオール相とシリコーン相とが分散した二相系のペーストである。これらのうち、シリコーン相は、シリコーン基材に対する定着性に優れる一方で、シートアタックが生じやすい。一方、ポリオール相は、シリコーン基材への攻撃性が低い一方で、基材表面に定着しにくい。このため、ペースト内でポリオール相とシリコーン相とが適切に分散していると、シリコーン基材に対する定着性と低攻撃性とを好適に両立させることができる。
【0009】
ここで、上記構成の導電ペーストは、光学顕微鏡画像をグレースケール化した画像の尖度が0.1以上0.6以下であるため、ポリオール相とシリコーン相との分散状態が適切であるということができる。具体的には、二相系ペーストでは、導電材Aの大部分がシリコーン相の内部で凝集するため、シリコーン相が高輝度となり、ポリオール相が低輝度となる。すなわち、ポリオール相とシリコーン相とが分離している場合には、輝度の分布の尖度が小さくなる。一方、ポリオール相とシリコーン相との乳化分散が進んだ場合や、ポリオール相とシリコーン相とが相溶している場合には、分布の尖度が大きくなる。そして、本発明者らの実験によると、上記輝度分布の尖度が0.1以上0.6以下であるとき、導電性と定着性と低攻撃性の各性能を高いレベルで発揮できることが確認されている。
【0010】
また、ここに開示される技術の他の側面として、電子部品の回路形成用の導電ペーストを製造する方法が提供される。かかる製造方法は、導電材Aと、ポリオールBと、シリコーン樹脂Cと、有機溶剤Dと、シリコーンオイルEとを含む原料を準備する準備工程と、ポリオールBと有機溶剤DとシリコーンオイルEとを少なくとも含むベース溶液を調製するベース溶液調製工程と、ベース溶液に導電材Aを分散させる導電材分散工程と、ベース溶液にシリコーン樹脂Cを分散させるシリコーン分散工程とを備えている。
(【0011】以降は省略されています)

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