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公開番号2025138073
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-25
出願番号2024036823
出願日2024-03-11
発明の名称固定式等速自在継手
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16D 3/223 20110101AFI20250917BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】トラック溝交差タイプの固定式等速自在継手において、ケージの強度低下を回避する。
【解決手段】ケージ5の円筒面5dの直径Eが、内側継手部材3の軸線とケージ5の軸線とを直交させ、且つ、内側継手部材3の180度位相が異なる2つのトラック溝90,91をケージ5の直径方向に対向させた状態で、内側継手部材3をケージ5の軸線方向から見たときの、内側継手部材3の見かけ最大外径D1よりも小さい。また、ケージ5の円筒面5dの直径Eが、内側継手部材3の軸線をケージ5の軸線と直交する面に対して角度αだけ傾斜させ、且つ、内側継手部材3の180度位相が異なる2つのトラック溝90,91をケージ5の内周面と対向させた状態で、内側継手部材3をケージ5の軸線方向から見たときの、内側継手部材3の見かけ最大外径D3よりも大きい。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
球状内周面に8本のトラック溝が形成された外側継手部材と、球状外周面に8本のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する8個のボールと、前記外側継手部材の球状内周面に嵌合する球状外周面、前記内側継手部材の球状外周面に嵌合する球状内周面、前記ボールを1個ずつ保持する8個のポケット、及び、内周面の軸方向端部に設けられた円筒面を有するケージとを備えた固定式等速自在継手において、
前記外側継手部材が、円弧状のボール軌道中心線(Xa)を有する第1のトラック溝部を有し、前記内側継手部材が、円弧状のボール軌道中心線(Ya)を有する第1のトラック溝部を有し、
前記外側継手部材の各トラック溝の第1のトラック溝部のボール軌道中心線(Xa)を含む平面と、これと隣り合うトラック溝の第1のトラック溝部のボール軌道中心線(Xa)を含む平面とが、軸方向に対して反対側に角度γだけ傾斜し、
前記内側継手部材の各トラック溝の第1のトラック溝部のボール軌道中心線(Ya)を含む平面と、これと隣り合うトラック溝の第1のトラック溝部のボール軌道中心線(Ya)を含む平面とが、軸方向に対して反対側に角度γだけ傾斜し、
前記外側継手部材のトラック溝の第1のトラック溝部のボール軌道中心線(Xa)を含む平面と、これと半径方向に対向する前記内側継手部材のトラック溝の第1のトラック溝部のボール軌道中心線(Ya)を含む平面とが、軸方向に対して反対側に傾斜し、
前記ケージの円筒面の直径(E)が、
前記内側継手部材の軸線と前記ケージの軸線とを直交させ、且つ、前記内側継手部材の180度位相が異なる2つの前記トラック溝を前記ケージの内周面と対向させた状態で、前記内側継手部材を前記ケージの軸線方向から見たときの、前記内側継手部材の見かけ最大外径(D1)よりも小さく、且つ、
前記内側継手部材の軸線を前記ケージの軸線と直交する面に対して角度αだけ傾斜させ、且つ、前記内側継手部材の180度位相が異なる2つの前記トラック溝を前記ケージの内周面と対向させた状態で、前記内側継手部材を前記ケージの軸線方向から見たときの、前記内側継手部材の見かけ最大外径(D3)よりも大きい固定式等速自在継手。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記内側継手部材の軸方向幅Wと、前記ボールの直径D
BALL
との比W/D
BALL
が1.74~1.99である請求項1に記載の固定式等速自在継手。
【請求項3】
前記内側継手部材の軸方向一方側の端面と前記継手中心との軸方向距離W1よりも、前記内側継手部材の軸方向他方側の端面と前記継手中心との軸方向距離W2が大きく、
前記内側継手部材の軸方向他方側の端面と前記継手中心との軸方向距離W2と前記ボールの直径D
BALL
との比W2/D
BALL
が0.99~1.13である請求項1又は2に記載の固定式等速自在継手。
【請求項4】
前記角度αが前記角度γの3倍以上である請求項1又は2に記載の固定式等速自在継手。
【請求項5】
前記角度γが4°~8°である請求項1又は2に記載の固定式等速自在継手。
【請求項6】
前記ボールのピッチ円直径(PCD
BALL
)と前記ボールの直径(D
BALL
)との比PCD
BALL
/D
BALL
が3.89~4.48である請求項1又は2に記載の固定式等速自在継手。
【請求項7】
前記外側継手部材の各トラック溝は、
前記第1のトラック溝部の軸方向一方の端部に連続し、直線状のボール軌道中心線(Xb)を有する第2のトラック溝部を有し、
前記第1のトラック溝部のボール軌道中心線(Xa)と前記第2トラック溝部のボール軌道中心線(Xb)との接続点(A)が、継手中心(O)より軸方向一方側に設けられ、
前記第2のトラック溝部(7b)のボール軌道中心線(Xb)は、軸方向一方側に行くにつれて前記外側継手部材の軸線に接近するように傾斜し、
前記内側継手部材の各トラック溝は、
前記第1のトラック溝部の軸方向他方の端部に連続し、直線状のボール軌道中心線(Yb)を有する第2のトラック溝部を有し、
前記第1のトラック溝部のボール軌道中心線(Ya)と第2のトラック溝部のボール軌道中心線(Yb)との接続点(B)が、前記継手中心(O)より軸方向他方側に設けられ、
前記第2のトラック溝部のボール軌道中心線(Yb)は、軸方向他方側に行くにつれて前記内側継手部材の軸線に接近するように傾斜した請求項1又は2に記載の固定式等速自在継手。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、固定式等速自在継手に関し、自動車や各種産業機械の動力伝達系に使用され、駆動側と従動側の二軸間で角度変位のみを許容する固定式等速自在継手に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、自動車のフロント用ドライブシャフトには、通常、インボード側(デファレンシャルギヤ側)に、最大作動角は比較的小さいが作動角を取りつつ軸方向変位が可能な摺動式等速自在継手が組み込まれ、アウトボード側(車輪側)は、車輪が操舵されるので、大きな作動角が取れるが軸方向に変位しない固定式等速自在継手が組み込まれる。
【0003】
固定式等速自在継手として、ツェッパ型等速自在継手(BJタイプともいう)やアンダーカットフリー型等速自在継手(UJタイプともいう)が知られている。その中で、運転時の温度上昇とトルク損失を低減すると共に、強度、負荷容量、耐久性を確保しつつ、より一層のコンパクト化を図る手段として、図17に示す8個ボールタイプの固定式等速自在継手がある(特許文献1)。この固定式等速自在継手101は、ツェッパ型等速自在継手であり、外側継手部材102、内側継手部材103、トルクを伝達するボール104およびケージ105を主な構成とする。外側継手部材102、内側継手部材103の軸方向に延びる円弧状のトラック溝107、109にトルクを伝達する8個のボール104が組み込まれ、各ボール104がケージ105のポケット105aに保持されている。ケージ105のうち、ポケット105aよりも軸方向一方側{図17(A)では右側}に設けられた環状部105bの内周面には、内側継手部材103を組み込むための円筒面105cが設けられる。トラック溝107、109の曲率中心は、継手中心に対して軸方向反対側に等距離fだけオフセットしている。
【0004】
昨今、自動車の環境性能向上を目的に、更なる高効率化が求められており、前述の8個ボールタイプの固定式等速自在継手よりも更なる高性能化を図るべく、ケージの球状外周面及び球状内周面の接触を低減させ低発熱化を狙った図19に示すトラック溝交差タイプの固定式等速自在継手が提案されている(特許文献2)。この固定式等速自在継手151は、外側継手部材152、内側継手部材153、トルクを伝達するボール154およびケージ155を主な構成とする。外側継手部材152、内側継手部材153の軸方向に延びる円弧状のトラック溝157、159にトルクを伝達する8個のボール154が組み込まれ、各ボール154がケージ155のポケット155aに保持されている。ケージ155のうち、ポケット155aよりも軸方向一方側{図19(A)では右側}に設けられた環状部155bの内周面には、内側継手部材153を組み込むための円筒面155cが設けられる。周方向に隣り合うトラック溝157、159は、軸線に対してそれぞれ反対側に傾斜している。半径方向に対向するトラック溝157、159は、軸線に対してそれぞれ反対側に傾斜している。トラック溝157、159の曲率中心は、継手中心と一致している。
【0005】
さらに、トラック溝交差タイプの固定式等速自在継手における高効率化(特許文献3)や高角化(特許文献4)について種々検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第3859267号公報
特許第5138449号公報
特許第6113459号公報
特許第5912419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に示された8個ボールタイプのツェッパ型固定式等速自在継手では、図18に示すように、内側継手部材103の軸線とケージ105の軸線とを直交させ、且つ、内側継手部材103の180度位相が異なる2つのトラック溝109(図中上端及び下端のトラック溝109)がケージの内周面と対向するように内側継手部材103の位相を調整した状態で、内側継手部材103をケージ105の軸線方向(図中T方向)から見たときの、内側継手部材103の見かけ外径D’が、ケージ105の円筒面105cの直径E’よりも僅かに小さい(E’>D’)。これにより、内側継手部材103を、円筒面105cを介してケージ105の内周に組み込むことができる(矢印U参照)。
【0008】
一方、トラック溝公差タイプの固定式等速自在継手では、図10に示すように、内側継手部材153の隣り合うトラック溝159が軸線に対して反対側に傾斜しているため、トラック溝159間に設けられた球面部153aの周方向幅が、軸方向一方側あるいは軸方向他方側に行くにつれて狭くなっている。このため、内側継手部材153の軸線とケージ155の軸線とを直交させ、且つ、内側継手部材153の180度位相が異なる2つのトラック溝159がケージの内周面と対向するように内側継手部材153の位相を調整した状態で、内側継手部材153をケージ155の軸線方向(図10の紙面直交方向)から見たときの、内側継手部材153の見かけ外径が不均一となる。具体的には、球面部153aの周方向幅が広い部分における内側継手部材153の見かけ外径D1が、球面部153aの周方向幅が狭い部分における見かけ外径D2よりも若干大きくなる(D1>D2)。図示のように、内側継手部材153の見かけ最大外径(≒D1)が、ケージ155の円筒面155cの直径Eよりも大きいと、内側継手部材153をケージ155の内周に組み込むことができない。そのため、ケージ155の円筒面155cを大径化する必要が生じ、ケージ155の環状部155bの半径方向の肉厚が薄くなるため、ケージ155の強度低下を招く。
【0009】
そこで、本発明は、トラック溝交差タイプの固定式等速自在継手において、ケージの強度低下を回避することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するためになされた本発明は、球状内周面に8本のトラック溝が形成された外側継手部材と、球状外周面に8本のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する8個のボールと、前記外側継手部材の球状内周面に嵌合する球状外周面、前記内側継手部材の球状外周面に嵌合する球状内周面、前記ボールを1個ずつ保持する8個のポケット、内周面の軸方向端部に設けられた円筒面を有するケージとを備えた固定式等速自在継手において、
前記外側継手部材が、円弧状のボール軌道中心線Xaを有する第1のトラック溝部を有し、前記内側継手部材が、円弧状のボール軌道中心線Yaを有する第1のトラック溝部を有し、
前記外側継手部材の各トラック溝の第1のトラック溝部のボール軌道中心線Xaを含む平面と、これと隣り合うトラック溝の第1のトラック溝部のボール軌道中心線Xaを含む平面とが、軸方向に対して反対側に角度γだけ傾斜し、
前記内側継手部材の各トラック溝の第1のトラック溝部のボール軌道中心線Yaを含む平面と、これと隣り合うトラック溝の第1のトラック溝部のボール軌道中心線Yaを含む平面とが、軸方向に対して反対側に角度γだけ傾斜し、
前記外側継手部材のトラック溝の第1のトラック溝部のボール軌道中心線Xaを含む平面と、これと半径方向に対向する前記内側継手部材のトラック溝の第1のトラック溝部のボール軌道中心線Yaを含む平面とが、軸方向に対して反対側に傾斜し、
前記ケージの円筒面の直径Eが、
前記内側継手部材の軸線と前記ケージの軸線とを直交させ、且つ、前記内側継手部材の180度位相が異なる2つの前記トラック溝を前記ケージの内周面と対向させた状態で、前記内側継手部材を前記ケージの軸線方向から見たときの、前記内側継手部材の見かけ最大外径D1よりも小さく、且つ、
前記内側継手部材の軸線を前記ケージの軸線と直交する面に対して角度αだけ傾斜させ、且つ、前記内側継手部材の180度位相が異なる2つの前記トラック溝を前記ケージの内周面と対向させた状態で、前記内側継手部材を前記ケージの軸線方向から見たときの、前記内側継手部材の見かけ最大外径D3よりも大きいことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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