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公開番号
2025138503
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-25
出願番号
2024037639
出願日
2024-03-11
発明の名称
レバー様食品の製造方法
出願人
不二製油株式会社
代理人
主分類
A23J
3/00 20060101AFI20250917BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】
なめらかで濃厚感のある、本物に近い食感を有するレバー様食品を、植物性を主体とした食品として、安定的に製造・供給することを課題とする。
【解決手段】
豆腐20~60質量%、豆乳クリーム5~50質量%、油脂5~40質量%、粉末状豆類たん白素材5~25質量%を含む原料について、これらを混合した生地を調製し、更に加熱することで、レバー様食品とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
以下の工程を含む、レバー様食品の製造方法。
(A)豆腐20~60質量%、豆乳クリーム5~50質量%、油脂5~40質量%、粉末状豆類たん白素材5~25質量%を含む原料を混合し、生地を調製する工程。
(B)(A)の生地を成型し、加熱する工程。
続きを表示(約 230 文字)
【請求項2】
粉末状豆類たん白素材が、粉末状大豆たん白素材および/または粉末状エンドウたん白素材である、請求項1に記載の、レバー様食品の製造方法。
【請求項3】
豆腐20~60質量%、豆乳クリーム5~50質量%、油脂5~40質量%、粉末状豆類たん白素材5~25質量%を含む、レバー様食品。
【請求項4】
粉末状豆類たん白素材が、粉末状大豆たん白素材および/または粉末状エンドウたん白素材である、請求項3に記載の、レバー様食品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバー様食品の製造方法に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)
【背景技術】
【0002】
あんこうの肝やタラ,フグの白子などは、その独特のなめらかな食感と風味から、天然の珍味食品として珍重される高級食材である。しかしながら、前記の魚類から得られるものであるため、供給量や供給時期に制限があり、比較的高価な食材として流通されている。また、高級品や希少価値の高い食品として知られているフォアグラは、ガチョウや鴨を強制給餌で肥育させており、動物愛護の観点から、フォアグラの生産を禁止する国が増加している。
上記のような環境問題への関心や食に対する意識の多様化、健康志向などを背景とし、植物性食品へのニーズが増加しており、植物由来原料を使用して動物性食品を代替した食品の開発が行われている。
レバー様食品の例として、特許文献1には、植物性タンパク質をトランスグルタミナーゼにより架橋反応させて得られるゲル中に油脂を完全に乳化しないように分散させ、生レバーやトロ刺身などの未加熱動物組織に独特の食感を有する未加熱動物組織様の食品が記載されている。
また、レバーに近い食感であるパテ様食品の例として、特許文献2には、特定の条件を満たすでん粉と、乳化原料を乳化して乳化物を得る工程などによるパテ様食品の製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-87316号公報
特開2022-152094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では酵素の架橋反応に掛かる時間や、製造設備や規模によっては生地を安定的に製造することが難しい場合があった。また、特許文献2は、特定の条件を満たすでん粉が必要であった。
本発明の目的は、なめらかで濃厚感のある食感を有する、レバー様食品を、簡易な製造方法により提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは特許文献の従来技術より簡便で、更に本物に近い食感の植物性を主体とした食品を目指し検討を行った結果、粉末状豆類たん白素材、豆腐、豆乳クリームおよび油脂の組み合わせを見出し、これら原料を混合して生地を調製することで、レバー様の、濃厚で滑らかな食感をもつ本発明を完成させた。
【0006】
即ち、本発明は
(1)以下の工程を含む、レバー様食品の製造方法。
(A)豆腐20~60質量%、豆乳クリーム5~50質量%、油脂5~40質量%、粉末状豆類たん白素材5~25質量%を含む原料を混合し、生地を調製する工程。
(B)(A)の生地を成型し、加熱する工程。
(2)粉末状豆類たん白素材が、粉末状大豆たん白素材および/または粉末状エンドウたん白素材である、(1)に記載の、レバー様食品の製造方法。
(3)豆腐20~60質量%、豆乳クリーム5~50質量%、油脂5~40質量%、粉末状豆類たん白素材5~25質量%を含む、レバー様食品。
(4)粉末状豆類たん白素材が、粉末状大豆たん白素材および/または粉末状エンドウたん白素材である、(3)に記載の、レバー様食品。
に関するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、なめらかで濃厚感のある食感を有するレバー様食品を、簡単な工程で安定的に製造・供給することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(粉末状豆類たん白素材)
本発明に用いる粉末状豆類たん白素材とは、豆類を原料とした蛋白質を主体とする食品素材であって粉末状のものである。豆類とは、小豆,緑豆,ササゲ,金時豆,花豆,インゲンマメ,バタービーン,ソラマメ,エンドウ,ヒヨコマメ,イナゴマメ,ナタマメ,ルパン豆,レンズマメ,大豆,落花生等が例示できる。好ましくは大豆またはエンドウであり、最も好ましくは大豆を原材料とする粉末状大豆たん白素材である。
典型的な例として大豆の場合の、粉末状大豆たん白素材を説明する。大豆原料として脱脂大豆フレークを用い、これを適量の水中に分散させて水抽出を行い、繊維質を主体とする不溶性画分いわゆるオカラを除去して、抽出大豆たん白(脱脂豆乳)を得る。
該抽出大豆たん白を塩酸等の酸によりpH4.5前後に調整し、蛋白質を等電点沈澱させて酸不溶性画分(カード)を回収し、これを再度適量の水に分散させてカードスラリーを得、水酸化ナトリウム等のアルカリにより中和することで中和スラリーである分離大豆たん白を得る。これらの抽出大豆たん白や分離大豆たん白の溶液を高温加熱処理装置によって加熱殺菌した後、該殺菌液をスプレードライヤー等により噴霧乾燥することによって、粉末状大豆たん白素材を得ることができる。
ただし、上記の製造法に限定されるものではなく、大豆蛋白質の純度が大豆原料から高められる方法であればよい。また脱脂大豆からエタノールや酸によりホエーを除去して得られる濃縮大豆たん白も粉末状大豆たん白素材に含まれる。これらのうち、分離大豆たん白は、蛋白質含量が通常固形分中90質量%程度と高い点において、抽出大豆たん白よりもよく利用されており、本発明への使用にも好ましい。
粉末状豆類たん白は所望の物性や風味色調に応じ適宜選択することができるが、固形分中の粗蛋白質含量は80質量%以上が好ましく、より好ましくは85質量%以上である。生地中配合量は5~25質量%、より好ましくは10~20質量%である。これより少ないと適度な食感が得られない場合がある。これより多いと硬すぎたり、弾力が強すぎたりする場合がある。
【0009】
(豆腐)
本発明の原料である豆腐は、豆乳に凝固剤を添加し蛋白質を凝固させて生成したものであれば、特に制限はない。木綿豆腐,絹ごし豆腐,ソフト豆腐,充てん豆腐など、通常の方法により製造したもの、市販されているもののいずれを使用しても構わない。上記したような原料豆腐としては、通常、水分量80~90質量%程度のものを使用することが好ましい。使用する豆腐のさらに好適な態様としては、絹ごし豆腐,ソフト豆腐,充填豆腐の様な、凝固後の圧搾を行わない製造方法による、なめらかな食感の豆腐が好ましい。
生地中配合量は20~60質量%、より好ましくは35~50質量%である。これより少ないと硬すぎたり、弾力が強すぎたりする場合がある。これより多いと適度な食感が得られない場合がある。
【0010】
(豆乳クリーム)
豆乳クリームは、豆乳よりも脂質含量の高いものを指し、好ましくは脂質含量が乾物中25質量%以上である。乾物中30質量%以上がより好ましく、35質量%以上が更に好ましく、40質量%以上が最も好ましい。また、上限は80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下が更に好ましい。「大豆乳化組成物」、「高脂肪豆乳」などと称されている場合がある。
一般に生クリームは牛乳から遠心分離機で分離して製造される。それと同様に豆乳クリームも例えば、丸大豆から得た豆乳を、必要により酵素分解、ミネラル添加等により処理し、さらに遠心分離することにより生成する低比重の油分に富むクリーム層を回収して得たものなどを使用することができるが、特にその製法は限定されるものではない。例えば、特開2012-16348号公報に記載される大豆乳化組成物の製造法や、特表2009-528847号公報、国際公開2002/26788号公報、特開2002-101820号公報、特開平11-56248号公報、特開2011-147394号公報などに記載の方法を用いることができる。別の態様として、大豆粉、濃縮大豆たん白、分離大豆たん白等を水に分散したものまたは豆乳に、油脂、必要により乳化剤を加えて大豆乳化組成物としたものも含まれる。
豆乳クリームの脂質含量(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう。)は下限が乾物中25質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、35質量%以上が更に好ましく、40質量%以上が最も好ましい。また、上限が80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下が更に好ましい。
また豆乳クリームの蛋白質含量は乾物中15質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、25質量%以上が更に好ましい。また、上限が40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましい。豆乳クリームの脂質/蛋白質含量比は乾物当たりの重量基準で1.0以上が好ましく、1.2以上がより好ましい。
なお、一般的な全脂豆乳では、日本食品標準成分表2015年度版(七訂)によれば、蛋白質含量は乾物中39.1質量%、脂質含量は乾物中21.7質量%であり、脂質/蛋白質含量比は0.55になる。
豆乳クリームのさらに好適な態様としては、よりコクを有し大豆由来の良好な風味を有する点から、大豆蛋白質のうち「脂質親和性蛋白質」が濃縮されていることが好ましい。かかる大豆蛋白質原料としては、例えば特開2012-16348号公報に記載の大豆乳化組成物を使用することができる。脂質親和性蛋白質が濃縮されているかどうかについての指標は該公報に記載のLCI値(Lipophilic Proteins Content Index)を求めることにより推定することができる。本発明では脂質親和性蛋白質が濃縮されている、LCI値が50%以上、好ましくは55%以上の豆乳クリームを使用することがさらに好ましい。LCI値が55%以上の市販の豆乳クリームとしては、例えば不二製油株式会社製の「濃久里夢」(こくりーむ)<登録商標>などを使用することができる。
豆乳クリームの生地中配合量は5~50質量%、より好ましくは10~40質量%である。これより少ないと硬すぎたり、弾力が強すぎたりする場合がある。これより多いと適度な食感が得られない場合がある。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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