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公開番号2025132180
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-10
出願番号2024029564
出願日2024-02-29
発明の名称油脂組成物
出願人不二製油株式会社
代理人
主分類A23D 9/00 20060101AFI20250903BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】チョコレート類におけるグレーニングを低減させる低トランス脂肪酸の油脂組成物を提供すること。
【解決手段】脂肪酸組成を調製して得られたランダムエステル交換油2種を含有する油脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記(A)~(B)を満たすランダムエステル交換油X、及び下記(a)~(c)を満たすランダムエステル交換油Yを含有する油脂組成物。
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数12~18の飽和脂肪酸の含有量が20質量%以上
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~18の飽和脂肪酸の合計量に対する、炭素数12~14の飽和脂肪酸の合計量の含有質量比が0.2以上1未満
(a)構成脂肪酸組成中、炭素数16~22の飽和脂肪酸の含有量が40質量%以上70質量%以下
(b)構成脂肪酸組成中、不飽和脂肪酸の含有量が30質量%以上60質量%以下
(c)構成脂肪酸組成中、炭素数6~14の飽和脂肪酸の含有量が3質量%以下
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
前記ランダムエステル交換油Xが下記(C)を満たす、請求項1に記載の油脂組成物。
(C)構成脂肪酸組成中、不飽和脂肪酸の含有量が50質量%以上80質量%以下
【請求項3】
前記ランダムエステル交換油Xが下記(D)を満たす、請求項1に記載の油脂組成物。
(D)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が5質量%以上30質量%以下
【請求項4】
前記ランダムエステル交換油Xが下記(D)を満たす、請求項2に記載の油脂組成物。
(D)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が5質量%以上30質量%以下
【請求項5】
前記ランダムエステル交換油Yが下記(d)を満たす、請求項1に記載の油脂組成物。
(d)構成脂肪酸組成中、ステアリン酸に対するパルミチン酸の含有質量比が2以上11以下
【請求項6】
前記ランダムエステル交換油Yが下記(d)を満たす、請求項2~請求項4のいずれか1項に記載の油脂組成物。
(d)構成脂肪酸組成中、ステアリン酸に対するパルミチン酸の含有質量比が2以上11以下
【請求項7】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の油脂組成物を含む、チョコレート類。
【請求項8】
請求項6に記載の油脂組成物を含む、チョコレート類。
【請求項9】
チョコレート類中の油脂分が20質量%以上70質量%以下、チョコレート類中の油脂分中にカカオバターを3質量%以上40質量%以下、及び、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の油脂組成物を5質量%以上97質量%以下含有する、チョコレート類。
【請求項10】
チョコレート類中の油脂分が20質量%以上70質量%以下、チョコレート類中の油脂分中にカカオバターを3質量%以上40質量%以下、及び、請求項6に記載の油脂組成物を5質量%以上97質量%以下含有する、チョコレート類。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、チョコレート類に使用される油脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
チョコレート類は、チョコレート類単独で使用される他に、菓子類・パン類と組み合わせて使用される食品も多く、多種多様な形態の食品に利用されている。かかる利用形態に応じて、チョコレート類に求められる機能も様々である。
【0003】
様々な種類のチョコレート類の中で、滑らかで軟らかい食感のソフトチョコレート類が存在する。従来、かかるソフトチョコレート類には、大豆油や菜種油などの液状油、及びかかる液状油を原材料として水素添加して得られる、上昇融点10℃~20℃程度の微水添硬化油が広く利用されてきた。微水添硬化油は、カカオバターとの相溶性や、チョコレートに配合した際の結晶性状にも優れ、ブルーム耐性が良好で、ソフトチョコレート類に適した機能を有していたが、トランス脂肪酸が健康に及ぼすリスクが報告された状況から、構成脂肪酸組成中のトランス脂肪酸含有量を低減した、低トランス脂肪酸の油脂が望まれるようになった。
【0004】
低トランス脂肪酸の油脂が望まれる状況で、既存の低融点油脂に、シード剤や乳化剤を配合する方法が開示されている(特許文献1、特許文献2)。しかしながら、いずれも油脂を改良するものではなく、添加物を加えてチョコレートに配合した際の結晶性状を改良するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-153438号公報
国際公開第2019/194081号
特開2018-171001号公報
特開2018-171002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献3、特許文献4には、エステル交換により結晶性状を改善した、低トランス脂肪酸の油脂が開示されている。口中でカカオバターに類似したシャープな融解性状を有しているが、ソフトチョコレート類に使用するには、開示された油脂単独では若干硬い油脂であった。
【0007】
本発明者らは、低トランス脂肪酸の油脂を使用した、チョコレート類に発生する課題を考察した。カカオバターよりも低融点の油脂を配合すると、カカオバターなど比較的融点の高い油脂が結晶化し、ざらざらとした(grainy)粒状の油脂結晶や、粗い組織でボロボロとした(crumbly)食感を呈するといった、グレーニングと呼ばれる現象を発生する場合がある。検討を進めていく中で、グレーニングは、ソフトチョコレート類で発生しやすいことがわかった。
かかる従来技術を認識した上で、本発明の目的は、チョコレート類におけるグレーニングを低減させる低トランス脂肪酸の油脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、
脂肪酸組成を調製して得られたランダムエステル交換油2種を含有する油脂組成物が、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
(1) 下記(A)~(B)を満たすランダムエステル交換油X、及び下記(a)~(c)を満たすランダムエステル交換油Yを含有する油脂組成物。
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数12~18の飽和脂肪酸の含有量が20質量%以上
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数12~18の飽和脂肪酸の合計量に対する、炭素数12~14の飽和脂肪酸の合計量の含有質量比が0.2以上1未満
(a)構成脂肪酸組成中、炭素数16~22の飽和脂肪酸の含有量が40質量%以上70質量%以下
(b)構成脂肪酸組成中、不飽和脂肪酸の含有量が30質量%以上60質量%以下
(c)構成脂肪酸組成中、炭素数6~14の飽和脂肪酸の含有量が3質量%以下
(2) 前記ランダムエステル交換油Xが下記(C)を満たす、(1)の油脂組成物。
(C)構成脂肪酸組成中、不飽和脂肪酸の含有量が50質量%以上80質量%以下
(3) 前記ランダムエステル交換油Xが下記(D)を満たす、(1)の油脂組成物。
(D)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が5質量%以上30質量%以下
(4) 前記ランダムエステル交換油Xが下記(D)を満たす、(2)の油脂組成物。
(D)構成脂肪酸組成中、炭素数12~14の飽和脂肪酸の含有量が5質量%以上30質量%以下
(5) 前記ランダムエステル交換油Yが下記(d)を満たす、(1)の油脂組成物。
(d)構成脂肪酸組成中、ステアリン酸に対するパルミチン酸の含有質量比が2以上11以下
(6) 前記ランダムエステル交換油Yが下記(d)を満たす、(2)~(4)のいずれかの油脂組成物。
(d)構成脂肪酸組成中、ステアリン酸に対するパルミチン酸の含有質量比が2以上11以下
(7) (1)~(5)のいずれかの油脂組成物を含む、チョコレート類。
(8) (6)の油脂組成物を含む、チョコレート類。
(9) チョコレート類中の油脂分が20質量%以上70質量%以下、チョコレート類中の油脂分中にカカオバターを3質量%以上40質量%以下、及び、(1)~(5)のいずれかの油脂組成物を5質量%以上97質量%以下含有する、チョコレート類。
(10) チョコレート類中の油脂分が20質量%以上70質量%以下、チョコレート類中の油脂分中にカカオバターを3質量%以上40質量%以下、及び、(6)の油脂組成物を5質量%~97質量%含有する、チョコレート類。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、チョコレート類において、グレーニングの発生を抑制する油脂組成物を提供することができる。
好ましい態様として、ブルーム耐性の良好な、滑らかな食感のチョコレート類が得られる油脂組成物を提供することができる。
より好ましい態様として、従来使用されている液状油よりも、グレーニングの発生を抑制可能な油脂組成物を提供することができる。
本発明の油脂組成物を使用することで、グレーニングの発生が抑制されたチョコレート類を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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