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公開番号2025143217
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-01
出願番号2025035723
出願日2025-03-06
発明の名称卵巣機能調節用組成物
出願人国立大学法人信州大学
代理人SK弁理士法人,個人,個人
主分類A61K 31/575 20060101AFI20250924BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】卵巣機能調節用組成物を提供する。
【解決手段】本発明者らは、胆汁酸物質が優れた卵胞発育促進作用、受精卵発生率向上作用、排卵促進作用、卵子のROS低下作用を有することを明らかにした。本発明の一態様によれば、胆汁酸物質を含む、卵巣機能調節用組成物が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
胆汁酸物質を含む、卵巣機能調節用組成物。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
受精卵発生率上昇用、排卵促進用、卵子の活性酸素種(ROS)低下用及び/又は卵胞発育促進用である、請求項1に記載の卵巣機能調節用組成物。
【請求項3】
不妊症の治療又は改善のために使用される、請求項1に記載の卵巣機能調節用組成物。
【請求項4】
前記胆汁酸物質は、コール酸、ケノデオキシコール酸、グリココール酸、グルコケノデオキシコール酸、タウロコール酸、タウロケノデオキシコール酸、α-ミュリコール酸、β-ミュリコール酸、ω-ミュリコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、ウルソコール酸、ウルソデオキシコール酸、タウロウルソデオキシコール酸、グリコウルソデオキシコール酸、イソコール酸、イソケノデオキシコール酸、イソデオキシコール酸、イソリトコール酸、12-エピデオキシコール酸、12-オキソケノデオキシコー、7-オキソデオキシコール酸、7-オキソリトコール酸、3-オキソコール酸、3-オキソケノデオキシコール酸、フェニルアラノコール酸、チロソコール酸、ロイコール酸である、請求項1~3のいずれかに記載の組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、卵巣機能調節組成物に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
一生涯で排卵される卵子の数は、全生殖細胞の0.1%未満である。卵巣内に存在する残りの99.9%以上の未発育卵胞を有効利用できれば、農学分野では家畜の増産や絶滅危惧種の保全に、医学分野では不妊治療に貢献できるため、古くから熱望されている技術である。
一方、FXRは、主に肝臓や腸で発現し、コレステロール・脂質・糖など、様々な栄養素の恒常性維持に機能している核内受容体である。2000年に作出された世界初のFXRノックアウトマウスは生殖機能に異常がなかったことから、FXRは生殖には関与しない因子と結論づけられた(非特許文献1)。しかしながら、我々はFXRが卵巣の卵胞細胞に存在し、性ホルモン合成に関与することを報告した(非特許文献2)。さらに、独自にFXRノックアウトマウスを作出した結果、卵胞発育と排卵卵子数が極めて有意に増加することを発見した。また、野生型マウスの卵胞体外培養系においては、培地へのFXRアゴニストであるGW4064の添加によって卵胞発育が有意に抑制され、FXRが卵胞発育に関与することを発見した。(非特許文献4)
また、漢方医学において古くから使用されている熊胆は、健胃効果や利胆作用など消化器系全般の薬として用いられるが、それ以外にも万能薬として様々な効能を持つと言われてきた。例えば、この熊胆の主成分であるウルソデオキシコール酸(UDCA)はFXRを部分的に不活性化させるパーシャルアゴニストとして知られており、胆石や肝臓病の治療薬として、また胃もたれや消化不良の治療薬として、既に一般的に使用されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Signal C.J. et al., Cell. 2000 Sep 15;102(6):731-44
Takae K et al., J Reprod Dev. 2019 Feb 8;65(1):47-55
渡邉浩一ら、代謝制御主要因子FXRの排卵抑制メカニズムの解明、第26回 日本生殖内分泌学会、2022年
富岡郁夫ら、FXR制御による卵胞発育促進、第41回 日本受精着床学会、2023年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまでに各種の知見が蓄積されているものの、従来の未発育卵胞の活用技術は十分ではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、FXRは生殖には関与しない因子とされていたところ、FXRリガンドの胆汁酸物質であるウルソデオキシコール酸添加下で卵巣ごと卵胞を体外培養することで優れた卵胞発育促進効果を見出した。また、不妊治療や畜産分野における未発育卵胞の活用では、母体の負担を軽減するために非侵襲的アプローチが望まれる。そこで、本発明者らは、さらに胆汁酸物質を生体に経口投与する実験を行った。その結果、胆汁酸物質が優れた受精卵発生率向上作用、排卵促進作用、卵子のROS低下作用を有することを明らかにして本発明は完成した。
【0006】
本発明の一態様によれば、胆汁酸物質を含む、卵巣機能調節用組成物が提供される。この組成物を用いれば、優れた卵巣機能調節作用を生じさせることができる。
【0007】
上記胆汁酸物質は、コール酸、ケノデオキシコール酸、グリココール酸、グルコケノデオキシコール酸、タウロコール酸、タウロケノデオキシコール酸、α-ミュリコール酸、β-ミュリコール酸、ω-ミュリコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、ウルソコール酸、ウルソデオキシコール酸、タウロウルソデオキシコール酸、グリコウルソデオキシコール酸、イソコール酸、イソケノデオキシコール酸、イソデオキシコール酸、イソリトコール酸、12-エピデオキシコール酸、12-オキソケノデオキシコー、7-オキソデオキシコール酸、7-オキソリトコール酸、3-オキソコール酸、3-オキソケノデオキシコール酸、フェニルアラノコール酸、チロソコール酸、ロイコール酸であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、実施例1の実験デザインを表した図である。
図2は、3週間の給餌期間中に測定したマウスの体重変化を示した線グラフである。
図3は、各群の代表的な発情周期を示したグラフである。
図4は、各群の過排卵卵子数の平均を示したグラフである。
図5は、各群の自然排卵卵子数の平均を示したグラフである。
図6は、各群の受精卵発生率を示したグラフである。
図7は、各群の過排卵卵子の活性酸素種を蛍光染色した画像、及び、その蛍光輝度の平均を示したグラフである。
図8は、実施例2の体外培養卵巣における、各群の原始卵胞数、1次卵胞数、2次卵胞数を示したグラフである。
図9は、体外成熟卵子の活性酸素種を蛍光染色した画像である。
図10は、図9の画像の蛍光輝度の平均を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、同様な内容については繰り返しの煩雑を避けるために、適宜説明を省略する。
【0010】
(1)組成物
本発明の一実施形態によれば、胆汁酸物質を含む卵巣機能調節用組成物が提供される。この組成物を用いれば、後述する実施例で実証されているように、優れた卵巣機能調節作用を生じさせることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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