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公開番号
2025156998
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-15
出願番号
2024059802
出願日
2024-04-02
発明の名称
イオン吸着剤造粒体及びイオン吸着剤造粒体の製造方法
出願人
国立大学法人信州大学
,
ヴェルヌクリスタル株式会社
,
テイボー株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
B01J
20/06 20060101AFI20251007BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】重金属イオンを除去すると共に安全性の高い被処理水を得ることができるイオン吸着剤造粒体及びイオン吸着剤造粒体の製造方法を提供する。
【解決手段】イオン吸着剤造粒体は、イオン交換能を具備し、層状結晶構造を有する粒子の複数で構成される結晶材料と、可食性ゲル化剤を含み、前記結晶材料の粒子同士を連結するバインダーと、を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
イオン交換能を具備し、層状結晶構造を有する粒子の複数で構成される結晶材料と、
可食性ゲル化剤を含み、前記結晶材料の粒子同士を連結するバインダーと、
を含む、イオン吸着剤造粒体。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記イオン吸着剤造粒体の全体質量を100質量%としたときの前記バインダーの含有量が、0.5質量%以上10質量%以下である、請求項1に記載のイオン吸着剤造粒体。
【請求項3】
前記イオン吸着剤造粒体のメディアン径D
50
が、10μm以上3000μm以下である、請求項1又は2に記載のイオン吸着剤造粒体。
【請求項4】
前記可食性ゲル化剤が、ゼラチンを含む、請求項1又は2に記載のイオン吸着剤造粒体。
【請求項5】
前記結晶材料が、Na
2
Ti
3
O
7
で表され、複数の板状結晶が積層された積層構造を有する粒子の複数で構成される層状結晶を含有する、請求項1又は2に記載のイオン吸着剤造粒体。
【請求項6】
前記結晶材料が、下記式(1)又は式(2)で表され、複数の板状結晶が積層された積層構造を有する粒子の複数で構成される層状複水酸化物結晶を含有する、請求項1又は2に記載のイオン吸着剤造粒体。
[Ni
2+
1-x1
Fe
3+
x1
(OH)
2
]・[(Cl
-
)
X1/2
] …(1)
[Mg
2+
1-x2
Fe
3+
x2
(OH)
2
]・[(Cl
-
)
X2/2
] …(2)
(ここで、0.25<x1≦0.9、0.25<x2≦0.9)
【請求項7】
前記式(1)式及び前記式(2)におけるxの範囲が、0.5≦x≦0.85である、請求項6に記載のイオン吸着剤造粒体。
【請求項8】
重金属イオンの除去率が98.5%以上である、請求項1又は2に記載のイオン吸着剤造粒体。
【請求項9】
イオン交換能を具備し、層状結晶構造を有する粒子の複数で構成される結晶材料を準備する工程と、
前記結晶材料と、可食性ゲル化剤と、水とを混合し、前記結晶材料の複数の粒子同士を結着させて造粒する工程と、
を含む、イオン吸着剤造粒体の製造方法。
【請求項10】
前記可食性ゲル化剤は、ゼラチンを含む、請求項8に記載のイオン吸着剤造粒体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン吸着剤造粒体及びイオン吸着剤造粒体の製造方法に関し、特に、層状複水酸化物結晶の造粒体を用いて液体中の重金属イオンを除去するイオン吸着剤造粒体及びイオン吸着剤造粒体に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
従来の重金属イオン処理方法として、吸着法、化学沈殿法、電気化学法、イオン交換法、等があげられる。このうち、吸着法は操作が簡単であり、重金属イオンを含む廃水を大規模に処理しやすいことから、広く用いられている。吸着剤の種類は、例えば、炭素類、合成高分子系、MOFs類、無機類、天然高分子系がある。
【0003】
吸着剤としては、例えば、水道水中に混入した重金属イオンの除去を目的として、フラックス法を用いて製造した層状結晶構造を有する結晶性無機物質を用いたろ過材料がある(特許文献1参照)。フラックス法は、原料となる物質とその溶媒(フラックス)を加熱し、冷却または溶媒を蒸発させることで物質を結晶化する技術である。ろ過材料となる結晶性無機物質は、重金属イオンとイオン交換されるカチオン成分が層状結晶構造の層間に含有されている。このため、層状構造が発達した結晶性無機材料は、重金属イオンに対して高い吸着性能を発揮し得る。
【0004】
また、層状複水酸化物(Layered Double Hydroxides:LDHs)は、アニオン交換性の無機イオン交換体であり、金属酸化物(ホスト層)と、アニオン種や水分子(ゲスト層)とが交互に積層した構造からなる層状無機化合物である。ゲスト層のアニオン種は、層状構造を維持したまま、溶液中のアニオン種と交換できるため、層間(二次元空間)を利用した高選択的イオン交換性を示すことが分かっている。
【0005】
従来、LDHsの選択的イオン交換性は多く議論されており、例えば、水溶液から硝酸イオン、リン及びヒ素を同時かつ選択的に吸着できる吸着剤として、Mg-Al系ハイドロタルサイトを有する吸着剤が考案されている(特許文献2参照)。また、次式で表されるMg-Fe系ハイドロタルサイトのリン酸、硝酸イオン除去能力が開示されている(非特許文献1)。
Mg
0.666
Fe(III)
0.162
Al
0.172
(OH)
2
(Cl)
0.140
・(CO
3
)・0.328H
2
O
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第5551483号公報
特開2009-178682号公報
【非特許文献】
【0007】
「Removal Characteristics of Phosphate and Nitrate Ions with an Mg-Fe-Al-Cl Form Hydrotalcite」 Tomoyuki Kuwabara、Hideo Kimura、Shunzi Sunayama、Ariumi Kawamoto、Hisamitsu Oshima and Toshio Sato;Journal of Society of Inorganic Materials,Japan 14,17-25(2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1では、結晶性無機材料をそのまま吸着剤として使用すると、吸着材が脱離して押し流されるなど取扱性が低く、本来の重金属イオン吸着能を十分に発揮することができない場合がある。また、上記特許文献2及び非特許文献1では、Mg-Al系層状腹水酸化物のリン吸着やMg-Fe系層状腹水酸化物のリン酸吸着について検討されているものの、重金属イオンを対象とする吸着特性は検討されていない。このような問題を解消するべく、上記の結晶性無機材料やLDHsを造粒する方法が考えられるが、造粒体を用いて廃水から重金属イオンを除去すると、重金属イオン除去後の被処理水にバインダー成分が含まれる可能性がある。よって造粒のために一般的なバインダー樹脂を用いると、重金属イオン除去後の被処理水に、樹脂成分が含まれることとなり、人体等への影響を考慮すると被処理水を飲料水等として使用することに懸念が生じる。
【0009】
本発明の目的は、重金属イオンを除去すると共に安全性の高い被処理水を得ることができるイオン吸着剤造粒体及びイオン吸着剤造粒体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、鋭意研究の結果、イオン交換能を具備し、層状結晶構造を有する粒子の複数で構成される結晶材料を、可食性ゲル化剤を含むバインダーで連結した造粒体を作製し、これをイオン吸着剤として用いると、廃水の液流れ等が生じる箇所に設置された場合であっても、造粒体から当該造粒体の一部或いは一次粒子が離脱するのを防止することができ、取扱性が向上することを見出した。また、造粒体を構成する各一次粒子の表面の一部が、可食性ゲル化剤に覆われずに適度に露出した状態を維持することができ、本来の重金属イオン吸着能を十分に発揮できることを見出した。また、結晶材料を連結するバインダーが可食性ゲル化剤を含んでいるので、重金属イオン除去後の被処理水に可食性ゲル化剤の成分が含まれたとしても被処理水を飲料水や上水として使用することができ、安全性が高い被処理水が得られることを見出した。特に、結晶材料として三チタン酸ナトリウム、可食性ゲル化剤としてゼラチンを用いることにより、ゲル状のゼラチンによって三チタン酸ナトリウムの粒子同士の結着性がより良好となり、重金属イオンのより優れた吸着能を実現できることを見出した。加えて、安価で入手容易な材料を用いて容易に製造することが可能となり、材料の入手や設備の設置が困難な地域であっても安全性が高い被処理水が容易に得られることを見出した。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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