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公開番号
2025133000
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-10
出願番号
2024170935
出願日
2024-09-30
発明の名称
水素生成活性光触媒及びその製造方法
出願人
住友金属鉱山株式会社
,
国立大学法人信州大学
代理人
個人
主分類
B01J
23/63 20060101AFI20250903BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】高い水素生成活性を示すAlドープLaTiO
2
N系光触媒及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】式:La
W
Ti
1-X
Al
X
O
Y
N
Z
で表される組成(但し、X、Y、Z及びWは、1.00≦W≦1.10,0.03≦X≦0.30,2.00≦Y≦2.55,及び0.55≦Z≦1.00を満足する。)を有し、且つペロブスカイト型酸窒化物を主成分とする主触媒粒子を含む、水素生成活性光触媒。
【選択図】図13
特許請求の範囲
【請求項1】
式:La
W
Ti
1-X
Al
X
O
Y
N
Z
で表される組成(但し、X、Y、Z及びWは、1.00≦W≦1.10,0.03≦X≦0.30,2.00≦Y≦2.55,及び0.55≦Z≦1.00を満足する。)を有し、且つペロブスカイト型酸窒化物を主成分とする主触媒粒子を含む、水素生成活性光触媒。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記ペロブスカイト型酸窒化物は、a軸の格子定数が5.5343Å以上5.5757Å以下,b軸の格子定数が5.5129Å以上5.6013Å以下,c軸の格子定数が7.7980Å以上7.8992Å以下である、請求項1に記載の水素生成活性光触媒。
【請求項3】
Cu Kαを線源とするX線回折(XRD)パターンにおいて、前記ペロブスカイト型酸窒化物に基づく(002)回折線のピーク半値幅(FWHM)が0.29°以下である、請求項1又は2に記載の水素生成活性光触媒。
【請求項4】
前記主触媒粒子の表面に担持された助触媒をさらに含む、請求項1又は2に記載の水素生成活性光触媒。
【請求項5】
ペロブスカイト型酸窒化物を主成分とする主触媒粒子を含む水素生成活性光触媒の製造方法であって、以下の工程;
La、Ti及びAlを含む前駆体原料を調製する工程、
500℃以上の温度を有する高温場に前記前駆体原料を導入して酸化物前駆体を作製する工程、及び
前記酸化物前駆体を窒化して窒化反応生成物を作製する工程を備え、
前記前駆体原料に含まれるLa、Ti及びAlは、TiとAlの合計量に対するLa量のモル比wが1.00≦w≦1.10を満足し、且つTiとAlの合計量に対するAl量のモル比xが0.03≦x≦0.30を満足する、方法。
【請求項6】
前記酸化物前駆体がペロブスカイト型酸化物を含み、前記ペロブスカイト型酸化物が窒化して形成されたペロブスカイト型酸窒化物を前記窒化反応生成物が含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ペロブスカイト型酸化物が窒化して前記ペロブスカイト型酸窒化物へ変化する際の体積変化率Vが1.82%以上2.45%以下である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
Cu Kαを線源とする前記酸化物前駆体のX線回折(XRD)パターンにおいて、ペロブスカイト型酸化物由来の回折線のピーク強度(I
A
)とペロブスカイトスラブ型酸化物由来の回折線のピーク強度(I
B
)の比(I
A
/I
B
)が1.47以上である、請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記窒化反応生成物を酸処理する工程をさらに備える、請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記主触媒粒子の表面に助触媒を担持する工程をさらに備える、請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素生成活性光触媒及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
地球温暖化や化石資源枯渇の問題から、光触媒を用いた水の分解反応に関する技術開発が注目を集めている。水の分解反応を利用することで、太陽光エネルギーを水素などの化学エネルギーに変換して有効活用できる。
【0003】
光触媒を用いた水の光分解では、微粒子状の半導体粒子を水中に分散させ、これに光照射することで水素と酸素が生成する。より詳細には、半導体粒子のバンドギャップ以上のエネルギーをもつ光を半導体粒子が吸収すると、価電子帯の電子が伝導帯に励起される。それに伴い、負の電荷をもつ自由電子が伝導帯に生じるとともに、正の電荷をもつ正孔が価電子帯に生成する。これらは半導体粒子表面に移動し、そこで正孔が水を酸化して酸素を発生させ、自由電子が水素イオンを還元して水素を発生させる。
【0004】
水分解反応を起こす上で、半導体粒子のバンドギャップ以上のエネルギーをもつ光を照射する必要がある。言い換えれば、半導体粒子は、そのバンドギャップよりも大きいエネルギーをもつ光しか吸収できない。一方で、太陽光を構成する紫外光、可視光、及び赤外光のそれぞれのエネルギー割合は、5%、54%及び41%である。よって、水分解用光触媒を実用化するためには、紫外光のみならず、可視光をも利用できる光触媒を用いることが望ましい。
【0005】
また、水を分解して水素を発生させるためには、光触媒材料の伝導帯下端の電位が水素生成電位よりも卑である必要がある。さらに水を分解して酸素を発生させるためには、価電子帯上端の電位が酸素生成電位よりも貴である必要がある。ここで、水素生成電位とは、水中のプロトンを還元して水素ガスを発生させる電位である。また、酸素発生電位とは、水を酸化して酸素を発生させる電位である。
【0006】
そのため、光触媒材料が光を吸収して水を分解し、それにより水素と酸素の両方を発生させるためには、光触媒材料のバンドギャップが光エネルギーよりも小さく、さらに伝導帯下端電位が水素発生電位よりも卑であり、且つ価電子上端電位が酸素発生電位よりも貴であることが必要である。
【0007】
ところで、近年、水分解光触媒として、酸窒化物が注目を集め、その中でもペロブスカイト型結晶構造を有するLaTiO
2
Nが有望視されている。例えば、下記特許文献1には、少なくとも1つの遷移金属を含むオキシナイトライドからなる光触媒が提案されている(特許文献1の請求項1)。また、適切な量の窒素原子と結合した金属及び金属化物は可視光で作動する光触媒になること、実施例においてLaTiO
2
Nを合成すること、合成したLaTiO
2
Nは400nm以上の波長を有する可視光でプロトンを水素に還元、及び水を酸素に酸化する能力を有することなどが開示されている(特許文献1の[0004]、[0022]~[0024](実施例6))。
【0008】
下記非特許文献1には、Pt/LaTiO
2
N粉末光触媒について、可視光照射による水分解のために、Pt助触媒上の吸着COプローブを用いて赤外分光法で可視光誘導変化を調べることが開示されている(第23902頁タイトル及びAbstract欄)。また、LaTiO
2
Nのバンドギャップは2.1eVであり、GaN:ZnOよりも広範囲の太陽エネルギーを利用できること、LaTiO
2
Nは水分解に好適なバンド位置を有することなどが開示されている(非特許文献1の第23902頁1.INTRODUCTION欄)。
【0009】
下記非特許文献2には、ペロブスカイトスラブ型酸化物のLa
2
Ti
2
O
7
からLaTiO
2
Nの反応では、アニオンの減少により1つのTi原子あたり、約14%の体積収縮が起こり、細孔が形成されることが開示されている。下記非特許文献3には、被処理物を大気炉中で徐々に加熱して徐冷する従来の固相法では、ペロブスカイトスラブ型酸化物のLa
2
Ti
2
O
7
が生成し、これを還元することでペロブスカイト型酸化物のLaTiO
3
が合成されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2002-66333号公報
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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