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公開番号
2025144958
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-03
出願番号
2024044902
出願日
2024-03-21
発明の名称
ナノカーボンの製造装置及び製造方法
出願人
太平洋マテリアル株式会社
代理人
弁理士法人アルガ特許事務所
主分類
C01B
32/154 20170101AFI20250926BHJP(無機化学)
要約
【課題】特殊な構造とせずとも、化学気相成長法により触媒層を表面に有する基板上に高収率でナノカーボンを成長させることができるナノカーボンの製造装置及び製造法を提供する。
【解決手段】反応炉の中で、炭化水素を含む原料ガスを、触媒層を表面に有する基板と接触させることによって、化学気相成長法により前記基板上にナノカーボンを生成させるナノカーボンの製造装置であって、上端側から前記原料ガスを供給し、下端側から化学気相成長法による反応後のガスを排出する反応炉と、反応炉内に設置された複数枚の前記基板と、該基板を設置する基板設置面と、前記原料ガスを供給する原料ガス供給部を有し、前記複数枚の基板が前記原料ガス供給部のガス噴射軸線を挟んで向かい合うように基板設置面に設置され、且つ、前記噴射軸線に対して10~85°の傾斜角で前記複数枚の基板が設置されることを特徴とするナノカーボンの製造装置。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
反応炉の中で、炭化水素を含む原料ガスを、触媒層を表面に有する基板と接触させることによって、化学気相成長法により前記基板上にナノカーボンを生成させるナノカーボンの製造装置であって、
上端側から前記原料ガスを供給し、下端側から化学気相成長法による反応後のガスを排出する反応炉と、反応炉内に設置された複数枚の前記基板と、該基板を設置する基板設置面と、前記原料ガスを供給する原料ガス供給部を有し、
前記複数枚の基板が前記原料ガス供給部のガス噴射軸線を挟んで向かい合うように基板設置面に設置され、且つ、前記噴射軸線に対して10~85°の傾斜角で前記複数枚の基板が設置されることを特徴とするナノカーボンの製造装置。
続きを表示(約 550 文字)
【請求項2】
前記基板が両面に触媒層を有することを特徴とする請求項1に記載のナノカーボンの製造装置。
【請求項3】
前記基板が、少なくとも鉄及びクロムを含む合金基板である請求項1又は2に記載のナノカーボンの製造装置。
【請求項4】
反応炉の中で、炭化水素を含む原料ガスを、触媒層を表面に有する基板と接触させることによって、化学気相成長法により前記基板上にナノカーボンを生成させるナノカーボンの製造方法であって、
前記基板と、該基板を設置する基板設置面と、前記原料ガスを供給する原料ガス供給部を有し、
前記原料ガス供給部の原料ガス噴射軸線に対して10~85°の傾斜角で、該原料ガス噴射軸線を挟んで向かい合うように基板設置面に設置された複数枚の前記基板に対して前記原料ガスが供給され、さらに前記原料ガスが前記基板上を滞留し、該基板上部を超えて対流することを特徴とするナノカーボンの製造方法。
【請求項5】
前記基板が両面に触媒層を有することを特徴とする請求項4に記載のナノカーボンの製造方法。
【請求項6】
前記基板が、少なくとも鉄及びクロムを含む合金基板である請求項4又は5に記載のナノカーボンの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノカーボンの製造装置及び製造方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(以下、CNTとも略される)は、構造強化材料、電気伝導体等の機能性炭素として注目されている。CNTの製造方法としては、従来より、アーク放電法、レーザーアブレーション法、化学気相合成法など様々な方法が研究提案されている。このうち、化学気相合成法は、反応炉の中で、炭化水素を含む原料ガスを、触媒層を表面に有する基板と接触させることによって、当該基板上にナノカーボンを成長させる方法である。
【0003】
この化学気相合成法によりナノカーボンを製造する装置又は製造法としては、
(1)反応炉内に軸方向に沿って装填され、基板の一半側外縁部と係合可能な機構を有し、複数の基板を軸方向に沿って並列するよう保持する基板ホルダーとを備え、基板ホルダーの係合機構が、複数の基板を反応炉内の原料ガスの流れ方向と垂直面に対して傾斜させるよう構成されている装置(特許文献1)、(2)ノズルの噴射口を触媒担持面に対向させ、当該噴射口から触媒担持面に向かって原料ガスを吹き付けることで、原料ガスが噴射口から触媒担持面に当たって反転した後、ノズルの周囲を触媒担持面とは反対方向へ流れていくような原料ガスの流れを形成し、この流れに沿わせて、カーボンナノチューブを触媒担持面から成長させる方法(特許文献2)、(3)原料ガス及び触媒活性物質を、成長して配向したカーボンナノチューブの集合体中を拡散させて触媒被覆形成面と接触させるようにした製造法(特許文献3)、(4)原料ガスと化学反応を起こすことで排気管内に付着する炭素固形物を低減する反応ガスを噴射する反応ガス噴射部を備えた装置(特許文献4)、(5)基材がコルゲート形状を有し、基材に対向する位置に複数配列した噴射口から、基材のコルゲート形状の溝の深さ方向に原料ガスを噴射する成長工程を含む製造方法(特許文献5)が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-145317号公報
特開2007-126318号公報
特開2013-47178号公報
特開2011-219316号公報
特開2013-173639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の装置では、基板は原料ガスの流れ方向と垂直面に対して傾斜させているが、複数の基板は軸方向に並列に並べられているため基板当たりのナノカーボンの収量が十分でない。特許文献2~4記載の装置では、原料ガスは基板に直交するように配置されているためナノカーボンの収量が十分でない。特許文献5記載の装置では、特殊なコルゲート状の基板を設置するためナノカーボンの成長が均一にならない。
従って、本発明の課題は、特殊な構造とせずとも、化学気相成長法により触媒層を表面に有する基板上に高収率でナノカーボンを成長させることができるナノカーボンの製造装置及び製造法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明者は、原料ガスの流れについて種々検討した結果、触媒を表面に有する複数の基板を、原料ガス供給部の原料ガス噴射軸線に対して10~85°の傾斜角で、原料ガス噴射軸線を挟んで向かい合うように基板設置面に設置し、当該複数枚の基板に対して原料ガスを上側から供給すれば、原料ガスが基板上を滞留し、基板上部を超えて対流させることができ、基板上に成長するナノカーボンの収量が飛躍的に向上することを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の[1]~[6]を提供するものである。
[1]反応炉の中で、炭化水素を含む原料ガスを、触媒層を表面に有する基板と接触させることによって、化学気相成長法により前記基板上にナノカーボンを生成させるナノカーボンの製造装置であって、
上端側から前記原料ガスを供給し、下端側から化学気相成長法による反応後のガスを排出する反応炉と、反応炉内に設置された複数枚の前記基板と、該基板を設置する基板設置面と、前記原料ガスを供給する原料ガス供給部を有し、
前記複数枚の基板が前記原料ガス供給部のガス噴射軸線を挟んで向かい合うように基板設置面に設置され、且つ、前記噴射軸線に対して10~85°の傾斜角で前記複数枚の基板が設置されることを特徴とするナノカーボンの製造装置。
[2]前記基板が両面に触媒層を有することを特徴とする[1]に記載のナノカーボンの製造装置。
[3]前記基板が、少なくとも鉄及びクロムを含む合金基板である[1]又は[2]に記載のナノカーボンの製造装置。
[4]反応炉の中で、炭化水素を含む原料ガスを、触媒層を表面に有する基板と接触させることによって、化学気相成長法により前記基板上にナノカーボンを生成させるナノカーボンの製造方法であって、
前記基板と、該基板を設置する基板設置面と、前記原料ガスを供給する原料ガス供給部を有し、
前記原料ガス供給部の原料ガス噴射軸線に対して10~85°の傾斜角で、該原料ガス噴射軸線を挟んで向かい合うように基板設置面に設置された複数枚の前記基板に対して前記原料ガスが供給され、さらに前記原料ガスが前記基板上を滞留し、該基板上部を超えて対流することを特徴とするナノカーボンの製造方法。
[5]前記基板が両面に触媒層を有することを特徴とする[4]に記載のナノカーボンの製造方法。
[6]前記基板が、少なくとも鉄及びクロムを含む合金基板である[4]又は[5]に記載のナノカーボンの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、原料ガス噴射軸線に対して10~85°の傾斜角で、原料ガス噴射軸線を挟んで向かい合うように基板設置面に設置された複数枚の基板に対して原料ガスが供給される結果、原料ガスが複数の基板上を滞留し、基板上部を超えて対流するため、複数の基板上で効率よくナノカーボンが成長し、ナノカーボンの収量が飛躍的に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
反応炉の模式図を示す。
基板設置面上への2枚の基板の設置例を示す模式見取り図である。
基板設置面上への2枚の基板の設置例を示す模式正面図(左)及び模式上部投影図(右)である。
基板設置面上への3枚の基板の設置例を示す模式見取り図である。
基板設置面上への3枚の基板の設置例を示す模式正面図(左)及び模式上部投影図(右)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一形態は、反応炉の中で、炭化水素を含む原料ガスを、触媒層を表面に有する基板と接触させることによって、化学気相成長法により前記基板上にナノカーボンを生成させるナノカーボンの製造装置である。
具体的には、上端側から前記原料ガスを供給し、下端側から化学気相成長法による反応後のガスを排出する反応炉と、反応炉内に設置された複数枚の前記基板と、該基板を設置する基板設置面と、前記原料ガスを供給する原料ガス供給部を有し、
前記複数枚の基板が前記原料ガス供給部のガス噴射軸線を挟んで向かい合うように基板設置面に設置され、且つ、前記噴射軸線に対して10~85°の傾斜角で前記複数枚の基板が設置されることを特徴とするナノカーボンの製造装置である。以下詳しく説明する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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