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公開番号2025145127
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-03
出願番号2024045153
出願日2024-03-21
発明の名称メタメリック印刷物及びメタメリックペアインキ
出願人独立行政法人 国立印刷局
代理人
主分類B41M 3/14 20060101AFI20250926BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】
印刷領域の彩度が高く、デザインの制約を受けにくくデザイン性が向上しており、光源が異なっても等色性が低下しにくく、観察者の色覚特性による見え方に差が生じにくいことからユニバーサルデザインとして使用可能であり、色相の再現が困難で偽造防止効果が向上しており、メタメリック効果が高く、印刷適性に優れたメタメリック印刷物及びメタメリックペアインキを提供する。
【解決手段】
特定の第1のインキから形成された第1の印刷領域と、特定の第2のインキから形成された第2の印刷領域を有するメタメリック印刷物であって、400nm以上600nm以下の波長領域において、第1の印刷領域と第2の印刷領域の色差ΔE*値が6.0以下であり、観察波長領域において、第1の印刷領域と第2の印刷領域の平均反射率の差が20%以上である印刷物である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
式(1);
TIFF
2025145127000008.tif
62
91
(式(1)中、Mは、Mg、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Mo、Ru、Pd、In、Sn、Sb、Bi、La、Ceのいずれかであり、R
11
~R
44
は、互いに同一であっても異なってもよい、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アルキニル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、アシル基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、スルホン酸基、ニトロ基であり、置換基を有していてもよく、2以上が結合して環を形成していてもよい。)
で表される化合物及び着色顔料を含有する第1のインキから形成された第1の印刷領域と、前記着色顔料と同じ又は異なる着色顔料を含有し、前記式(1)で表される化合物を含有しない第2のインキから形成された第2の印刷領域を有するメタメリック印刷物であって、
400nm以上600nm以下の波長領域において、前記第1の印刷領域と前記第2の印刷領域のCIE L





色空間での色差ΔE

値が6.0以下であり、
観察波長領域において、前記第1の印刷領域と前記第2の印刷領域の平均反射率の差が20%以上である、前記メタメリック印刷物。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
500nm以上600nm以下の波長領域において、前記第1の印刷領域と前記第2の印刷領域のピーク反射率が70%以上であり、
640nm以上700nm以下の波長領域において、前記第1の印刷領域と前記第2の印刷領域の平均反射率の差が20%以上である、請求項1に記載のメタメリック印刷物。
【請求項3】
前記式(1)中のMが、Sn又はAlである、請求項1又は2に記載のメタメリック印刷物。
【請求項4】
式(1);
TIFF
2025145127000009.tif
62
91
(式(1)中、Mは、Mg、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Mo、Ru、Pd、In、Sn、Sb、Bi、La、Ceのいずれかであり、R
11
~R
44
は、互いに同一であっても異なってもよい、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アルキニル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、アシル基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、スルホン酸基、ニトロ基であり、置換基を有していてもよく、2以上が結合して環を形成していてもよい。)
で表される化合物及び着色顔料を含有する第1のインキと、前記着色顔料と同じ又は異なる着色顔料を含有し前記式(1)で表される化合物を含有しない第2のインキを含むメタメリックペアインキであって、
400nm以上600nm以下の波長領域において、前記第1のインキにより形成された第1の印刷領域と前記第2のインキにより形成された第2の印刷領域のCIE L





色空間での色差ΔE

値が6.0以下であり、
観察波長領域において、前記第1の印刷領域と前記第2の印刷領域の平均反射率の差が20%以上である、前記メタメリックペアインキ。
【請求項5】
500nm以上600nm以下の波長領域において、前記第1の印刷領域と前記第2の印刷領域のピーク反射率が70%以上であり、
640nm以上700nm以下の波長領域において、前記第1の印刷領域と前記第2の印刷領域の平均反射率の差が20%以上である、請求項4に記載のメタメリックペアインキ。
【請求項6】
前記式(1)中のMが、Sn又はAlである、請求項4又は5に記載のメタメリックペアインキ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、メタメリック印刷物及びメタメリックペアインキに関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
異なる分光反射スペクトルを持つが、特定光源下において等色として観察されるメタメリズム現象を応用したメタメリック印刷物は、偽造防止印刷物等に利用されている。このうち、通常観察時に等色性が高いメタメリック印刷物は、目の感度が高く色覚特性の影響を受けやすい555nm前後の波長域の分光反射スペクトルを近似させ、目の感度が低く色覚への影響が小さい可視光の長波長端に反射率差を持たせる構成となっている。しかしながら、可視光の短波長端の場合は高い反射率を持つ色材がほとんどないため、光のコントラストが得られにくく不適であった。
【0003】
一般に、メタメリック印刷物は、メタメリックペアインキを用いることで作製される。しかしながら、メタメリックインキ(メタメリック印刷物)については、作製可能な色相に限界があり、くすんだ色相のものが多く、また、橙色、茶色、褐色及び紅色といった赤みの色相が多い。このため、デザインの制約が多くデザイン性に欠けるという問題点があった。
【0004】
また、これまでのメタメリックペアインキは、インキの構成成分に由来する問題を抱えている。例えば、メタメリックペアインキに用いることができる青色顔料の1つは、通常青色顔料にはない可視光領域の長波長側の反射率が高いことを特徴としているが、紫色顔料に近いスペクトルを示す赤みを帯びた色相であり、青緑色系色を作製する際に補色として作用し、くすんだ色相になってしまう。また、濃度が非常に低いため大量に配合する必要があり、さらに、無機顔料であることから、インキへの配合量が限られており、印刷適性が悪いインキでもある。
【0005】
特許文献1には、600nm後半の光を透過するコバルトグリーンによって得られる緑色インキと、600nm後半の光を吸収するフタロシアニンブルーとベンジジンイエローの混色で得られる緑色インキによって通常光源下では等色に見え、特定の発光特性を持つ照明下や特定波長を透過する光学フィルタ透過観察時に異なる色相になる偽造防止印刷物が開示されている。コバルト系青色及び緑色顔料が青色成分を持ちながらフタロシアニン系顔料に代表される一般的青色及び緑色顔料と分光反射スペクトルが大きく異なることを利用した印刷物である。
【0006】
特許文献1に記載の印刷物は、メタメリック効果を得る分光反射スペクトルの差が大きい波長域が600nm後半にある。この波長域の差が等色性に与える影響が小さいが、緑色のピーク波長が500nm台にあり、しかもコバルトグリーンによって得られる緑色と、青色と黄色の混色によって得られる緑色とでは反射スペクトルがずれているため、それにより等色性が損なわれることが示唆される。このため、特定条件でのみ観察される画像が、光源のスペクトルによっては白色光源下においても観察されてしまう可能性があるため、機能性を感知しにくい場合があり、改善が求められていた。
【0007】
また、コバルト系材料は、色の識別性が低い波長域に反射率差を与えられる点においては優れているが、無機顔料であるため彩度や着色力が低く、緑色や青色の色相である。このため、印刷物としては、青、緑色系統の濃度の低い色相か、600nm後半の光を透過する色材である赤色成分を加えても補色として作用するため、茶、褐色系統のくすんだ色相のものに限られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開昭54-159004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
メタメリック効果と等色性はトレードオフの関係にあるため、両立させることは困難である。偽造防止印刷物として充分なメタメリック効果を得るには、効果を観察する波長域のみに印刷物の分光反射スペクトルの差を大きくすることで色相差を大きくし、目の感度が高く色の識別性が高い可視光領域、特に標準分光視感効率のピーク波長である555nmを中心とした波長域における分光反射スペクトルを近似させることで、通常光源下で等色に観察されやすくすることが必要である。
【0010】
しかし、メタメリック効果観察波長のみに反射率差をつけることはできず、広範な波長域でスペクトルに差異が生じ、結果として等色が得られる条件が限られる。また、観察者の色覚特性が平均的な色覚特性を持つ標準観測者と大きく異なる場合、発光特性の異なる光源下と同様に等色性が損なわれる要因となることがある。この場合、白色光源下で異色に認識しているために効果観察条件下での印刷物の見え方に大きな差が得られず、メタメリック効果が認識できないため、ユニバーサルデザインの観点からしても好ましくない。
(【0011】以降は省略されています)

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