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公開番号2025147577
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-07
出願番号2024047895
出願日2024-03-25
発明の名称偏光膜、偏光板および光学積層体
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人籾井特許事務所
主分類G02B 5/30 20060101AFI20250930BHJP(光学)
要約【課題】非偏光部を有し、該非偏光部の形状維持性能に優れ、かつ、該非偏光部の復色が抑制された偏光膜を提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態による偏光膜は、二色性有機色素を含む樹脂フィルムから構成され、非偏光部を有する。1つの実施形態においては、偏光膜を65℃および90%RHの環境下で24時間静置する湿熱試験に供したとき、当該偏光膜は、湿熱試験前後の非偏光部の外周の変化率が3.0%以下である。別の実施形態においては、偏光膜を65℃および90%RHの環境下で24時間静置する湿熱試験に供したとき、当該偏光膜は、湿熱試験前後の非偏光部の面積の変化率が5.0%以下である。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
二色性有機色素を含む樹脂フィルムから構成され、非偏光部を有する偏光膜であって、
該偏光膜を65℃および90%RHの環境下で24時間静置する湿熱試験に供したとき、該湿熱試験前後の該非偏光部の外周の変化率が3.0%以下である、
偏光膜。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
二色性有機色素を含む樹脂フィルムから構成され、非偏光部を有する偏光膜であって、
該偏光膜を65℃および90%RHの環境下で24時間静置する湿熱試験に供したとき、該湿熱試験前後の該非偏光部の面積の変化率が5.0%以下である、
偏光膜。
【請求項3】
前記樹脂フィルムがポリビニルアルコール系樹脂を含み、
前記二色性有機色素が、下記式(1)で示されるアゾ系染料、該アゾ系染料の塩、該アゾ系染料のキレート、または、それらの混合物から選択される1つを含む、請求項1または2に記載の偏光膜:
TIFF
2025147577000009.tif
26
127
(式(1)において、XおよびZのそれぞれは下記(2)~(13)に示す原子団を表し;Yは下記(14)~(29)に示す原子団を表し;mは0~6の整数を表す)
JPEG
2025147577000010.jpg
53
153
(式(2)~(13)において、Aは、H、OH、OR

、SO

H、NH

、NR

、NO

、COOH、COOR、NHCOR、または、直鎖構造、分岐構造、環状構造、2重結合、または、3重結合を含んでもよい炭素数1から12の炭化水素基を表し;Rは、直鎖構造、分岐構造、環状構造、2重結合、または、3重結合を含んでもよい炭素数1~12の炭化水素基を表し;nは0~5の整数を表し;oは0~4の整数を表し;pは0~3の整数を表し;qは0~2の整数を表し;rは0または1を表す)
JPEG
2025147577000011.jpg
108
153
(式(14)~(29)において、Bは、H、OH、OR

、SO

H、NH

、NR

、NO

、COOH、COOR、NHCOR、または、分岐構造、環状構造、2重結合、または、3重結合を含んでもよい炭素数1から12の炭化水素基を表し;R、n、o、p、qおよびrは、上記式(2)~(13)と同様である)。
【請求項4】
前記非偏光部における二色性有機色素の含有割合が、該非偏光部を除く前記偏光膜における二色性有機色素の含有割合を100質量%としたときに、3.0質量%以下である、請求項1または2に記載の偏光膜。
【請求項5】
前記非偏光部のヘイズ値が5.0%以下である、請求項1または2に記載の偏光膜。
【請求項6】
前記偏光膜を65℃および90%RHの環境下で24時間静置する湿熱試験に供したとき、該湿熱試験前後の該非偏光部の単体透過率の変化量の絶対値が3.0以下である、請求項1または2に記載の偏光膜。
【請求項7】
前記非偏光部がレーザー脱色部である、請求項1または2に記載の偏光膜。
【請求項8】
請求項1または2に記載の偏光膜と、
該偏光膜の少なくとも一方に設けられた保護層と、
を備える、偏光板。
【請求項9】
前記偏光膜の両側に保護層が設けられている、請求項8に記載の偏光板。
【請求項10】
請求項1または2に記載の偏光膜と、
該偏光膜の一方の側に設けられた保護層と、
該偏光膜のもう一方の側に設けられた位相差フィルムと、
を備え、
該位相差フィルムの面内位相差Re(550)が100nm~180nmであり、
該偏光膜の吸収軸方向と該位相差フィルムの遅相軸方向とがなす角度が、40°~50°である、
光学積層体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光膜、偏光板および光学積層体に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置およびエレクトロルミネセンス(EL)表示装置(例えば、有機EL表示装置、無機EL表示装置)に代表される画像表示装置が急速に普及している。このような画像表示装置には、代表的には、ヨウ素を含む偏光膜が用いられている。また、画像表示装置の形状の多様化および高機能化に対応するために、部分的に偏光性能を有する偏光膜が求められている。そのような偏光膜の製造方法として、偏光膜の一部に少なくとも波長1500nm以下の波長の光を含むレーザー光を照射して脱色し、非偏光部を形成する技術が知られている(例えば、特許文献1)。あるいは、偏光膜の一部を塩基性物質と接触させて脱色し、非偏光部を形成する技術が知られている(例えば、特許文献2)。しかし、特許文献1に記載の方法により製造される偏光膜の非偏光部は、形状は維持され得るが、非偏光部(脱色部)が経時的に復色する場合がある。特許文献2に記載の方法により製造される偏光膜の非偏光部は、経時的な復色は抑制され得るが、形状維持性能が不十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-081482号公報
特表2015-525725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、非偏光部を有し、該非偏光部の形状維持性能に優れ、かつ、該非偏光部の復色が抑制された偏光膜を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]本発明の1つの実施形態による偏光膜は、二色性有機色素を含む樹脂フィルムから構成され、非偏光部を有し、該偏光膜を65℃および90%RHの環境下で24時間静置する湿熱試験に供したとき、該湿熱試験前後の該非偏光部の外周の変化率が3.0%以下である。
[2]本発明の別の実施形態による偏光膜は、二色性有機色素を含む樹脂フィルムから構成され、非偏光部を有し、該偏光膜を65℃および90%RHの環境下で24時間静置する湿熱試験に供したとき、該湿熱試験前後の該非偏光部の面積の変化率が5.0%以下である。
[3]上記[1]または[2]において、上記樹脂フィルムはポリビニルアルコール系樹脂を含み、上記二色性有機色素は、下記式(1)で示されるアゾ系染料、該アゾ系染料の塩、該アゾ系染料のキレート、または、それらの混合物から選択される1つを含む:
TIFF
2025147577000002.tif
26
127
(式(1)において、XおよびZのそれぞれは下記(2)~(13)に示す原子団を表し;Yは下記(14)~(29)に示す原子団を表し;mは0~6の整数を表す)
JPEG
2025147577000003.jpg
53
153
(式(2)~(13)において、Aは、H、OH、OR

、SO

H、NH

、NR

、NO

、COOH、COOR、NHCOR、または、直鎖構造、分岐構造、環状構造、2重結合、または、3重結合を含んでもよい炭素数1から12の炭化水素基を表し;Rは、直鎖構造、分岐構造、環状構造、2重結合、または、3重結合を含んでもよい炭素数1~12の炭化水素基を表し;nは0~5の整数を表し;oは0~4の整数を表し;pは0~3の整数を表し;qは0~2の整数を表し;rは0または1を表す)
JPEG
2025147577000004.jpg
108
153
(式(14)~(29)において、Bは、H、OH、OR

、SO

H、NH

、NR

、NO

、COOH、COOR、NHCOR、または、分岐構造、環状構造、2重結合、または、3重結合を含んでもよい炭素数1から12の炭化水素基を表し;R、n、o、p、qおよびrは、上記式(2)~(13)と同様である)。
[4]上記[1]から[3]のいずれかにおいて、上記偏光膜は、上記非偏光部における二色性有機色素の含有割合が、該非偏光部を除く該偏光膜における二色性有機色素の含有割合を100質量%としたときに、3.0質量%以下である。
[5]上記[1]から[4]のいずれかにおいて、上記非偏光部のヘイズ値は5.0%以下である。
[6]上記[1]から[5]のいずれかにおいて、上記偏光膜を65℃および90%RHの環境下で24時間静置する湿熱試験に供したとき、該湿熱試験前後の該非偏光部の単体透過率の変化量の絶対値は3.0以下である。
[7]上記[1]から[6]のいずれかにおいて、上記非偏光部はレーザー脱色部である。
[8]本発明の別の局面によれば、偏光板が提供される。該偏光板は、上記[1]から[7]のいずれかの偏光膜と、該偏光膜の少なくとも一方に設けられた保護層と、を備える。
[9]上記[8]において、上記偏光板は、上記偏光膜の両側に保護層が設けられている。
[10]本発明のさらに別の局面によれば、光学積層体が提供される。該光学積層体は、上記[1]から[7]のいずれかの偏光膜と、該偏光膜の一方の側に設けられた保護層と、該偏光膜のもう一方の側に設けられた位相差フィルムと、を備える。該位相差フィルムの面内位相差Re(550)は100nm~180nmであり、該偏光膜の吸収軸方向と該位相差フィルムの遅相軸方向とがなす角度は40°~50°である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、非偏光部を有し、該非偏光部の形状維持性能に優れ、かつ、該非偏光部の復色が抑制された偏光膜を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の実施形態による偏光膜を含む偏光板の概略断面図である。
図1の偏光板を含む光学積層体の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の代表的な実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。また、図面は、理解を容易にするために模式的に表されており、実際の長さ、幅、厚み、各層のこれらの比率等とは異なっている。
【0009】
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した面内位相差である。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re(λ)=(nx-ny)×dによって求められる。
(3)角度
本明細書において角度に言及するときは、当該角度は基準方向に対して時計回りおよび反時計回りの両方を包含する。したがって、例えば「45°」は±45°を意味する。
(4)実質的に平行または直交
「実質的に直交」および「略直交」という表現は、2つの方向のなす角度が90°±10°である場合を包含し、好ましくは90°±7°であり、さらに好ましくは90°±5°である。「実質的に平行」および「略平行」という表現は、2つの方向のなす角度が0°±10°である場合を包含し、好ましくは0°±7°であり、さらに好ましくは0°±5°である。さらに、本明細書において単に「直交」または「平行」というときは、実質的に直交または実質的に平行な状態を含み得るものとする。
【0010】
A.偏光膜の概要
図1は、本発明の実施形態による偏光膜を含む偏光板の概略断面図である。図示例の偏光膜11は、二色性有機色素を含む樹脂フィルムから構成されている。偏光膜11は、非偏光部15を有している。本発明の実施形態においては、非偏光部15は、湿熱試験後の形状維持性能に優れる。1つの実施形態においては、偏光膜を65℃および90%RHの環境下で24時間静置する湿熱試験に供したとき、湿熱試験前後の非偏光部の外周の変化率は3.0%以下である。外周の変化率は、好ましくは2.5%以下であり、より好ましくは1.5%以下であり、さらに好ましくは1.0%以下であり、特に好ましくは0.7%以下である。外周の変化率の下限は、理想的にはゼロであり、例えば0.1%であり得る。別の実施形態においては、偏光膜を65℃および90%RHの環境下で24時間静置する湿熱試験に供したとき、湿熱試験前後の非偏光部の面積の変化率は5.0%以下である。面積の変化率は、好ましくは3.0%以下であり、より好ましくは2.0%以下であり、さらに好ましくは1.0%以下であり、特に好ましくは0.5%以下である。面積の変化率の下限は、理想的にはゼロであり、例えば0.1%であり得る。本発明の実施形態によれば、このように、外周および面積のいずれの観点においても非偏光部の形状が良好に維持されるので、非常に商品価値の高い偏光膜を実現することができる。
外周および面積の変化率は、それぞれ下記の式で求められる。
外周変化率(%)=|(試験後外周長さ)-(試験前外周長さ)|/(試験前外周長さ)×100
面積変化率(%)=|(試験後面積)-(試験前面積)|/(試験前面積)×100
外周長さ(mm)および面積(mm

)はそれぞれ、非偏光部を撮像装置により撮像し、得られた画像を画像処理することにより求められる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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