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公開番号2025147803
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-07
出願番号2024048232
出願日2024-03-25
発明の名称オーステナイト系ステンレス鋼板
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人ブライタス
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250930BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】低光沢度と良好な耐食性とを有するオーステナイト系ステンレス鋼板を提供する。
【解決手段】母材部と前記母材部の表面に形成した不動態皮膜とを備え、所定の化学組成を有し、算術平均粗さRaが、0.30μm以上であり、最大山高さRpと最大谷深さRvの差が、0.30μm以上であり、最大山高さRpと最大谷深さRvの和が、1.00μm以上であり、平均結晶粒径が15μm以上であり、不動態皮膜のCr濃度Csと母材部のCr濃度Ccとの比Cs/Ccが0.7以上である、オーステナイト系ステンレス鋼板。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
母材部と前記母材部の表面に形成した不動態皮膜とを備え、
化学組成が、質量%で、
C:0.100%以下、
Si:0.10%以上2.00%以下、
Mn:0.1%以上1.5%以下、
P:0.050%以下、
S:0.0100%以下、
Ni:5.0%以上15.0%以下、
Cr:15.0%以上25.0%以下、
Мо:0.05%以上3.00%以下、
N:0.005%以上0.100%以下、
Cu:0.05%以上3.00%以下を含有し、
残部:Feおよび不純物であり、
算術平均粗さRaが、0.30μm以上であり、
最大山高さRpと最大谷深さRvの差が、0.30μm以上であり、
最大山高さRpと最大谷深さRvの和が、1.00μm以上であり、
平均結晶粒径が15μm以上であり、
前記不動態皮膜のCr濃度Csと前記母材部のCr濃度Ccとの比Cs/Ccが0.7以上である、オーステナイト系ステンレス鋼板。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、さらに、
Al:0.10%以下、
Ti:0.10%以下、
Nb:0.10%以下、
V:0.10%以下、
Sn:0.10%以下、
W:0.10%以下、
Co:0.10%以下、
Sb:0.10%以下、
B:0.005%以下、
Ca:0.01%以下、
Mg:0.01%以下、
Ga:0.01%以下、
Zr:0.05%以下、
Hf:0.05%以下、および
REM:0.05%以下、
からなる群から選択される一種以上を含有する、請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、オーステナイト系ステンレス鋼板に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
ステンレス鋼は、その高い耐食性、耐酸化性と意匠性から、例えば、建築用材や厨房用器具、一般家具家電用途、自動車排気系部品などに使用される。これらのうち、例えば屋根材、外壁材などの外装建材や意匠性が求められる内装建材などの一部用途では、防眩性が求められる場合があり、低光沢度のオーステナイト系ステンレス鋼板が要求される。
【0003】
例えば、特許文献1~3には、低光沢で、防眩性が良好なステンレス鋼が開示されている、特許文献1に開示されたステンレス鋼は、地鉄と酸化スケールとの界面の十点平均粗さRzが3~30μmであり、かつ地鉄表層がCr欠乏層であるオーステナイト系ステンレス鋼帯が開示されている。
【0004】
また、特許文献2にはRa1.8μm以上の粗さからなる表面起伏を有し、かつ最大Cr濃度が素地の平均Cr濃度+3σ1以上(σ1:素地のCr濃度の標準偏差)である不働態被膜を表面に有し、孔食部において、Cu濃化領域(Cu濃度が素地の平均Cu濃度+3σ2以上である領域;σ2:素地のCu濃度の標準偏差)の面積が0.1μm

以下であるオーステナイト系ステンレス鋼板が開示されている。
【0005】
特許文献3には、光輝焼鈍およびダルロールによる圧延により微細な凹凸表面を形成させることで、光沢を低減させたオーステナイト系ステンレス鋼板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2004-137538号公報
特開2008-274386号公報
特開平1-118301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、このような低光沢のオーステナイト系ステンレス鋼においても、耐食性は、重要な特性である。一方で、オーステナイト系ステンレス鋼を低光沢にしようとした場合に耐食性が低下する懸念がある。
【0008】
オーステナイト系ステンレス鋼板あるいは鋼帯の製造では、冷延板焼鈍工程において大気雰囲気にて高温にさらされることで表面にCr酸化物主体の酸化スケールが生成する。この酸化スケールは、焼鈍に続く酸洗工程において硝フッ酸溶液などの酸洗液中に浸漬、または電解することにより除去され、ステンレス母材表面とその上に形成される不働態皮膜からなる焼鈍酸洗板が得られる。
【0009】
一方、製造時にCr酸化物主体のスケールが生成する際、結晶構造に起因してCrの拡散速度が遅く、スケール直下の特に結晶粒界付近を主体にCr欠乏層が生じる。その後の硝フッ酸浸漬による酸洗においてCr欠乏層が優先的に溶解されて表面にミクログルーブと呼ばれる結晶粒界溶解痕が生成する。
【0010】
このようなミクログルーブが存在すると、光が表面で乱反射して白みがかった表面となり低光沢表面となる。より低光沢表面を造りこむ際にこのミクログルーブを深くしようとするとCr欠乏層のCr濃度をさらに低下させる必要があり、万が一このCr欠乏層が表面に残存してしまった場合には耐食性が著しく低下する。このように、オーステナイト系ステンレス鋼において、低光沢と優れた耐食性とを両立することは難しいという課題がある。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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