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公開番号2025147818
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-07
出願番号2024048254
出願日2024-03-25
発明の名称カバーガスの供給方法及びマグネシウム溶融装置
出願人大陽日酸株式会社
代理人弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類F27D 19/00 20060101AFI20250930BHJP(炉,キルン,窯;レトルト)
要約【課題】マグネシウム溶湯の燃焼を防止する目的で、安全でコストパフォーマンスに優れたフロロケトンを含むカバーガスを供給する方法を提供する。
【解決手段】炉内に保持されたマグネシウム若しくはマグネシウム合金の溶湯の表面を覆うカバーガスを前記炉内に供給する方法において、フロロケトン及び希釈ガスを含む前記カバーガスを前記炉内に供給しながら、前記炉内の酸素濃度が7%以下となるようにカバーガスの供給流量を調整する第1工程と、前記炉内の前記カバーガスが充満可能な空間容積を求める第2工程と、前記カバーガスの供給流量と前記空間容積とに基づき、前記カバーガス中のフロロケトン濃度を調整し、さらに前記カバーガスを前記炉内に供給する第3工程と、を備えるカバーガスの供給方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
炉内に保持されたマグネシウム若しくはマグネシウム合金の溶湯の表面を覆うカバーガスを前記炉内に供給する方法において、
フロロケトン及び希釈ガスを含む前記カバーガスを前記炉内に供給しながら、前記炉内の酸素濃度が7%以下となるようにカバーガスの供給流量を調整する第1工程と、
前記炉内の前記カバーガスが充満可能な空間容積を求める第2工程と、
前記カバーガスの供給流量と前記空間容積とに基づき、前記カバーガス中のフロロケトン濃度を調整し、さらに前記カバーガスを前記炉内に供給する第3工程と、
を備えるカバーガスの供給方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記第3工程において、次式に基づき、前記カバーガス中のフロロケトン濃度(y2)を調整する、請求項1記載のカバーガスの供給方法。
式1: 66234X―1980<Y<66234X+150
式2: Y=y1・y2
[式中、Xは前記空間容積(単位:m

)、y1は前記カバーガスの供給流量(単位:L/分)、y2は前記カバーガス中のフロロケトン濃度(単位:ppm)、Yはy1とy2の積を表す。]
【請求項3】
前記第3工程において、前記カバーガスの供給流量と、前記空間容積と、炉外の最小相対湿度と、に基づき、前記カバーガス中のフロロケトン濃度を調整する、請求項1に記載のカバーガスの供給方法。
【請求項4】
前記第3工程において、炉外の最小相対湿度が75%以上の場合、次式に基づき、前記カバーガス中のフロロケトン濃度(y2)を調整する、請求項3に記載のカバーガスの供給方法。
式3: 66234X-930<Y<66234X+920
式4: Y=y1・y2
[式中、Xは前記空間容積(単位:m

)、y1は前記カバーガスの供給流量(単位:L/分)、y2は前記カバーガス中のフロロケトン濃度(単位:ppm)、Yはy1とy2の積を表す。]
【請求項5】
前記炉が設置された地域の過去24時間以内の最小相対湿度に応じて、前記カバーガス中のフロロケトン濃度を調整する、請求項3に記載のカバーガスの供給方法。
【請求項6】
前記溶湯の体積の変化量に応じて、前記カバーガスの供給流量と前記カバーガス中のフロロケトン濃度を補正する、請求項1~5の何れか一項に記載のカバーガスの供給方法。
【請求項7】
マグネシウム若しくはマグネシウム合金を溶融して溶湯とする炉と、
前記炉内に保持された前記溶湯の表面を覆う目的で、フロロケトン及び希釈ガスを所定の割合で混合してなるカバーガスを調製し、これを前記炉内に供給するカバーガス供給部と、
前記カバーガス供給部から前記炉内に供給される前記カバーガスの供給流量を測定するカバーガス流量計と、
前記カバーガス供給部から前記炉内に供給される前記カバーガスの供給流量を調整する流量調整弁と、
前記炉内の酸素濃度を測定する酸素濃度計と、
前記炉内の前記溶湯の湯面位置を測定する湯面センサーと、
を備える、マグネシウム溶融装置であって、
前記カバーガス供給部で調製する前記カバーガス中のフロロケトン濃度、及び、前記流量調整弁で調整される前記カバーガスの供給流量のうち、少なくとも前者を請求項1に記載のカバーガスの供給方法に基づいて制御する制御部と、
を備える、マグネシウム溶融装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネシウム溶湯の酸化や燃焼を防止するカバーガスの供給方法、及びマグネシウム溶融装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
マグネシウム若しくはマグネシウム合金を鋳造するために溶融させる場合、溶融金属の酸化や蒸発を防止するため、溶融金属を覆うガス(カバーガス)が用いられる。
溶解炉内のマグネシウムの燃焼の有無を検知する目的で、溶解炉内のCO濃度を検出し、警報を発するもしくはカバーガスの流量を高める方法が開示されている(特許文献1)。
【0003】
カバーガスとしては、六フッ化硫黄と、不活性ガスなどのキャリアガスとの混合ガスが一般的に用いられているが、 六フッ化硫黄は地球温暖化係数が高い物質である。このため、カバーガスとして地球温暖化係数が六フッ化硫黄よりも低いフロロケトンと炭酸ガスからなるカバーガスが提案されている(特許文献2)。同文献では、溶解炉内の雰囲気中の水分濃度から、溶解炉外の大気中の水分量の値を用いて、溶解炉内の水分濃度を算出し、カバーガス中のフロロケトンの最適な濃度を決める方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-200001号公報
特開2008-116108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フロロケトンは六フッ化硫黄と比べて価格が高いため、カバーガス中のフロロケトン濃度を抑えて使用するケースが生じている。しかし、溶解炉内のマグネシウムの燃焼状況が変化して適切なフロロケトン濃度を維持することができないという課題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、マグネシウム溶湯の燃焼を防止する目的で、安全でコストパフォーマンスに優れたフロロケトンを含むカバーガスを供給する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1] 炉内に保持されたマグネシウム若しくはマグネシウム合金の溶湯の表面を覆うカバーガスを前記炉内に供給する方法において、
フロロケトン及び希釈ガスを含む前記カバーガスを前記炉内に供給しながら、前記炉内の酸素濃度が7%以下となるようにカバーガスの供給流量を調整する第1工程と、
前記炉内の前記カバーガスが充満可能な空間容積を求める第2工程と、
前記カバーガスの供給流量と前記空間容積とに基づき、前記カバーガス中のフロロケトン濃度を調整し、さらに前記カバーガスを前記炉内に供給する第3工程と、
を備えるカバーガスの供給方法。
[2] 前記第3工程において、次式に基づき、前記カバーガス中のフロロケトン濃度(y2)を調整する、[1]記載のカバーガスの供給方法。
式1: 66234X―1980<Y<66234X+150
式2: Y=y1・y2
[式中、Xは前記空間容積(単位:m

)、y1は前記カバーガスの供給流量(単位:L/分)、y2は前記カバーガス中のフロロケトン濃度(単位:ppm)、Yはy1とy2の積を表す。]
[3] 前記第3工程において、前記カバーガスの供給流量と、前記空間容積と、炉外の最小相対湿度と、に基づき、前記カバーガス中のフロロケトン濃度を調整する、[1]又は[2]に記載のカバーガスの供給方法。
[4] 前記第3工程において、炉外の最小相対湿度が75%以上の場合、次式に基づき、前記カバーガス中のフロロケトン濃度(y2)を調整する、[1]~[3]の何れかに記載のカバーガスの供給方法。
式3: 66234X-930<Y<66234X+920
式4: Y=y1・y2
[式中、Xは前記空間容積(単位:m

)、y1は前記カバーガスの供給流量(単位:L/分)、y2は前記カバーガス中のフロロケトン濃度(単位:ppm)、Yはy1とy2の積を表す。]
[5] 前記炉が設置された地域の過去24時間以内の最小相対湿度に応じて、前記カバーガス中のフロロケトン濃度を調整する、[3]又は[4]に記載のカバーガスの供給方法。
[6] 前記溶湯の体積の変化量に応じて、前記カバーガスの供給流量と前記カバーガス中のフロロケトン濃度を補正する、[1]~[5]の何れかに記載のカバーガスの供給方法。
[7] マグネシウム若しくはマグネシウム合金を溶融して溶湯とする炉と、前記炉内に保持された前記溶湯の表面を覆う目的で、フロロケトン及び希釈ガスを所定の割合で混合してなるカバーガスを調製し、これを前記炉内に供給するカバーガス供給部と、前記カバーガス供給部から前記炉内に供給される前記カバーガスの供給流量を測定するカバーガス流量計と、前記カバーガス供給部から前記炉内に供給される前記カバーガスの供給流量を調整する流量調整弁と、前記炉内の酸素濃度を測定する酸素濃度計と、前記炉内の前記溶湯の湯面位置を測定する湯面センサーと、を備える、マグネシウム溶融装置であって、前記カバーガス供給部で調製する前記カバーガス中のフロロケトン濃度、及び、前記流量調整弁で調整される前記カバーガスの供給流量のうち、少なくとも前者を[1]~[6]の何れかに記載のカバーガスの供給方法に基づいて制御する制御部と、を備える、マグネシウム溶融装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、マグネシウム溶湯の酸化や燃焼を防止する目的で、安全でコストパフォーマンスに優れたフロロケトンを含むカバーガスを供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明に係るカバーガスの供給方法の一例を実施可能なマグネシウム溶融装置の概略構成を示す側面図である。
図1のマグネシウム溶融装置の概略構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る装置の実施形態の一例について、図面を用いて説明する。図面は、説明の便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
(【0011】以降は省略されています)

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