TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025148770
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-08
出願番号
2024049058
出願日
2024-03-26
発明の名称
ホットメルト接着剤
出願人
日澱化學株式会社
代理人
主分類
C09J
103/02 20060101AFI20251001BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】環境問題や古紙再生に有利な生分解性と水溶性を有し、食品に接触する可能性のある用途にも制限なく使用でき、高湿度環境下での耐湿性に優れたホットメルト接着剤を提供する。
【解決手段】澱粉100質量部に対し、特定の澱粉可塑剤10~100質量部含有するホットメルト接着剤は、すべての材料が食品および/または食品添加物であり、生分解性と水溶性を有するにもかかわらず、熱感応性、接着性および高湿度環境下での耐湿性が良好である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
澱粉および可塑剤を含有するホットメルト接着剤であって下記(1)および(2)を満たすホットメルト接着剤。
(1) 前記可塑剤はソルビトール、エリスリトールおよびマンニトールから選択される少なくとも一種以上の可塑剤である。
(2) 前記可塑剤を前記澱粉100質量部に対して10質量部以上100質量部以下含有する。
続きを表示(約 340 文字)
【請求項2】
前記澱粉が酸処理澱粉、ヒドロキシプロピル化澱粉および酵素変性デキストリンから選択される少なくとも一種以上の澱粉を含有する請求項1に記載のホットメルト接着剤。
【請求項3】
前記可塑剤を前記澱粉100質量部に対して40質量部以上100質量部以下含有する請求項1に記載のホットメルト接着剤。
【請求項4】
前記可塑剤がエリスリトールおよびマンニトールから選択される少なくとも一種以上の可塑剤である請求項1に記載のホットメルト接着剤。
【請求項5】
さらに添加剤として硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸から選択される少なくとも一種以上の添加剤を含有する請求項1に記載のホットメルト接着剤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は澱粉を基材にした生分解性を有するホットメルト接着剤に関する。さらに詳しくは食品および/または食品添加物である澱粉と澱粉可塑剤や添加剤を主体とした、生分解性、水溶性を有し、さらに高湿度環境下における耐湿性を有するホットメルト接着剤に関する。この接着剤は接着力が大きくかつ水への溶解速度も大きいので、水による被着体の易剥離性が要求される用途に適しており、また、生分解性が高いので、環境的配慮が要求される用途に適している。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
ホットメルト接着剤は、室温で100%固形分の物質であり、揮発性溶剤を含有しないか又は必要としない。この接着剤は室温で固体物質であるが、加熱により溶融し液体又は液状となりこの形態で使用される。冷却すると、接着剤は再び固体となり、そしてその凝集力により接着力を得る。この点に関して、ホットメルト接着剤は、溶剤の蒸発又は除去により固体状態を経て接着する他のタイプの接着剤と異なる。
【0003】
一般に、ホットメルト接着剤は合成および天然樹脂およびワックス、特に石油由来ポリマー例えばポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル、スチレンブロックコポリマーおよびポリプロピレンが主成分である。ホットメルト接着剤は、水あるいは溶剤をベースとする接着剤系におけるような蒸発工程が不必要なためこれらの接着剤と比べて、接着工程においてコスト及び時間効率を高くすることができる。また、広範な被接着体に適用できること、接着速度が非常に速いこと、毒性や危険性がないことから、製本用、包装用、木工用、製靴用、織物接着用などの用途に盛んに使用されている。
【0004】
ホットメルト接着剤としては接着性、溶融性、耐熱性、耐寒性、柔軟性などの性能を満たすことが要求され、一般的にはエチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステルがベースポリマーとして用いられている。しかし、これらの合成樹脂は、生分解性を示さないので、廃棄されると分解されずゴミとして長期間残る。
【0005】
また、近年、環境問題として天然資源の保護が叫ばれ、古紙再生等のリサイクルが盛んに行われてきている。しかしながら、製本用ホットメルト接着剤のほとんどはエチレン-酢酸ビニル共重合体を主体とした水不溶性熱可塑性樹脂であるため、古紙再生工程において、紙の繊維部から脱離した接着剤が塊やフィルム状として残り、これが再生された紙の表面に付着して、斑点や凸凹の原因となり、インクの印刷性に悪影響を与える等の問題が生じる。従って、水溶性のホットメルト接着剤の開発が望まれている。
【0006】
上記の問題点を解決する生分解性を有する水溶性のホットメルト接着剤としては、特許文献1および特許文献2に記載されている、澱粉に尿素や多価アルコールを含侵・吸着させることによりホットメルト性を持たせたものが挙げられる。これらのものは上記の問題は解決されているものの、毒性は低いが食品に用いることの出来ない尿素などを用いているので食品包装等の食品に接触する可能性がある用途への適用に制限がある。また、吸湿性の高い可塑剤を使用しているため、高湿度環境下では接着剤の吸湿により接着界面の剥離が起こり、耐湿性を有しない。以上のように生分解性、水溶性、耐湿性を兼ね備え、かつ食品包装等の食品に接触する可能性がある用途への適用に制限がない接着剤は存在しない。
【0007】
これらの要求に従い、部分ケン化ポリビニルアルコールをホットメルト接着剤として使用する特許が多数公開されている。例えば、特許文献3には、ポリビニルアルコール系ホットメルト接着剤の製造方法が記載されている。すなわち、重合度200以下のポリ酢酸ビニルを炭素数1~4の脂肪族アルコールに溶解し、アルカリを加えてケン化度30~80モル%にケン化後、加熱して溶媒およびケン化副生物を除去するとともに部分ケン化ポリビニルアルコールの溶融物を得、得られた部分ケン化ポリビニルアルコールの溶融物を融剤と混合することが記載されている。しかしながら、ポリビルアルコールは分子構造的に水酸基の水素結合が強力であるため、溶融温度が高く、また分解点と融点が近いため溶融時に酸化分解が起こるなどの問題がある。この為、低重合度、部分ケン化ポリビニルアルコールに可塑剤、粘着付与剤を配合したホットメルト接着剤として使用されるケースがほとんどである。しかしこれらは、水分散性は良好であるが、水に容易に溶解しないので、古紙再生工程で分散した接着剤が再生紙に混入するという問題は解決されていない。
【0008】
一方、澱粉は多年にわたって水性系で接着剤として用いられてきたが、それらはホットメルト接着剤中の基材又は主機能接着剤材料として用いられなかった。これは主に澱粉が水又は溶剤の不存在下では通常、熱溶融しないため、澱粉を基材としたホットメルト組成物を調合することが困難であったためである。特許文献4では澱粉とポリビニルアルコール系樹脂を併用した水溶性ホットメルト接着剤が開示されているが、ポリビニルアルコールは石化由来の合成樹脂である点、澱粉単体の材料より生分解性が劣る点において環境的配慮の要求を十分に満たすことができなかった。
【0009】
置換度の高い澱粉エステルが熱可塑性を有することは公知であり、特許文献5には置換度0.3から3.0の置換度を有するデンプンエステルおよび選択された希釈剤を含んでなるホットメルト接着剤の製法が開示されており、ここでデンプンエステルは40重量%以上の湿分を有するウェットケークであるとされている。しかしながら、置換度の高い澱粉エステルはもはや水溶性を示さず、水溶性ホットメルト接着剤にはならない。またこの程度まで置換度を高くすればコスト的に非常に高いものとなり、実用的ではない。更に、置換度0.3から3.0の澱粉エステルは食品または食品添加物として取り扱うことができないため、食品の包装材に使用する接着剤など食品に接触する可能性のある用途への適用が制限される。
【0010】
特許文献6には少なくとも40重量%の少なくともデンプン系化合物と、水と比較した相対濃度が約30%以上である少なくともテクスチャー剤を含有することを特徴とする熱可融性接着剤組成物が開示されている。この熱可融性接着剤組成物は水溶性、生分解性を有し、デンプン系化合物とテクスチャー剤を選択することで食品に接触する可能性のある用途への適用が可能である。しかしながら、引用文献6に記載の発明は、生分解性と必要な接着性を満たす接着剤が抱えていた高温下での水の蒸発に起因する安定性の欠如という従来の課題を解決するものであって、高湿度環境下での耐湿性向上という課題に関しては開示がなく、課題解決の示唆もされていなかった。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
日本化薬株式会社
インク
21日前
ベック株式会社
水性被覆材
9日前
ベック株式会社
被膜形成方法
2か月前
ベック株式会社
被膜形成方法
10日前
日本化薬株式会社
インク組成物
21日前
株式会社日本触媒
インクセット
1か月前
日本化薬株式会社
前処理組成物
7日前
日本製紙株式会社
圧着紙
7日前
関西ペイント株式会社
塗料組成物
2か月前
メック株式会社
表面処理剤
2日前
株式会社KRI
潜熱蓄熱材組成物
7日前
日澱化學株式会社
ホットメルト接着剤
9日前
シヤチハタ株式会社
油性インキ組成物
2か月前
東ソー株式会社
土木用注入薬液組成物
22日前
大日精化工業株式会社
顔料分散液
1か月前
アイカ工業株式会社
ホットメルト組成物
10日前
アイカ工業株式会社
光硬化型圧着組成物
2か月前
東ソー株式会社
土質安定化注入薬液組成物
1か月前
デンカ株式会社
蛍光体
9日前
東ソー株式会社
土質安定化注入薬液組成物
1か月前
日本化薬株式会社
インク組成物及び捺染方法
7日前
リンテック株式会社
粘着シート
8日前
大日本印刷株式会社
積層シート
7日前
artience株式会社
水性フレキソインキ
8日前
ダイキン工業株式会社
撥剤
7日前
ダイキン工業株式会社
組成物
1か月前
住友理工株式会社
シール部材
8日前
東洋アルミニウム株式会社
複合顔料
21日前
日東電工株式会社
粘着シート
7日前
日東電工株式会社
粘着シート
7日前
三菱ケミカル株式会社
粘着剤組成物
10日前
ダイキン工業株式会社
組成物
1か月前
ユニチカ株式会社
易接着フィルム、および積層体
1か月前
ダイキン工業株式会社
耐油剤
2か月前
リンテック株式会社
化粧シート
7日前
三菱ケミカル株式会社
液晶組成物及び液晶調光素子
10日前
続きを見る
他の特許を見る