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公開番号2025148868
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-08
出願番号2024049203
出願日2024-03-26
発明の名称樹脂組成物及びこれを用いた射出成型体
出願人古河電気工業株式会社
代理人弁理士法人クオリオ,個人,個人,個人
主分類C08L 53/00 20060101AFI20251001BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】優れた繰り返し屈曲耐久性と耐候性とを発揮する射出成型体、及びこの射出成型体を形成できる樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ブロックポリプロピレン100質量部に対して、エチレン-プロピレンゴム6~10質量部と、ヒンダードアミン系光安定剤0.05~2.0質量部と、カーボンブラック1.5~3.0質量部とを含有する樹脂組成物、及びこれを用いた射出成型体を提供する。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
ブロックポリプロピレン100質量部に対して、エチレン-プロピレンゴム6~10質量部と、ヒンダードアミン系光安定剤0.05~2.0質量部と、カーボンブラック1.5~3.0質量部とを含有する、樹脂組成物。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
前記エチレン-プロピレンゴムが、エチレン成分の含有量が60%以上であるエチレン-プロピレンゴムを含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記カーボンブラックがファーネスブラックを含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記カーボンブラックが、比表面積(m

/g)に対するDBP吸収量(cm

/100g)の比[DBP吸収量(cm

/g)/比表面積(m

/g)]が0.018~0.040(cm

/m

)であるカーボンブラックを含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
メルトフローレート(測定温度230℃、荷重2.16kg)が3.0~5.0g/10minである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物で形成された射出成型体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物及びこれを用いた射出成型体に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
自動車、電気・電子機器等には種々の樹脂成型体が用いられている。例えば、自動車等の車両用樹脂成型体としては、バンパー、スキッドガーニッシュ、ダッシュボード、車体パネル、配線コネクタや電装部品を収容する配線ボックス等の樹脂成型体が挙げられる。また、光又はメタル通信用ケーブルの接続、分岐を行うためクロージャ(接続箱)と呼ばれる樹脂成型体も挙げられる。
樹脂成型体を形成する樹脂組成物として、既に種々の樹脂組成物が知られており、目的とする用途に適した特性を満たす樹脂組成物も開発されている。例えば、特許文献1には、自動車外装用樹脂組成物であって色彩安定性及び耐候性を有する樹脂組成物として、実施例において具体的な組成は開示されていないものの、請求項1には、ポリプロピレン、ゴム、タルク、着色剤、紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤を特定の含有率で含有する樹脂組成物が提案されている。また、特許文献2は、向上した剛性/衝撃バランスを有する動的加硫アロイ組成物(DVA)について、請求項1において、硬化エラストマーと、熱可塑性ポリオレフィン樹脂と、充填剤、添加剤及びその混合物からなる群から選択された固体粒状成分とを含有する動的加硫組成物を提案している。しかし、特許文献2は、エチレンプロピレンエラストマーとランダムポリプロピレン(PPRC)とガラス繊維とを含有する組成物を具体的に開示しているに過ぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2008-537568号公報
特開平3-54237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
樹脂成型体の中でも、配線ボックスやクロージャ等は、開閉可能なカバー部材やフラップ部材等を有するボックス状成型体、又は、開閉可能なカバー部材やフラップ部材等を有するカバー状成型体を備えた樹脂成型体として、形成される。このような成型体としては、本体とカバー部材やフラップ部材等の本体を覆う蓋体とを別体とするものもあるが、防水性等のための液密性、防汚性等のための気密性が求められる場合、本体と蓋体とを一体化したものが好適に用いられる。本体と蓋体とを一体化した一体成型体は、通常、本体と蓋体とを接続、連結する接続機構が設けられている。このような接続機構としては、蝶番等の種々の機構が知られているが、本体及び蓋体とを同じ樹脂組成物で一体的に形成した一体成型体がコスト、生産性等の点で有利である。この一体成型体に接続機構として設けられるヒンジ部は、開閉し易さの点で、通常、本体又は蓋体の厚さよりも薄く形成される。
このような一体成型体においては、実使用において、その内部機構を製造し、点検する際等に蓋体を開放する必要がある。しかし、薄肉状に形成されたヒンジ部(薄肉状ヒンジ部ともいう。)は、薄肉であるため、繰り返される蓋体の開閉により割れや亀裂等の損傷が発生しやすく、開閉耐久性(繰り返し屈曲耐久性)に劣る。しかも、屋外に設置される(架空設置)クロージャ等の樹脂成型体は紫外線に晒されるため、樹脂組成物、特に薄肉状ヒンジ部を形成する樹脂組成物は劣化しやすい。その結果、設置後(紫外線暴露後)、特に設置後に蓋体を開閉すると、薄肉状ヒンジ部に損傷が発生しやすく、耐候性に劣る。
しかし、特許文献1及び2では、上記観点からの検討はなされていない。
【0005】
本発明は、優れた繰り返し屈曲耐久性と耐候性とを発揮する射出成型体、及びこの射出成型体を形成できる樹脂組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、薄肉状ヒンジ部を有する樹脂成型体を形成する材料について鋭意検討したところ、樹脂成分として、ポリプロピレンの中でもブロックポリプロピレンを選定し、これを特定量のエチレン-プロピレンゴムと併用したうえで、更に、ヒンダードアミン系光安定剤とカーボンブラックとを特定の質量割合で組み合わせた組成とすることによって、成型体としたときに、薄肉状ヒンジ部の繰り返し屈曲耐久性を改善できるうえ、樹脂成型体だけでなく薄肉状ヒンジ部にも優れた耐候性を付与でき、紫外線の照射を受けた後であっても薄肉状ヒンジ部での開閉操作による損傷の発生を抑制できることを、見出した。本発明者らはこの知見に基づき更に研究を重ね、本発明をなすに至った。
【0007】
すなわち、本発明の課題は以下の手段によって達成された。
<1>ブロックポリプロピレン100質量部に対して、エチレン-プロピレンゴム6~10質量部と、ヒンダードアミン系光安定剤0.05~2.0質量部と、カーボンブラック1.5~3.0質量部とを含有する、樹脂組成物。
<2>前記エチレン-プロピレンゴムが、エチレン成分の含有量が60%以上であるエチレン-プロピレンゴムを含む、<1>に記載の樹脂組成物。
<3>前記カーボンブラックがファーネスブラックを含む、<1>又は<2>記載の樹脂組成物。
<4>前記カーボンブラックが、比表面積(m

/g)に対するDBP吸収量(cm

/100g)の比[DBP吸収量(cm

/g)/比表面積(m

/g)]が0.018~0.040(cm

/m

)であるカーボンブラックを含む、<1>~<3>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<5>メルトフローレート(測定温度230℃、荷重2.16kg)が3.0~5.0g/10minである、<1>~<4>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<6>上記<1>~<5>のいずれか1項に記載の樹脂組成物で形成された射出成型体。
【0008】
本発明及び本明細書において、物性等について、数値範囲を示して説明する場合、数値範囲の上限値及び下限値を別々に説明するときは、いずれかの上限値及び下限値を適宜に組み合わせて、特定の数値範囲とすることができる。一方、「~」を用いて表される数値範囲を複数設定して説明するときは、数値範囲を形成する上限値及び下限値は、特定の数値範囲として「~」の前後に記載された特定の組み合わせに限定されず、各数値範囲の上限値と下限値とを適宜に組み合わせた数値範囲とすることができる。なお、本発明及び本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、優れた繰り返し屈曲耐久性と耐候性とを発揮する射出成型体、特に薄肉状ヒンジ部を有する射出成型体、及びこのような優れた特性を発揮する射出成型体を形成できる樹脂組成物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は光又はメタル通信用ケーブルの配設に用いられるクロージャの一例として本体と端面板に分解した状態を示す概略分解正面図である。
図2は光又はメタル通信用ケーブルの配設に用いられるクロージャの一例を構成する半管状体の軸線に垂直な断面を示す概略分解断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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